近未来の日本で軍人として働く男のキヴォトス転生の物語───────ということで書いてみました。
初めてのジャンルなので温かく見守って貰えるとうれしいです!





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第1話

*この物語に登場する団体名等はすべてフィクションです

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2080年 

日本は東アジア諸国との戦争に明け暮れていた。

三等陸佐の主人公 

彼は、北陸の出身 

妻子を地元 北陸に残し、一人戦地に赴いた。

三等陸佐は、師団・旅団の司令塔の役割を担う。

今回彼の部隊は、中国は香港に展開していた。

中華人民共和国軍 第154師団との戦闘において苦戦を強いられてはいたが…

それでも、どうにか戦線は張れる程度に戦力は維持しているつもりだった。

 

しかし、その均衡が破られたのは日が昇って来るか来ないかという時間帯のことだった。

明け方の奇襲ほど厄介な物はない

彼らの部隊はできる限りのことはしたが

ほぼ壊滅という状態になった。

三等陸佐である主人公も敗走生活を送ることになった。

 

数日のうちはまだ体力も残っていたのでなんとか耐え抜いていたが、一週間半ほど経って限界が近づいているのを感じるようになっていた。

というのも、足が動かなくなっていくのだ

彼は、この敗走生活中に左足を怪我した

傷口は彼の予想以上に深いものだった。

マリアナ海溝ほどあるかもしれない

 

そんなとても深い傷を抱えながら、それでも三週間ほどは生き抜いた。

最期の一週間はもうほとんど動けなかったが、どこからともなく出してきた紙に携帯していたペンで遺書をしたためたのは良い思い出だ。

日本に暮らす妻子に宛てた

誰かがこの遺書を見つけることを願って…

 

そうして、彼は息絶えた

___________________

世の中には転生というものがあるらしい

異世界もので彼の少年時代に流行った

 

目を覚ます

天井

その時は、雨の音がした

しきりに降り注いでいるようだ

戦場でも雨音を幾度となく聞いた。

 

雨音に気をとられていると、彼の視界に誰かの顔が侵入する。

 

「せんせ…やっと、起きた」

初めて聞く声だ

彼は、ああ…ここが天国かと胸を撫でる

 

「昨日も夜遅くまで仕事してたんでしょ」

「シャーレの電気ついてたの…私知ってるんだからね」

 

シャーレ

彼の思考を止める

全く聞き馴染みのない単語だ

 

「どうしたの?そんなに黙っちゃってさ」

「らしくないよ?」

 

「えっと…貴方は…」

 

「え?わ…私?」

彼女は知ったような話しかけ方をしているが、彼には全く存じなかったのである。

 

「もしかして、忘れちゃったの…」

 

「忘れた…というか、分からないと言うか…」

 

「分からない...? なにそれ、どういう意味」

 

「どうやら、私は生きているようだけど…」

 

「生きてるって…先生、どういうこと?」

 

「こちらこそ聞きたいよ」

「私は一体どうなったのだ?あの戦場で力尽きてそれから…」

 

「戦場…もしかして、先生って本当に軍人だったの?」

 

「軍人だったもなにも、現役だったさ」

 

「ふーん…」

彼女が求めていた答えとは違うようだ

 

「それで、本当に私のこと知らないんだね?」

少し悲しそうだが、それでも自分を強く見せる彼女に私は惹かれた。

 

「あぁ…残念ながら…」

 

「そっか…こうして何回も…私の名前を言うのは癪だけど────」

「今度は絶対に忘れないでよっ!」

「もし、忘れたら私…」

ついには、瞳が湿りだした

台風の大雨でダムが満杯になるように

その瞳は今にも決壊しそうだ。

 

「ごめん、先生…」

「それじゃあ、改めて…」

「き…杏山カズサ…覚えておいて」

 

こうして彼とカズサのキヴォトス生活が始まったのであった。

 

fin

 

 

 

 

 

 

 


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