Z戦士の虎杖悠仁   作:汚ねえ花火

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絶望の大猿戦

「なっ……なんだ……こりゃ」

 

 突如として膨れ上がり始めたベジータの気を感じ取った悟空の額に冷や汗が伝った。

 

 

 

「気が……膨れ上がって……」

 

 悠仁は、顔を青くしながらも思考を巡らせた。

 

 この現象に、悠仁は心当たりがある……けれど

 

「まさか……大猿!?!?!?」

 

 ヤムチャがハッとする。

 

「いや、でも月はピッコロが壊した!大猿にはなれないはずなんだ!!!」

 

 かつて、悟飯の大猿化を目撃した悠仁はこれもそうなのではないかと思った、けれど、それには月が必要なはず、月をピッコロが壊した以上、大猿化は不可能……その考えは、一瞬にして吹き飛んだ。

 

 雲を突き破り、吹き飛ばし、それは現れた。

 

 拳を構え、頭を下にして加速しながら落ちてくる、大猿が。

 

「嘘だろ……」

 

『クハッ……これはこれは…』

 

 見てしまえば、疑う余地はない。

 

 それは紛うことなく、大猿化したベジータであった。

 

 だが、ここで悠仁はふと思った。

 

 大猿化したのなら、自我が消えているはず。

 

 ならば、動きは単調となり、戦いやすくなるのではと。

 

 が、そんな希望は存在しなかった。

 

「月を壊したようだが、残念だったな!!!」

 

 吠えるように叫ぶベジータに、一同は唖然とした。

 

 自我を有する大猿。

 

 それがいかに脅威であるか、考えるだけでも億劫になるのだから。

 

 

 

 頭から落ちてきたベジータは、真っ直ぐに悟空へと接近し、そして拳を突き出した。

 

 大気が裂ける音が響く。

 

 悟空はそれを………

 

「クッ……」

 

 回避する。

 

 一瞬、このまま迎え打とうかとも考えた。

 

 けれど、この気から感じられる力は、明らかに今の自分には身に余ると考え、回避行動に出たのだ。

 

 なんとか回避は間に合い、ベジータの拳は地面へと激突した。

 

 それと同時に、轟音が鳴り響き、地面が揺れ、割れた。

 

「大猿の……化け物……」

 

「フハハハハッ!!!なんだ?これを見るのは初めてのような反応だな。そんなはずはないはずだサイヤ人である貴様なら、満月を見たらこの姿になれる筈なのだから!!!いや、下級戦士の貴様は大猿化している時の記憶がないからそもそも知らないのか?しかし、身に覚えはある筈だ。満月の日の翌日に、荒れ果てた場で目覚めた覚えはあるだろう?」

 

 その言葉で、悟空は理解する。

 

 自らの祖父…悟飯を殺したのが自分であると。

 

 そして、この戦いで死んだら、あの世で必ず謝ると心に決め、目の前のベジータへと集中する。

 

 今、何もせずに死ぬ気は悟空にはない。

 

「やってやるさ!!!3倍界王拳!!!!!」

 

 10分間のみ許された、3倍界王拳を発動し、

 

「ダッ!!!!!」

 

 地面を勢いよく蹴り、ベジータへと接近する。

 

「だりゃああああああ!!!!!」

 

 悟空が拳を突き出したその時、ベジータもまた、拳を突き出し、応戦する。

 

 2つの拳が激突し、空気を揺らす……そして

 

「グアアアアアァァァ!!!!!」

 

 悟空の拳がそして腕の骨が砕け、血飛沫が舞った。

 

「大猿化は戦闘力が10倍となるのだ。覚えておくがいい。いや、死にゆく貴様には関係がないことか!!!!!」

 

 そう言うと共にベジータは、悟空を掴み、投げ飛ばす。

 

「グッ……ハッ……ァ」

 

 巨岩へと激突し、血を吐く悟空だったが、それでも吹き飛ぶ威力は変わらず、巨岩を貫き、次なる巨岩へと激突を繰り返す。

 

 なんとか舞空術で体勢を立て直し、悟空は再度ベジータへと向かう。

 

 右腕はすでに使えない。

 

 ならば次は足だと、蹴りの体勢で。

 

「ダアアアアアアアアリャァァァ!!!!!」

 

 ベジータは、回避行動も、防御行動も取ることなく、その蹴りをもろに腹に食らった。

 

 一瞬ベジータの体が揺れるも、

 

「随分と……生ぬるい蹴りだなぁ!!!!!」

 

 ベジータは、ひょいと悟空の腕を掴み、握りつぶした。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」

 

 

 

「もう……見てるだけなんて出来ない!!!!!」

 

 その様子を見ていた悟飯が気を高め、戦場へと躍り出て、ベジータへと向かう。

 

「待っ……!!!」

 

 悠仁の制止の声も届かず、悟飯は駆ける。

 

 そして

 

「うわあああ!!!!!」

 

 ベジータの尻尾によって薙ぎ払われ、悠仁たちが隠れていた岩場へと激突しようになる。

 

「降りてくる時に、既に貴様らがいることなど見えていたわ!!!」

 

 なんとか悠仁が悟飯を受け止め、岩への激突は避けられたものの、すでに相当なダメージを負っていた。

 

「ヤムチャさん……悟飯のこと、頼みます」

 

 痛みに苦悶する悟飯をヤムチャへと託し、悠仁はクリリンへと声をかける。

 

「あの、気円斬なら、あの尻尾、切れるか?」

 

「あ、ああ。出来る…と、思う」

 

「なら、俺が師匠の援護にまわって、奴の気を引く。隙を見て、切ってくれ」

 

 宿儺の『捌』は、おそらく接近すら出来ないため、使えない。

 

 そもそも、おそらく対象の強度によってダメージが変わる『捌』は警戒されているだろうから。

 

 『捌』の性質さえ隠せていれば接近はできたかもしれないが、ナッパに使ったことでおそらくバレている。

 

 隠れているのが見つかってしまったのが本当に痛いなと感じながら、悠仁はクリリンに頼むことにしたのだ。

 

 『解』で切れるのか……それが分からない以上、クリリンの気円斬が最も可能性がある。

 

「……よし!やるだけやってやるさ!!!」

 

「それじゃあ、援護行ってくる!!!」

 

 そう言い、飛び立った悠仁は、拳大の気弾を大量に作り出し、ベジータの顔周辺に向けて放ち、そして

 

「爆裂弾!!!!!」

 

 ベジータの顔の近くで爆発させた。

 

 それはベジータには効きもしない攻撃…けれど、気は引ける。

 

「こっちだ!!!!!」

 




大猿化で戦闘力10倍だから、この時点でベジータの戦闘力って18万に届くんですよね。強すぎる。

爆裂弾
悠仁が編み出した気弾の1つ。
着弾、もしくは悠仁の意思で爆発させることができる。
殺傷力もそれなりにあるけど、ベジータには効かない。
多分ナッパにも効かない。
これからの成長に期待。
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