竹刀ちゃんと狩衣くん   作:星が好き

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20回目-29 取り決め

歩きながら私はあなたを見上げる

 

  あのー

  先ほどの私を雇っていただけるとのお申し出、有難い事は有難いですし私の事情を鑑みた上でのご提案というのはわかるのでございますです

  尤も、羅刹さん陣営のお仕事のお手伝いなら即お断りしてましたですがまさか左様な話でもございませんでしょうです

 

  けれども私も不定期ではあるもののお昼間のお仕事がないでもなく、また夜は絶対にダメ、其してお昼間はお仕事してなくても神様のお言いつけの一種の教義で、絶対に旅して見聞広めないといけないのでございますです

 

  はあ

  見聞の旅?

 

  ええ、写真お見せいたしましたでしょう

  あれらは旅の副産物、要するに私は歩き巫女なのでございますです

 

  まあ

  それは昨日聞いたし、想像もできるけど、大方君の旅の本当の目的って夜は絶対ダメって言った事からして羅刹狩りなんでしょ

 

  はい、まさに

 

  なら昼は空けられるってことじゃない?

 

  いいえ、私は決して一処に留まってはならない、斯くは神様との誓いであり私の矜持

  旅は私の人生みたいなものでございますです

 

  うーん、わかるようなわからないような

  俺はどこかになんてまるで行かないからなあ…

  生まれた時からこの髪色と目の色で特別視された神の子扱いでさあ

  親は外の穢れを取り入れないよう外出不可とかにしてた環境だったからなあ

 

  其れでよく其処まで身体がもやしのような細々としたものでなく、無駄に大きく筋肉だるまさんみたいになったものでございますですね

 

  なんで突然俺の体型を詰るの、俺なんかした?

 

  羅刹さんという存在がどれだけ罪かお分かりになりませんのでございましょうかです?

 

  そんな正論今更吐かれても…

  竹刀ちゃんも意地悪だなあ

 

  私は基本的に性格が悪い化け物であるという生態の自負がございますです

 

  性格が悪いって事を今更君の化け物性のせいにしないでよ…

  あと、性格が悪いって言うか俺としては調子の良い性格してるなあとは思うけど

 

  お褒めに預かり光栄至極

 

  褒めてないよ

 

  存じておりますです

 

  そうなんだ

 

あなたは額に指を当てる

いかがされたのだろうか?

 

  ちょっと雇う雇わない以前に何点か確認させて

  まずなんで一箇所に留まっちゃダメなの?

  そんで俺との食う食われるの契約はどんな扱いになるのそれ

  ついでにさっき毎日三食俺に食わせてくれるって話もあったけど旅に出ちゃ約束不履行だよね?

 

ああ、状況整理がしたかったのか

 

  順にお答え致しますです

  まずごめんなさいです、一処に留まらない件は、えっと私の其の、人生二つのトラウマ、いえ、正確には私の大失態、其のうちの一つが絡んでるお話でございまして…

  ちょっとすぐには語れないのでございますですが、えっと、とにかく同じ過ちを決して繰り返さぬ神様との誓いなのでございますです

 

  次にあなたとの契約はちゃんと遵守いたしますです

  あなたとのお話自体は正式文書があるようなものではなく、単なる口約束に過ぎませんですが、多くの方のお命が絡むお話でございますですゆえ、決して無碍にはいたしません

  当然出先でも大丈夫になるように取り計らいますです

  あなたが望めば瞬間移動でも何でも使ってあなたの下に参る、とは言え、あなたが私を食べたくなる時間帯が限定されているに越したことはないですが

  まあ気分もございましょうし此ればっかりはいつとも決定できませんでしょうです

 

  まあ、そうだね

  ていうか本音を言えばいつでも食べさせてほしいけど無理だからね

 

  其れはどっちの意味の食べるなのでございますですかね…

 

  どっちも?

  ああ、でも身体の方かなあ

  昼夜問わずまぐわいたいもの

 

  もしかして

  今も…?

 

  うん、聞いてくれたってことはいいの?

 

  冗談じゃございませんです!

  此の性欲魔人!!

 

  ほら、そうなるでしょー

 

  当然でございますです!

  真面目にお話ししてるのに何考えてるですか!

 

  だってまぐわってたってお話できるし

 

  真面目に聞けーです!

 

私は己の荒い呼吸を一旦落ち着かせた

 

  とにかく三つ目の質問の回答!

  二番目とほぼ同様ですが、此方は時間もおよそ限定されるわけですゆえ私が戻ってくるか、まあお弁当置くとかで対応可能でございますです

 

  却下

 

  は?

 

  お弁当のくだり

  君がいなきゃ食事の時間を設ける理由がない

  

  え

  つまり絶対に私が同席しないとダメなのでございますです?

 

  うん

 

  うーん

  じゃあ落とし所は

 

  君がいつでも俺とまぐわう

  これだけだよ?

 

  何もかもの前提をちゃぶ台返しするのやめてもらっていいでございますです?

 

  でも俺の本音だし

 

  せめて、宗祖様としてのお時間くらいは働かれたほうがよろしいかと…

  其れと…

 

私は其の先を言うか迷ったがどうせ殺す準備が整うまでの短い付き合いだ

斯く羅刹さんとは正式に身体を捧げる契約を結んでいる以上、此の抱く抱かないの会話は延々繰り返されるに違いない

 

(ならばいっそ…)

 

  わかりましたです

  もういちいち断るのもあなた超しつこいですし軽く面倒臭いですゆえ、いつでもあなたがヤりたくなった時とやらにお気の済むまま抱いていただいて結構でございますです

  

  え!?いいの?

 

  もう、いいです、諦めました

  斯く何の生産性もない無駄な問答こそ疲れるですゆえ、其れは割愛

  

  ヤるならヤるでさっさと済ませてくださいませです

  どうせ私の力は無尽蔵に近いわけですゆえとっととあなたを満足させて、

  次にあなたの意欲が湧く時までを私の自由時間と捉えますです

  旅する時間さえ確保できればもう其れ以上は望まないことにいたしました

 

我ながら実に投げやりだ

 

  いずこにいても瞬間移動にてあなたの下に馳せ参じますですゆえ、あなたがヤりたい都度に私をお呼び出しくださいませ

  

  …で

  今でしたっけ?

 

  うん

 

私は深いため息を吐きながらあなたに押し倒された

 

 

(嬉しいなあ♪)

 

ここまで都合よく俺が欲しい時にくれるなんて言ってくれると思わなかった

 

  竹刀ちゃん大好き!愛してる!

 

相変わらず俺達の身体の相性は最高だったし竹刀ちゃんは俺の下で可愛く喘いでくれた

 

まるで枯れる気もしなかった

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