超かぐや姫! ~月見酒に寄り添う鈴の音~   作:筍の研究所

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お久しぶりです。遅れてしまいすいません。
現実の方がやっと落ち着いたので、少しずつ投稿ペースを戻していきたいです。

では、お楽しみください


好奇心は兎をも殺す

 

――今は昔……では、なくて

 

――いやいや、大昔や超未来でもなくて

 

――今よりほんの少しだけ違う、未来の世界♪

 

 

 

 

ここにとある男子高校生ありけり

 

 

この者過去に記憶を無くし孤児院に拾われるも、成長するにつれ、これ以上負担をかけまいと単身にて上京せり。

学校へと通いつつ、せっせとバイトをし、全額とまではいかないが生活費と学費の大半を稼ぎ、何とか生計を立てにけり。

 

更にこの者、ギリギリの生活を送っているため華の高校生にあるまじき程娯楽の経験がなく、同級の友人との話題についていけず浦島太郎状態であることしばしばありける。

 

 

名をば――月守 鈴音となむいいける。鈴音って呼ぶべしっ!!

 

 

そんな超無理限界ギリ――とはいかなくても滅茶頑張り鈴音のいつも通りのある日………彼の前に二人の女性現りけり。彼女達、名を酒寄彩葉とかぐやと申す

 

この二人鈴音の失った記憶と関係あり。その後何やかんやあり彼女達との絆を育み、一夜寝食を共に………いいな~。ヤッチョも鈴音と一緒に――

 

……ハッ! ……おほんっ。そ、そして、鈴音は彩葉より最新の娯楽を賜る。鈴音は渋りつつもそれを受け取り、仮想空間へと旅立つのであった

 

 

 

――()()来てくれてありがとね、鈴音

 

 

 

こうして、鈴音は無事に彩葉とかぐやと合流し、ツクヨミを楽しn―――――は?

 

 

 

 

 

 

~~~

鈴音SIDE

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

目の前に広がるのは常世の街並み。七色に輝く夜景やファンタジーな平安京とも呼べる建築物が多く見られる。そんな街から夜空を見上げると、大きなスクリーンの映る気球船や光輝く巨大魚のような生物が泳ぐように浮遊していた

 

そして、何より目を引くのは周囲の人々。和風をメインとした服装に現実ではあり得ないケモ耳を生やした人が多い。よく見ると、ケモ耳だけでなく鬼の角のようなものが生えたり尻尾がある人もいる。確かにヤチヨと一緒にキャラメイクをしている時にあのような装飾を装備できる項目があった気がする

 

 

初めて此処に来たはずなのに、非現実的な光景のはずなのに、僕はこの場所を知っている。それも、最近まで()()()()()()この場所を訪れていた

 

 

(………やっぱり、夢で見た景色と同じ………)

 

 

周りの人の流れに身を委ねながら周囲の建物や人を観察する。細かい箇所は違えど、目に映る光景は夢で体験したあの風景とほぼ同じ。けど、間違いなくツクヨミに来るのは今日が初めてのはずだ

 

 

なら、考えられることは――

 

 

(あの悪夢は、記憶を失う前の僕の記憶……?)

 

 

分からない。正直、夢で見た内容と同じだからっていう単純な理由だけど。でも、間違いだとも思わない。もしもそうなら、どうして初めて来たはずのツクヨミに見覚えがあるのかにも説明がつく。

 

(……それでも、まだ思い出せない事の方が多いんだけどね……)

 

だけど、僕は全てを思い出せた訳じゃない。彩葉とかぐや、それにヤチヨ(かぐや)との記憶も断片的で少しの会話程度しか思い出せていない。悪夢の内容もどういう場所かは覚えているけど、夢の中で一緒にいたはずの誰かの顔は、いつも黒いクレヨンで塗りつぶされたみたいに朧気で見えず、目を覚ますと記憶からゆっくりと消えていく

 

 

 

――僕は、本当に彼女達と一緒に居てもいいのだろうか……?

 

 

 

「――いや、約束したんだ。あの人達から逃げないって」

 

 

 

『私達との時間を、無かったことにしないでください』

『――もう一回、最初からやり直せばいいだけでしょ!?』

 

 

 

思い出すのは、昨夜の言葉。愚かで独りよがりな自分を真っ向から打ち砕いた、彩葉とかぐやの願い

 

 

あの願いを無下にすることだけは、したくない……いや、絶対にしない

 

 

それに、今は――

 

 

 

 

『鈴音!――おかえりなさい……!!』

 

 

 

 

大事な約束が、また一つ増えたから

 

 

 

「――ハッピーエンドまで、一緒に」

 

 

 

彼女達の涙は、もう見たくないから

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ココドコ?

 

 

気が付けば、見知らぬ路地裏に立っていた

 

……いや、待って。弁明させてほしい。確かに僕は悪夢の中でツクヨミに見覚えがあるとは言った。でも所詮夢は夢だし、なんなら街並みも日によってバラバラだったしほぼ初心者と変わらない僕が道に迷うのなんて自明の理というかあたりまえの玉藻の前というか………誰に言ってるんだろ僕

 

先程まで約束だの逃げないだの言っていた自分を助走をつけてぶん殴りたい。何がハッピーエンドだ。このままでは僕はバッドエンドになってしまう。こんなことなら彩葉とかぐやから言われた通りログインした橋の先にある鳥居で待機してるんだった。どうして誘惑に負けて街の探索なんてしちゃったんだ本当に

 

 

「不味い不味い不味い不味い不味い……!」

 

 

今の状況は非常に不味い。ただでさえツクヨミ初心者なのだ。そんな僕が待ち合わせ場所に居なかった場合、彩葉とかぐやはどうするだろうか?

 

 

――結論。見つかり次第ガチ説教及びお仕置きである

 

 

説教ならまだいい。悪いのは僕だし心配をかけてしまったのでそれくらいの覚悟は既に決まっている。問題はお仕置きの方だ。昨夜の二人の様子、具体的には僕の記憶について話したあの時……最後に彼女達から感じた恐ろしい覇気とハイライトの消えた深淵の瞳。そんな彼女達がどういった行動をとるのか………考えただけで身体の震えが止まらない

 

 

「と、とにかく元の場所に戻らないと……!」

 

 

でも、どっちに行けばいいか分からないし……かといってここでじっとしてても問題は解決しない………それに、こんな場所で道を聞ける人なんて居るはずも……

 

 

 

「はーい。そこの僕」

「何かお困りごと?」

 

 

 

「――っ!?」

 

突然背後から声を掛けられ、肩が跳ねる

 

振り返ると、そこには二人の女性プレイヤーが立っていた

 

一人は猫耳に派手な装飾を付けた妖艶な雰囲気の女性。もう一人は露出多めの忍装束を纏った鬼の角を生やした女性で、どちらもこの世界に慣れている空気を漂わせている

 

「ふふっ、そんなに警戒しなくても取って食べたりしないわよ?」

「こんな路地裏で初心者が一人とか珍しくてさ。迷子?」

 

「え、あ……ぁ、はい……」

 

否定できなかった。というか初心者オーラそんなに出てたんだ僕……

 

「やっぱり!」

「かわいー♪ こんな場所に来るなんて道に迷った初心者くらいだしね~」

 

「あ、あのっ……?」

 

困惑する僕を他所に、猫耳の女性がするりと距離を詰めてくる。鬼の女性も、逃げ道を塞ぐように僕の隣へ移動した。

 

 

「そんな警戒しなくていいって。ね? お姉さんたちが色々と教えてあげる♪」

「ツクヨミって、案内役がいないと危ない場所も多いからさぁ」

 

 

そう言いながら、二人は自然な動作で僕の肩と腕に触れる

近い……というか近すぎる

 

 

「えっと、僕、待ち合わせが――」

 

「大丈夫大丈夫♪ すぐ終わるから」

「その人達が来るまで私達と遊ぼうよ♪」

 

 

二ヤリ、と笑う二人。

 

 

……あ、これダメなやつだ。本能が全力で警鐘を鳴らしている

 

 

「ほら、早く行きましょう?」

「人目に付かないうちに、ね?」

 

「ちょ、ちょっと……!」

 

 

慌てる僕の腕を半ば強引に掴み、二人は歩み始めた。その先は路地裏の奥で光の届かない暗闇の中。そこで何をされるかは分からないが、僕にとって取り返しのつかないことになることだけは理解できる

 

 

(どうする? どうすれば……!?)

 

 

どうにか現状を打開できる方法がないか思考を巡らせるが、既に自分がいるのは中心地から離れた僻地。人通りも少なく助けも望めない。僕の腕を掴んでいる二人は呑気に話をしているが、相手は二人だし虚を突いたとしても片方がほぼ確実に追ってくる。その場合、この周辺の地形を理解しているであろう向こうが有利になる

 

 

(それでも、やるしかない……!)

 

 

相手の一瞬の隙を見逃さず、いつでも逃げられるよう足に力を込める―――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――なに、やってるんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空気が、凍った

 

 

「……え?」

 

 

聞き覚えのある声。

 

 

背後から聞こえた声に慌てて振り返ると、いつの間にか路地裏の入口に二つの影が立っていた

 

 

一人は狐の耳と尻尾を身に着け、青を基調とした着物にパーカーとベルトとブーツを合わせたストリート風の黒髪少女。その隣には朱色と若草色のコーデに身を包み金色の太陽の髪飾りや背中の巨大な水引が目立つ金髪少女。モチーフは兎なのかストレートのロングヘア―に沿って兎の長い耳が垂れ下がっている

 

 

そんな二人は僕と女性プレイヤーを見つめて笑顔を浮かべている

 

 

 

「――もう一度言います」

 

 

 

あ、いや違う

 

 

 

 

「――私達の大切な人(モノ)に、何をしてるんですか?」

 

 

 

 

めっっっっっっっちゃくちゃキレてる!?

 

 

内心焦りまくる僕を他所に、狐耳の少女と兎耳の少女はゆっくりとこちらへ歩み寄る

 

 

その表情は柔らかな微笑みを浮かべている………浮かべている、はずなのに

 

 

「い、彩――」

「こんな所にいたんですね。探しましたよ?」

「待たせちゃってごめんね? 怖かったよね?」

 

 

狐耳の少女――彩葉が言葉を被せて口を開く。兎耳の少女――かぐやも微笑みを浮かべて僕を見つめていた

 

安心感が伝わってくる優しい声………だけど彼女達の目からは光が消えていた。笑っているはずなのに、その瞳だけが死んだように黒に淀んでいる

 

 

「え、いや、あの――」

 

「ちょっといいかしら?」

 

 

僕の言葉を遮るように、猫耳の女性が一歩前に出る。

 

 

「この子、アンタ達の知り合い?」

 

「だったら何?」

 

 

かぐやが笑う。

 

けれど、その笑みは普段の無邪気なものではなく、まるで道端の雑草を見ているような、ゾっとするほどに冷たいものだった

 

その瞳に一瞬怖気づくも、猫耳の女性プレイヤーは口を開く

 

 

「悪いけどこの子は「その人は――」………え?」

 

 

彩葉が猫耳の女性プレイヤーの言葉を遮り、僕の腕を掴んでいた女性の手へ視線を落とす

 

 

「私達との先約があるので」

 

 

にこり、と

静かに微笑みながら告げる

 

 

 

「手、離してもらえますか?」

 

 

 

その瞬間、路地裏の空気が一段階重くなった。

 

 

彩葉から放たれる只ならぬ威圧感に猫耳の女性が大きく肩を震わせ、鬼の女性も先程までの余裕が完全に消えている

 

 

「……は、ははっ。別に変なことしようとしてた訳じゃないし?」

「そうそう! ちょっと案内してあげようかなーって!」

 

 

ふと左右の女性プレイヤーを見ればどちらも額に冷や汗を浮かべていた。心なしか呼吸も早くなっているような気もする

 

 

 

「―――へぇ……?」

 

 

 

かぐやが一歩前へ出る。

 

 

「じゃあさぁ」

 

 

その声は、異様なほど穏やかだった。

 

 

「その人は、なんで嫌そうなの? 困ってるよ?」

 

 

ぞわり、と空気が震える。

 

かぐやの瞳から完全に光が消えていた

 

深海みたいに暗い瞳。そこに映っているのは、怒りと――明確な独占欲

 

 

「ねぇ」

 

 

さらに一歩

 

 

「離れてよ」

 

 

また、一歩

 

 

 

「――かぐや達の大事な人(モノ)を、返せ」

 

 

 

ビキリ、と

何か見えない圧力が空間を軋ませた気がした

 

二人の女性プレイヤーは完全に青ざめ、慌てて僕から手を離す

 

「わ、分かったってば……!」

「ごめんなさい! もう関わらないから!」

 

そう言って二人は逃げるように路地裏から走り去っていった

 

 

その背中を見送りながら、かぐやが小さく舌打ちする

 

 

「……彩葉、追う?」

「放っといていいよ。それよりも――」

 

 

その言葉で、二人の視線がゆっくりとこちらへ向く

 

 

「「……………………」」

 

 

あ、これヤバい

 

助かった

確かに助かった

 

けど今、別の意味で命の危機が迫っている

 

 

「……さて、鈴音先輩」

「オハナシ、しよっか?」

 

 

………ダメかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

~~~

かぐやSIDE

 

 

「…………あ、あのぉ……?」

 

 

路地裏。逃げ場なし

 

前門の彩葉に後門のかぐや。挟み撃ちとはこの事だった

 

鈴音は引き攣った笑みを浮かべながら、一歩ずつ後退していく。けれど当然、そんな程度で逃がすつもりなんてない

 

「鈴音」

「は、はいっ」

 

びくっ、と肩を震わせる

 

……うん、かわいい

 

じゃなくて

 

「私、言ったよね? 鳥居のところで待ってて……って」

 

ニコォ、と笑いながら問いかける。その瞬間、鈴音の顔がみるみる青くなっていった

 

「いや、その……ちょっとだけ探索してみようかなー、なんて……」

「……で?」

「ご、ごめんなさい……」

 

即謝罪。かぐやじゃなきゃ見逃しちゃうね

 

でも、足りない

 

「しかも迷子になって」

「うっ……」

「知らない人に連れて行かれそうになって」

「うぅっ……」

「その上、助けに来たかぐや達を見てヤバいって思ったんだ?」

「…………」

 

図星だったのか、鈴音がすぅっと目を逸らした。

 

彩葉も気付いたらしい。隣から笑顔とは思えない程の圧を感じる

 

すっっっごく怖い

 

「先輩?」

「はいっ!!」

「なんで目を逸らしたんですか?」

「イエナンデモアリマセン」

 

完全にカタコトである。でも……普段ならちょっと面白いけど、今は笑えない。

 

 

だって――怖かったのは、私達も同じなんだから

 

 

「……探したんだよ?」

 

 

ぽつり、と零れる

自分でも驚くくらい低い声だった

 

「ログインしても居ないし、連絡もつかない」

「……また、どこか行っちゃったのかと思った」

 

鈴音の肩が揺れる

 

その顔に浮かんでいるのは困惑と、罪悪感

 

……そんな顔されたら、本当はもう怒りたくない

 

 

だけど

 

 

「鈴音はさぁ……あの時も、そうだったよね」

 

 

『声が震えてる。見栄っ張りな君も僕は好きだけど、そこはこう呼んでほしいかな――助けて、って』

『遠路はるばる地球へようこそ。すみませんが、ここから先は通行止めです。それでも向かってくるなら………僕がお相手します』

 

 

「もっと、自分を大切にしてよ……」

 

 

胸の奥が、ズキッと痛む

 

 

()()()から、鈴音を忘れたことは一度もない

 

 

温かくて、優しくて、不思議な安心感があって………どんな時でも助けてくれる私達の英雄

誰もが絶望する惨劇の中でも、世界が定めた悲劇的な運命に晒されたって―――それでも笑っていた、貴方と

 

 

ずっとずっと一緒にいたかった

 

 

「……かぐや?」

 

 

鈴音が不安そうに名前を呼ぶ

 

 

――あぁ、きっと今の私は酷い顔をしてる

 

 

鈴音の胸元をぎゅっと掴んで、額が触れるくらいまで顔を寄せた

 

 

 

「もう、どこにも行かないで」

 

 

 

掠れた声だった

 

 

「お願いだから」

 

 

それでも構わない

 

 

「かぐや達を置いていかないで……」

 

 

この気持ちが貴方に少しでも伝わるのなら

 

 

 

 

「……ごめんなさい」

 

消え入りそうな声で謝る鈴音。その姿を見て、胸の奥に溜まっていた黒い感情が少しだけ和らぐ

 

 

「……かぐや達を置いていかない?」

「はい、置いていきません」

「……ずっと一緒? ハッピーエンドまで一緒に来てくれる?」

「ずっと一緒は難しいかもしれませんけど……ハッピーエンドまでちゃんと付き合います」

 

 

……うん

 

ちゃんと反省してる。それは分かる

 

分かる、けど

 

チラッと彩葉の方を確認する。彩葉もかぐやと同じ顔で深く頷いていた

 

 

うん、やっぱりそうだよね

 

 

「……分かった。謝罪は受け取る」

「かぐや……ありがとうございます」

 

 

「でも」

 

 

安心している鈴音の目の前にはにっこり、と笑顔を浮かべる彩葉

 

 

「それとこれとは別問題、ですよね」

「…………へ?」

 

 

鈴音の顔が固まった

 

私は鈴音から離れ、彩葉の隣で腕を組みながら、うんうんと深く頷く

 

「迷子になった、知らない人について行きかけた、連絡無視、待ち合わせ場所から失踪、初心者なのに単独行動……」

「役満だね♪」

「えっ」

 

 

鈴音の顔色がみるみる変わっていく

 

 

「ま、待ってください!? ちゃんと謝りましたよね僕!?」

「謝ってくれたね」

「反省もしてるみたいです」

「じゃ、じゃあ……!」

 

 

確かに謝罪もしたし、反省もしっかりしている。なので――

 

 

「だから罰は軽くしてあげます♪」

「あるの!?」

 

 

アレー!? とでも言いたげな顔で鈴音が叫ぶ

 

そのあまりにも()()()()の反応に、私と彩葉は一瞬顔を見合わせ―――

 

 

「「ふふっ……」」

 

思わず吹き出した

 

あぁもう、本当に

 

なんでこの人はこんなに

 

 

「……鈴音って、ほんと鈴音だよね」

「え?」

「なんでもない♪」

 

 

首を傾げる鈴音。その姿にまた笑いが零れるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では……」

 

 

場の雰囲気を誤魔化すように彩葉が咳払いをした

 

 

「今度こそツクヨミを案内します」

「もう勝手にどこか行っちゃ駄目だからね?」

「……はい」

 

 

しゅん、と肩を落とす鈴音

 

ちょっとかわいい

 

そんなことを思っていると、不意に彩葉が「あ」と声を漏らした

 

「そういえば、ちゃんと見るの初めてですね」

「?」

「先輩のアバターですよ」

「……あぁ! そういえば……ど、どうですか?」

 

少し不安げにアバターを見せる鈴音

 

確かにさっきまでは状況が状況だったから気にする余裕がなかった

 

改めて見ると、その姿はたとえ人混みの中でも自然と目を引くものだった

 

 

 

一言で言うなら、白

 

純白の着流しに足元は白と黒を基調としたブーツ。着流しには所々に金糸で施された月や星の刺繍が刻まれている

 

現実の彼を象徴する白髪は腰まで届き結ばずそのまま流していて、歩くたびにさらりと揺れる。けど唯一違うのは、私と同じ兎の長い耳が垂れている事。色は彼の髪色と同じ白色だけど……

中性的な顔立ちから覗く瞳も現実と同じ深紅。けれど現実よりも少しだけ柔らかくて、まるで月明かりみたいな温かさが感じられるような気がする

 

和装なのにどこか現代風で、ツクヨミの街並みに妙に馴染んでいるし、装飾自体は控えめなのに、不思議と目を奪われる

 

 

全身白だと何処か威圧感や冷たさがあるはずなのだが、不思議とそれらを感じない

 

 

 

いや、むしろ―――

 

 

 

「……綺麗」

 

 

思わず口から零れた

 

「へ?」

 

鈴音が目を丸くする

 

「白ばっかりなのに全然浮いてないし……なんていうか、鈴音っぽい」

「はい。優しい感じがして安心感があって……先輩に合ってると思います」

「え、えへへ……」

 

途端に、鈴音の顔がぱぁっと明るくなった

 

「ほ、本当ですか? 変じゃないです!?」

「ぜ~んぜん!」

「むしろ似合いすぎてるくらいです」

「やった……!」

 

 

わ、キラキラしてる。まるで褒められた子供みたいに目を輝かせて喜んでいた

 

嬉しそうに髪を触ったり袖を見たりしていて、彼の感情に呼応するように兎耳も暴れまわっていた。私達よりも少し背が低いその姿を見ているとこっちまで顔が緩んでくるのを感じる

 

 

……ヤバい、抱きしめたい。今すぐ「かわいい!!!」って叫びながら飛びつきたい!

 

 

隣を見ると彩葉も完全に同じ顔して必死に耐えている

 

 

「そ、そういえば! どうしてこのアバターにしたんですか?」

 

 

抱擁衝動を誤魔化すように彩葉が口を開いた

彩葉の問いに鈴音は少しだけ考えるように視線を上げて

 

 

「なんていうか……キャラメイクの時に、自然とこれ選んでたんです」

 

 

一瞬、私と彩葉の時が止まった

 

 

「見た瞬間、『あぁ、これだ』って思ったというか、妙にしっくりきたというか……そこから先はこれしか考えられなくて……」

 

 

無邪気に話す鈴音

 

けれど、私達は知っている

 

「……そうですか」

 

彩葉の声が僅かに掠れる。私は思わず唇を噛んだ

 

だってその姿は、多少の大きさの違いはあるが

 

 

 

―――記憶を失う前の鈴音と同じものだったから

 

 

 

「い、良いと、思いますよ。直感は大事ですし」

 

 

隣を見ると、彼女は笑っていた。ちゃんといつも通りに

 

でも……その指先が少し震えているのを、私は見逃さなかった

 

 

「よ、よし!」

 

 

きっとこれ以上この話をしたら駄目だ

 

かぐやも、彩葉も

 

多分我慢できなくなる

 

だから私は無理やり空気を切り替えるように、ぱんっと手を叩いた

 

 

「時間も勿体ないし早く行こう! かぐやが案内する!!」

「は、はい!」

 

 

鈴音の目が輝く

 

 

「景色が綺麗な場所もあるし! 面白い場所もたくさんあるし! 美味しいごはんもあるよ!」

「おぉ!」

「まぁ、味覚についてはまだ完全再現とはいかないんですけどね」

「おぉ……」

「でも安心してください。仮想空間での五感の再現まであと1歩。最終段階に到達してます。そこまで時間はかかりませんよ」

「それにデータも必要だからツクヨミでも試験的に導入してるみたいだしね」

「おぉ……!」

 

 

鈴音の目が再び輝きを取り戻し、気分も上がってきた

 

 

「じゃあ出発―――」

「あ、待って」

 

 

鈴音が歩き出そうとしたところで、私はふと気付いた

 

「鈴音、ユーザーネームって何?」

「そういえば聞いてませんでしたね」

 

鈴音は「えーと」と少しだけ考える素振りを見せてから、悪びれもなく答えた

 

 

「スズネです」

 

 

沈黙

 

 

「…………」

「…………」

 

 

私と彩葉は同時に目を逸らした

 

 

あー……そこもあの時と同じなんだ

 

 

その後、私達の様子に戸惑う鈴音に改めてツクヨミでの自己紹介をし、ツクヨミの街へ向かうのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても……」

 

 

歩きながら、鈴音がふと首を傾げた

 

 

「どうして二人は僕の場所分かったんですか?」

 

 

その言葉に、私と彩葉は「あー」と同時に声を漏らす

確かに鈴音がいた場所は集合場所から大分離れていたし、いくら私達がツクヨミに慣れていたとしても探し出すには時間がかかる

 

 

ではどうするか?

 

 

簡単だ。誰かに鈴音の場所まで案内してもらえばいい

 

 

「それはねー」

 

 

私は指を鳴らす

 

すると――

 

 

ぽふんっ

 

 

私の隣に煙を纏いながら一匹の犬とその頭に乗った白くてもちもちした何かが現れる

 

 

「……え?」

 

 

スズネの目が丸くなった

 

そこにいたのは、私が携帯ゲーム機で作ったバーチャルペットの『犬DOGE』。その頭には白いウミウシみたいなヤチヨの相棒兼ツクヨミのマスコット生物である『FUSHI』

 

 

「犬DOGEとFUSHIだよ♪」

「犬? え、ふし……?」

 

 

犬DOGEは目を輝かせながら鈴音を見つめ、FUSHIはぴょこんと跳ねると得意げに胸を張るような動きをした

 

 

「この子達に案内してもらったの」

「案内?」

「ヤチヨから連絡が来たんです」

 

 

彩葉が説明を引き継ぐ

 

 

「ヤチヨから?」

「はい――『鈴音が浮気してる』って」

「う、浮気!?」

 

 

あの時はびっくりしたよね……ヤチヨからあんな連絡が来て

 

慌てる鈴音に彩葉のジト目が突き刺さる

 

 

「違うんですか?」

「違いますよ!? 誤解というか……浮気ってなんですか!?」

 

 

……? 鈴音は何を言っているんだろう

 

 

「でも実際、知らない女の人に連れて行かれそうになってたよね?」

「うっ」

「しかも結構密着されてさ」

「うぅっ……」

「鈴音、ああいうの嫌いじゃなさそうだったし」

「何言ってるんですか……!?」

 

 

私じゃなくても彩葉やヤチヨなら許せる。でも、私達以外は――

 

 

 

「――浮気じゃん」

「だから何でそうなるんですか……!?」

 

 

 

……いけない。鈴音もちゃんと謝ってくれたし、これ以上責めるつもりもない

 

でも、さっきの光景を思い出しただけで胸の奥に黒い感情がじわりと滲む

 

 

 

 

――もしも私達以外の女の人を選ぶなら、その時は

 

 

 

 

「―――――」

「ヒィッ……!?」

 

 

……あヤバッ、今ちょっと顔に出てたかも

 

 

「どうしたの鈴音?」

「い、いや……今何か寒気が……」

「気のせいじゃない?」

「そうですよ。まぁ、とにかくヤチヨから連絡が来てFUSHI達に案内してもらったんです」

 

 

彩葉の言葉にFUSHIはえっへん、とでも言いたげに身体を揺らす。逆に犬DOGEは首を傾げて何の話をしてるんだろう?と不思議そうな顔をしている

 

現に鈴音の所まで犬DOGEに乗ったFUSHIが案内してくれた。おかげで迅速に鈴音を見つけ出し、無事に助け出すことができた

 

 

「本当はヤチヨが来たかったみたいなんだけど、運営業務で動けなくて」

「だから代わりにFUSHIが来てくれたんです」

「犬DOGEはFUSHIのお手伝い~」

「な、なるほど……」

 

 

ありがとう、と鈴音がお礼を伝えようとかがんだ瞬間――

 

 

「……………ッ!!!!!」

「へ? ………ぶふっ!?」

 

 

FUSHIが鈴音の顔面へ頭突きを喰らわせた

 

…………頭突きを喰らわせた!?

 

 

「この、この……!」

「な、何g――痛っ!? いだだだだっ!?」

 

 

鈴音の顔面に見事な頭突きを決めたFUSHIは、そのまま頭の上へ着地。小さい身体で容赦なく頭を叩き始め、時々がぶっと噛みついていた

 

 

「バカタレが……!!」

「うわぁぁ!? 喋った!?」

「クソボケ!!」

「言葉強くないですか!? ……って痛い、痛いです!?」

 

 

さらに暴れるFUSHI。頭の上で飛び跳ね、噛みつき、叩き、また噛みつく

 

抵抗しようにも鈴音の手を紙一重で躱し続け、むしろ反撃して手にも噛みついている

 

そして、その周りを新しい遊びと勘違いした犬DOGEが走りまわり、ウミウシと犬に弄ばれる白髪男性というカオスな空間が広がっていた

 

 

「彩葉、止めないの?」

「止めない。FUSHIが怒ってる理由も分かるし、私としても先輩にはもっと自覚してほしいしね」

「たしかに。でも珍しいよね、FUSHIがあんなにブチギレなんて」

「それだけ鈴音先輩のことが心配ってこと。かぐやも、ヤチヨも――私も」

 

 

「え、ちょっ待t……あああぁぁーーーーーーーーーー!?」

 

 

「あ、トドメ刺された」

「結構いいのが入ったね。鈴音大丈夫かな?」

 

 

最後に勢いよく頭突きをかました後、倒れこむ鈴音の傍に着地し、FUSHIはふんす、と鼻を鳴らした。犬DOGEもFUSHIの真似をしている

 

 

「鈴音~大丈夫?」

「いてて……は、はい何とか……え?」

 

 

安全を確かめるために近づくと、鈴音の眼前にいきなり巻物のアイコンが出現する。突然現れたそれに鈴音は困惑した表情をうかべていた

 

 

「これって……」

「メールだよ。とりあえず開いて読んでみたら?」

「えーと……あ、開いた……」

 

 

慣れない手つきで操作を行う鈴音。無事にメールを開くことに成功し、目を通し始めた

 

 

 

 

―――コヒュッ

 

 

 

 

しかし、読み進めていくと、鈴音から息を呑む音が聞こえた。続けて身体が大きく震えだし、冷や汗をだらだら流す。指先も微かに震え、心なしか呼吸も早くなっているように感じた

 

 

「ど、どうしたの?」

「一体誰からだったんですか?」

 

 

尋常ではない彼の様子に私と彩葉は慌てて駆け寄る。でも、鈴音は私達に気づかず視線はメールに注がれ続けていた

 

 

一体何があったのか。気になって巻物を後ろから覗き込む

 

 

そこに書かれていたのは―――

 

 

 

 

 

『月見 ヤチヨさんからのメッセージ

 

ヤオヨロー! 鈴音、無事にログインできたみたいで何より!

本当は私もお迎えに行きたかったんだけど、どうしても外せない運営業務が入っちゃってさ。ごめんね?

 

あ、でも大丈夫か。初心者なのにあんな路地裏までお散歩するくらい余裕があるんだもんね。ヤッチョにもその余裕分けて欲しいな~、なんて思うのです

他にも知らないお姉さん達との密着イベントや浮気未遂……うん、素晴らしいスタートダッシュだね!

 

 

大丈夫、怒ってないよ? 怒ってない怒ってない!

 

 

むしろ鈴音の成長した姿を見られて、ヤチヨは果報者なのです

 

 

………それに、鈴音との約束はちゃんと覚えてるよ

でも、ヤッチョだけじゃつまらないから鈴音のお話も聞かせてほしいな~。想像するだけでヤッチョ、ワクワクしちゃう!

 

 

後で、じーーーーーーっくり、お話しよっか♪

 

 

ほいでわ、さらば~い!

 

 

P.S.

無いとは思うけど、もしも逃げたらアカウントごと……ううん、なんでもない♪』

 

 

 

 

 

 

「「あっ……」」

 

私と彩葉は同時に声を漏らした

 

これダメなやつだ、と

 

 

「す、鈴音……?」

 

 

 

恐る恐る声を掛ける。けれど、返事はない。鈴音はただぷるぷると震えながら巻物を見つめていた

 

へんじがない。ただのしかばねのようだ

 

その顔色は真っ青を通り越してもはや白い。いや元から白いけど、そういう意味じゃなくて

 

 

「す、鈴音先輩? 大丈夫ですか?」

「…………おわった」

「え?」

「僕の人生……終わりました……」

 

 

がくり、と鈴音がその場に膝をついて項垂れた

 

 

「よくわからないけど心がざわつくんです……ここが、僕の終わりなんだって………先生達に伝えてくれませんか? 僕は、精一杯生き抜いた……って」

「だ、大丈夫だよ!? まだ死ぬって決まった訳じゃないし!」

「そうですよ! ヤチヨもそこまで本気では――」

 

 

そこまで言いかけて、私と彩葉は口を閉ざす

 

 

……いや、うん

 

 

ヤチヨなら、やる。というか、私達も同じことをする

 

 

絶対に

 

 

 

「「…………」」

「なんで黙るんですかぁ……!!」

 

 

うわぁぁぁん!! と本格的に泣き始める鈴音

 

 

その悲痛な叫びにちょっとだけ良心が痛んだ。ほんのちょっとだけ、だけど

 

 

 

だって、否定できない

 

 

 

ヤチヨは普段ふわふわしてるし優しいしノリも軽い

 

 

でも――鈴音の事になると抑えがきかなくなる。それはきっと……私達も同じ

 

 

 

だって、本当に怖かったから

 

 

 

ログインした時、鈴音は集合場所に居なかった

 

連絡もつかなくて、彩葉と一緒に必死に探して、探して……やっと見つけたと思ったら知らない女の人に囲まれてて

 

 

 

――もし、間に合わなかったら?

――もし、またどこかへ消えてしまったら?

 

 

 

そんな想像が頭を過った瞬間、胸の奥にある黒い何かが、ぐちゃりと蠢いた

 

 

――もう、逃がさない。今度こそ絶対に鈴音を………

 

 

「かぐや」

 

 

ぽん、と

私の思考を遮るように冷たくも優しい彩葉の手が肩に置かれた

 

ハッとして隣を見れば、彩葉は静かに首を振っている

大丈夫、分かっている。私達はもう、あの頃のように絶望に身を委ねたりはしない。だって、今の私達には――

 

 

彩葉はゆっくりと歩を進め、膝をついてガタガタと震えている鈴音の正面にかがみ込んだ

 

「大丈夫ですか、先輩?」

「……あぁ……だ、大丈夫、です。何とかしてみます……」

「出来るんですか? 先輩一人で」

「……僕の責任なので。二人に迷惑は……」

 

 

「――迷惑だなんて、そんな悲しいこと言わないでください」

 

 

怯える鈴音の顔を、彩葉は真っ直ぐに見つめる。その瞳には、いつもの理知的な光と、それ以上の深い愛おしさが宿っていた。驚いて顔を上げる鈴音に対して、彩葉はどこまでも慈愛に満ちた、聖母のような微笑みを向けている

 

 

「先輩は一人で背負いすぎなんです。もっと周りを頼ってください」

「いや、でも……」

「拒否権なんてありません。それに、一人だといつか限界がきます。絶対に」

 

 

その言葉は鈴音だけじゃなく、自分自身に言い聞かせているみたいだった

 

彩葉は目を閉じ一度深呼吸をする

 

そして、再び目を開けた時には、その瞳に迷いの色は一切無かった

 

 

 

「だから――――私達にも背負わせてください」

 

 

 

彩葉はそっと手を伸ばし、鈴音の震える手を包み込んだ

 

彩葉の言葉に、私は深く頷く。そうだ。もう一人で全部を抱え込む必要なんてどこにもない

 

 

「そうだよ鈴音! かぐやも彩葉も、鈴音の力になりたいんだから!」

「彩葉……かぐや……」

 

 

鈴音が小さく潤んだ瞳で私達を見つめてくる。胸元をぎゅっと抑えながら、その表情は言葉にできないほどの感動に震えていた

 

 

「よしっ!」

 

 

空気を切り替えるように私はパンッと手を叩いた

 

 

「ヤチヨのことは考えても仕方ないし、今は気にせず楽しもう!」

「現実逃避を推奨しないでください……」

「大丈夫です。骨は拾いますから」

「彩葉サン!?」

 

 

半泣きになりながら抗議する鈴音。そんな彼を見て、私達は思わず吹き出した

 

 

「ふふっ……!」

「あはは……!」

「な、なんで笑うんですかぁ……」

 

 

情けない声。でも、その声が聞こえるだけで安心する

 

 

――ちゃんと、ここにいる

 

――ちゃんと、私達の声が届く場所にいる

 

――だから、今だけは、それでいい

 

 

 

「ほら、行きましょう?」

「今日はいっぱい案内するから!」

 

 

彩葉の隣に立ち、一緒に手を差し伸べる

 

鈴音は少しだけ困ったように笑って――

 

 

「……はい」

 

  

私達の手を、ちゃんと掴んだ

 

 

 

常夜の街に、三人の影が並ぶ

 

 

常夜に光り輝く街並み、夜空を泳ぐ巨大魚、賑やかな人々の声……そんな現実離れしたこの仮想空間で

 

 

 

私達はもう一度、同じ時間を歩き始める

 

 

 

あの日届かなかった手を

 

 

 

今度こそ――二度と、離さないように

 

 

 

 

「そうだ。鈴音、フレンド登録しよう!」

「私もお願いします」

「わ、分かりました……これでいいですか?」

「よしっ! これで鈴音が迷子になってもすぐ見つけられるね♪」

「前提がおかしくないですか?」

「大丈夫です。どうせ先輩ならまたやらかします」

「信頼が無い!?」

「信頼はしてるよ? でも――」

「賭けたっていいです。前科も余罪もありますし、先輩ですから」

「僕だからってどういうことです!? ……あ、ちょっ痛いですFUSHIさん! なんでまだ僕の頭にいるんですか!?」

「さっさと歩けクソボケが!!」

「だから言葉強いですよね!? ……う、わっと、犬DOGEも落ち着いて! こ、転んじゃう……!」

「なにやってるんですか? 行きますよ、鈴音先輩(クソボケ)

鈴音(クソボケ)、早く行こうよ!」

「呼び方おかしくないですか!?」

 

 

 

 




話が進まない……

次話はもっとテンポよくいきたいと考えています。
また次回もお待ちいただければ幸いです。

話は変わりますが、皆さんはブルーレイどうでしたか?
私は無事、再販の分を予約できました。今年の楽しみが一つ増えてウキウキです。

では、また次回。
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