僕が蒼を纏う理由 ―かつて十天の頂点だった男のハーレム戦記― 作:鵲くん
先輩の戦いは凄い、前からそう思っていたけど、俺達の理解できる範囲を軽く超えていく…
『時間切れ?どういうこった?』
『12枚羽の出力が最大まで高まったという事だ、貴様たちはこれで終わりだ。』
過去の先輩は少しきょとんとした後、鼻で笑う。
『なんだ、そんな事かよ、そんなんじゃ諦めてやれないぜ?』
『貴様は何故そこまで諦めない、貴様が一人抗い、戦った所で何も変わらない…世界は滅ぶ。』
過去の先輩から光が溢れる、様々な色が混ざり合い、とても神々しい…ってのはこういう事を言うんだろうな。
『絶望に負ける位なら戦いをまずするな、って話さ。』
『ふむ…』
『自分より強いヤツが居ないなんて事は無い…そん時絶望して、固まってりゃ誰かが倒してくれるのかよ…違うだろ‼』
『力を相手によってコロコロ出し方を変える…そんな人間に俺はなりたくないんだ‼』
先輩の斬撃がルシファーの胸を切り裂く、一条の切り傷がルシファーに出来る。
傷を撫で、それでもルシファーは表情を変えず、先輩に語り掛ける。
『羽虫、とは呼べんな、この有様では…狡知を無様と言いつつ一人の空の民にここまでされるとは。』
ルシファーは攻撃の構えを崩さない、全く隙が無い。
『上ばっかり見てっから足元掬われるんだよ、空の民なめんじゃねーよ。』
先輩はボロボロだが、ルシファーには切り傷一つ、先輩が不利だと思える。
『我に一撃を入れたのは認めよう、貴様なら中々食い下がるだろう、だがそれで終わり、エテメンアンキがパンデモニウムに落ちれば世界は滅ぶ、そして貴様の努力は無意味だ。』
ルシファーのその一言に先輩は剣を握り直し、切りかかる。
二人の応酬が続く、もはや並みの存在では近くにいるだけど消滅するであろう理の力と神域に達する剣の応酬
その戦いの中二人は問答を続ける
『俺が勝つ必要はないさ、俺が削ればサンダルフォンやジータ達がお前を倒してくれる、そうすりゃ、世界は救われてみんなハッピー…言うことないハッピーエンドじゃねぇか。』
先輩がそう返すとルシファーはフンッと軽く鳴らしまるで諭すように告げる。
『それが貴様の狙いか、犠牲前提の戦いで我をどこまで削れるか…命を無駄にしたな、お前ほどの存在が。』
そうだ、このままじゃ、先輩は無駄死にになっちまう…
この場に居る全員が息をのむ。
『俺は無駄にならないし、死ぬつもりもない、あいつらが来るまでにお前を削ってみんなで倒す、簡単じゃない?それに俺には夢があってね。』
『夢?』
夢…まさか…
『そう、夢さ、ハーレム作っていつか死ぬんだ、これ以上ない人生だろ?』
ルシファーが少し苦い顔をする。
『そんな下らぬ夢とやら、果たせずここで散るがいい。』
切結びあってた状況をルシファーの重い一撃が飛び、アマタがのけぞる。
アマタが態勢を立て直すとルシファーが力をためている、とても、とても強い力の奔流だ。
『ちっ大技で決める気かよ、なら俺も奥の手出すか。』
過去の先輩の奥の手…なんだろう、すごく気になる…
『ほざけ、貴様はここで消滅しろ、それが救いだ。』
二人が力をためる、ものすごい力の奔流、その余波だけで建物が揺れる。
少しの後揺れが収まり両者は光り輝いていた。
『これが最後の問答となるだろう、言い残すことはあるか?』
先輩は不敵に笑う。
『最後じゃねーよ、これが(未来)だ‼』
ルシファーは少しの間目を閉じ、そして開く、二人は叫ぶ
『パラダイス』 『十天極光』
『ロスト‼』 『蒼穹の理(アーク・ノヴァ)‼』
幾重もの光と一つにまとまった光がぶつかり合う、そして水晶から溢れ出た光が、部屋中を白く染め上げ、俺達は思わず目を庇う。
映像の余波だと分かっているのに、肌が焼けるような錯覚すら覚えた
―――――
アマタが水晶を撫で、映像を消した。
「ま、この後仲間がルシファーを完全に倒してくれて、それで俺は世界を渡る事になった訳なんだが…なんか質問ある?」
イッセーは聞きたかった事を聞く。
「先輩的にはこないだのベルゼバブって奴とルシファーだったらどっちが強いんですか?やっぱり強くなった先輩だとルシファーも余裕ですか?」
この場の全員が聞きたかったことだろう、今のアマタならルシファーがまた来ても倒せるのか…それが気になっていた。
「あの時、ルシファーを倒した時の俺は全盛期だ、今の無理矢理技増やして強くなったのとは違う、純粋にあの時の方が強いと思う。」
「どういう事?アマタ君?」
「俺は世界を渡った、その奥義の代償として、力を一部失っているんだ。」
「「「「「「「「「「⁉」」」」」」」」」
全員が唖然とする、あの時、ベルゼバブを倒した強さは、この世界のモノとは思えない程洗練されていた…なのにそれですら力を失っているというのだから…
「今の俺の強さは全盛期の半分…ってとこかな、それを魂の共鳴使って無理やり何倍もの力を引き出してるんだ。」
「やはり、魂の共鳴はそれだけの力を引き出すのですね、では代償が有るのでは?」
「代償はよっぽどの武器じゃないと話にならないってとこかな…以前使ってた武器が砕け散ったのもアレが原因だし。」
「全盛期のアマタ君どれだけ強いの?今は半分の力だって言うけど、実感湧かなくて…」
アマタは少し考え込み…答えた。
「全盛期の俺だったら、元の世界で俺に勝つ可能性有ったのは、ルシファーだけ…こないだのベルゼバブはそもそも勝負にならなかったかもね。」
―――――
隠れ家、と言うにふさわしい研究施設のような場所で、一人の男がアマタとルシファーが戦う姿を見ている。
「ふむ…昔のアーちゃんとファーさんの戦っているシーン…最高じゃないか、互いの思いがぶつかり合う、そして互いを高め合う戦い…」
「ま、特異点達のせいでせっかくの極上の戦いも台無し…サンちゃん達が頑張るのも良いが、二人のぶつかり合いをもっと見たかったね…」
「でも、その戦いはもう一度見れる…ねぇ…ファーさん…」
そう言って男、ベリアルがカプセルを見上げる、その中にはボロボロの、それでも神々しさと美しさを損なわない一人の男が居た。
「全部…全部壊そうね、ファーさん…」
カプセルをうっとりと撫でる男の片手にはアマタの持つ水晶と同じものが有った。
過去編ようやく書ききった…めっちゃ難産でした、次回からは本編ようやく進んでいきます。
アマタ君どう?良い子?
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いっぱいちゅき
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爽やかだね
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ん~魅力が…