問題児達と錬金術師×2が来るそうですよ?   作:射水 終夜

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まだこのタイトルかよ、って思った読者の方
安心してください。これでここ一連の“クロナ=クロニクル争奪戦”編は終了です
次回は章末なので、久しぶりのチャットメンバーsideです!

なお、後書きにFate/EXTELLAのちょっとネタバレ(?)があります


クロナ=クロニクル 後日談

“アンダーウッド”

 

ランタンには火が灯り、街も人もみんな明るく陽気に魅える。

至る所に夜店や出店が出ており、料理や工芸品、作物など色々な物が売られていて、目で鼻で口で客を楽しませている。

(急がないと、急がないと時間に遅れてしまう···)

そんなお祭り状態と化した“アンダーウッド”の街中をレティシアは走っていた。

本当は時間に余裕を持って出発するつもりだったが、予想外に部屋から抜け出すのに時間がかかってしまったのだ。

それもこれも、レティシアが怪我人だからだ。

腕や足、見えない所は胸やお腹までも包帯でぐるぐる巻きである。

一応、傷は全て塞がっているものの怪我人は怪我人。

外出は禁じられていた。

しかし、カズマとの約束の前ではそんなことはどうでもいいことだ。

今日のギフトゲームでレーネは一旦カズマから手を引くこととなったが、それだけでレティシアは安心出来なかった。

だから日を改めた方が良いと言うカズマの提案を押しきって今日にしたのだ。

けれど、やっぱり本調子じゃない上に右目が包帯で覆われて視界が半分なため、

「うわっ!」

「うおっ、と」

人にぶつかってしまった。

そのまま転けてしまいそうになるが、ギリギリでぶつかった相手が受け止めてくれた。

「大丈夫か?人を探してよそ見してたからぶつかっちまった、すまん」

「あ、ああ。いや、こちらこそすまない」

そこでレティシアは初めてぶつかった相手を見た。

年は十六夜ぐらいだろう。緑色のパーカーを着た東洋系の少年だった。

「お互い様だな。にしても、こんな怪我してるのに外出するなんて危ないぞ?」

「ああ、でもどうしても守りたい約束があるんだ」

「なるほどねぇ。約束か····」

「そう、約束。って、しまった時間が!す、すまないが私はこれでッ!」

そう言ってレティシアは慌てて走って行く。

その姿が人混みの中に消えていくまで少年はレティシアを見ていた。

「元気そうでなにより···。出来れば、もう二度と関わらないことを祈る。まぁ、エノモトさんがいる限りそういかないんだけどな」

いきなり、そう呟く少年の視界が何者かによって塞がれた。

「僕というものがありながら浮気かな、鏡磨?」

その声は少年――鳥居 鏡磨の探していた人物だった。

「何でそうなんだよ。ちょっと、様子を見てただけだろ。そもそも俺は無実な奴を巻き込むのに反対だったんだから」

そう言いながら振り返ると目の前には銀髪碧眼ツインテールの少女、北山 白が()()()いた。

鏡磨はこれから白の嫉妬具合を察した。

「だから、巻き込んだもののその後が気になって見ていたと?」

「・・・そうだよ。というか、そもそもわざわざ祭りに行くなら別々に行く必要なかったんじゃないか?」

「嫌だなぁ。待ち合わせしてた方が、デートって雰囲気が出るからに決まっているでしょ」

「鏡磨はもうちょっとそういうところ勉強した方がいいよ。じゃないと、いつまで経っても可愛いまんまだよ?」

そんな風に二人の白は可愛らしい笑顔を浮かべながら交互に話す。

「はぁ。これでも、一応勉強してるんだけどな」

「本当に?」

「本当に?」

「ああ、もちろん」

「なら、僕がして欲しいこと分かるよね···?」

「やらないといけないこと分かるよね···?」

そう言う白たちの顔はいつの間にか笑顔は笑顔でも、小悪魔的な笑みに変わっていた。

彼女たちは不規則に鏡磨の周りを回ると、

「「どちらが本物でしょうかゲーム!」」

「愛の力で当ててよね、鏡磨?」

「もし間違えたら今日寝かさないから覚悟してよね、鏡磨?」

どうして白がそんなに不機嫌なのか鏡磨には全然分からなかった。

一つ言えるとしたら、鏡磨は今日のカズマのことを不幸と思っていたが自分はこの理不尽な二択問題だけで十分不幸なことである。

乙女心とは不思議である。

 

◇◇◇

 

“アンダーウッド”広場

 

そこには客が座って食べれる用に沢山のイスとテーブルが設置されており、仮設のフードコートと化していた。

その一角にカズマとレティシアはいた。

「それにしても、意味不明なクソギフトゲームだったなぁ。まったく」

「まぁ、そう言うな。結果としてコミュニティを移籍せずに済んで良かったじゃないか」

「よく言うよ。あんなギリギリな勝ち方しといて···」

カズマはそう言いながら熱々な肉を一切れ食べる。

「仕方ないだろう?だって、お姉様の物理特化のあのギフトはレベルが高くてチートだもん。全盛期の私ならともかく、今の私じゃどうしようもない。それでもカズマのために、カズマのために頑張ったんだから」

レティシアは口を尖らせながら、「カズマのために」と強調しながら言う。

「頑張ったも何もお前だた発狂してただけだよね?おかげで、予選の時に医療班の人たちフル回転だったらしいぞ」

「全部白夜叉が悪い。私は、悪くないもん!白黒はっきりつけさせてくれる言うから、任せたらあんな無駄に大規模化上に、勝手に参加者増すしカズマを見世物にするし···。正直、カズマ以外全部壊れて消えればいいって思ったのは私のせいじゃない!」

「でも、ことの発端考えたら自業自得だよな。そんな怪我までして······バカみたい」

「ならカズマは私じゃなくてお姉様に勝って欲しかったんだな!?せっかく頑張ったのに誉め言葉もないし、ダメ出しばっかりして···。あぁ!もう!」

今日のレティシアは疲労やら何やらで短期だった。

でも、本当の事でもあるので怒りをカズマにぶつけるにぶつけれない。

レティシアはヤケ気味に食べ物をいっぱい口に入れると酒で一気に流し込むと、突っ伏した。

カズマはそれを見て、怪我人が酒飲んで大丈夫かとかなどちょっと心配になってきた。

「うぅ···。もうやだ······いくらなんでも酷すぎるよぅ。ひっく、私はただ···一緒にいたいだけなのに」

傷口を抉られるようなギフトゲーム+カズマコミュニティ移籍の危機+勝てる見込みの少ない相手とのギリギリの戦い、そしてそこに優しくしてくれると思ったカズマからのダメ出しときてレティシアの心も精神もぼろぼろだった。

それを何となく察していたもののついつい言い過ぎてしまった自分にカズマはちょっと後悔。でも、反省はしていない。

泣かせてしまったのはカズマ自身。なら、責任は取らなければならなかった。

はぁ、仕方がないことだと自分にカズマは言い聞かせながらイスをずらして突っ伏してシクシクと泣くレティシアの隣に座り直した。

「ほら、起きろレティシア。そして、一気飲みなんかするから酔っぱらうんだよ。···しっかりしろ、泣くなって」

「うぅ、やだ!酔っぱらたっていいじゃないか!祭りなんだぞ、シラフでやってられるかッ!」

若干意味が分からないことを喚きながらレティシアは起こそうをするカズマに反抗する。

「そもそも、カズマもカズマだ!こんなにハッキリ言ってるのにまだ何も言ってくれないのか!バカ、カズマのバカ!」

「なら、とりあえず起きろってんだ!」

そう言ってテーブルにしがみつくレティシアをカズマは無理矢理引き剥がし、起こさせた。

「!?」

そして、鼻がぶつかりそうなくらい顔を近づけてしっかり目と目を合わせた。

「俺はね、レティシア。俺なんかのせいで、怪我して欲しくなかったんだ」

「······」

「ダメ出しばっかりしてたのは、あのギフトゲームでちょっとイライラしてたからなんだ。レティシアは悪くないのに当たってごめん。感謝している、ありがとう」

「本当に···?本当にそう思っているのか?」

「もちろん。レティシアに怪我して欲しくなかった理由はもう一つあるんだ」

「それは······?」

「嫁入り前の女なのに傷が残ったら大変だろうってやつ。本の受け売りだけど」

あまりにカズマらしかなる言葉にレティシアはキョトンとしてしまった。でも、すぐにその顔は笑顔になった。

「あは、あっはっはっはっは!その心配ならいらない。何故なら例え傷があって売れ残っても、カズマが私を嫁に貰ってくれるからだ」

と、どこか自信満々に言うレティシア。

「半永久的に不老不死な吸血鬼(お前)に売れ残りなんてないだろ?」

「そうとも限らんよ。外見は老けなくても、中身はどんどん老けていくからな」

「言っとくけど、俺が嫁にもらうなんて保証何処にも無いからな」

「ははは。そう言いながら、結局カズマは受け入れてくれるよ。だって、優しいからね」

この言葉にカズマは「······俺は優しくない。だから保証もない」と言い返すことしか出来なかった。

ともかく、レティシアの顔に笑顔が戻ったからよしとした。

肩に置いていた手を退()かして元の位置にに戻ろうとした時、

「ねえ、カズマ···」

唐突に名前を呼ばれ、手を握られた。

レティシアを見ると、目を閉じて少し唇をつき出すようにしている。

それの意味が分からないカズマではない。何を求められているのか分からないほど無知ではない。

相手は酔っぱらいであるが、それが気の迷いでないことは間違いない。きっと、シラフでもレティシアはそうしてきただろう。

だから、こそカズマに逃げ道は無かった。

さっきの慰めの言葉みたいに相手が勝手に誤解するに仕向ける方法は使えない。

人形は完全にお手上げだった。

 

 

そんな状況を黒ウサギは少し離れたテーブルから見聞きしていた。

「レティシア様、お酒が入って大胆になってますね···!」

「何言ってんだ黒ウサギ?あいつは元々結構大胆だろ」

「青春でありますな!」キラキラキラ

「それよりも、展開早過ぎじゃないかしら?ね、春日部さん」

「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ」

耀はそんな光景など、どうでもいいらしく一心不乱に料理を食べている。

飛鳥はそんな姿を見てちょっと笑い、視線を二人に戻す。

「恋愛に展開の早い遅いもねぇよ。本人たちの気持ち次第だ。でも、今回はお嬢様の言う通りだぜ」

「十六夜君が恋愛を語るなんて何か変な感じね」

「失礼だな、お嬢様はって···やっぱりな」

「れ、レティシア様が頭突きされましたッ!?」

レティシアを頭突きカズマは、「バーカ」と言いながら元の位置に戻っていく。

それに対してレティシアが抗議の声を上げる。

「あらら。あれじゃあ、男女が逆ね」

これには「ウンウン」と四人とも同意した。

「そういえば、こういうのに一番反応しそうなコーキさんも白夜叉様も見当たりませんが、一体どうなされたのでしょう?」

と、ふと思い出した黒ウサギ言った。

「黒ウサギ殿の言う通りコーキ・C・マユズミの姿が見えませんな」

「そうね。こんな面白いことあの二人が見逃すわけがないわ」

「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」コクコクコク

「ああ、それなら」

十六夜は何気なくたこ焼きのような料理を一つ口に運びながらこう言った。

「あいつら恨みを結構買ってるから、どっかの暗殺人形に()らてんだろ。はむ、もぐもぐ」

それだけで、誰が犯人で二人がどんな状態か容易に想像出来た。

「ゴクン。まっ、自業自得ってやつだ」

 




今回はいかがでしたか?
私としては、第三章で出番が少なかった鏡磨さんの貴重な登場シーンがオススメです
まぁ、大半の方はレティシアさんとカズマさんにご注目なんだと思いますがね

そう言えば、話は変わりまして。私、六月に予約していたFate/EXTELLAを先日受け取ってきました
そして、ここ数日そればかりやって執筆に多大な被害が出ています
でも、やっぱり面白いんですよねぇ。グラフィックが悪いって前評判はあまりよくありませんでしたが、買って後悔はありません
グラフィックが悪い分、他が良いので全然許せちゃいます!
正直、ネロルートの最後は個人的に悲しかったですね
てっきり、赤王様はCCCみたいにハッピーな感じだと思ってましたのでかなり堪えました
しかし、私の本命である玉藻ルートはハッピーエンドだったのでマジ幸せでした!
次に待っているのは、アルテアルート
楽しみで仕方がありませんが、少し控えなければ連載が止まってしまいますので我慢、我慢·······
というわけで、次回のエピローグをもってやっと第三章の終了です
第四章については次回の後書きで!
それでは、また次回お会いしましょう!


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