インフルエンザから学期末に突入していました
言い訳にしかなってませんが、許していただけるとありがたいです
それでは、本編スタートです!
都立図書館、館内
“煌焔の都”に来てから数日が経ったある日、殿下・リン・鏡磨・白の四人はレンカが今アルバイトをしている都立図書館に来ていた。
「流石は都立と言うだけあって大きいですね」
「外のデザインと違って本の森って雰囲気だ」
「良いデザインだな」
と殿下、リン、白の感想。
鏡磨はと言うと
「すげぇ···」
初めて見る図書館の光景に圧倒されていた。
見渡す限り本、本、本。上を見れば吹き抜けとなっていて二階にもたくさんの本棚が見える。
「鏡磨は図書館に来るのは初めてか?」
「ああ、俺の時代にはそんな大層な物無かったからな。あったとしても図書室とかそういうレベルだったぜ···」
鏡磨は輝いた目でもう一度図書館の中を見渡す。
「なぁ、見て回って来ていいか?」
「ええ、構いませんよ。ね、リン」
「うん、ここから別行動するのは予定の範囲ないだからね。殿下は一人で大丈夫?」
「いくら何でも見くびり過ぎだ、リン。俺も一人歩けることぐらいできる」
「じゃあ聞くけど、図書館でのマナーは?」
「無闇に話さず静かにする。他人の読書の邪魔をしない。だろ?」
「その通り!それじゃあ、各自三時間後にあそこにあるカウンター前に集合です。解散していいよ~」
リンがそう言うと、さっそく鏡磨は探検を開始した。
まずは本を見ると言うより内装がどうなっているか見るため、本棚と本棚の間を抜けて歩いていく。
そこで後ろから白が付いて来ていることに気づいた。
「どうしたんだ、白?本探しにいかないのか?」
「いや、僕はリンと違って読みたい本があって来たわけじゃないし、鏡磨に付いて行こうかなって思って」
「ああ···。悪い···白。付いて来ないでくれないか?」
「何で?」
白は小首を傾げながら聞いてくる。
それに鏡磨は照れ笑いながら答える。
「何か今の俺って自分で分かるぐらいすごくはしゃいでいるんだ。俺的未開拓領域を前に冒険心が擽られるって言うか、なんと言うか。あそこはどうなっているのかここはどうなっているかとか色々と気になるんだ。こんな綺麗で見たことないデザインの建物を前にワクワクしてるんだよ。···正直子供っぽくてちょっと恥ずかしい。なのに、そんな俺を近くで年下の白に見られるのは······ちょっと。すごく恥ずかしいかな、はは」
「だから付いて来るな、と?」
「そう。悪いけどな」
と鏡磨は頬をかきながら言う。
「鏡磨がそういうなら分かったよ」
「ありがとう、白」
「別にいいよ。それに鏡磨が恥じることは何もないよ。そりゃ初めてのことってワクワクしてはしゃいでしまうことって誰にでもあるさ。僕はそんなピュアな心の鏡磨も好きだよ」
ニッコリと微笑みながら白は言った。
「それにしても、鏡磨が探検終わるまで暇になったしまったな」
「なら、殿下みたいに読む本探したらいいんじゃないか?」
「それもそうだね。適当に探して、鏡磨が探検終わった頃また探すよ」
「おう!それじゃ!」
「また後で」
鏡磨は探検へ、白は時間を潰しに向かったのだった。
◇◇◇
都立図書館、二階
リンは、とある本のジャンルの区画にいた。
本のジャンルは“ギフトゲーム”。
これまで行われた大型のギフトゲームや魔王とのギフトゲームから有名コミュニティのギフトゲームまでの“
なお、そんな難しい本ばかりではなく子供向けタイプの本も置いてある。
リンは自分の身長よりもずっと大きな本棚のもとに立つと、ラベルを見て高難易度のギフトゲームの本をいくつか手に取る。取れない高さにあるものは近くにある梯子を持ってくる。
「あとはこの本ぐらいでいいかな···。あっ」
本を取ろうしたが、ほんのちょっとの差で本を抜き取られてしまった。
見るとケモミミ金髪の女性が本の表紙を見て確認をしていた。
「シャロ。本あった。」
「ナイス、クレア!」
そこに五冊ほどの厚めの本を重そうに抱えた金髪少女がやってきた。
「とりあえず、ここら辺で内容調査してみるカ。全く過去の魔王とのギフトゲームを大体洗うなんて中々ハードな注文してくれるよナー」
「仕方ない。クレアも頑張る。だから。シャロも頑張ろ?」
そう言って少女が抱えていた本五冊をヒョイッと片手で持つとスタスタと近くの机に向かって歩いていった。
そこまで見てはっと思い出して急いで梯子を下りて、まだ梯子の下辺りにいた少女の方に声をかけた。
「あの、すみません」
「ん、何ダ?」
「さっきここの本棚から持っていった本、読み終わったら私に渡してくれませんか?」
借りるとかを聞かないのは、ギフトゲームの記録本は基本持ち出し禁止だからだ。
「ああ、別に構わないゾ?って、もしかして目の前でクレアが持ってっちゃたりしたカ?」
「えぇ、まぁ···」
「そいつは悪かった!あいつは、弱肉強食、早い者勝ちってとこがあってそういうとこ気が回らないんダ。オイラからもクレアの奴に注意しておくから許してやってくれよナ···」
「い、いえ私もいくつか本をキープしているので気にしないでください」
手を合わせて謝る少女に慌てて梯子の下に置いておいた本を見せる。
少女は本のタイトルを見て感心したような顔で言った。
「へー、まだ幼いのに随分と難しい本を読むんだナ。オネーサン感心しちゃうナ」
「いや、そんな大したこと···」
「いやいや、すごいことだと思うゾ?そうだ。どうせなら一緒の机使わないカ?そっちの方が読み終わったらすぐ渡せるゾ」
リンはその提案に一瞬考えたが、確かにそっちの方が効率的だと思い相席させてもらうことにした。
机が向かい合わせで縦にいくつも置かれた場所には、ちらほらと座って読書に没頭している人がいた。
それの一番端でケモミミ金髪の女性、クレアが本を広げていた。
ケモミミがピクピクと動くと、頭だけこちらを向いた。
「シャロ。その子。誰?」
そう聞く顔は無表情だ。
こう見ると座っているが、身長がとても高いことが分かる。
多分、180cmぐらいあるんじゃないだろうか。
しかもケープの間から少し見えるのだが、出るとこがすっごい出てて大きい。
将来は彼女のようなスタイルになりたいなと思いながらリンは椅子に座った。
「彼女の名前は······。そういえば、オイラも知らなかったナ···。まぁ、ここは年長者としてオイラたちから名乗るべきだよナ」
そう言って改めてこちらを向くと、
「オイラの名前は、シャロ。クレアとは姉妹で情報屋をやっているんダ。よろしくナ!」
「クレアは。クレア。よろしく」
「リンと言います。よろしくお願いします」
「よろしく、リンちゃん。ちなみにさっき名乗った名前は愛称で本名じゃないんだぜ?」
「愛称?」
「ああ、仕事も方もこっちの名で通っているからナ。だから、愛称の方を名乗られてもらったってわけダ」
ここで笑顔からいきなり神妙な顔つきになると一つの質問を投げかけた。
「ところで、リンちゃんはオイラとクレアどっちがオネーサンに見える?」
「えっ、そりゃあクレアさんの方じゃないですか?」
「本気で?」
「ええ」
「間違いなく」
「いや、どう見てもそうでしょう」
「········やっぱりそうなのカ」
ガーンっと思いっきり凹んでしまうシャロ。
そのまま机に突っ伏しながらブツブツと呟き出した。
「そりゃあオイラだって初めは、クレアより背は高かったさ。なのに、いつの間にか同じになって、追い越されて、気づけば身長184cmとか超デカくなってたんダ···。しかも、我が妹ながら超グラマラスなナイスボディ···。それに比べオイラはご覧の通りのお子様ボディさ···。世界とは残酷ものだナ···はは」
「シャロ。迷惑。ここ図書館」
クレアは落ち込んでいる姉のことなど気にせず、黙々と資料に目を通していく。
さっきの呟きを要約すると自分の方が姉なのに女性的にも身体的にも発育が良い妹と一緒にいると自分の方が妹と勘違いされる、ということだ。
そんなことは軽く聞き流しながらリンは彼女らがキープしている資料のタイトルをチェックしていた。
それはどれも魔王のギフトゲームの資料だった。
なぜ情報屋の彼女らがそんな資料を読み込んでいるのか?
可能性は二つ。
一つ目は、“ギフトゲームの攻略のコツ”の情報を売るために調べている。
二つ目は、誰かに依頼されて調べているか。
前者は、難易度が高いギフトゲームである魔王の資料から導くのはありそうだけど、魔王のギフトゲームだけっていうのが不可解だ。
だから、後者。このタイミングと場所からから見ても過去のギフトゲームに“ウロボロス”の影がないか調べるよう依頼されたっていうのが妥当だろう。
さっきまで、本当はあの
などとわりと煩悩がいっぱいだったが、目の前の障害を前に頭が完全に切り替わった。
さっきのショックがまだ抜けないのか暗い表情で資料を眺めているシャロ。
クレアはたまに耳をピクピク動かしながら無表情で黙々と資料を読んでいる。
リンは本を読んでいるフリをしながらちょっと笑った。
シャロたちは目の前にいるリンが“ウロボロス”のメンバーであることなど夢にも思ってないだろう。
なら、この場を利用して情報を引き出してやろう。思わぬところで、大物を釣り上げたかもしれない。
リンは資料を置くと、年相応の好奇心に突き動かされたフリをして二人に声をかけた。
「あの···。ところでお二人はなぜ―――」
◇◇◇
都立図書館、一階
(さて、暇潰しにでもなればって思ったけど、特に面白いそうな本はないな)
評論文や随筆に興味のない白は、少しは興味のある小説コーナーにいた。
本の背表紙を眺めるように本棚と本棚の間を歩いていく。
そうしていると、小説のジャンルが変わった。
タイトルから察するにファンタジー系の本の場所だ。
白はそれらの本を見て、フッと笑った。
(ここは修羅神仏が住まい、
そんな風なことを思いながら本棚を眺めていると、
「何か本をお探しですか?お客様」
声をかけられた。
見ると、この図書館の職員である亜龍の女性が微笑えんでいた。
「いえ、そう言うわけではなく、ちょっと面白い本がないかなと適当に見ていただけです」
「でしたら、私がお手伝いしましょうか?」
「いえ、お構い無く。自分のペースで探しますから」
「そうおっしゃらずに。きっと貴女の気に入る本を見つけます」
職員の女性は中々引き下がってくれない。
きっと彼女は真面目で仕事熱心な好感の持てる職員なのだろうが、熱心過ぎてちょっとしつこい。
彼女には悪いが、白ははっきりと拒絶の言葉を言ってその場を去ることにした。
その女性が本当に職員だったならば。
「いい加減、そんな芝居止めたらどうですか、
瞬間、女性がニヤリと笑った。
「あはは、どうしてバレた?このエンヴィー様の変身は完璧だったはずだけど」
「簡単です。ここは公共の場ですよ?お客様という言い方はあまり使わないでしょう。あなたの変身している亜龍の年齢からみて僕のことは『お嬢さん』とか、もっと柔らかい呼び方をすると思ったからです」
「本当にそれだけ?」
「あとは、直感ですよ。“
「別に。ラストおばさんのところに報告とここの現状を聞いてきただけ」
「ああ、そういえばここにはラストとグラトニーがいましたね」
「そうそう、またあいつ太ってたよww」
エンヴィーは愉しそうに笑いながら言った。
「まったく···。そんなに素丸出しにしていたら、怪しまれますよ。というか、その姿の彼女が可哀想です」
「ハッ、出たよ。人間お得意の同情。本当は、他人なんかどうでもいいクセによくやるよねぇ」
「······それで私が一人の時に来たということは、他に聞かれたくない話があるんでしょう。さっさと話してください」
「あれ?機嫌損ねちゃった?ごめんごめん。あんまりにも滑稽なもんだったからねw。なーんて冗談はここまでにして」
エンヴィーは一拍空けてこう言った。
「鉄のを殺せ」
それを聞いた時、冷静に考えてエンヴィーの、いや“ウロボロス”の意志がわからなかった。
そんなことに意味は無く、メリットどころかデメリットしかないからだ。
「ほぉ、それはまた何故ですか?彼は大切な人柱でしょうに。それに現在確認されている人柱は、候補も入れて五人」
「鉄の錬金術師、カズマ・N・エノモト」
「偽装の錬金術師、コーキ・C・マユズミ」
「鋼の錬金術師、エドワード・エルリック」
「その鎧の弟、アルフォンス・エルリック」
「そして、僕。候補を入れてやっとこの数なのに、何故殺さないといけないんですか?」
白は本棚に背を預けながら問う。
「何でも、鉄のはお父様の計画に勘づいたみたいだ。そんでもって、いくつか研究所を壊された。まったく、別に無能な研究者ばっかのあんな最底辺の施設どうでも良かったんだけどね~。アイツ、中の英雄の力使ったらしい」
「そう簡単に力を貸してくれそうな性格ではないと思ってましたが、それは検討違いだったようですね」
「ああ、そこが一番の面倒なことだよ。お父様はその英雄が邪魔することを恐れている。ましてや、神群にチクって動かされたら最悪だ。その可能性を摘むためにお父様は鉄のを殺すよう言っている。それに―――」
エンヴィーは心底愉しそうな笑みを浮かべる。
「
「!!?」
白は素直に驚いた。錬金術師でさえ珍しいのに人柱が三人もこの早い段階で見つかるなんて。
「一体誰が···?」
「一人目が、イズミ・カーティス。エルリック兄弟の師匠だ。師弟揃って人柱とは随分と中がよろしいことでww。二人目が、ヴァン・ホーエンハイム。プライドの奴が、要注意人物とか言っていたな。そして、三人目はお前と同じ
にっこりと嗤うエンヴィーの顔をしていたが、白はそんなもの見ていなかった。
通常箱庭にやってくる方法は召喚されることだが、稀に自ら何らかの方法で次元を超え、この箱庭に流れ着く者達がいる。それがカテゴリーD、ドリフターズだ。
その中でも異質なギフトを代償として箱庭に流れ着いた者。本来ギフトで競い合いながら生活する箱庭に辿り着き、ギフトを失いし者。それをカテゴリーLD、ロストドリフターズと呼ばれている。
白が錬金術師なのに錬金術が使えないのは、彼女がLDだからである。
僕以外にもいた。僕だけじゃなかった。その事実は、その事実、
「同じだから何です?別にどうでもいいことじゃないですか。用件はこれだけですね。なら、私は探し物がありますので」
そう淡白に言うとその場を立ち去ろうとする。
「おい、ちょっと待て。どこ行く気だ?そんな嘘で逃げれると思っているのか?」
エンヴィーが不機嫌そうな声で呼び止める。
「いえ、嘘じゃありませんよ。今、さっき探し物ができたんです。それに、仕事は引き受けるので安心してください。いくらあなた達でも、神憑り相手には
「チッ。使うならはあの吸血鬼を使え」
「まぁ、カズマさんを殺すなら彼女しかいませんね。了解しました。それでは」
そう言って白は図書館の奥に消えていった。
エンヴィーはもう一度舌打ちをすると、
「下等生物が見下しやがってっ!」
と吐き捨てた。
どうも、読者の信用ガタ落ち中な気してならない終夜です
もう一つ言い訳をすれば、今私は文化祭の準備で忙しかったりもします
でも、それはそれ。これはこれ
本当に読者のみなさんには、申し訳ございませんでした
とりあえず、次回で殿下sideの話は最後ですので最後までお付き合いください
これで一番書きにくい殿下sideが終わる(ヒャッホー!)
正直、原作登場がそう多くないので書きにくかったんですよね~
それでは、ちなみに次回は何度も出ていた二人の白さんの謎が明らかになります
鏡磨:俺のこともちょっとわかるらしいぜ
それでは、次回はちゃんと投稿します···多分
では、
「「次回もお楽しみ!」」
鏡磨:何かいつも出番、少なくないか...?