いや~、ここまで半年以上かかってしまいましたが皆さんどうでしたか?
楽しんでもらえてたら幸いです!
あれ、似たようなこと毎度言ってるような·····?
それはともかく、本編へと参りましょう!
吸血鬼の古城・最端の崖
カズマたちは、レティシアの返事を聞いた後すぐに古城の端に移動した。
ちなみに先ほどから耀は少しご機嫌斜めだ。
どうやら先ほどの問答に自分だけ仲間外れにされていたのが原因らしい。
「ねぇ。もう機嫌直してよ耀ちゃん。悪かったから」
「私も問題児の一員なのに····」
「ごめんごめん。悪かったって」
「ほっとけコーキ。時間がない。春日部を除いた俺たちでレティシアを救うぞ」
「ごめんなさい。機嫌直すから。怒ってないから。私もレティシアを助けさせて!」
必死にそう言う耀を見て、十六夜は愉快そうに笑った。
「時間がないからさっさとするぞ」
「分かってるって~。というか、その左目ってアイツのだよね?」
「アキレスさんが出ていた時と逆になってる」
耀の言う通り今のカズマは右目は元々の彼の色だが、左目はアキレスと同じ翡翠色に文字盤が浮かび長針と短針が時を刻んでいる。まさにアキレスが出ていた時とは逆に瞳の色が逆になっている。
「それがどんなギフトかは気になるところだが、レティシアを助けれるぐらいのもんなんだろ?」
「ああ」
「なら、レティシアのことは任せたぞカズマ。よしお前らやるぞ」
十六夜は拳を出す。それに習いコーキも耀も拳を出して待つ。
「ほら、カズマ」
「分かってる」
何時もの彼ならノるはずないことだが、三人は分かっていた。
今の彼ならノってくれると。
カズマも拳を出す。十六夜もコーキも、耀でさえ口元が吊り上がり自然と笑みを作る。
「あの自暴自棄になっている駄メイドを完膚なきまで救ってやるぞッ!」
「「「「おお!」」」」
四人は気合い共に互いに拳をぶつけ合った。
これで作戦決行の合図は鳴った。
十六夜はさっそくコーキのフードを掴むと、
「俺たちはお嬢様を手伝いにいくぞ、コーキ!ヤハハハハ」
「え、ちょ、待っ、僕生身!人間!死ぬ!ここから飛び降りたらああああああぁぁぁぁぁぁ―――!!!!!!」
そんなコーキの言葉に意味はなく、コーキは人生二度目のヒモ無しバンジーを体験したのだった。
残ったカズマと耀はコーキたちが落ちていった方も見ながら、
「惜しい人を亡くしたね」
「ああ、まったくだ。コーキの良いところはいなくなれば、静かになることだな」
「そうだよね。たまにちょっとウザいしマジ死ねって何度も思った····」
「··········」
「··········」
しばし沈黙すると、
「「南無三」」
二人は手を合わせたのだった。
「よし·······出来た!」
耀の履いていた革のロングブーツは白銀の装甲に包まれ、その先端からは燦爛とした光を放つ翼が生えていた。
「お待たせ。行こうカズマ·······カズマ?」
カズマは何を考えているのか分からない何時もの瞳で耀のブーツを見ていた。
「いや、やっぱりみんな成長していくものだなって思っただけだよ」
「うん。カズマも具体的には言えないけど、何か変わった気がする」
「それ動物的な勘?」
「多分、そんな感じ···かな。匂いっていうか雰囲気?とにかく何か変わったと思うよ」
「そう。そうだと、いいな」
外を見ると巨龍が降下し始めている。
「私が今出来るのはあの巨龍の所まで連れていくことだけ。あとは任せた」
「ああ。それじゃあ、行こう」
うん、と耀は頷いた。
◇◇◇
“アンダーウッド”大樹の麓
雄叫びと共に大樹へと突進を仕掛ける巨龍を迎え撃つために飛鳥はディーンを最大にまで巨大化させていた。
それでも、あの巨龍を止めるのには力不足なことは明確だった。
「でも·······やるしか「―――りょくうううううううスイいいッチいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」」
そんな叫び声と共に二つの落下してき、着地寸前で運動エネルギーが反転させられ緩和したのか静かに着地した。
「おお~、何かスゲー力持ってんじゃねぇかコーキ!まっ、そんなことしなくてもちゃんと着地してたから大丈夫だったんだけどな」
「あのね!いくら君が衝撃緩和しても普通の人間である僕は死ぬのOK!!??」
「·······あなた達何しに来たのよ」
正直色々とブチ壊しな二人に冷たい視線を送りながら言った。
「何って助っ人に決まってんだろ。いくらお嬢様のギフトで強化してもディーンは役不足だ」
「·······そんなの言われなくても分かってるわよ」
「落ち込むことはないよ。人が一人で出来ることには限界があるから」
コーキの言葉はもっともだった。
「そんじゃ、十六夜君は先行して少しでいいから突進の威力を削いで。悪いんだけど飛鳥ちゃんはディーンで二重円の中に六芒星を描いて。そしたら後ろで構えて」
十六夜はそれを聞くとボゴッ!とクレーターを残し飛び出して行った。
「ディーン聞いていたわね?十秒で描きなさい」
「DEEEEN!!」
ディーンは飛鳥の言葉通り十秒で錬成陣を描ききった。
「終わったわコーキ君。でもこんな大質量の錬成って一人で出来るの?」
「そ・れ・は、やってみなくちゃ分かんないでしょ!」
パァンと手を合わせ、錬成陣に触れると陣が光り出した。幾つもの稲妻が走り、地面が盛り上がる。
そして、分解され再構築されたものは巨大な泥の壁だった。
ディーンよりも巨大で分厚い。しかも、ねちゃっとした流体だ。
「こんなので止められるの?」
「いや、無理だろうね。って来た来た!飛鳥ちゃんはその泥山の後ろで構えてて。あれが抜けたところに一発強烈なの頼むよ」
コーキはしゃがみ込み荒い息をしていた。その姿がどういう原理か泡の様に消えた。
直感で退避したのだと飛鳥は理解した。
巨龍は十六夜の奮闘により始めほどよりか突進の威力は少なくなっていたが十分に強力だ。
「GYEEEEEEEEEEEEYAAAAAAAaaaaaaaAAAAA!!!!」
雄叫びを上げながら一直線に進んでいく。その先にある泥の山など眼中にはない。
頭からその泥に突っ込んだ。分厚いのにほんの数秒で飛鳥の前の面から顔を出す。
すぎに飛び出してくると思いディーンに命令を飛ばそうとしたが、あきらかに遅い。
目に見えて巨龍の動きは遅くなっている。
理由はイマイチ分からないがこれを勝機と見た。
『全力の一撃を放てディーン!!』
「DEEEEEEEEEEEEEEEN!!!!!!!」
飛鳥のありったけの力の乗った命令に応え、全力の拳を巨龍の顎目掛けて打ち上げた。
巨龍はそのまま天に向かって駆け上がっていく。
それと同時に大天幕の解放が重なり、“アンダーウッド”を覆っていた暗雲が霧散していく。
その光景は、一つの芸術作品だった。
コーキはそんな光景を半壊した建物の上から見ていた。
「泥など非ニュートン流体の一種ダイラタント流体は、前断速度の大きさにともない粘土が不連続に増加する···。つまりは、早く動こうとすればするほど堅くなるってわけだよ」
巨龍の姿が太陽の陽射しの中に溶けていく。
それを追いかける一つの輝きだあった。
追走していく白銀の光から飛び出したカズマはパァン!と手を合わせた。
空中に稲妻が走り二振りの剣が錬成される。
それを掴むとカズマは眼を見開いた。
「――――
カズマは一筋の影となって巨龍の心臓を貫いた。
巨龍に断末魔はなく、急速に光りの中へと消えていく。
巨龍の心臓から助け出したもう一つの太陽―――大切な仲間レティシアを日光から守るように抱き締めながら人形は呟いた。
「案外こんな人生も····悪いものじゃない」
さて、カズマさんの瞳について補足というか説明をしましょう
簡単に言うの左眼が白カズマさん、アキレスさんの瞳の色である翡翠色になってギリシャ数字、長針、短針、秒針のあるアンティークな時計と化しています
これはアキレスさん顕現時の色と逆でもあります
アキレスさんの時は左瞳の時計は変わりませんが色が赤です
二人共、普段はそれぞれの自分の瞳の色ですが力を使う際のみそうなる設定です
では、これは何なのか。アキレスさんは史実ならそんな瞳に時計が浮かび上がるなんてことありません
つまり、オリ設定です
これについても彼の武具である槍ムスペルヘイム(仮)と一緒に今後本編で語られるのでお楽しみに♪
そして、次回のオチと言いますか後日談もお楽しみに!