別れる、とは?
あの後も目覚めた君を散々からかってはド突かれた
大分怒っていた君だけど話はちゃんと聞いてくれた
俺ももう刻まれた身体は元に戻っている
うん
彼女と別れる
そう決めた
え、其れはなにゆえ?
理由なんて明白だ
とっくに終わっていたからさ
単に俺は未練たらたらでいただけ
まあ結果的には君に恋愛相談ってやつをしてみて良かったよ
いい加減前に進む覚悟もできた
ありがとう
竹刀ちゃん
俺はまた君の頭を撫でる
もうすっかり元通りになった様子の君
正直加減忘れて散々嬲った覚えしかないんだけど存外強いらしい
ただ行為の時俺が態と見えるようにつけた甘噛み痕はまだはっきり見えてるけど
俺はそれを見ているとまたムラムラしてきて散々ヤった後だと言うのに
また君を押し倒してその綺麗な白い肌に俺自身を刻みつけたい欲望に駆られる
其れで本当にいい、と?
失礼ですが其の、愛して、いらっしゃるのでございましょう、です…
君は俺みたいな人食いの羅刹に遠慮する必要はないはずなのに本当に律儀な子だなあ
(可愛い!やっぱりまた抱きたい!)
うん、決めたからいいよ
だから…君達の元へあの子は返してあげる
組織の要だろう?
胡蝶シノハユちゃんはさ
でもその代わり君が俺の下に残って!鳥土里竹刀ちゃん
それが交換条件だよ
でないとあの子今すぐ氷結の継子使って殺させちゃうよ
え…?
君は目を見開いて酷く驚いた様子だ
ああ、そんな表情もまた可愛いね
俺は今日一日でもうすっかり君に夢中だった
あー
やっぱ気づいてなかったんだ?
俺だよ、シノハユちゃんを捉えていた羅刹は
彼女の姉のカナヰちゃんを一応警告役に遣わしてあげたでしょ?
あれは俺からの贈り物だよ
正直に告げるが君は固まったように動かない
多分、俺が彼女を囚えていたことまでは想定内だと思うけど最愛だと教えた彼女当人だとは思ってもいなかったみたいだね
綺麗な黄緑の瞳を見開いたままだ
ん?おやおや…
だんだん顔が紅潮してきたなあ
下唇を噛んで俺の瞳を見つめ…
突然視界いっぱいに君が広がって…!?
斬り刻まれた
三度目だ
痛いけど慣れてしまった
けど、
ふふっ
面白いなあ
今のは確実に私怨…だよね?
ふふっ
何が左様におかしいのでございますです…?
無機質って感じの竹刀ちゃんもそんな怒り心頭な表情するんだねえって思ってさ
よかったあ
親近感湧いちゃった!
可愛いねえ
はあっ?
何をいけしゃあしゃあと!
巫山戯るな、です
私から、組織から!
大事な先輩を奪って捕らえておいて…
挙句の果て振り向いていただけないからと別れる?
そして今度は私を先輩の代わりの人質とする?
もう一度申し上げますです
巫山戯るな!です
先輩の気持ちも私の気持ちも考えられないゲス野郎
マジで死ね!
です!!
はあはあと荒い息をしていたけれど君は平静になり無表情で俺に告げる
けれど残念ながら私にあなたのような強き方はわけあって殺せませんです
ゆえに!
ねえ、大寒の弐番さん、私と賭けをいたしませんでしょうか?です
あなたが勝ったら良いでしょう
私を好きになさいです
お気の済むまま食われたり抱かれたりしてやりますですよ
けれど私が勝ったら、
あなたはきちんと先輩に告白するです!
思ってること全部何もかも!
その為のお膳立てくらい整えてやりますですゆえ!!
賭け?
何を言い出すんだろうと思ったけれど君はまた深々と俺に刀を突き立て
ちなみに拒否権はございませんです
物事は常に強者が決める事をゆめお忘れなきよう…
強者、ねえ
確かに君は戦いは強いけどさあ
平時は割と隙だらけの天然ボ…
グサア
はて、今何か仰いましたでしょうかです?
ああっとても心地よい鳥さんの声と川のせせらぎが聞こえてくるですねえ
いや、どっちかと言うと鳥は俺よりも君…
グサア
なんか囀る鳥さんですねえ
ウザいので絞めておきましょうかです
グサグサ
(もういっそ普通に殺していいよ…)
で、賭けって何?
俺はようやく磔刑から解放されて手足も自動回復を始めた
当然私とあなたの賭けでございますですよ