Fate/stay night [Alter Ego of Calamity] ――理外の双貌 作:りー037
【時刻:午前0:00】
【場所:冬木市 円蔵山・柳洞寺境内】
夜風が、完全に止んだ。
いや、柳洞寺の境内を覆う大気そのものが、二つの規格外の存在が放つ異常なプレッシャーによって、物理的に縫い留められたのだ。
冬木中の市民から強引に搾取し、神代の魔女の陣地(テリトリー)によって極限まで圧縮・精製された『生命力』の海。並の魔術師であれば、その場に立っているだけで肺の魔術回路が焼き切れ、鼻から血を吹き出して廃人となるであろう高密度の魔力溜まり。
その毒々しいまでに紫に輝く魔力の中心で、純白の和服を纏った呪いの王――両面宿儺は、ひどく楽しそうに嗤っていた。
「俺から目を逸らし、俺のマスターを狙って足を引っ張ろうとするとは。……合理的な判断だ。だが、俺の戦いに水を差したこと……その万死に値する罪、後悔させてやる」
宿儺の全身から、それまでとは比較にならないほどドス黒く、禍々しい漆黒の呪力が立ち昇る。
「……っ」
本堂の屋根の上に浮遊するキャスターは、その圧に思わず一歩後ずさった。神代を生き抜き、数多の英雄や魔術師を見てきた彼女の魂の芯が、警鐘を鳴らして凍りつく。「あれは、生物として同じ次元に置いてはいけないモノだ」と、本能が叫んでいた。
だが、宿儺はその殺意の刃を即座に振るうことはしなかった。
彼は合わせた両手をゆっくりと解く。
直後。
『ガコンッ』、と。
重い金属の歯車が噛み合うような、あるいは運命を測る天秤が傾いたような、不可解で不吉な音が境内に響き渡った。
「――? 何?」
キャスターは、警戒を露わにして頭上を見上げた。
そこには、神代の魔術で塗り潰された分厚い紫色の夜空が広がっているだけだ。星一つ見えない、彼女自身が作り上げた絶対の異界。
だが、その音源は空ではなかった。
宿儺の頭上――彼が受肉している少年の肉体、その「影」の底から這い上がってきたかのように。
月光を浴びて鈍く輝く、巨大な八本のスポークを持つ【法輪】が、静かに、しかし世界そのものの理に割り込むような絶対的な存在感を放って浮かび上がっていた。
魔術の礼装でもない。魔術基盤のいかなる属性にも属さない、純粋な『呪術』の概念が物理的に形を成したかのような、解析不能の謎の輪。
「……何よ、あの悪趣味な輪は」
キャスターは不快げに眉をひそめ、自身の魔術回路をフル回転させてその正体を看破しようとする。だが、神代の知識をもってしても、あの法輪が何のための物なのか、全く読み取ることができない。
「気にするな。ただの『時計』の針のようなものだ」
宿儺の四つの瞳が、三日月のように細められる。
「さあ、始めようか。――『適応』の時間だ」
宿儺が指を鳴らした瞬間、柳洞寺の石畳に落ちていた彼の影が、どす黒い泥のようにドロリと広がり、沸騰した。
ブクブクと泡立つ影の中から、二つの巨大な異形が産声を上げて飛び出す。
「グルルルルル……ッ!!」
一方は、漆黒の毛並みと大木のような四肢、そして鋼鉄を容易く噛み砕く鋭い牙を持つ巨大な狼――十種影法術『玉犬(渾)』
「ピィィィィィィィッ!!」
もう一方は、不気味な骨の面を被り、羽ばたくたびに両翼からパチパチと紫電を撒き散らす巨大な怪鳥――『鵺』。
「なっ……使い魔!? 」
後方で体勢を立て直していた遠坂凛が、驚愕に目を見開く。影から「引きずり出した」ような悍ましい使役術。
「凛、お前はそいつらと雑魚の相手でもしていろ。俺の視界に入って邪魔をするなよ」
宿儺は背中越しに冷たく言い放つ。
彼の言葉を絶対の命令として、玉犬(渾)と鵺は、地上を埋め尽くすように湧き出していた重装竜牙兵の軍勢と、空を覆うガーゴイルの群れへと猛然と突撃した。
ガァンッ!!
玉犬(渾)の爪が、キャスターの魔力で強化された分厚い鋼鉄の竜牙兵の装甲を、まるで濡れた紙のように易々と引き裂く。一振りで三体の骸骨が粉砕され、魔力の残滓となって霧散する。
上空では、鵺が縦横無尽に飛び回り、口と翼から高出力の雷撃を乱れ撃つ。紫電の網に捕らわれたガーゴイルたちは、為す術もなく黒焦げになり、雨のように石畳へと墜落していった。
「…… まったく、人使いが荒いわね! でも、これなら!」
凛は即座に状況を理解し、両手に魔力充填済みの宝石を構え直した。正面の脅威を式神たちが蹂躙してくれるのなら、彼女は後方の残敵掃討と、自身の防衛線の構築に専念できる。
ガンドの黒い魔力弾が連射され、竜牙兵の頭蓋を正確に撃ち抜いていく。
凛の安全は、これで確保された。
「……自身の使い魔をマスターの護衛に回して、私と一対一(サシ)でやり合うつもり? 随分と私を舐めてくれたものね!」
キャスターのプライドが激しく逆撫でされた。
彼女の敷いた陣地を、得体の知れない化け物が我が物顔で蹂躙している。その事実が、魔女の狂気をさらに研ぎ澄ませた。
キャスターが両腕を、タクトを振るう指揮者のように優雅に、そして残酷に振り下ろした。
『――Rain(降り注げ)――』
Aランクの高速神言。
瞬く間に、宿儺の上空数十メートルの空間に、五十を超える巨大な紫色の魔法陣が幾何学的な模様を描いて展開される。
そこから撃ち出されたのは、一撃一撃が戦車の主砲、あるいは小型ミサイルに匹敵するほどの質量と破壊力を持った高圧縮の魔力光弾。
ドロロロロロロロォォォンッ!!!
光弾の雨が、宿儺の頭上へと文字通り滝のように降り注ぐ。
「フン」
宿儺は、その場から一歩も動かなかった。
彼は自身の周囲に、目に見えないほど薄く、しかし極限まで密度を高めた『呪力の防御膜』を張り巡らせる。と同時に、両手の指先を細かく弾き、不可視の斬撃『解』を網の目のように上空へ向けて放った。
パキィィィンッ! ズドガァァァァンッ!!!
宿儺の放った見えない斬撃が、飛来する巨大な光弾を空中で次々と真っ二つに両断していく。両断された魔力の塊は行き場を失い、空中で誘爆して凄まじい閃光と爆風を撒き散らした。
斬り漏らした数発の光弾が宿儺の足元に着弾し、柳洞寺の分厚い石畳をクレーターのように抉り取るが、爆心に立つ宿儺の肉体には、傷一つついていない。
(……凄まじい身体強度と、魔力相殺の技術。だが、あれだけの質量を捌ききれるはずがないわ!)
キャスターは魔法陣の数をさらに倍に増やし、弾幕の密度を上げる。
「大仰な花火だが、俺を射抜くには鋭さが足りんな」
土煙と爆炎を突き破り、宿儺が跳躍した。
何もない虚空に見えない足場(面)を捉え、それを蹴り飛ばすことで重力を完全に無視した三次元的な機動を描く。宿儺は空中で姿勢を捻り、弾幕の隙間を縫うようにして、本堂の屋根にいるキャスターへと一気に肉薄した。
「遅い!」
宿儺の右手の二本指が揃えられ、キャスターの胴体を真っ二つに両断すべく、必殺の『解』が放たれる。
バーサーカーの鋼の肉体すら容易く削り取った、回避不能の空間斬撃。
だが。
「――無駄よ」
キャスターは冷笑を浮かべたまま、一歩も動かない。
ズバァァァァァァンッ!!
宿儺の放った見えない刃は、キャスターの眼前数十センチの空間に触れた瞬間、まるで水飴の中に叩き込まれたかのように『グニャリ』と軌道を捻じ曲げられた。
真っ直ぐに飛んでいたはずの斬撃のベクトルが強引に右斜め下へと逸らされ、キャスターの横の空間を通り過ぎ、背後にある本堂の巨大な大黒柱を斜めにスッパリと切り裂いた。
「……ほう」
宿儺は空中で体勢を立て直しながら、四つの瞳でキャスターの周囲の空間を鋭く観察した。
(俺の斬撃が触れる直前、座標そのものを歪ませてベクトルを逸らす。なるほど、この膨大な魔力溜まりの陣地だからこそ成せる、究極の防御機構というわけだ)
『ガコンッ』
法輪が回る。
宿儺は内心で、冷酷な計算式を組み上げていた。
力任せに、解の術式対象を世界へ設定すれば、あの空間の歪みごとキャスターを両断することは可能だろう。
だが、それは悪手だ。
この柳洞寺の地下には、キャスターが集めた冬木中の膨大な魔力が貯蔵されている。
ここでキャスターを力任せに惨殺すれば、術者を失った結界が崩壊し、貯蔵された魔力が制御を失って大暴走を引き起こす可能性がある。そうなれば、この円蔵山はおろか冬木一帯が焦土と化し、宿儺が楽しみにしているモノを味わう前に、舞台そのものが消し飛んでしまう。
だからこそ、宿儺はあえて法輪を展開したのだ。
キャスターの魔力波長、神言の構成式、空間歪曲のベクトル。そのすべてを自身の肉体で受け止め、肩代わりし影の奥底に情報を送信、『解析』を進める。
力で結界を壊すのではなく、キャスターの誇る「神代の魔術」の理、そのものを完全に否定・中和し、安全に魔力貯蔵庫を『削り取る』ために。
「どうしたの! 空間を曲げられて、自慢の刃も届かないかしら!」
キャスターは空間転移(テレポート)の術式を起動した。
柳洞寺の異界の内部において、彼女はノーモーションで自在に座標を移動できる。
シュンッ! とキャスターの姿がノイズのように消失し、宿儺の死角――真上の上空へと瞬時に現れた。
『――Aethon(灰燼と化せ)――!』
空間の移動と同時並行で紡がれていた神言。
宿儺の真上から、太陽の表面温度にも匹敵する極大の火炎魔術が放たれた。
ドワァァァァァァッ!!!
灼熱の業火が、空中にいる宿儺を丸ごと飲み込もうと巨大な火柱となって迫る。
「シッ!」
宿儺は空界踏破で斜め下へと急速落下しながら、両腕に莫大な呪力を纏わせ、迫り来る業火の壁を文字通り「両手で引き裂く」ようにして強行突破を試みた。
チリッ、ジュゥゥゥゥッ……!!
「……チッ」
完全に回避することは不可能だった。神代の炎の圧倒的な熱量は、宿儺の呪力防御を容易く貫通し、彼の両腕と背中の皮膚を真っ黒に炭化させた。肉が焼け焦げ、嫌な臭いが夜空に漂う。
「燃え尽きなさい、化け物!」
キャスターが勝利を確信して叫ぶ。
いかに強靭な肉体を持っていようと、あれほどの熱量をモロに浴びて無事でいられる生物など存在しない。
だが、火球を突き抜けて地上に着地した宿儺の表情には、一欠片の苦悶もなかった。
彼は、真っ黒に炭化した自身の両腕を、退屈そうに見下ろした。
シュゥゥゥゥゥゥ……!
直後、焼け焦げた肉から白い蒸気が立ち昇り、ドロドロに溶けていた皮膚が、細胞分裂を数万倍に加速させたかのように、一瞬にして元の白い健康な肌へと再生を果たした。
呪力によるマイナスエネルギーの掛け合わせ――『反転術式』。
肉体の欠損すら瞬時に補う、極限の治癒能力。
「な、に……!?」
キャスターの瞳孔が、驚愕と恐怖に収縮した。
バーサーカーの「死からの蘇生」とは違う。生きながらにして、受けたダメージを即座に「無かったこと」にする、異次元の治癒力。こちらの攻撃は確かに届いているのに、全く削れている気がしない。底なしの沼に石を投げ込んでいるような、絶望的な徒労感。
「熱量は悪くない。肌を焼くには十分だ」
宿儺は新しい皮膚をピクピクと動かしながら、自身の頭上を見上げた。
「だが、術式の構成がひどく単調だな。魔力のゴリ押ししか脳がないのか、魔女」
『ガコンッ』
その時、宿儺の頭上で、巨大な法輪が重く、ゆっくりと一回転した。
(……先程からアレはなに!? 回復の合図? いや、違う……!)
キャスターの魔術師としての直感が、あの音の裏にある「致命的な何か」を激しく感じ取っていた。法輪が回るたび、目の前の呪いの王が、自身の魔術の『深淵(ソースコード)』を覗き込み、何かを理解していくような、悍ましい錯覚。
「……その悪趣味な輪っかごと、絶対零度に凍りつきなさいッ!!」
未知の恐怖を振り払うように、キャスターは両手を天に掲げ、空間転移を連続で使用し始めた。
シュンッ、シュンッ、シュンッ!!
残像すら残さない、全方位からの瞬間移動。そして、現れる度に異なる属性の神言魔術を乱れ撃つ。
『――Argos(凍てつけ)――!』
巨大な氷の槍が数百本生成され、宿儺の全方位から一斉に射出される。
さらに、キャスターは陣地の恩恵を使い、宿儺の周囲の「空間そのものの流動」をドロドロに鈍らせ、彼の空界踏破による機動力を強引に削ぎ落としにかかった。
「……ほう。空間の重圧で足止めか。少しは頭を使い始めたな」
宿儺は動きが鈍った空中で、迫り来る氷の雨を『解』の連撃と体術で迎撃する。
パキィィィンッ! という甲高い音が連続し、砕け散った氷の破片がダイヤモンドダストのように月明かりを乱反射する。
だが、回避と迎撃が追いつかない。
ズブッ、ドスッ!!
粉砕しきれなかった数本の太い氷柱が、宿儺の左肩と右太腿を容赦なく貫通した。鮮血が吹き出し、傷口から強烈な冷気が侵入して細胞を凍死させようとする。
「――捕まえた!」
キャスターは宿儺の足が止まった一瞬の隙を見逃さず、彼の頭上に最大出力の雷撃魔法陣を展開した。
「灰になりなさい!!」
「甘いな」
宿儺は自身の体に突き刺さった氷柱を、抜くどころか「そのまま」にして、強引に呪力で自身の肉体を爆発的に前進させた。
ブチブチッ! と自らの肉が裂け、氷が骨を削る音すら意に介さず、彼は空間の重圧を純粋な『力』で強行突破し、キャスターの眼前数十センチへと到達する。
「なっ……!?」
自身の肉体の損壊を全く躊躇わない、狂気に満ちた踏み込み。
「空間を歪める防御。……ならば、お前の『認識』の外から叩き込めばどうなる?」
『ガコンッ』
法輪が更に回る
宿儺の足元――キャスターが展開していた防壁の死角となる地面の影の中から、玉犬(渾)の鋭い爪が突如として強襲した。
凛の護衛をしていたはずの式神を、いつの間にか影伝いに自身の近くへと潜伏させていたのだ。
「しまっ――!」
キャスターは雷撃を放つのを諦め、咄嗟に空間歪曲の出力を下方に集中させて玉犬の爪を逸らす。
防御は間に合った。
だが、それは『宿儺の本体』への空間防御が、ほんの一瞬だけ薄くなることを意味していた。
「――もらったぞ」
宿儺の右足が跳ね上がった。
神速の回し蹴りが、空間歪曲の最も薄くなった一点を的確に貫き、キャスターの腹部に深くめり込む。
ドゴォォォォンッ!!
「が、はっ……!!」
キャスターの華奢な体が、くの字に折れ曲がる。
口から鮮血を吐き散らしながら、彼女は柳洞寺の本堂の分厚い外壁へと隕石のように激突した。
轟音と共に壁が粉砕され、盛大な土煙が舞い上がる。
「……ククッ。空間を曲げるのに必死で、自身の体の耐久力はお留守のようだな」
宿儺は空界踏破で虚空に立ち、自身の肩と太腿に刺さっていた氷柱を乱暴に引き抜きながら嗤った。
傷口からはボタボタと血が流れているが、それも数秒の内に反転術式によって塞がり始めている。
「……あ、あぁ……ッ!!」
瓦礫の中から、キャスターがフラフラと立ち上がった。
美しい紫色のローブは無残に破れ、口元から顎にかけては血に染まっている。無尽蔵の魔力があっても、肉体が受ける物理的なダメージまでは完全に相殺できない。
「許さない……許さないわよ、貴様ァァァッ!!」
キャスターの瞳に、魔女としての底知れぬ狂気と、愛する者との未来のための陣地を汚された怒りが爆発した。
ゴォォォォォォォッ!!
柳洞寺の山全体が、まるで一つの巨大な生き物のように脈打ち始めた。
冬木中から集められた莫大な魔力が、彼女の怒りと焦燥に呼応して、一箇所に収束していく。
大気が極限まで圧縮され、紫色の魔力のスパークが境内のあちこちに落ち始める。空中の使い魔たちすらも、主の魔力暴走に耐えきれずに次々と破裂していく。
「……来るか。魔女の渾身の足掻きが」
宿儺は逃げない。
むしろ、その莫大な魔力の大津波を真正面から迎え撃つために、両手をだらりと下げ、無防備とも言える姿勢で待ち構えた。
キャスターの魔術の威力、属性の変化、空間への干渉力、そして防御結界の波長。
幾度も被弾し、反転術式で治癒しながら、宿儺はそのすべての情報を影の中の魔虚羅へと送り続けてきた。
そして――。
『ガコンッ』
宿儺の頭上で、法輪がこれまでで最も重く、そして決定的な響きを立てて回った。
それは、一つの事象に対する解析の完了。神代の魔女の魔術、そのすべてに対する『完全適応』を告げる終焉の音だった。
「私のすべてをもって、貴様をこの山ごとすり潰すッ!!」
キャスターの背後に、柳洞寺の本堂をすっぽりと覆い尽くすほどの、巨大で複雑怪奇な多重魔法陣が展開される。夜空が完全に紫色に染まり、月明かりすらも飲み込まれた。
神代の魔術の最大火力が、今まさに宿儺を跡形もなく消し飛ばそうと解き放たれようとした、その瞬間。
「……遅かったな」
宿儺の口元が、三日月のように深く、悍ましく吊り上がった。
彼は無防備に下げていた両腕をゆっくりと持ち上げる。
右腕の内側に、左拳をトン、と押し当てる。
それは、呪いの王が影の底から『適応を終えた最強の式神』を引きずり出すための、絶望の印。
「布瑠部由良由良――」
神代の魔女の極大魔術が産声を上げる直前。
柳洞寺の夜空に、呪いの王の低く冷酷な祓詞が響き渡った。
互いの生存と意地を賭けた魔術戦は、魔術という概念そのものを破壊する異形の顕現という、引き返すことのできない最悪の臨界点へと到達した。
いくぞー 由良由良―