触手研究所の記録簿 侵
企画作品

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触研侵/見つけた、綺麗な瞳

 マフィア関連の事件を追っているとき、息子がマフィアになっている事を知った。

 それも、息子が殺された状態でだ。

 その時現場にいたのはフルフェイスヘルメットを被った長身の男。ただ一人だった。

 それを見て、そいつが息子含む構成員全員を殺したのだと悟った。

 奴は俺を見ても、俺を殺すことはなく去っていった。

 すれ違う時にシールドから見えた、青い瞳。

 その時時見えた奴の青い瞳は、冷徹で残酷な色をしていた。

 

 それから俺は、奴の事件を追うようになった。

 復讐心、ただそれだった。

 奴の名前はメルア。マフィアだけを執拗に狙って殺しているようで、マフィアが事件を起こしているところに必ず現れ、殲滅しては帰る。

 その時に必ず動物のマスクを付けているのが特徴だった、俺が得た情報でも全部マスクを付けている。顔は分からなかったが、マスクをしているのなら、それはそれで見つけやすい。

 

 俺はあいつを、メルアを絶対に許さない。

 死なせたりなんかしない。どんな手を使ってでも、この世界からメルアという罪を消すつもりはない。

 

 そしてメルアに最も迫ったと思った時、俺は撃たれて死んだ。

 その時たまたま居合わせた触手が俺に寄生し、色々あって今は触手研究所にいる訳だが、俺はまだメルアを探している。

 あの時見たフルフェイスヘルメットを、俺は一瞬たりとも忘れたことはない。

 生きている間に得たメルアの情報と、ヘルメットのシールドから見えた青い瞳。それだけが頼りだった。

 必ず復讐する。俺の触手を寄生させてやる。

 

 それがまさか、ここにいるなんて。

 

 俺は奴を見つけるや否や、殴りかかって床に組み敷いていた。

 その衝撃で脱げたマスクから、奴の顔が顕になった。

 

 ……なんで、どうしてそんなに綺麗な瞳をしているんだ。

 あの時見た色と違うじゃないか。

 濁っていてくれ、汚い色をしていてくれ。愛する人のいる瞳をしていないでくれ。

 そんな瞳をしていては、復讐しようにもできないじゃないか。

 

 だが、罪を犯したのは事実だ。どんなに綺麗な瞳をしていても、事実は事実なんだ。

「…あんたが壊滅させた組織の中に、俺の息子がいた。悪い奴だった。悪いやつだったさ……でも、大切な息子だった。俺はあんたを許しちゃいない。」

 

 俺の息子を殺したのはこいつなんだ、だからせめて、俺の手で。俺の触手で。

 

「今ここで殺して、俺の触手を植え付けて生かしてやる。あんたという、メルアという罪を世間に忘れさせないためにも、俺が殺して、俺が生かす。絶対に死なせたりなんかしない」


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