Fate/stay night [Alter Ego of Calamity] ――理外の双貌   作:りー037

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剣の丘と星の断層、堕ちる呪いの王

【時刻:午前9:20】

 

【場所:冬木市 円蔵山・柳洞寺 本堂前】

 

 

 

 大聖杯の未完成品が泥を噴き上げ、境内の下層が黒い海と化していく中。

 

 そこから数十段の石段を登った先にある柳洞寺の本堂前庭では、神話の時代から続く因縁の死闘が、火花と魔力の嵐を撒き散らしながら繰り広げられていた。

 

 

「シァァァァァァッ!!」

 

 

 

 風が爆ぜる。

 

 

 セイバーは、不可視の剣(インビジブル・エア)に纏わせた風の刃を解放しながら、黄金の王へと肉薄した。

 

 

 宿儺の治癒によって肉体の損傷は完治し、士郎からの魔力供給もパスを通じて安定している。彼女の踏み込みは、音速を超え、大地を砕き、一瞬にして数十メートルの距離をゼロにする神速の絶技であった。

 

 

 

 だが、その突撃の軌道を塞ぐように、虚空に無数の黄金の波紋が展開される。

 

 

 

 

「遅いぞ、騎士王! その程度の剣速で我に届くと思ったか!」

 

 

 

 ギルガメッシュの嘲笑と共に、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から宝具の雨が一斉に射出された。

 

 

 氷の冷気を放つ長剣が空気を凍りつかせ、雷の呪いが込められた戦槌が紫電を撒き散らす。さらには、軌道を捻じ曲げる魔槍や、触れたものの魔力を吸収する大鎌まで、古今東西のありとあらゆる「原典」が、セイバーの四肢を狙って殺到する。

 

 

「くッ……!」

 

 

 セイバーは直感スキルを最大限に駆動させ、飛来する宝具の雨を不可視の剣で弾き、叩き落とし、あるいは紙一重で躱していく。

 

 

 

 ガキィィィンッ! カァァァンッ!!

 

 

 

 弾かれた宝具が本堂の壁を貫き、石灯籠を粉砕する。

 

 それでも防ぎきれない宝具が、彼女の銀の甲冑を掠め、火花と鮮血を散らした。

 

 

「セイバー!!」

 

 

 

 後方で、士郎が叫ぶ。

 

 彼は自身の魔術回路を極限まで熱し、両手に青白いスパークを走らせていた。

 

 

 

「――『投影、開始(トレース・オン)』!!」

 

 

 士郎の手の中に、二振りの剣が顕現する。彼はそれを投擲し、セイバーの死角を狙って飛来していた宝具を空中で弾き飛ばした。

 

 

 

「ほう。偽造者の小僧、まだ生き長らえていたか。だが、偽物は所詮偽物。我が本物の輝き(オリジナル)の前に、いつまでその紛い物が保つかな?」

 

 

 

 ギルガメッシュは指を鳴らす。

 

 

 すると、士郎が投影した剣を破壊すべく、四本の巨大なハルバードが士郎めがけて射出された。

 

 

 

「シロウ!」

 

 

 セイバーが反転し、士郎を庇うようにしてハルバードを両断する。

 

 だが、それはギルガメッシュの誘い水だった。

 

 

「よそ見をしている余裕があるのか? 誇り高き王よ」

 

 

 ギルガメッシュの背後から、天の鎖(エルキドゥ)が毒蛇のように這い出し、セイバーの両足首に絡みついた。

 

 

「ぐッ……!」

 

 

 神性を縛る鎖。鎖は万力のように締め上げられ、彼女の機動力を完全に奪い去る。

 

 

「さて、終わりにしようか。貴様らの下らぬ理想ごっこに付き合うのも、少々飽きがきた」

 

 

 

 ギルガメッシュの表情から、一切の「遊び」が消え失せた。

 

 

 彼の右手の横に、これまでの黄金の波紋とは違う、禍々しく、そして絶対的な神気を持った赤い空間の歪みが展開される。

 

 

 そこからゆっくりと引き抜かれたのは、剣の形をした何か。

 

 

 三つの円柱状の刃が連なる、星の息吹を宿した鍵。

 

 

 

 乖離剣エア

 

 

 

「な……っ!」

 

 

 セイバーの顔が、絶望に青ざめる。

 

 十年前、冬木の海を割り、彼女の全てを無に帰した絶対の破壊の象徴。

 

 それが今、目の前で、再び彼女の夢を終わらせようとしている。

 

 

「目を凝らして見るがいい。これが、世界を切り裂く王の理だ!」

 

 

 ギルガメッシュが高々と乖離剣を掲げる。

 

 三つの円柱が、それぞれ逆方向に凄まじい轟音を立てて回転を始めた。

 

 赤い風が巻き起こり、大気が圧縮され、空間そのものが悲鳴を上げて断層を生み出していく。

 

 

 

「……セイバー!!」

 

 

 士郎は、自身の右手の甲に刻まれた赤い令呪を強く握りしめた。

 

 

 あの攻撃を防ぐ手段は、ただ一つしかない。

 

 彼女の手に握られた、世界最強の聖剣の光。だが、今の士郎の魔力供給量では、宝具の真名解放の燃費に耐えきれず、不発に終わる可能性が高い。

 

 

 ならば、令呪による絶対命令のバックアップで、強引に極大の魔力を引き出すしかない。

 

 

 

「令呪をもって命ずる――セイバー、宝具を撃てッ!!」

 

 

 士郎が令呪の一画を消費しようと叫んだ、まさにその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

「――待て。その宝具は、大聖杯を破壊するのに取っておけ」

 

 

 静かな、しかし有無を言わせぬ絶対的な重圧を持った声が、戦場に響き渡った。

 

 

「え……?」

 

 

 士郎とセイバーが弾かれたように振り返る。

 

 本堂への石段を登り切り、姿を現したのは遠坂凛と、両面宿儺であった。

 

 

 言峰と大聖杯との死闘を制してきたばかりの二人は、満身創痍というわけではなかった。むしろ、宿儺の全身からは、アンリマユの泥を喰らい尽くしたことによる、おぞましいまでに巨大で、底知れぬ漆黒の呪力が立ち昇っていた。

 

 

 それは、英霊の中でも最上位であるギルガメッシュの神気すらも呑み込みかねないほどの、絶対的な「悪意」の極致。

 

 

 

「宿儺……遠坂……!」

 

 

 

「……ほう。あの泥に飲まれて消えたかと思えば。貴様、その姿は……泥をその身に取り込んだというのか?」

 

 

 

 ギルガメッシュが、乖離剣の回転を維持したまま、わずかに眉をひそめた。

 

 

「泥ではなく、極上のデザートだ。……だが、俺の特等席の主(マスター)が死に掛けていては、食後の余韻も台無しになる」

 

 

 

 宿儺は、ゆっくりと一歩前へ出た。

 

 

 

 ギルガメッシュの手にある乖離剣が、極限までエネルギーを圧縮し、今まさに放たれようとしている。

 

 その絶望的な破壊の奔流を見上げながら、宿儺の口角は、三日月のように凶悪に吊り上がった。

 

 

 

「下がれ、凛」

 

 

 

 言葉は短かった。

 

 

 凛が「え?」と声を上げる間もなく、宿儺は大地を蹴り、ギルガメッシュが放とうとしている赤い断層の嵐の正面へと、単騎で跳躍したのだ。

 

 

 

「宿儺ッ!?」

 

 

 

 凛は叫んだ。

 

 

 

 だが、その背中を見た瞬間、凛の脳内に、言葉による説明の一切ない「直感」が走った。

 

 

 

 彼は、あの世界を破壊する一撃に、己の術式を正面からぶつけ合わせる気なのだ、と。

 

 

 そして、いくら泥を喰らって呪力が底上げされているとはいえ、神代の終焉を告げるあの剣を防ぎ切るには、彼単体の呪力だけでは足りないということも。

 

 

 

 

 言葉は必要なかった。

 

 

 意思の疎通すらも、超えていた。

 

 

 

 ただ、互いの魂がパスを通じて繋がっているが故の、絶対的な相互理解。

 

 

 

「……ッ!!」

 

 

 

 

 凛は、自身の右手の甲に刻まれた令呪――その二画目へと意識を集中させた。

 

 マスターとしての全魔力、そして令呪という奇跡の結晶を、すべて己のサーヴァントの刃へと注ぎ込む。

 

 

 

「令呪をもって命ずる――!」

 

 

 

 凛の声が、冬木の空に響き渡る。

 

 

 

 

「――宿儺!! あの宝具を防ぎなさいッ!!!」

 

 

 

 ピキィィィンッ!!

 

 

 

 赤い令呪の光が弾け、極大の魔力の奔流となって、空中の宿儺の霊基へと雪崩れ込んだ。

 

 

 泥を喰らった漆黒の呪力。

 

 

 そして、令呪という奇跡によるバックアップ。

 

 

 二つの異なる理のエネルギーが宿儺の体内で完璧に融合し、彼の術式出力を次元の壁を超えた領域へと引き上げる。

 

 

 

「ハハハハハッ!! 良いぞ、凛! 極上の魔力だ!!」

 

 

 

 

 

 宿儺は空中で狂喜の笑い声を上げながら、両手の手掌を、ギルガメッシュへと向けた。

 

「身の程を知れ、不浄なる呪いよ!! この一撃で、貴様という存在ごと、世界から消し去ってくれる!!」

 

 

 ギルガメッシュが、乖離剣を振り下ろす。

 

 

 

「――『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!!!!」

 

 

 

 

 ズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 空間が、すり潰された。

 

 赤い嵐。それはただの破壊のエネルギーではない。物理法則を崩壊させ、次元の壁を削り取り、万物を虚無へと還す『世界の断層』の津波であった。

 

 それが、本堂の屋根から、宿儺と凛たちがいる中庭に向かって、全てを飲み込むために解き放たれた。

 

 

 

 対する宿儺。

 

 

 

 彼は、迫り来る世界の崩壊を見据えながら、己の術式の解釈を、かつてない極致へと拡張させる。

 

 

 

 

「――『龍鱗』」

 

 

 

 

 四つの瞳が、赤黒い光を放つ。

 

 

 

 

 

「――『反発』」

 

 

 

 

 令呪の光が、その全身を覆う。

 

 

 

 

 

「――『番いの流星』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 詠唱完了

 

 

 

 対象は、眼前に迫る「乖離剣の生み出した赤い断層が内包される空間」そのもの。

 

 

 

 

 

 

「――『解』ッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 対界宝具と、対界宝具。

 

 

 世界をすり潰す剣と、世界を断ち切る斬撃が、空中で真っ向から激突した。

 

 

 

 

 

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 音が、消えた。

 

 

 光が、反転した。

 

 

 

 

 二つの究極の破壊エネルギーが衝突した空間の中心で、次元の壁が耐えきれずに黒い穴(ヴォイド)を生み出し、そこから雷鳴のような空間の悲鳴が鳴り響く。

 

 

 宿儺の放った『世界を断つ斬撃』は、令呪のバックアップを得たことで、乖離剣の生み出した赤い断層の渦を、キャンパスを切り裂くように真っ二つに割り裂いた。

 

 

 

「なにッ……!? 我が乖離剣が、断たれただと!?」

 

 

 

 ギルガメッシュの顔に、驚愕の色が走る。

 

 

 エヌマ・エリシュの絶対的な軌道がズレた。

 

 

 宿儺の斬撃によって中央から切り裂かれた赤い断層は、真っ二つに分かれ、本堂の左右の山林へと軌道を反らされたのだ。

 

 山肌が抉られ、空が裂け、柳洞寺の周囲の地形が一瞬にして消滅していく。

 

 

 

 

 だが。

 

 

 

 

(……足りんか)

 

 

 

 空中にいる宿儺の冷徹な脳髄が、残酷な事実を弾き出していた。

 

 乖離剣の直撃は避け、軌道を反らし、威力は半減させた。

 

 

 

 

 しかし、反らしきれなかった『余波』。

 

 

 

 切断された断層の狭間から漏れ出した赤いエネルギーの波が、地上にいる遠坂凛と、士郎、セイバーに向かって、隕石のような速度で降り注ごうとしていたのだ。

 

 

 直撃すれば、塵も残らない。

 

 

 

 

 マスターである凛が死ねば、現界のアンカーを失った自分も消滅する。

 

 だが、今の宿儺の脳裏にあったのは、そんな合理的な計算だけではなかった。

 

 

 

(……俺の特等席の主を、こんなところで散らせるわけにはいかんからな)

 

 

 

 宿儺は、自身の背後にいる凛を庇うように、空中で両腕を交差させた。

 

 泥の呪力を全開にし、肉体を幾重にも呪力強化でコーティングする。

 

 さらに、領域展延を最大出力で展開し、世界干渉の防壁を肉体そのものに纏わせた。

 

 

 

 

 直後。

 

 

 

 

 乖離剣の余波が、宿儺の肉体を直撃した。

 

 

 

 

 ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!

 

 

 

 

「ぐ、ァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

 

 

 

 

 呪いの王の、凄絶な咆哮が空気を震わせた。

 

 

 空間をすり潰す力が、宿儺の纏った領域展延を硝子細工のように粉々に砕き散らす。

 

 

 呪力で強化された防御膜が、一枚、また一枚と剥がれ落ちていく。

 

 

 反転術式を全開で回し、細胞が削り取られる端から再生を試みる。

 

 

 だが、神代の終焉を告げる破壊の力は、再生の速度を遥かに上回っていた。

 

 

 

 

 バリバリバリッ!!

 

 

 

 

 宿儺の交差した両腕が、根本から塵となって消滅する。

 

 純白の着物が焼け焦げ、灰色の皮膚が炭化し、強靭な骨が粉々に砕け散る。

 

 

 肉体へのダメージだけではない。サーヴァントとしての核――『霊核』そのものに、世界の断層の力が直接流れ込み、致命的な亀裂を走らせたのだ。

 

 

 

 

「宿儺ァァァァァァッ!!!」

 

 

 

 

 地上から、凛の悲痛な絶叫が響く。

 

 

 

「……ハッ……ハハハ……!!」

 

 

 

 両腕を失い、全身の皮膚を削ぎ落とされ、霊核が砕け散るその瞬間に至っても。

 

 呪いの王は、血に染まった四つの瞳を限界まで見開き、決して膝を折ることなく、その絶望的な破壊の嵐を、己の肉体という『壁』のみで完全に受け止め、そして、霧散させたのだ。

 

 

 

 

 シュゥゥゥゥゥ……ッ。

 

 

 

 

 赤い嵐が去り、冬木の空に静寂が戻った。

 

 ギルガメッシュの乖離剣による世界を裂く一撃は、宿儺という絶大な犠牲を払うことで、完全に防ぎ切られた。

 

 

 地上にいる凛、士郎、セイバーには、傷一つついていない。

 

 

 

 だが。

 

 

 

「……あ、あ……」

 

 

 

 凛は、上空から力なく墜落してくる、一つの影を見上げた。

 

 

 

 ドサッ、と。

 

 

 

 瓦礫の山の上に、両腕を失い、半身が焼け焦げた宿儺の肉体が崩れ落ちた。

 

 

 

「宿儺ッ! 宿儺!!」

 

 

 凛は弾かれたように駆け寄り、彼の血まみれの身体にすがりついた。

 

 

 即座に魔術回路を開き、治癒魔術を施そうとする。

 

 

 

 だが、彼女の手が触れた瞬間。

 

 宿儺の肉体の端から、淡い金色の魔力粒子が、蛍のように立ち昇り始めていることに気がついた。

 

 

「……嘘、でしょ……。そんな、反転術式は……!」

 

 

 

 凛の手が震える。

 

 

「……無駄だ、凛」

 

 

 宿儺の声は、ひどく掠れ、そして弱々しかった。

 

 反転術式は肉体を治すもの。だが、乖離剣の一撃は、彼のサーヴァントとしての魂の器たる『霊核』を完全に破壊していた。

 

 大聖杯の泥を取り込み、規格外に強化されていたはずの呪いの王の霊基が、今、音を立てて崩壊しようとしているのだ。

 

 

「なんで……! どうしてあなたが私を庇うのよ! 勝手な真似しないでよ! 何があっても、最後まで勝つって……そう言ったじゃない!!」

 

 

 凛の大きな瞳から、涙がこぼれ落ちる。

 

 

「……泣くな、小娘。五月蝿いぞ」

 

 

 宿儺は、残された首をわずかに動かし、凛を見上げた。

 

 

 その四つの瞳の奥には、恐怖も、後悔も、一片も存在していない。

 

 

 ただ、己のやりたいようにやり、極上の死闘を味わい尽くした王としての、静かな満足感だけが漂っている。

 

 

 

 

「……興が削げるようなことを言うな。俺は、俺のやりたいようにやった」

 

 

 宿儺は、フッと自嘲するように、しかし確かな満足感を帯びて嗤った。

 

 

「ばか、大馬鹿よ……っ! 呪いの王のくせに、変なところで人間くさいことしないでよ……っ」

 

 

 金色の粒子が、宿儺の下半身から胴体へと徐々に侵食し、その存在を世界から消し去っていく。

 

 

 

 

 

 手遅れだ。どんな奇跡の魔術を使っても、砕け散った霊核を元に戻すことはできない。

 

 遠坂凛のサーヴァント、両面宿儺の敗北と消滅。それは、確定した未来だった。

 

 

 

 

 

 

 

「――ハッ。手こずらせおって。だが、やはり紛い物は我が剣の前には塵と消える運命よ」

 

 

 

 

 残酷な足音が、本堂の屋根から響いた。

 

 凛が涙越しに見上げると、そこには、無傷の黄金の甲冑を纏ったギルガメッシュが、乖離剣を下ろしながら、冷酷な嘲笑を浮かべて見下ろしていた。

 

 

 

「我がエアを正面から防いだことは誉めてやろう、呪い。だが、貴様は消え、我は残った。それが全てだ」

 

 

 

 ギルガメッシュの背後に、再び無数の黄金の波紋が展開される。

 

 

「さて。邪魔な肉盾は消え去った。……今度こそ本当に終わりだ、雑種ども」

 

 

 

 

 

 

 圧倒的な、覆しようのない絶望。

 

 

 最凶のサーヴァントである宿儺を失い、投影の反動で動けない士郎と、魔力の枯渇しかけたセイバー。

 

 散りゆく呪いの王の傍らで、凛は絶望の涙を流しながら、死を告げる黄金の輝きを見上げるしかなかった。

 

 

 

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