誰がコンテニューするかは皆さん大体予想出来てると思います
それでは、さっそく本編へと行きましょう!
“アンダーウッド”主賓室・男子部屋
カズマは目を覚ますと、目の前に綺麗で愛らしい顔があった。
その顔が少しずつ近づいてくる。近づいて、近づいて、近づいて?
唇と唇が接触しそうなぐらい近づいて――――、
「って、ちょっと待てええええぇぇぇ!!!!」
見事なアッパーカットで襲撃者の魔の手を緊急回避する。
なお、アッパーカットの手はパーにするぐらいの配慮はあった。
「痛たたた·····まさか押し飛ばされるとは思わなかったな」
「思わなかったな、じゃねぇ!お前は人が寝ているのに何しようとしてたんだよ!?」
「もちろん、キスから始まるABC」
「わっかんねぇ!!何でそうなるの!?何でそうしようとする!?というか、そんなの十六夜とコーキに見られたらどうすんだよ!!?」
「それなら心配ないぞ」
そう言ってレティシアの指差す方をカズマ見ると、
コーキのベッド←空っぽ
十六夜のベッド←空っぽ
ジンのベッド←布団ごと空っぽ
ああ、何となくジンの現在の状態が鮮明にイメージできた。
そして、今のカズマにはあえていつも空気を読まない二人の気まぐれが裏めしかった。
「クズ共がぁ···」
カズマはガックリと項垂れた。
「で、何でここにいるか説明してもらおうかレティシア?」
「ん、私がいたらダメなのか」
「いや、そう言うわけじゃないけど···さぁ」
カズマは上体を起こし、頭を掻きながら、
「確か俺って昨日、お前にとっては今日かもしれないがフッたと思うんだけど····」
「ああ、確かに私はお前にフラられた。正直に言えば、さっきまで泣いてたんだ。あまりにも悲しくてね」
そう言うレティシアの顔をまだ本調子じゃない目を擦ってよく見てみれば、涙の流れた跡が残っていた。
「じゃあ何でここにいるんだよ。フッた俺の顔なんか見たくないのが普通じゃないのか?」
「そういう場合もあるかもしれないが、私は違うということだ。というか、一回フられたぐらいで諦めるほど軽い気持ちじゃない」
そうレティシアははっきりと断言した。
「そもそもだな····。仮に諦めるとして、あんな手紙の内容じゃ諦めるわけにはいかないだろ。あんな優しさで満ちた手紙じゃあ····。それに私のことが嫌いじゃないんだろ?」
「うん、嫌いじゃない。というか、そこのことは手紙に書いてたはずだけど」
「直接口から聞きたいんだ。私こと、その···好きか?」
「好き。好きあることに変わりはないが、それはlike以上であることしか言えない。だから、レティシア。お前のことを異性として好きかと問われたら俺は答えることは出来ない」
「じゃあ何で顔が赤いんだ?」
そこでカズマは自分が赤面していることに気づいた。
本当にlikeならここまで動揺しないのではないか?
理由を自問自答するが、やはり分からない。
「何でだろ?」
「フフフ、さぁな。私にも分からない。でも、カズマかわいい。もっと見ていたい」
「近い近い近いっ!」
レティシアは、まるで獲物を追い詰める肉食獣のようにジリジリと顔を近づけてくる。
「もっと赤くなった。フフフ」
カズマはそれから逃れようと後ずさるが、すぐに壁に背中がつく。
自分でもどうしょうもないぐらい調子が狂いまくる。
「結局、お前は何が言いたいんだレティシアは!?」
この問いにレティシアは真正面からこう答えた。
「
一瞬、カズマは頭の中が真っ白になった。
そして、理解した。強引な命令な言い方だが、これも愛の言葉であると。
かっとさっきよりも顔が赤くなるのが自分でも分かる。
一回告白されているとか関係ない。こんなこと全然慣れない。
「それにだな·······。別に絶対両想いじゃないと付き合ったらダメだなんてことはないん···だぞ。えっと、ちょっとしたお試し期間みたいでもあって···本当に好きなのか確かめるって意味でもある···。だから、その」
さらに、さっきまで余裕はどこへやら、レティシアは急にもじもじとし始めた。
そしてそんなレティシアを、カズマは不覚にも可愛いと思ってしまった。
「·····ズルい。なんかズルいよ。レティシア」
「恋にズルも卑怯もないんだよ、カズマ。それで···それはどういう意味、なのか?」
「負け。負けたよ。俺の負けだ、レティシア」
両手を上げてカズマは降参した。
「お前の提案を受け入れるよ。つまり·······えっと、よろしくお願いします。って言えばいいのかな?」
「良いんだな?本当に良いんだな!?私で良いんだな!?」
「おいおい、ここまで言っといて今さらそんな質問するなよ」
「はは、それもそうだな。·····こちらこそ不束者ですが、よろしくお願いします」
そう言ってレティシアは満面の笑みでそう言った。
ちなみにこの後「その台詞って結婚した時とかに言うものじゃなかったっけ?」というカズマの疑問はスルーされた。
「とは言ってみたものの、特に何も変わった気がしないな」
「それはそうだろ。だって、まだ五分も経ってないもん」
「レティシアはどう?何か変わった気がするか?」
「私か?私は、今人生で最高に満ち足りているよ。というか、今日もフられたら自殺を考えようかと思っていた」
「そうなの?」
「ああ、完全な失恋=私の死ぬ時だ」
「大袈裟な。何でそんなに俺に執着するんだ?」
「それを聞くか?」
「えっと、ダメな質問だった?それなら悪い。謝るよ」
「いや、全然ダメな質問じゃないぞ。でも、今ここでそれを語る勇気は私に残されていない。さっきので使い果たしてしまったからな」
「やっぱり、告白するってすごい勇気がいるものなの?」
「すっごいいるぞ」
「そうか····」
「うん」
「ところでさぁ」
「···········」
「···········」
「ところでさぁ、レティシア」
「どうした?」
「――お前いつまで俺の上に乗ってんの?」
そうレティシアはさっきの獣が獲物を追い詰めるように迫ったまんまカズマの上に乗っていた。
「それより、知っているかカズマ?私たちのようにこれから結婚を確定として付き合う者はキスをするんだ」
「話逸らした上に嘘つくな!流石に知識のない俺でもそれは違うことぐらいわかるわ!つーか、追加で変な言葉足してんじゃねぇ!」
「はて、なんのことやら?というわけで、キスをするぞ」
「話聞けッ!どこが、というわけで、だ!って、来るな来るな来るな!」
「キスぅ~~~~~~」
「はーなーれーろーこのバカ野郎がッ!!!!」
「恥ずかしいがらなくても誰も見てないのに····」
レティシアはカズマから強制的に引き剥がされた。
「何かお前の提案に乗ったのが、間違いだった気がしてきた···。あと、寂しそうな顔してもダメだからな」
「むー、ケチ」
「ケチで結構」
「まぁいいか」
意外とすんなり諦めたレティシアにカズマは疑問を覚えた。
それを察したレティシアはすぐにちょっと笑いながら答えた。
「今日はこうしてカズマと付き合えるようになっただけで上々。キスまで出来れば最高だなって思ってただけなんだ。だから、今はこれで満足している。それに楽しみは後にとっておけばいい」
「俺は前途多難な気がしてならないんだけどな」
「そう言わないでくれ。私だって完璧な人間ではないんだ。それと、もう一つ提案があるんだが」
「なんだよ?聞くだけ聞くけど?」
「“アンダーウッド”に出発する前にした私との約束覚えているか?」
「ああ、収穫祭を一緒に回ろうってやつか」
「うん、それだ。その、今日行かないか?デート」
「あー、えーと、デートって·····。別に予定もないからいいけどさぁ。でも、お前病み上がりだろ?無理したらダメだ」
そう言ってカズマはレティシアの頭を撫でる。
「えへへ。病み上がりって言っても、元々何ともないからな。それに三日近く寝ていたんだ。もう私は十分元気だよ。心配してくれてたのは嬉しい。ありがとう」
「別に。倒れでもされたら困るだけだ」
「そうと決まれば、さっそく準備をしないとな。それにしても、」
「どうした?」
「いや、こうもカズマをデートに誘う日が来るなんてなって思って」
「··········。ともかく、着替えるから」
「わかった」
そう言うとようやくレティシアはカズマの上から退いた。
カズマはベットから立ち上がり、着替えを出した。
そしてパジャマ代わりのTシャツに手をかけたところで、
「(じいいいいいいい)」
振り返らなくても分かる。それくらい見つめられていた。
「·············。あのレティシア、そんなに見られたら着替えにくいんだけど」
「私のことは気にしないでくれ。いないものだと思って着替えてくれていい構わないぞ」ハァハァ
「そういうことはせめて真顔で言いやがれ!何に期待してんだよてめぇはよ!」
「そんな!下心なんて全くない。私は純粋にカズマの生着替えが見たいだけだ!!」キラキラ
「純粋って付けばなんでも許されると思うなよ」
「むー、見たところで減るもんじゃないし」
「そういう問題じゃねぇ。お前だって着替えてるところじっと見られたら嫌だろ?」
「いや、カズマになら着替えているどころか、寝ているところや入浴しているところなど全てをを見て欲しい!」
「むしろ見せたい人ッ!!!?」
恍惚した表情でそう言うレティシアにカズマは頭を抱ていると、コンコンとノックがされた。
「誰だろう?コーキたちがもう戻っていたのか?」
「さぁな。悪いんだけど、レティシア。ちょっと変わりに出てくれない?俺その間に着替えるからさ」
「んー······了解した」
レティシアはちょっと残念そうな顔をして立ち上がると、ドアに歩いていった。
(どうにか上手く誤魔化せた)
カズマは今の内にとすぐに着替える。
この部屋に訪ねてくる時点で、用があるのはカズマと十六夜、コーキにジンしかない。
もしかしたらを考えて、ドアの方で受け答えしているレティシアと尋ね人の会話を聞きながら急ぐ。
『―――様!』
「ん、レティ――だったな。君も―――」
「い、いえそん――ありま――。お姉―――その傷―――?」
「―――ちょっと手強い―――な。心配する―――すぐ治るさ。私なんか――大変だった―――」
「本当に私は―――」
この感じからしてレティシアの知っている人のようだ。
それにしても訪問者の声をどこかで聞いたことがあるが、思い出せない。
昔よく聞いた声だったと思うのだが。
そのモヤモヤとした感じは訪問者である彼女の一言で簡単に解決と同時に危険へと変わった。
「いや、それにしてもカズマに用が合ったのだが、どうやら部屋を間違えてしまったらしい。すまないな、レティシア君」
その言葉を聞いた瞬間、カズマはドアへと走りレティシアの首根っこを掴んで後ろに放り投げる。
「きゃっ!」
「ん――?」
訪問者の驚きの声やレティシアの可愛らしい悲鳴など無視してすぐに扉を閉め、鍵を閉める。
さらに錬金術を使い壁を溶接させる。
これまでの所要時間0.5秒。
「い、いきなり何をするんだカズマ?」
目測通りベットの上に投げられたレティシアから抗議と疑問の二重の意味の声がする。
「事情は後で説明する!それより、ここは―――おわっ!」
言葉の途中で、背中を預けていたドアが爆せたように突き破られ吹き飛ばされた。
カズマは木片と共に転がり倒れる。
「私も随分と嫌われてしまったようだな」
訪問者は自ら開けた
「久しぶりだな、私の可愛い可愛い弟よ」
「·······久しぶり、俺の綺麗な綺麗な姉さん」
訪問者、レーネ・K・エノモトは笑顔あくまで笑顔だった。見る者に絶対零度の恐怖を与える笑顔で優しくこう言った。
「さて、これはどういうことか説明してもらおうか、カ・ズ・マ?」
カズマはひきつった笑みを浮かべながら、人生初の恐怖を体験したのだった。
(俺、死んだ····)
いかがでしたか?
上げて落として上げてをやってみました(笑)
やっぱりバットエンドよりもハッピーエンドの方が良いですもんね
そういえば、バットエンドをハッピーエンドに変えたいだの何だのコーキさんがいつか言っていたようないなかったような····
ウンウン、運命を書き換えても助けたいってのは心から共感出来ますね
“君の名は。”を見てそう思いました
まぁ、だからってアンハッピーな話を無くすのも面白くないですけどね
さて、本編ではレティシアさんが頑張って論破してましたがどうやらまたハプニングが起きそうですね(笑)
さぁさぁ、二人の運命はいかに――?
次回、“クロナ=クロニクル争奪戦 前編”お楽しみに!