私は思った
(長い…)
早く出すもの出してくたばってくれませんですかね?
段々あなたのしつこくてねちっこい愛撫とかいちいちこっちの反応伺う言葉攻めとか敢えて局部周辺を触っての焦らしとかウザくて堪らなくなってきておりますですが
(むーちょっと反撃してみようかなあ)
ねえ、あなた!
ん?どうしたの竹刀ちゃん
気持ちいい?
別に、あなたが、其の、悪いわけでも無いのでございますですが
うん?
率直に申しまして飽きてきましたです
え!?
私、申し上げましたですよね
此れより移動するのだと
態と長引かせておいでで?
いや、そんなつもりはないけど
ふーん
じゃああれでございますですね、きっと
あれって何?
あなたの百五十年だかの経験値が大したことないのではないかと思いました次第でございますです
はあ!?
竹刀ちゃん満足できてないの?
そもそも昨日初めてあなたに抱かれてからというもの満足って何?ってなってよくわかりませんです
だって私はあなたとしか左様な行為はした事ございませんですゆえ他に知識も無いですし、此ればっかりは誰か別の方とするのでも無ければ比べることすらもできませんでしょう
でも私だって誰彼構わず身体を明け渡す気などさらさらなく、つまりはあなたが私に教えてくださらない限りは一生縁遠い感慨なのではと考える所存にございますです
縁遠い…
じゃあダメなんだね今は
ダメとは申しておりませんです
私は決して学習が嫌いな身の上ではございませんですが、斯様な特殊な分野は座学ではまるで意味がなく実践にてしか学べないはずの事になるかと思われます
どうせあなたとは一蓮托生の身
ならば貴方が懇切丁寧に、とは申しましても必要ならばお好きなだけ乱暴にしていただいて結構でございますですゆえちゃんと教えてくださいませです
さすれば私が学べるだけではなく、きっとあなたへ満足という感慨を逆に与えるということもゆくゆくは可能になるのではないか?と考えますです
……
俺は流石に頭が真っ白になった
いや逆か、最中は普通頭が空っぽになる物だから空っぽになってた頭に余計な詰め物が戻ってきたと言うか
いきなり何言い出すんだこの子はって若干ドン引きしたと言うか…
えーとつまり?
満足させろって言ってるのはわかる
でもあれだけ喘いでイクイクって何度も言ってた上につい昨日まで生娘だった子が宣う感想じゃないだろうと
…問題を先送りにしたところで浮かぶ二文字、昨日君がおっぱじめる前に出した単語でもあるが「下手」って言いたいのか?この子は
(おお、面白いほど青褪めている!あの余裕綽々の大寒の弐番さんが私如きの口車にて!)
ふふふ、いい気味で、ございますですねえ
ちょっと言い過ぎだったかもですけど斯様な程度仕返ししても罰は当たりませんでしょうです
それに、間違っても下手だとかイケないなんてことは無かったですが本当によくわかりませんですしね
あなたとするのが嫌なのではない、ただ私もわかりませんのです
今の状況はあなたにある種私自身を預けたようなもの、けれども元が純然たる敵であるあなたと彼程まで距離を詰めてよいものか?
其れはあなたが私に対しても同様に抱くべき問いなのでございますです
思えば
あなたが私に対する警戒心すら無くしてしまっているようになる切っ掛け自体があの私がやらかしたまぐわいからだったです
其う、あなたも私と関わるならば逃れられませんです
私は「化け物」
其れを踏み超える覚悟もなく都合よく人間部分の身体だけ持っていこうとは虫が良すぎるのでございますですよ
もちろん今朝仰っていたように普通の女の子のように見ていただけることは此の上もなくあなたの優しさを感じる
素直に嬉しいと思いますです
けれども左様なお優しいあなたにも私との距離感というものはきちんと知っていただかなければね
わかった…
きっと昨日俺が力の限り嬲ったのが気に入らなかったんだね?
だったら言ってよ
君が満足できるくらいは加減するから
いえ、全然違いますですよ?
じゃあ何?
流石に青筋立てて怒っていらっしゃる
良しいたずら成功♪
さっきのは言ってしまえば単なる方便でございますです
別にあなたのやり方がダメとか全く思っておりませんです
一つ恥を承知で申し上げれば、私がいわゆる自慰行為してた時よりも全然普通にイケましたです、ゆえに自信喪失する必要は全く無いです
あなたの瞳に揺らぐ私が映っている
本当の目的はですね
ただ警告したかったのでございますです
警告…?
ええ、私は本当に正真正銘の化け物なんでございますですよ
戦闘くらいでしか其の側面は見せておりませんですゆえ、まあピンと来ないのでございましょうがね
凡そ普通の「人」ではない
産まれこそ人間の男女からではございますが其れは表面上の話で私の中身が別物にございますです
中身…
別物…
半分化け物と申しましょうかです
私は私自身が本来何者であるかすら存じていない者にございますです
わかるのは少なくとも死亡して冥府に帰るような普通の魂ではないこと
羅刹さん方を狩って一見人類の未来に貢献しているように見せつつも、本来は人類に危害を加える者である可能性すらある事
ああ、今あなたご自身が羅刹さんゆえに無関係と考えましたですね?
顔に出てましたですゆえ訂正いたしましょうです
元が純然たる人であった羅刹さんも含めてでございますです
どうぞ私を至上の危険物とお考えくださいませ
言いながら頭を垂れた
はあ…
なんだそんな事
別に俺は君が何者でもいいよ
人類の未来も羅刹の未来も知らない
君がいてくれることだけが望みだ
あなたを傷つけるかもしれませんですのに?
そもそも俺を殺すんでしょ
そこが動かないなら何も変わらないよ
あなたは…
(呆れれば良いのか分からない)
でも全ての言葉が此の上もなく心地よい
ああ、なるほど斯くが…
わかりましたです
うん?何が?
満足、が
あなたが仰ってくださった言葉一つ一つが私に満足という感慨を齎すようでございますです
いつも通りの真顔だけど、なぜだか君が最高に可愛く見えた
ごめん、やっぱ加減できない
望むところでございますです!
この時のまぐわいはそれまでで一番気持ちが良かった――――
ねえ、竹刀ちゃん俺の事好き?
大嫌いでございますですし
殺しますです
酷いなあ
ええ、私もあなたもどうしょうもない者同士でございますです
そうだね
どちらからともなくもう何度目か分からない口づけを交わし合った