・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・一品物は大量にご注文頂いても大丈夫です
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「やったぞ。」
偶然見つけたこの商品。エルフの食べられる商品の拡大に繋がる良いものだ。あとはこれをファルダニアちゃんに確かめてもらおう。
「慎重にな。本当に大丈夫かわからないから。」
それはタマゴ不使用マヨネーズ。コレを野菜用に作って置こう。
▽▽▽
「マヨネーズ?」
「そう。ファルダニアちゃん。食べられるか確かめて欲しいんだ。」
ファルダニアは嫌な顔をする。エルフに取ってこの店で食べられるマヨネーズといえば、獣の脂臭く、タマゴの風味がキツい調味料だった。
「大丈夫なのほんとに。あれ本当に獣臭いのに。」
「ああ。店で偶然見つけたんだけど。これが大丈夫ならエルフさんもマヨネーズ食べられて食の広がりが出ると思うんだ。」
「・・・・・・わかったわ。実験台になってあげる。」
「ありがとう!」
そうして出される小鉢に入ったマヨネーズ。ファルダニアは苦い顔をしながら顔の前に持って行き香りを嗅ぐ。
「・・・・・・?・・・・・・!」
ファルダニアが嗅いだのは、柔らかな油の香りとキツいと感じていたタマゴの風味が全く感じられなかったもの。思い切って指に付けて舐めてみる。すると濃厚な油の味と爽やかな酢の味。
「どう?ファルダニアちゃん。」
「食べられる・・・・・・」
「お?ほんと?」
「食べられるわコレ・・・・・・」
「良かった!!」
「毎度思うんだけどどうなってるのコレ。貴方の世界にもエルフが居るの?たまにエルフ用の様な食材持ってくるわよね?」
「いや俺たちの世界にエルフはいないよ。ただ人間でもエルフの様な食生活をしてる人がいて、その人達用の食材ってとこかな。」
「人間でエルフの食事はほんと狂ってるわ。なんでそんな方向に進んだのかしら。人間は肉も食べないと栄養が行き渡らないのよ。」
「いや意外と行けるもんですよ?」
ファルダニアはペロペロマヨネーズを舐めている。そこに店主はすかさず一品を出した。
「マヨネーズが食えるならこれですよ。」
「おお。」
店主が出したのはきゅうり、だいこん、にんじんのスティックとみそマヨネーズ。生キャベツと塩マヨネーズ。茹でブロッコリーと七味マヨネーズだった。
「すごいわね。これマヨネーズに更に味が付いてるのね。」
「そう!!これで野菜を食うとうんまいんだ!!」
「これいくら?」
「一皿銅貨2枚。」
「やっす。パンも買えないわよそれじゃ。」
「いいんだよこれで。米と味噌汁付けたら銅貨5枚だけども。」
「じゃあ銅貨5枚で野菜定食にしてちょうだい。」
「あいよぉ!!!」
ファルダニアに野菜定食をだすとパクパク食べ始めたので、それを少し見守ったあと厨房に入る。そして冷蔵庫を開けてこうごちた。
「一気に30個は買いすぎたな・・・・・・」
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
エルフでも食べられるマヨネーズは・・・・・・爆発的な人気だった。
「やばい。エルフさんだけの注文で無くなりそう。おデジ!!」
「・・・・・・はい。」
「ちょっとスーパー行ってあと10個買ってきて。急いで。変身するなよ。」
「わかってます・・・・・・いってきます・・・・・・」
「領収書忘れんなよー!あと間違えんなー!」
デジリスに追加で買いに行かせ、なんとか凌ごうとしたものの。舐め取る様に綺麗に食べるエルフ達はあっという間にマヨネーズを消費していく。異世界人の食に対する欲求を舐めていたわけではないが久しぶりの事で後手に回ってしまっていた。
「アルファロさんすんません。マヨネーズ無くなりました。今追加で買いに行かせてるんで。」
「いやいや。あたし達が遠慮無しに食い尽くしちまったみたいだね。悪いことしちまった。」
「いえいえ美味しく食べてくれたんならいですよ。」
「そうかい?じゃあ次はマヨネーズが届いたらネギ焼きの七味マヨネーズで人数分もらえるかい?」
「ああっす!!」
最近になってアルファロさんのとこのエルフさんだけではなく、別な里が二つほど来店してきている。魔法で改造した冷蔵庫が無かったらあっという間に食材も枯渇していた。
「ふぅ。アーロイちゃん、ミミちゃん少し一服してきな。水分補給忘れんなよ。」
「はーい!」
「はい!」
店内がエルフで埋まったので待ちが出ていそうだがしかたない。待って貰うしかない。そしてデジリスが息を切らして帰ってくる。
「ただいま・・・・・・もどりました・・・・・・」
「おかえり。間違ってないか?」
「はい・・・・・・タマゴ不使用・・・・・・いつものマヨネーズです・・・・・・あと・・・・・・・領収書・・・・・・」
「よっし!!おデジ。息整えたら野菜スティック作って。それとネギ刻んで。」
「はい・・・・・・」
調理を開始し、デジリスに包丁の作業を任せる。デジリスは元女中だけあって調理こそ不慣れなものの包丁捌きは見事なものであった。
「おデジ!!アレ!!刻んで!!」
「・・・・・・はい。」
「おデジ!!味噌汁アレ!!!」
「・・・・・・はい。」
「おデジ!!茄子のネギ味噌炒めのアレ!!!」
「・・・・・・はい。」
見事な連携で詰めていく店主とデジリスではあるが。エルフの集団は結構な大食いである場合が多く。今回も素晴らしく注文が多かった。
「よし!!出来た!!おデジ!!出してきて!!俺追加のネギ焼きと大根炒めと味噌こんにゃく焼く!!!」
「・・・・・・はい。」
エルフ達に出していき注文をどんどん受ける。今日の山場はここに出来ていた。
▽▽▽
「ふー。大丈夫かおデジ。」
「・・・・・・はい。大丈夫です。」
「おデジ少し休んできな。もうエルフさん5、6人しかいないから。休めるだろ。」
「はい・・・・・・・」
デジリスが奥に行くとアーロイとミミにカウンターの清掃を任せる。店主は青の弁当の用意を始めていく。
「店主、来たわ。」
「店主さ〜ん!こんばんは!」
「お〜!ファルダニアちゃん!アリスちゃん!いらっしゃい!!」
ファルダニアとアリスが来店し清掃の終わったカウンターに着く。そしてメニューを眺めている。
「今日は、にんにく野菜餃子定食にするわ。タレは七味マヨネーズで。」
「わたしも〜!」
「うっし!ちょっと待ってろ!今すぐ作るんで!!」
作り置きで冷凍して置いた餃子を焼き器に放り込み、間違わないようにマヨネーズを盛り、七味を掛ける。
「よし焼けた。確認!」
米とエルフ用味噌汁をよそってお盆に盛る。
「お待ちィィア!!にんにく野菜餃子定食です!!」
「きたきた!」
「うわぁ〜!餃子だいすき!」
パクパク食べ始めて。一息吐くもファルダニアは店主にこう問うのだった。
「しかしエルフマヨネーズは広まったわね。意外と人間が食べてるものに興味あるエルフ多いのかしら。」
「どうだろうな。ここでしか食えないから食ってる気がするけど。向こうじゃこのマヨネーズは逆立ちしても作れないし。」
「そうよね。まぁここで食べられるならいいのよ。ご飯おかわり。」
「はいよ!」
「ねぇ店主さん!」
「なんだいアリスちゃん。」
「このマヨネーズにね〜?ラー油!垂らして欲しいなぁ〜」
「ラー油マヨネーズって、アリなの?油に油よ?」
「あーラー油直接はあまり良くないかもしれない。ならこれがあるよ。」
店主はカウンター下の冷蔵庫を漁りひとつの小瓶を取り出す。
「店主それなに?」
「これは食べるラー油。ニンニクチップやごま、とうがらしチップ揚げたたまねぎが入ってるんだ。」
「へ〜」
「これかけると美味いぞ〜アリスちゃん。」
「かけて!かけて!」
「はいどばー」
「わぁ〜〜〜〜〜!!!」
「私も良い?」
「いいすよ〜」
食べるラー油をかけたマヨネーズに餃子を付けて二人が頬張る。すると満面の笑みで咀嚼するのだった。
「美味しい!!おもったよりサクサクしててマヨネーズと合う!!!これはいいわね〜」
「おいしい〜〜〜〜!!」
「いいでしょ?良かったら持ち帰る?」
「いいの?」
「おう!じゃあはい新品の小瓶。ゴミは返してな。」
「ありがとう。いくら?」
「そうだな〜銅貨2枚だな。」
「この量の調味料って考えると少し高いわね。まぁでも異世界のものだしね。」
「すまんね。」
「いえ。これでいいわ。お代はお会計と一緒でいい?」
「いいすよ。アーロイちゃんお会計に追加して。」
「はーい。」
「ふふ。アリス明日のオラニエ炒めはこれで作りましょう。」
「ほんと!?やっとあのオラニエ炒めから抜けられる・・・・・」
店主はこのマヨネーズ炒めは一過性のものだと思っていた。だがエルフの執念は恐ろしくしばらくずーっと要求され、スーパーからの購入では間に合わず、業者に問い合わせ特別に大量入荷させてもらうのだった。
ネタ募集します。皆さんこういう話が読みたいとかありましたら活動報告の方にコメントください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=341393&uid=107136