そちらを先に見てくれると嬉しいです。
感想など有りましたらくれると嬉しいです。
10 重なる予想外
時は、少し遡り
様々な建物が並び人や車が行き来する中に1つのビルが他の建物の間に建っている。
表向きは製薬会社となっているが、ロスアラモス第15支部研究所となっている。
この研究所は、今正に
「鉄臭いな。単独行動も楽じゃない」
「あ゛……あ゛かはっ…!」
―――襲撃されていた。
茶色いスーツを着て右手首には逆卍を斜めにしたマークのリストバンドを付け服や革靴、顔等の所々に血を付けた状態で、今正に一人の白衣を着たこの研究所の研究員と思われる20位の男の首を掴み持ち上げ、怯えきった男に獣の様に狂暴なつり上がった目を向けていた。
が、その顔は何処が楽しそうにも見える。
そんな男の足元には、此処の警備をしていたと思われる軍服を身を包んだ者や彼と同じ研究員だった者が目も当てられないような形で転がっていた。
頭を潰され様々な物が飛び散った者。
首がおさらばしている者。
腹に大きな穴が開いている者。
見ての通り全員絶命していた。
「さて、もう一度聞こう。『眠り姫』は何処にいるんだ?答えねぇと足元の奴等の仲間入りだぞ?」
「ひっ!くっ………あ、あ゛あ゛が」
男は、彼の言う眠り姫と言う言葉に反応し震える手で、廊下の右を指差して
ガクリと糸の切れた人形の様に力無く彼の手の先でブラリと垂れ下がり絶命した。
「なるほど。向こうか」
最早喋る事の無い男を後ろに放り投げ、急ぐ訳でも無く散歩でもしているように、ゆっくりとしたペースで歩いて行く。
「撃て!撃て!」
突然廊下の三つに別れた道でその左右に身を潜めていた10人程の兵士が一斉に彼に向かってアサルトライフルM4カービンから5.56㎜NATO弾を放ってくる。
が、その弾が決して彼に当たる事は無かった。
彼の周りでまるで、弾に意志が有るのではと思わせる程に弾が彼の目の前までくると全ての弾が左右に避けていき明後日の方向に飛んで行くのだ。
彼は、兵士の攻撃等無いかの様に歩き
「ひっ!う、動くな!止まれ!止まれよ!!!」
遂には廊下の別れ道まで彼は来た。
其をぐるりと囲み全ての通路を塞ぐ形で兵士が銃を向けるが、
「……何処だったけな?」
ガリガリと後頭部をかきながら彼はズボンの右ポケットに手を入れて、チャキリと、峰の方に凹凸(おうとつ)のソードブレイカーと呼ばれる部位を付けた緋色に輝くバタフライナイフを取り出して、右に向けて首をかしげて、次に、真っ直ぐナイフを向けるが、此にも首をかしげて今度は左に向ける。
すると、緋色の光が、ナイフを包む様にうっすらと光りだしたのだ。
彼は此に満足そうに頷き、歩き始めるが兵士が素直に通す筈も無くかと言ってこの距離では誤射等も有り得ると判断し全員がサバイバルナイフに持ち変えるが
「邪魔だぞ。犬共」
死神を思わせる様な低くドスの有る声で、言った次の瞬間に彼の周りからブワッ!と強烈な風が吹き此に兵士に何の反応も出来ずに誰が誰の体なのか分からない程に細かく引き裂かれ床に落ちていた。
彼は、其に見向きもせずにそのまま足を進めて行きやがて1つの扉の前に着きその横にあるパスワードを入れる為のセキリュテイに何の迷いも無く数字を入力すると扉は開き彼は、その中に入ろうとするが、
「此が……いや、こいつが『眠り姫』か?」
彼の目には明らかに驚きを隠せずに大きく見開いていた。
その先には椅子に固定されて、様々な機械やチューブに繋がれて呼吸器を付けた、見た目10才位の糸の様にきめ細かく美しく輝く銀髪の少女が文字通り眠っていた。
「俺は、てっきり機械か何かだと思ったのに此じゃまんま眠り姫じゃねえかよ……アイツラにどう説明すれば良いんだよ」
彼はそう言いながら、携帯を取り出して耳に近ずける数回コールが鳴り
「あー………俺だ。眠り姫を発見した。今からそっちに連れていく」
『ごくろうさん。待ちくたびれたぜ危うく使い魔が減っちまうんじゃねぇかと心配したぜ!』
お気楽なその台詞に彼は、肩をすくめ一度深呼吸してから
「カツェ、もっと別の言い方は無いのか?俺とお前の仲だろう?流石にカラスと同じ扱いってのは、ちょっとな」
『下僕』
「やっぱ使い魔で良い」
ハハッと向こうからカツェと呼ばれた女性の声が聞こえ少し間を置いてから。
『其はそうと、出来るだけ急いで欲しい。報酬は弾むぜ』
「何だ、またお使いか?」
『あぁ、今ちょっと私達の周りをバチカンの奴等が彷徨いていてな、目障りなんだ』
バチカンと言う言葉に反応し彼の顔は次第に笑顔になる。
なるで獲物を目の前にした獣の様に。
「ほぉ、あの偽善者共か。そいつらの首をメーヤに送ったら顔真っ赤に染めて喜ぶだろうな」
『ハハッ、違ぇねぇ。おまけに、お前の所のボスも喜ぶ筈だぜ』
「あぁ、そうだな。直ぐに行くよ」
『あぁ、待ってる』
そうして、電話は切れるものの、彼は携帯を見つめていた。
携帯の待ち受けと思われる壁紙には、黒のトンガリ帽子をかぶり右目に彼のリストバンドと同じ逆卍を斜めにしたような臙脂色の眼帯をしている少女が写っていた。
「お頭とお嬢にもだが、俺は、カツェの喜ぶ顔を見たいんだがな」
そう呟き、彼は慣れた動作で機械やチューブを外して、少女の前に立ち腰を掴み持ち上げて背中と足に手を回し担ぎ上げる。
いわゆるお姫様抱っこであった。
「じゃ、お姫様。魔女の家にご案内しますよ。………なんてな」
ハァと彼の疲労を感じさせるような短い溜め息を聞いた者はいない。
彼の腕の中で少しだけ口元が緩んでいた少女を除いて。
★
「早く行け!このレポートさえ有れば何処でも私は研究を進められるんだ!さっさと出せ!」
「博士落ち着いて下さい。今状況を確かめているところですから」
研究所の屋上のヘリポート。
そのヘリの中では、白衣を着た老人の男性が喧しく騒いでいた。
其を宥める様に隣に座る助手と思わしき40代位の小太り男性そして操縦席に二人のパイロットが座っていた。
博士と呼ばれた老人の手にはアタッシュケースが握りしめられている。
やがてヘリのプロペラが回転し始めたがヘリが飛ぶ気配は無く其に業を煮やした博士は、
「おい!何をしているんだ!早く出発しろ!」
と、一人のパイロットの肩を掴んだその拍子にボトリとそのパイロットの首が下に落ちてブシャーーーー!!と噴水の様に勢いよく血が吹き出した。
博士の方は何が起きたのか、まだ理解出来ていないようだが、助手の方は混乱して、悲鳴を上げヘリから降りようとしたのだが、プツリと小さな音を立て首筋からこれまた勢いよく血が吹き出しその場で絶命し崩れ落ちる。
「ダメっすよ~博士。逃げるならせめてその荷物置いていって貰わないと」
操縦席に座っていたもう一人のパイロットが博士にそう話しかける。
「き、貴様。何故このレポートの事を……」
「その中身は作った人は違うけど、ちょっと返して貰えたらな~って思って……ダメっすかね?」
ニタリと振り向いた男は左目に金色のモノクルを掛けて、人の親指位の長さの笛を首から下げて、ワカメの様にヘニャリとした緑色の髪が印象深い男だった。
そんな彼の言葉にやっと現状を理解した博士は怒りで顔を真っ赤に染め護身用に持っていた小型ピストル、ジュニア・コルトを引き抜き
「ふ、ふざけるなぁ!!」
ヂャキ!とモノクルを掛けた男に向けて引き金を引こうとしたが、もうその銃を握っていた彼の手は、手首から落ちてモノクルを掛けた男の手の平に乗っかっていた。
「良いよ。どの道持って帰るから」
「あ、あ゛あ゛、ぎ、ぎゃゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
博士は、もう何が起きたのか分からないと言った状態でヘリから降りたが助手と同じくプツリと首から血が吹き出し助手に重なる様にその場で崩れ落ちた。
「ヘリ……汚れちゃったなぁ。はぁ、原沢さんにまた、怒られる」
フロントに付いた血を袖で拭きながら彼が少し鬱になっていると
「キュウソーーーーー!出発出来るかーーーー!!」
遠くから聞こえた声に一瞬びくりと身を震わすもその声の相手が直ぐ分かったようでヘリから身を乗り出して
「何時でも行けるっすよ!………って!原沢さん。いったいどういう状況すか其!」
キュウソと呼ばれた男が見た光景は、原沢と呼ばれた男が少女を抱き締めながら此方に走りその後ろを何十人もの兵士が追い掛けて来ている状況だった。
「見て通りだ!俺は、この子抱えてるから。逃げるしかねぇの!旧鼠何とかしろ!」
「あー……なるほど」
旧鼠と呼ばれた男は暫く考える素振りを見せてからヘリから降りて
「先に乗ってて下さいっす!数秒で終わらせるんで!」
「おう任せた!」
ヘリのモーター音でお互いに叫ばないと聞こえない中原沢が少女をヘリの後部座席に乗せ自分も乗り込む。
其を旧鼠は確認してから、
「ざっと30人……直ぐに終わるかな?」
一歩、旧鼠が歩くとひょこりとズボンの穴の開いた部分から灰色の細く長い紐が垂れ下がり動くそう、尻尾であった。
また、一歩歩くと、肌の露出した手の甲には灰色の細かな毛が生えた。
「今夜は空気が済んでるっすね~」
誰に言うでも無く呟くと、首から下げていた、笛を加えると
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
笛からは、耳鳴りの様な、または、黒板を引っ掻く様なそんな聞くものを不愉快にする甲高い音が鳴り響く。
そして、その先にいた兵士は何も去れていないはずなのにヘルメットの隙間から血を流し痙攣しながら次々に倒れていった。
其を確認すると、振り替えって小走しりしてヘリの操縦席に乗る。
「数秒って言ってたよな!」
「1分も立ってないじゃないすか!ほら、もう飛びますよ!確り捕まってて下さいすっね!」
こうして、ヘリは飛び立ちNYの夜空に消えていった。
今だ眠る少女を乗せて
★
「と、言うのを、先程エルから聞いた」
飯も食い終わり、白雪も風魔も帰った後、俺はTVを見ながらソファに沈み混む様に座り、菊代にエルから聞いた事を報告していた。
TVの中では、有名な物理学者が『ドーンと来ーい』と言って会場が静かになっている。
後始末はエルがある程度やってくれると言うのでご好意に甘えたのだが、
『じゃあ、日本に行ったらリハビリ手伝ってくれ』
此である。
リハビリと言ってもゴッコ遊び見たいな物なのだが、リアル過ぎる。
ドラマの台本位リアル過ぎる。
しかも台本が六法全書位の厚さなのだ。
考えただけでも鬱になる。
「……何で、内の男って皆そんな巻き込まれ易いのかしら」
「いや、少なくとも俺は違うだろ?」
「同じでしょ」
菊代は、巻き込まれ易いと言うが(俺を除いて)その通りなのだろう。
俺は、原沢がドイツに行くと言っていたからついでにグラッセさんが、クソ兄貴のバタフライナイフを欲しがっていたから渡してくるようにと言っただけなのに、何故こうなってしまったのか分からん。
「多分、行ったら何か頼まれたんでしょ?あいつYesロリータGOタッチな所があるから」
「酷い言いようだ」
だが、否定出来ない。
あいつ確かにそんな所があるからな。
グラッセさんに頼まれてっいうのは十分考えられる。
使い魔になってるみたいだしな。
カラスとほぼ同じ扱いだったが。
もし、そうだったら頷ける。
「うんで、どうするの?」
「どうするのって?」
「報酬受け取りに行くんでしょう」
「あぁ、明日の10時くらいだって言うし、明日の朝行っても十分間に合うぞ」
「ふ~ん。そうなんだ。ねぇ、遠山」
「ん?……ってちょ!ちょっと菊代何してんだよ!」
隣に座っていた菊代を見ると、あら不思議いつの間にか服を脱ぎ上も下もびっくりする程に布地の少ない真っ赤なランジェリー姿でその姿を見てテンパっていた俺の肩を掴みグイッと押し倒して来た。
「もう、二人帰ったし、久しぶりに………しようよ?」
頬を紅く染め艶っぽい、口調で俺の腹の上に乗っかってくる。
不味いと思い手を退かそうと肩を動かすが全く動かない。
何でこんなに力強いんですかね?
「待て待て!いや、まぁ確かに、普段なら此のままするけどさぁ、明日早いし……別の日にとか」
いや、本当にいくら月一と言っても時と場合と言うものが有るのだ。
腰も痛くなるし、ヒスって眠気酷いし。
只でさえ今日二回ヒスってるし。
報酬受け取り終わってからで、良いじゃん。
てか、TVうるせぇ。
ドーンと来ーいじゃねぇよ。
と言うか、菊代の下着の刺繍の間が透けて、ピンクの蕾が見えまくって今にもヒスリそうなんだが。
俺は、どうしたら良いんでしょうか?
「どうせ、白雪帰って来たら同時に相手するんだから別に良いでしょ?」
「いや、今日は、止めておこうぜ。今日はヒスるなって言ったのは菊代だろ」
「ヒスら無いように頑張りなさい」
「いや、だから―――うむっ!」
菊代が文句を言う俺の口を口で塞ぐこの瞬間俺の頭は酒でよったかのようにくらくらしてきて
――ドクン!
あ。
朝の3時である。
床で今だに腰の激痛で動けない俺とソファで幸せそうにタオルに包まって寝る半裸の菊代がいた。
どういう状況だったのかは、想像に任せよう。
まぁ、B止まりだからセーフだと言うことは、先に言っておく。
因みに、ネタバレでも何でも無いので此処で言いますが、
前半に出てきた、原沢(はらさわ)と言う男と旧鼠(きゅうそ)さんのイメージの方ですが。
ハラサワの方は『神様のメモ帳』から四代目(実名は言わない方が良いかな?)の黒髪バージョンとなります。
キュウソの方ですが、『ib』のギャリーの髪を緑色にして、左目にモノクルした状態です。
何でモデルがこの二人なのかと、言うと二ヶ月前のスマホの壁紙が神様のメモ帳で一週間前の壁紙がibだからです。
本当に其だけ。
共通点が有るとすればどちらも幼女に縁がある事かな?