春の午後の授業中、窓際で微睡んでいた男子高校生・高橋大樹は、突如として意識を失う。目が覚めると、彼は厳格で独身の数学教師・川島美智子の肉体へと変貌していた。

教壇で自らの「女の身体」に困惑する大樹の目の前には、床に倒れ伏していたはずの「自分の肉体」が立ち上がる。しかし、その中身は冷徹な知性を持つ美智子へと入れ替わっていた。

混乱に陥る教室の中で、美智子(中身は大樹)の動揺とは対照的に、大樹(中身は美智子)は冷静に現状を分析。元に戻る方法が判明するまで、互いの立場を偽って生活することを宣言する。

「他者の立場に立つ究極の教育実習」と称し、若々しい大樹の肉体を自在に、かつ不敵に使いこなす美智子。一方、大樹は女性特有の肉体的な拘束感や周囲の視線に怯えながら、美智子として「異常な日常」へと引きずり込まれていく。それは、二人の支配関係が逆転し、アイデンティティが侵食されていく日々の始まりだった。
  放課後の標本箱
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