金次に転生しました。   作:クリティカル

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遅くなりましたが、皆様明けましておめでとうございます。
家の大掃除中に、家族にネタ帳を見られてしまいました。
端から見たら完全に漆黒ノートです。
因みにおみくじは凶です。
大まで行かないだけ良かったかな。


42 志願した汚れ役

あれから二日が過ぎ。

例の不安だらけの作戦の日となった。

その日は、昼過ぎから菊代の部屋での待機を命じられ、ハチ公の用に一人で待ち、すっかり日も沈んで来た頃。

耳に入れた小型のインカムから菊代の声が聞こえて来た。

 

『遠山聞こえる?』

 

「あぁ、バッチリとな」

 

服の襟元に取り付けられた小型マイクに少し顔を傾けて応答する。

 

『トウヤマ油断はするな。必要ならボクでHSSになっておくかい?君が言うなら、直ぐにそちらに向かうが』

 

すると、今度はエルに通話が変わりさらっと、とんでも無いことを言ってきた。

数秒その話に乗るかどうか考えてから

 

「いや、一応敵は、女性だ。怪我をしないようにする気は、無いんでね。平等主義の俺でいかせてもらう」

 

正直今日会うとは、思っていないが、HSSの本来の特性を考えると他人である女性も守ってしまいたいと言う考えが働く可能性もある。

其を理由に断ると、エルの明らかな不満の声が聞こえて

 

『では、純粋に楽しむと言うのはどうだろう?』

 

何処か妥協した感じを出して言い出した。

 

「ふざけるようなら切るが?」

 

『ボクは、何時でも真面目さ』

 

何処がだ。

てか少しも妥協してない。

もっと別のタイミングなら応じていたかも知れないがな。

此でも思春期。

そう言った話には興味が引かれるのだ。

赤の他人なら無視だが。

 

『まぁ、それはそうともう此方は準備が出来ている。ある程度の口実も作ってあるし、二人の安全も保証する……最も君がいる時点で安全だろうとは思うがね』

 

「だといいんだがな。………白雪は俺より遥かに強いぞ」

 

『それは、どういう『ほら、無駄話してないで早く来なさい』』

 

エルが何かを言い出すが、その前に菊代の急かす声が聞こえて来たので、其処で話は中断され、俺は駆け足で本来の部屋へと向かった。

 

 

―――もし、俺が鏡なら、世界で一番美しいのは誰?と、聞かれたらこう答えるだろう。

 

白雪です――と。

 

その直後に、怒ったら菊代による顔面パンチで俺の鏡の顔が粉々に割れる所まで、想像して、現実に戻って来る。

 

其くらい、目の前の幼馴染みは綺麗だった。

 

「どう?中々のセンスでしょ?」

 

菊代が、白雪の両肩に手を軽く置いて自信満々に言う。

着付をしたのは、菊代らしい。

 

「着物と言うのもまた、奥が深いものだね。今度のリハビリの参考になりそうだよ」

 

エルが、其に感想を言いながら、メモを取る。

どういう設定がエルの中で出来ているんだが。

 

「キンちゃん……その、ど、どう……かな?」

 

「どうって……」

 

白雪が、正座をして、不安げに此方を多少潤んだ目で見つめて、感想を聞いてくる。

今の白雪は、町を歩けば百人中百人が振り返りその姿を目に焼き付けようとするだろう。

清楚な白地に、撫子の花雪輪。

鴇色の帯は高さも形も完璧に。

アップに結った黒髪は、同じく撫子で揃えた花かんざしで留めてあった。

浴衣を着た白雪は江戸時代のお姫様が現代にタイムスリップしてきたと言っても、信じられるくらいだ。

 

 

そう、一言で言うなら。

 

「すんげぇ綺麗だ」

 

そして、美しいのだ。

 

「え、えへへ。そ、そうかなぁ」

 

「まぁ、在り来たりな感想だけど」

 

「此は此で良いだろうね」

 

両手をほんのり赤い頬に当て照れる白雪(うん。可愛い)と、肩を竦めて若干呆れる二人。

俺だって、もっと言いたいことあるっての。

ゴホンとわざとらしく咳をして、二人の方を向き直し、ちょっとした違和感を口にする。

 

 

「そう言えばアリアは?」

 

そう。

先程からアイツの姿が見えないのだ。

ホディーガードを買って出ておきながら、いないとは――まぁ、いたらいたでこんな場所見られたら厄介なんだが。

其でも、ここ数日部屋に居座り同じ釜の飯を食っていたと思うと妙に違和感がある。

何より、今のアリアが白雪から目を離すものだろうか?

 

『あぁ、大丈夫よ。上手く丸め込んでおいたから』

 

そんな疑問に答えたのは、菊代だった。

背を少し伸ばし耳元に口を寄せ小声で、俺だけに聞こえるように言う。

 

『少なくとも今日アリアは、この場にいないわ。後はあんたに任せる形になるかしら』

 

なるほどね。

どうやって、説得したのかは知らないが助かった事に変わりはない。

 

(間接的に接触………か)

 

果たしてそう上手く行くのか、いや、行かなきゃだな。

 

「し、白雪」

 

「ひゃい!」

 

ピョン!と正座のままジャンプし着地する白雪にスッと手を握手の形で出し

 

「二人から聞いてるとは、思うがまー、その、なんだ?息抜きに俺と出掛けないか?」

 

『ガッチガッチじゃない』

 

『深呼吸しよう。深呼吸』

 

後ろから苦笑混じりの評価とアドバイスが小声で飛んでくる。

俺だって、結構恥ずかしいの。

こう思うのも男の性と言うものだろう。

 

(HSSの俺なら最上手くやるんだろうけど、それは()()だもんな)

 

二人の言葉はスルー(深呼吸はするけど)して、白雪の方に目を向ける。

白雪は、ジッと俺の手を見て顔を上げて俺を見てから

 

「はいッ!」

 

パッと、花の咲いたような笑顔を此方に向けてきた。

俺は、白雪の手を握りしめそっと立ち上がらせる。

手を引いて、エスコートするように歩き扉を開ける。

振り替えれば、エルが親指を立てグッとサムズアップし、菊代が手を降る。

 

『其じゃ、遠山。後は確りね。ある程度のアドバイスと指示はするから』

 

その言葉に静かに頷き扉を閉める。

分かってる。

せめて、白雪にだけは『普通の日常』をこの学園だけでも送らせてやりたい。

白雪が巻き込まれる必要は無いのだ。

 

幸せそうに横を歩く白雪を見ながらそう決心する。

 

血で汚れるのは、俺でいい。

 

 

 

―――――遊園地からの花火を見る絶好の場所と、菊代に言われた場所は、目的地から少し遠い葛西臨海公園のもう少し進んだ、人工なぎさ。

遊園地と言う人に溢れはぐれる危険が高い場所よりは、安全で何より今後の準備に持って来いの場所だ。

 

『今の所、あんた達以外に人は零。……特に怪しい者もいないし隠れている可能性も低い』

 

少し面白く無さそうに、菊代が言う。

いたらいたで嫌だよ。

いや、いなきゃ困るんだけど。

だが、相手も人がいるところで襲おうと思うほどバカでは無いだろう。

仮にも誘拐魔である。

騎士とか言ってた気もするが。

 

(策士ってくらいだ。遠くから見てるくらいはしてるだろ)

 

――そして、菊代がこうして、周りを把握出来るのも、俺のネクタイに取り付けた小形カメラと、遥か上空を飛ぶクレフト作の、過保護な菊代が良く俺が出掛ける時に使っていた光屈折迷彩(メタマテリアル・ギリー)の無人小形ヘリだろう。

万が一の狙撃とかの時は頼むぞ本当に。

白雪は、誘拐対象として、俺は殺害対象だろうからな。

 

「やっぱり人いないな」

 

「そうだね……」

 

 

目的地の人工なぎさは、文字通り人工の砂浜だが、海水浴や釣り、バーベキューまでもが禁止されているので、花火を見る絶好の穴場であると、列車の中で耳のインカムから菊代による説明を受けた。

辺りは暗く近くで、波の音と、風の音がするくらいで少し不気味なくらい静かだった。

 

「す、涼しいね!キンちゃん!」

 

「そう……だな」

 

『あんたら……初対面のお見合いじゃないんだから』

 

分かってるよ―――ただ、辺りを警戒していただけだ。

決して、会話が続かないのは、緊張とかでは無い。決して。

 

「キンちゃん。………覚えてるかな?」

 

「何をだ?」

 

何処か懐かしむように海を見つめながら、透き通る声で言う。

 

「初めて私が、花火を見た時の事」

 

「忘れた事なんてねぇよ」

 

『菊代……すまんが一旦外すぞ』

 

『出来るだけ早く付けなさいよ』

 

スッと、白雪に見えないようにコッソリとインカムをポケットに仕舞う。

此処からは、俺と白雪だけが知る話だ。

前に病室でエルに少し言ったことはあるがな。

 

「あの時は御免ね。熱かったよね?」

 

「だが、お陰で花火を最後まで見ることが出来たじゃないか」

 

白雪が、物凄く申し訳無さそうに言うが白雪は悪く無い。

悪いのは、大人共に捕まってしまうなんて言うあってはならない、ミスをした俺だ。

小さい頃―――俺の記憶が正しければ、五歳の頃だ。

白雪と切っ掛けは、ほんの些細な世間話である。

その中で、その星伽神社のある、青森の花火大会白雪が、その花火を見てみたいと言って、じゃあ見ようと、ダンボール大好き軍人の如く大人から逃げ隠れして山の中を駆け回り、捕まってしまった。

その間、何とか見せる事は出来たと言えば言えるが、最ゆっくり見せてやりたかった。

反省の為と証して監禁された倉から、どうにか脱出出来ないかと、壁にタックルしたり、ちょっと台所から拝借した包丁を突き立て壁を切り裂こうとしたが、五歳の筋力じゃあ数ミリ行けるかどうかだった。

幸いと言っても良いのか、刃物の類いは、この世に産まれるよりも前、前世の頃から体が覚えてくれているらしく、持っていると、銃を持つよりも心強い。

そして、妙に安心出来る。

つまり落ち着く。

言い方が危ない人みたいだが、俺は断じて違う。

まぁ、持っていて便利であることに変わりはない。

鏡の変わりにもなるし刃物は、其一本あれば、人のいない場所でも其なりに生きていける。

捕まった時その喉元に刺しても良かったのだが、白雪にそんなショッキングな光景は見せられない。

後で、使えるかも知れないと隠し持っていたのだ。

その包丁の塚を踏み台に、飛んで天井にヤモリのように、高い壁にへばり付き窓ガラスを割って逃げようかとすれば金網入り。

包丁を床に突き刺し使ってテコの原理で、床を引き剥がして、包丁をスコップ変わりに土を掘れば直ぐに岩にぶち当たる。

包丁さんもビックリな使い方である。

 

そうこうしているうちに――倉が燃えた。

 

いや、待て。

俺が燃やしたんではない。

そもそも、火を起こす道具は持っていなかった。

では誰か?

 

白雪である。

 

白雪が手に持った包丁の刃は、赤く燃える炎に包まれ一本の火剣のと化して壁や天井を焼き斬ったあんな美しい光景を今でも忘れた事は無い。

 

「思えば、あれが白雪が初めて超能力(ステルス)を、使った日だったな」

 

「やっぱり、怖かったよね?」

 

「全然。寧ろ綺麗だった」

 

「え?」

 

 

――――ドンッ!

 

(始まったな)

 

驚愕に目を見開く白雪に平然と俺は言った。

その瞬間、夜空に咲く一輪の巨大な花火。

 

「……あの時は、俺がのったらちんたらしてた正で最後の一発しか見れなかったな」

 

あの時、その光景を見た後直ぐに我に帰りこれ幸いと、白雪をお姫さま抱っこの形で抱き上げ、火事場の馬鹿力と言うのだろうか?

そのまま誰にも追われず、別の場所に移ったは良いが、見れたのは、最後の特大花火一発だけである。

そもそも俺が捕まるなんて、ミスしなければ白雪は最後まで花火を見れたのだ。

 

「キンちゃんのせいじゃないよ」

 

白雪は、首を左右に振り俺の言葉を否定する。

 

だが、俺は白雪に花火を見たいと言う些細な願いすら叶える事が出来なかったのである。

それは、変わりようもない事実だ。

悔やんでも悔やみきれない。

 

「其に、嬉しかった」

 

さく、と砂を踏み励ます為なのか、ポツリと呟く。

その拍子に吹いた夜風が、白雪の結った黒髪を僅かに揺らす。

 

「あの時だけじゃない。何時も、私を星伽から出してくれた」

 

「お陰で要注意人物になっちまったぜ」

 

ガリガリと、ばつ悪く頭をかきながら、小声で答える。

その言葉は、花火によって白雪には聞こえない。

別に構わないんだけど

 

 

「あの花火を覚えてるから、良いの。今日だって、外に出るの怖くなかった」

 

「だが、白雪」

 

「キンちゃんが側にいるから。良いの何処だって行けるから」

 

「―――ッ!」

 

その笑顔は、本当に心の底から俺のことを思っている表情で

 

白雪……

 

俺は………俺なんか

 

些細な願いすら叶える事も出来ず、お前に見せられないようなこと沢山してきたんだ。

 

(姉さんの願いも遠く、白雪は遥かに遠い)

 

そして、普通は最遠い。

 

(今だ何一つ叶わん)

 

だが、せめて

 

「お前は、今より欲張りになって良い」

 

「キンちゃん……」

 

ガシッ!と白雪の小柄な肩に手を置く。

 

「万全とは、行かないが俺には組がある!菊代もエルも風魔も元ボクサーも地獄の獄卒も胡散臭い自称考古学者の鼠も自称、天才ゲーマーも赤の―――いや、灼熱の魔女二世すら此方側だ!」

 

菊代の背後には名のある奴等が集まった。

そんじょそこらのテロリストなんて単独で倒せるような連中。

戦力は、ある程度集まった。

後は知名度だ。

 

(イ・ウーを落とせば)

 

「後少しで、準備が整うそうすれば、直ぐに終わる」

 

大切な者達の願いも叶う。

其でハッピーエンドだ。

 

「だから、行きたい所があるなら遠慮せず言え!どんな手段でも家から出たくないって言うくらいうんざりするほど連れてってやる!欲しいものだって!食いたいものだって」

 

星伽の決まり?長年そうしてきた?知るか。

死ぬまでカゴの鳥?そんなこと言うやつは、俺が殺ってやる。

規則も法も日陰者の俺は知ったこっちゃない。

俺は、星伽じゃない白雪自身に言っているんだ。

 

「お前に『自由』を、今度こそプレゼントしてやるよ!」

 

 

改めて誓うように宣言した。

数秒、数分下手したら数時間だろうか?其くらいの長い静寂が訪れる。

 

「キンちゃん……本当にありがとう。私、今夜は嬉しくて眠れなさそう」

 

花火を見上げながら白雪が言ったので、俺は軽く顔を上げる。

そのさいに、浴衣の隙間から、黒い白雪の勝負下着が見えヒスらないうちに、目をそらす。

だが、永久保存はする。

 

「其処まで大層なことは、まだ出来て無い。ただ此処までブラブラっと来て」

 

「ぶら?」

 

「いや、何でも無い」

 

正直に言うと眼福でした。

 

「キンちゃんは、やっぱりキンちゃんだね」

 

「なんだそりゃ?」

 

下を向いて、何処か不安を圧し殺すように呟く。

 

「こないだ、巫女占札で占った時ね本当は」

 

「クソ兄貴に間抜けにも殺されるって出たんだろ?」

 

懺悔のように、下を向いて語りだした所から予想は出来た。

この話が来るだろうとは、薄々感じていた。

 

「やっぱりキンちゃん聞いてたんだね」

 

「………すまん」

 

確かに、盗み聞きしてしまった事に多少の罪悪感はある。

 

だが

 

「その予言は外れだ」

 

其処は譲れない。

 

「でも!」

 

心配そうに声を張り上げようとする白雪を手で制す。

 

「一番人気の強い馬が勝つとは、限らない。そいつが転倒して一番人気の無い弱い馬が勝つ事もある。戦場での大番狂わせなんて良くある事だ」

 

「これは、賭けなんかじゃ無いよ」

 

うっすらと涙を堪えて此方をジッと見てくる。

 

「賭けだ……昔からのな。俺の命とクソ兄貴の命どちらが先に散るか。散々殺り合った」

 

だから、あの予言は、決着を付ける時が近付いているのだと言う者なのだと思う。

もう何年も前から、準備はしてきた。

後は、間宮の事だけ。

 

「分かった」

 

「白雪?」

 

ジャリっと一歩一歩、踏みしめて此方へと距離を近づける。

もう、後一歩踏み出せば、唇同士が触れあう程に。

 

「キンちゃん……其なら、あの時見たいに誓って、外すって」

 

力強く白雪は言い、そっと、唇をほんの少し上向きにした。

もう意味は、分かる。

あの、青森の花火の時と同じく誓うだけ。

 

「確かに誓う。大穴を当ててやるさ」

 

「信じてる。キンちゃんは強いもの」

 

 

ドンッ!と、白雪のほんのりピンクの唇と合わせたと同時に、此れから始まる合戦の合図のように、花火が、打ち上がった。

 

 

 

 

 

(白雪、悪く思わないでくれよ?)

 

 

『遠山此方は準備完了よ』

 

暫くして俺は、白雪に『何か暖かい飲み物を買ってくる』と口実を作り白雪から少し離れる。

 

『俺の方はそろそろだと、思うんだが』

 

インカムからの菊代からの言葉に、辺りを警戒しながら答える。

丁度のタイミングで、俺が手にした白雪の携帯が鳴る。

先程の、誓いのキスの時に、無断でお借りしたものだ。

ロードローラに押し潰されるほどの罪悪感を感じながら、開く。

メールの内容は、予想通り脅迫文だった。

 

(やっぱり、来たか。ジャンヌ)

 

自然と、口許がにやけそうになる。

其を堪えつつ、内容をそのまま菊代の携帯に送る。

 

『うん。確かに届いたわ。此方もあの子が良い働きをしてくれてね。フフっ完璧な舞台よ』

 

『其は楽しみだ』

 

あの子と、言うのは恐らくアリアの事だろう。

さて、今回はどんな舞台(ステージ)なのか。

 

『トウヤマ!ボクの方もやっと手に入ったよ!この苦労はかなりの対価になるとは思わないかい!』

 

『あぁ。良くやった。こないだ出来なかったリハビリに上乗せだろ?』

 

『勿論!』

 

『また部屋が煩くなりそう』

 

菊代が楽しそうに語るのを、聞いてる限り中々の自信作なのだろう。

エルからも、嬉しいお知らせだった。

その、後の菊代の何処かうんざりとした声を最後に通信は切られる。

 

 

 

だが菊代………ジャンヌは

 

(俺の獲物だ)

 

 

 

共に踊ろうジャンヌ・ダルク三十世。

 

白雪宛の脅迫文を見ながら、俺は自分の携帯を耳に当てる。

この『通話』が、終わったら直ぐに白雪の元に向かおう。

 

 

何事もなかったかのように、白雪への脅迫文を削除し、ポケットの暖かいお茶のペットボトルをカイロ変わりに、俺はゆっくりと歩き出した。




活動報告にも書いたのですが、三月下旬頃まで休載とさせていただきます。
詳しくはそちらに書いてありますので、金次君が一体何者なのかとかも、もし宜しければそちらの方にお書き下さい。
興味が有りましたらお願いします。
パトラ戦くらいで明かすとは思うんですが。
名前は、恐らくボカしてしまうかと。

でも、必ず帰って来ます。
このような作品ですが今後とも宜しくお願いします。

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