流石に全部は無理でしたが····
蒼鋼さんアイディア提供ありがとうございました
それでは、番外編お楽しみください!
“ノーネーム”本拠・コーキの部屋
コンコン。
「はいはーい。誰かな?」
「私だ、コーキ。入るぞ」
「どうぞどうぞ」
ガチャ とドアを開け入って来たのは、綺麗な金髪を持つ吸血鬼メイド・レティシアだった。
その右手のトレイには、ティーポットとカップ、そしてお茶菓子がのっていた。
レティシアはそれを椅子が二つある小さな丸テーブルに置いていく。
コーキは、その間に机の引き出しから小さなポリ袋と『レティシアちゃん』と書かれた付箋が貼られた写真の束を出す。
そして、それぞれの準備が終わると席に着いた。
「いや~、それにしても写真の注文は予想してたけど、これんなのを注文されるとは思わなかったよ」
「そうか?私は吸血鬼だから普通だと思うのだが····」
「まぁ、それは僕のイメージの話だから気にしなくていいよ~」
コーキはそう言いながら、写真の束をレティシアの前に置いた。
「さて、これが注文してた火龍誕生祭に居た時のカズマの写真ね」
レティシアはそれを手に取り、ざっと目に通す。
その際、表情が綻んでいたのは当然ことである。
「で、こっちが包帯ね」
今度はコーキが出した包帯の入ったポリ袋を開けると少し匂いを嗅ぐとすぐに袋を閉じた。
「ふむ。······カズマの血の匂いだ」
そうこれは、インドラの槍を放った際に体が耐えきれず再出血し血でべとべとになった包帯である。
詳しくは、第10話の冒頭を参照。
「て言うかそれ、何に使うの?」
「匂いを嗅いだり、多少だが血を食べることが出来るのだぞ!」
「え······ああ、吸血したいならカズマ本人に頼んだら?そっちの方が生だし」
「いや、それが何度か頼んでみたんだが······断られてな」
「こんな美少女に吸血してもらえるなんて本望でしょ····!でも、流石はカズマだね~」
「で、代金は銀貨二枚だったか?」
「うん。けど····一枚でいいよ!」
「随分と良心的だな」
「いや、その代わりって訳じゃないけど少しお喋りに付き合って欲しいなーって」
「ああ、だからお茶の用意をさせたのか」
「そゆことww」
レティシアはすっ と手を伸ばし、優雅にお茶を一口飲むと、
「では、お喋りとは何を話すのだ?」
「いや~、本題に入る前に質問とかない?僕について」
「もちろんあるぞ。例えば、君はカズマ以外にも私や飛鳥、黒ウサギに耀などの写真をどうしているのかな、とかか」
「あっ、やっぱそこ気になるw?そりゃ、カズマの写真があれば自分の写真もあるかもって考えるの当然だね!ちなみに“ノーネーム”全員の写真があるよ」
「それで、私とかの写真とかも·····やっぱり売ってたりしているのか?」
「うん。······まぁ心配することはないよ!今のところ、“ノーネーム”メンバーと白夜叉ちゃんにしか売ってないから。てか、主な収入源は白夜叉ちゃんなんだよねー」
「やはり、黒ウサギの写真がメインか?」
「うん。でも、女性陣の写真全部買ってるよ」
「ほう。私のもか?」
「そだねー。でも、レティシアちゃんの写真なら飛鳥ちゃんも買っていったよ」
「カズマじゃないのか·······」
ちょっと、ショックと言うか残念な表情のレティシア。
コーキは笑いながらお茶菓子のクッキーを食べ、
「ハハハ!まぁ、カズマは写真なんかに興味はないからね」
「それはひとまず、置いとくが飛鳥も写真を買っているなんて意外だな」
「そう?黒ウサギちゃんとか耀ちゃんも思い出写真として買いに来るから割りと普通だよ~」
「ああ、なるほど!そういうことか。こう見ると、本物の写真屋みたいだな」
「まぁね!でも、こうやって好きな人、気になる人の写真を買いに来る人もいるんだよね」
と言いながら何処からか出したカメラでレティシアの写真を一枚パシャ と撮る
「··········。カメラとかは、どこで買ったんだ?やっぱり、“サウザンドアイズ”か?」
「本体はね!でも、細々としたパーツは僕の行きつけの雑貨店で買ったよ」
「雑貨店?」
「うん。『愛されて80年、あなたの町のハボック雑貨店!パンツのゴムから装甲車まで電話一本でいつでもどこでもお届け参上!』ってのが売り文句の雑貨店なんだ~。配達もしてくれるし、実際に店舗に行っても色々あって楽しいんだよ!」
「それは、中々面白そうな雑貨店だな。今度の買い物の時に寄ってみようかな····」
「そうすると、良いよ。なんだったらカズマを連れて買い物デートってのはどう?」
「なっ!?デ、デートだと·····////」
思い出されるのは、火龍誕生祭でのこと。途中で邪魔が入ったがアレは本当に楽しかった。あの時は、勢いでカズマと一緒に祭りを回ったが今思い返してみると恥ずかしいというか何と言うか····。よくもまあ、大胆なことを出来たとレティシアは思う。
「ありゃありゃー。レティシアちゃん、顔赤いよー!一瞬の間に頭の中で妄想デートでもしたの?カワイイなー!!」
「そ、そんなことしてないぞ!別にこれはその·····ええと····」
「アハハハ!冗談だよ!じょーだん!でも、まぁレティシアちゃんが今後カズマとどうなりたいかってのは知りたいなぁ」
「どうなりたいって······。どういう意味だ····?」
「そりゃそのままだよ。恋人になりたいとか結婚したいとか、なんだったら妄想したことでもでもいいよ。要するに願望を言えばいいんだよ!」
「別に大したことないぞ····」
レティシアは恥ずかしそうにもじもじしながら、
「もし、出来れば·····」
「出来れば?」
「出来れば、普通に話たり触ったり匂い嗅いだり私物もらったり吸血したり髪に触れたり手を握ったり隣を歩いたり女装させたりデートしたり肉を喰べたりカズマの服を着たり写真でポスター作ったりブロマイド作ったり一緒に寝たりキスしたり一生私から離れられなくさせたり抱き枕作ったり一つになったり抱き枕にしたりしたいだけだ······////」
「うん!超僕の予想の斜め上だね!!一部は頬を赤らめて言うことじゃないと思うよ!!!」
レティシアは「うう、恥ずかしい···」と言いながら両手で顔を赤い顔を隠す。
ここからレティシアは元の調子を取り戻すまでコーキはそっとして置いた。
◇◇◇
「落ち着いた?」
「ああ」
そう言いながらレティシアはぬるくなった紅茶を飲み干すと、深呼吸をした。
「よし!もう大丈夫だ」
「まだ頬は赤いよ」
「誰のせいだと思っている」
「さて、一段落したところで本題に入りますか」
「まだ本題じゃなかったのか。もう2620文字だぞ」
「大丈夫!作者がどうにかしてくれるはず」
コーキは立ち上がるとクローゼットに向かい開けると、
「え~と、どこだっけ?········ああ、あった!あった!」
中からミニスカの巫女服とロングブーツ、そして金の髪留めを取り出した。
「それは、まさか·····!」
「じゃ!じゃーん!ついに完成しました。金剛型三番艦、謙虚で朗らかで礼儀正しくしかも巨乳と提督たちの心を大破させる艦娘・榛名の衣装でーす☆」
「本当に作っていたのか····」
「確かに本編の合間に作るのは大変だったけどね~」
コーキはそう言いながら黒い布で即席のカーテンを作り、
「ちょっと着替えて来るねー!」
カーテンを閉じた。
コーキが着替えてる間にレティシアは考えた。
(う~ん、コーキ自身が着替えているってことは誰に変身してるのだろう?ここまでのパターンから考えれば黒ウサギだろうが·····。それなら白夜叉がすごく喜びそうだな)
そこでカーテンがシャッ と開いた。
「お待たせ!レティシアちゃん」
その向こうにいたのは――――
赤い瞳に綺麗な黒の長髪の美少女だった。
「!?」
レティシアは、気づいていなかった。
自分が無意識の内にテーブルの上に置いてあるコーキのカメラに手を伸ばしていることを。
そして、シャッターを切っていることに。
「そ、その姿·····。まさか、カズマなのか····?」パシャパシャ
「YES!流石はレティシアちゃん、わかってるー!ちなみに髪はウィッグね」
そんな会話が行われている間もレティシアはシャッターを切り続け、コーキはその度にカズマが絶対しない笑顔で様々なポーズをとる。
合計20枚を超えた辺りでやっとレティシアはシャッターを切るのをやめた。
「どうだった、レティシアちゃん?カ・ズ・マの女装姿は」
「ああ、ヤバい····。これはヤバすぎだ!今すぐ抱き締めてお持ち帰りしたいぐらいカワイイッ!!!」
「ですよねー!僕もそう思うんだよ。ちなみに僕的にこの衣装かなり気に入ってるんだ♪」
コーキはくるくると回りながら窓に近づきカーテンを開け、身を乗り出した。
「ねぇねぇ、カズマもこの服着てみようよ!絶対似合うって!!だって、偽物であるぼぎゅが!!!」
語尾がおかしいのは窓の向かいの木の上で寝ていた黒猫に強烈なネコパンチを食らったからである。
その勢いで室内に倒れた偽物を無感情な目で見たあと、何事もなかったように黒猫は眠った。
「うう·····鼻痛い。どうやらおきに召さなかったみたいだね·····」
「そうみたいだな。ああ、猫型のカズマもかわいい·····。もふもふしてふにふにしたい····」
「じゃ、気を取り直して。次の衣装行ってみよう!」
レティシアの感想はスルーしてコーキは次の衣装をクローゼットから取り出した。
「ふむ。今度のは女装じゃなくいのか」
「ああ、これはアメストリス国の軍服。青が基本の服だ」
今のコーキ(カズマ)はさっきまでのコーキが動かすカズマではなくコーキが演じるカズマである。
「こうやって見ると、軍服もなかなか様になっているな。何というか······カッコイイ。出来る青年将校って感じだな」
レティシアはまるで芸術作品を見る専門家みたいに何度も頷きながら言う。
「アメストリス国の軍服ってことは少佐も同じ服を着ていたってことか?」
「ああ、基本的にあの人も同じ格好していたけど何故かよく上着を脱ぐんだよな」
「?。暑いからとかじゃないのか?」
「違う。詳しく言うと、上半身裸になりたがる。主に戦闘時などに」
「シュトロムを駆逐した時みたいにか?」
「見てないからわからないが多分そうだと思う」
「·······。何気に思ったが少佐殿って話の中とかによく登場しないか?」
「そうだな。作者が面白くて少佐のことが好きだったり、読者の受けもいいからな」
「確か、『ヒゲ☆』の時はかなりお気に入り登録者が増えたらしいな」
「原作での少佐の人気度がよくわかる」
うんうんとレティシアは頷く。そして一拍間を空けると、
「さて、コーキよ。君が作った衣装はまだ他にもあるのだろう?撮影を続けようじゃないか」
のちに、その写真がネットで話題になり非公式ファンクラブが出来たり、一体何処のコミュニティの美少女なのかを調べる調査団が結成されたりするほどの人気になるのだったがそれを窓一つ向こうにいる
◇◇◇
ここからは、おまけというか余りというか·····本来はないはずの延長戦みたいなものだ。
正直、どうでもいい内容だが暇なら見たらいい。別に強制も何もしない。
どうせ喋るのはコーキ一人なのだからな·····。
「ねぇ、レティシアちゃん。君はカズマが君のことをどう思っているかを考えたことはある?
「うん。やっぱり考えたことあるよね~
「でも、結局わからないって言うのは当たり前だよ。そりゃ、本人のみぞ知るってね
「えっ?何が言いたいかって?僕にとっては大したことじゃないけど····。僕はカズマがレティシアちゃんのことをどう思っているか知ってるよ
「いや、そんなに食いつかれても困るなぁ。別に本人に聞いた訳ではないから····
「何故わかるか?それは、あれだよ。僕が幼なじみだか――ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。本当にごめんなさい。だから、そんな笑顔で嫉妬した視線を向けないで!怖いから!
「ええと、ともかくこれはカズマについての常識から言える事なんだけど―――カズマってレティシアちゃんのことどうとも思ってないよ。好きでもなければ嫌いでもない。かといって、興味もないし関心もないね
「ありゃ?意外とショックとか受けてないね。もしかして分かってた?
「ああね。薄々分かってたんだ
「うん、やっぱり少しはショックだよねー。でも、気にしなくていいと思うよ。
「つまり、カズマって人間は他人に興味がないの。レティシアちゃんや十六夜君、そして僕もね。例え、僕が死んでもお葬式には参加してくれても何も感じてないだろうし、『ああ、死んだんだ』ってくらいの感想しかないよ
「そう、幼なじみである僕でさえカズマの中ではその程度なんだよ。そしてこれはレティシアちゃんたちも一緒
「さてさて、そんな超ドライなカズマの心を奪うことが出来るか僕は楽しみだね!期待してるよ!!
「ん?カズマが何でそんなにドライでいられるかって?そんなの簡単だよ
「だって、僕たちの代わりはいくらでもいるから」
どうも~、今章もやってきました
私の独り言です!
まぁ、今回は最後にあった延長戦的なものについて呟きましょうか
あれは本来ならあるはずの会話でしたがレティシアさんが話している途中で忘れてしまったからなかった会話です
そして、このコーキさんの言葉は本編には反映されないのでご注意を←ここ大事!
だから、本編で何かあっても全く関係ないのでご注意を←大事だから言いました
さて、それでは注意も済みましたしあの会話の意味を軽く解説しましょう
あの会話の最後の「僕たちの代わりはいくらでもいるから」これが一番重要語な言葉ですね
厳密に言えば人間というものは全く同じ個体は存在しません
人間一人一人はオンリー・ワンです
しかし、ある程度なら似ている人間もいます
そして、カズマさんにとってはコーキさん達はいてもいなくてもいい存在です
ここまで言えば、大体お分かりいただけたでしょう
そう、いないならいなくていいですし、いてもその人じゃないとダメだっていうこともない、ということです
ですから、『代わりはいくらでもいる』ってわけです
いや~、ここまで来るとちょっと冷酷な人みたいですね
では、最後にコーキさんがカズマさんについて語った理由を言いましょう
レティシアさんの恋が実るにはどうしたら良いかを伝えたかったんですよ