竹刀ちゃんと狩衣くん   作:星が好き

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20回目-15 賭け

それはわかるけど…

賭けの内容は?

 

君は人差し指と中指を立てる

 

二本立て、で参りましょうです

 

二本?

 

ええ、一つ目は単純に私とあなたの実力勝負

いい加減私が化け物じみた強さで敵わなくてあなただってやり返したくてたまらないでしょう?

お雑魚さんの気持ちがわからない私ではございませんです!

 

君は結構煽り体質だった

 

はいはい、俺は雑魚ね、で?

 

私も雑魚になりますです!

 

んー?

 

端的に申しすぎましたので少し補足いたしますですと

私の実力をあなたに合わせますですゆえ

あなたが全力を出せば私を倒すことができるかもしれないと

左様な事でございますです

 

実力を合わせる?

 

左様な術がございますです

あなたもお気づきの私の持つ神通力、正式名称は「神祷術」

此の中に決闘に丁度適した其れがあるです

 

まあ、取り敢えず話はわかった

二つ目は?

 

其れこそまさに賭け

あなたと私が其々違う想いを抱く大切な胡蝶シノハユ先輩への想いを試すのでございますです

正直、先輩には賭けのタネにお持ち出しして悪いなとは思うですが、うまく行けば私も一石二鳥!

最終的には先輩にも旨味のあるお話しとなりますですゆえ…

 

具体的には?

 

まず一度目の勝負で何がなんでも私が勝たねばなりませんです

其処で勝てなければ二番目の勝負は成立し得ない

あなたが私を倒せば賭けなど発生せず自動で勝ちです

 

ふーん?

 

私が勝ち二番目の勝負へもつれ込んだ場合、ぼろぼろで瀕死のあなたが私の眼前にいる状況になるのはわかるですね?

 

うん、普通にそうだね

 

で、一つ目の勝負自体をそもそも先輩の前で執り行いますです

 

なんだって?

 

だんだん話が見えて参りましたでしょう?

そして賭けの内容はずばり!

 

竹刀ちゃんは俺に向かって指をさす

心なしか瞳の黄緑が煌めいた

 

瀕死のあなたに先輩がとどめをさすかささないか、です

 

悔しいですが、私ではあなたを殺せない

しかしあなたが死ねば私は万々歳

先輩も解放された上にあなたに引導を渡せてよいことしかございませんですね!

 

なるほど、そういう…

 

しかし、此処で条件をつけますです

 

え?

 

私はあなたと逆にしか賭けられない

つまりあなたが先に選び残った方が自動的に私の解となる、です

 

それ、君に不利じゃない?

 

良いのです

どちらにせよ勝負とか関係なく羅刹さんはそのうち滅びる

早いか遅いかの違いでしかございませんですゆえ

 

ただ、敬愛する先輩にいかなる傷の残り方してしまうかの方が私には重要事項でございましてです

其れはあなたもでございましょう?です、今のところは先輩の彼氏さん

 

シノハユちゃんが俺を殺すか殺さないか、か…

ねえ、知ってる?

竹刀ちゃん

あの子は君と腕力とか握力とかの膂力が桁違いでさ

まあ君はぶっちゃけ暴力気し…つ

 

……

 

流石に話してる最中には斬らないでよ…

 

ムカつきましたですゆえ

 

短気だね

はあ、まあいいや

とにかく力が足りなくてどっちにしろ俺を殺せないと思うよ?

 

じゃあ、頸の皮一枚だけにして簀巻きのあなたを差し出しましょう、です

 

なるほどそうなるのか

 

まあ、他にもあと一息入れるだけであなたが死ぬ方法なんて思いつくですゆえ

さしたる問題でもない話でございますです

 

では、賭けの解を好きにお考えくださいませです

お時間はいくらでも差し上げますです

私には逆に考える時間は不要ですし

 

俺が選ぶのの逆だものね

 

ええ、

そして私には特段あなたの答えを言う必要もない

 

場が勝手にあなたの思考を読み取るです

最初の勝負の時ついでに二番目の勝負を見越した術式を組むですゆえ

 

まあ、俺はそっちは門外漢だから任せるよ

 

でもさ…

不正、しないでね?

 

するか!です

 

まあそこは一定の信頼はする

話をしたのはたった一日にも満たないけど、

竹刀ちゃんはシノハユちゃんとはまた違う方面で生真面目な印象しかない

 

ああ、

俺の好きになる娘はどうして真面目で一生懸命でそして俺の事が大嫌いなのだろう…

 

なんて思っても仕方ないか

それに多分この子には俺の気持ちなんて微塵も伝わってない

 

どう考えても本命に振られてるから手頃な子に乗り換えただけと見られてるだろうし

実際そんな感じの事を俺も口走ったと思う

 

しかも確実に身体目当てと思われていそうだし

初対面で手を出したのは事実だけどさ

 

しょうがないじゃん

一見清楚に見える、いや、着衣の露出度については目をそらしておくとして

あどけない美少女があんな誘い方してきたら誰でも落ちるよ

君は体質とかって一蹴してたけど

 

俺はこれからどうやってこの子に指南書にしているらしい

恋愛小説にあったという誠意ってやつを伝えていけばいいのか途方に暮れた

 

今考えるべきはシノハユちゃんの事なのに君のことばかりが頭に浮かんでは消えた

でも流石にそろそろ考えなきゃ

何しろ俺の進退と君との今後に間違いなく関係のある難題だ

 

まあ俺死んだら全部そこで終わりなんだけど…

 

……

 

ああ、今更だけど

そう本当に今更だけど

「死ぬのは嫌だなあ」

って思った

 

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