戦争ごっこなんぞ勝手にやってろ   作:ジェネレータ

1 / 1
高育に行ったった

高度育成高等学校。未来を支えていく若者の育成を目的に政府が作り上げた学校。俺がこれから通うことになる学校だが、この学校は生徒を実力で測る学校だ。その「実力」次第では当然のように退学させられるイカれたルールとなっているが、一般にその情報は知らされていない。では何故俺がそんな情報を知っているのかというと、それは俺が転生者だからだ。

 

「ようこそ実力至上主義の教室へ」。前世で大人気の作品だったこの世界に俺は転生した。あまりにも前世と変わらない世界のため最初はわからなかったが、この学校の名前をテレビで見て衝撃を受けた。が、それもすぐに落ち着いた。何故ならこの世界は前世とそこまで大差ない。備えなかったせいで死にました、なんて物騒なことは起こらない。舞台となるものも基本的には学校の敷地内とあって、進学しなければ前世と同じような人生を送って終わりとなる。

 

気にならなかった、と言えば嘘になる。俺は前世でこの作品を追ったことこそないが、それでも設定や登場するキャラの多くに魅力を感じる程度には好きだったのだ。原作を読んでいなくともアニメの一期はしっかり楽しんだし、二期以降も時間ができた時に見ようと思っていた。原作を追いかけ、アニメは全てリアタイし、ゲームが出れば予約していた作品と比べると熱量はどうしても劣るが、それでも少なからず好きだった作品の世界に転生できた喜びはあった。だがそれでも、しばらくはこの学校を進学先にするか迷っていた。進学率・就職率100%謳っているこの学校に行くよう散々両親や中学の担任に勧められたが、生徒全員がその恩恵受けられる訳ではないことを知っている身としてはハイリスクローリターンな賭けはしたくないし、原作キャラの闘争に巻き込まれたら面倒極まりない。原作キャラに会ってみたい欲は確かにあるが、龍園辺りにボコられる可能性を否定できないのは恐怖でしかない。しかもそんな地獄を耐えきったところで、高校卒業資格しか貰えない可能性の方が高いのだ。はっきり言って、普通の学校に進学して普通に生活した方が遥かに賢い選択だ。それでも結局進学先に選んだのは、やはり原作キャラに会ってみたい欲が勝ってしまったから。

 

バスが緩やかに発進し、車体が揺れる振動でバタバタとうるさい音を鳴らす。なんとなく車内をぐるっと見渡してみたが、どうやら原作主人公である綾小路とは別の車両だったらしい。同じ車両なら多少舞い上がっていたかもしれないが、ホワイトルームの最高傑作であるあいつなら速攻で勘づいたかもしれないし、むしろ良かった。いきなり敵認定されるとは思わないが、ホワイトルームからの追ってだと思われたら最悪普通に殺される。ワンチャンDクラスにされる可能性があるし、見掛けてもすぐに視線を外すべきだろう。あいつは味方に付ければ最高だが、敵に回すと詰みでしかない。警戒されるような行動をしないよう注意しよう。ま、そもそも原作キャラと同じタイミングで入学できた保証なんぞないんですけどね。原作ではどうだったか知らないが、アニメでは具体的な日付けが書かれていた記憶がないので、これで入学したら先輩or後輩でしたって可能性も全然ある。1学年下だったら嫌だな。名前忘れたけどすげぇ暴力の擬人化みたいなやついたじゃん。あんな現代社会でどうやって生きてきたのかわからんやつと同じ学年とか普通に拷問だろ。一番マシなのはハイスペ会長と同じ学年だが、1年間しか主要原作キャラを見れないのは面白くない。マジで運ゲーだなこれ。

 

やがてバスは高度育成高等学校―――長いから高育と略すことにするが―――の校門で停まったために運賃を払って降車する。広大な敷地面積を誇る監獄じみた学校を見上げると、覚悟を決めてクラス分けを確認しに行く。Aクラス、Bクラス、Cクラスと順番に見ていき、それらに名前がなかった時点でもはや俺のクラスは確定したが、一応最後まで探してみる。すると「戸山(とやま)瞬太(しゅんた)」と今世での俺の名前を発見した。あとは原作キャラがいるかどうかだが、Aクラスに坂柳や葛城の名前があったのでギリギリセーフとしよう。平和に過ごせるとは言えないけど、龍園より終わってる暴力野郎と同じ学年じゃないだけ圧倒的にマシだ。何も安心できねぇけどな!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

松雄栄一郎に転生した男。(作者:一般通過害悪)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

作者の書きたいことを書き殴る小説。▼松雄栄一郎に転生した男が綾小路清隆と共に送る学校生活を描いた物語。▼このオリ主は転生者ですが、ようこそ実力至上主義の教室へを見たことがない一般人です。▼あくまで、転生なので憑依とか、その人物の人生の上書きではないのでその人物の意識とかはないです。原作設定などは極力間違えないように努めますが、あくまで二次創作なのでそこのとこ…


総合評価:272/評価:8.33/連載:2話/更新日時:2026年05月01日(金) 00:12 小説情報

よく来たね、ボクだけが勝つ教室に(作者:透明な唐揚げ)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

ホワイトルームのカリキュラムを僅か1年でクリアしたモノホンの怪物を平穏な高校生活を望む綾小路くんにぶつける。▼


総合評価:418/評価:6.87/連載:4話/更新日時:2026年04月22日(水) 18:00 小説情報

壊れかけのホワイトルーム生(作者:器用貧乏ならっこ)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

もし天沢や八神達の世代に、心が壊れかけている転生者がいたら…というお話です


総合評価:408/評価:8.64/連載:2話/更新日時:2026年03月26日(木) 18:00 小説情報

ようこそオリ主が行く実力至上主義の教室へ(作者:フロール)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

努力で頑張ったオリ主が才能に抗うお話▼初投稿で拙いと思いますが、がんばります


総合評価:-62/評価:2.6/連載:6話/更新日時:2026年06月14日(日) 21:02 小説情報

ようこそ最低傑作がいる教室へ(作者:一魁人)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

才能は生まれつきのものなのか、それとも教育によって作り出せるのか。▼その答えを証明するために作られた教育施設――ホワイトルーム。▼感情、自由、個性。その全てを排除し、ただ結果のみを求める極限の環境の中で、一人の少年が育てられていた。▼神凪月詠。▼銀髪とオッドアイを持つ、美しい少年。▼六歳にして大学数学を理解し、数百桁の数字を記憶し、多言語を同時処理し、他者の…


総合評価:112/評価:7.75/連載:1話/更新日時:2026年06月14日(日) 23:12 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>