竹刀ちゃんと狩衣くん   作:星が好き

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20回目-44 二人で料理

俺はさっき思いついた提案を口にする

 

  ねえ、今朝は継子じゃなくて俺が手伝うよ、君の料理

 

  え?

  あの、其れだとお時間普通にお待たせするですよ

  一刻くらいかも

 

  望むところだよ

  一刻もいちゃいちゃできるんだね

 

  いや、お料理するって言ってるですが、横からお邪魔なさるおつもりで?

 

  ううん、ごめんね手伝うから

  でも、それはそれとしてお料理できる範囲でいちゃいちゃさせて

 

  まあ、両手が使える程度までなら…

 

君は渋々了承してくれた

結局俺はこの時から、君の胸元で飼ってる継子を差し置いて料理を手伝うようになった

お陰で誰に出す訳でもないのに結果的に俺という羅刹の料理の腕はみるみる上がっていった

 

因みに料理しながら出来るいちゃいちゃといえば

 

  やっぱりキスはできるね

 

  はあ、まあ、左様ですね

  邪魔は邪魔ですけど

 

  いいじゃない、俺と君の関係なんだから

 

  はいはい

  殺し合う敵同士以外の何者でもございませんですがね

 

  もう、竹刀ちゃんは辛口だなあ

 

  事実でございますですが

 

  はいはい

  じゃあちょっと黙ってね

 

交舌すれば俺と君の口の間は当然糸を引く

俺は料理をしてる君の最も近くにいられる幸せを噛み締めた

 

君の作ったこの趣味空間★は時間経過が非常に緩慢になる設定らしく、料理さえ済めば文字どおり君を好きなだけ貪った

 

  時間が経過しにくい法則は教えるべきじゃなかったかもですね

  あなたは食い気より色気と言うか、逆に食い気一辺倒というか…

 

  何言ってるの、俺は君一筋だよ

 

  三日前まで別の婚約者がいた事はお忘れで

 

  それは言わないお約束★

 

とにかく幸せだった

 

----

 

君の供物の奉納と祝詞の詠唱が済めば、昨日同様、朝食の時間だ

 

俺はさっきと合わせて二重の意味で食事が済むと流石に日も昇り始めてるし、新しい一日の始まりという気がする

 

  で、今日の予定は?

 

段々、君の日々の時間の割り振りに慣れてきた俺は、この後どこで見聞を広めるつもりなのかを尋ねる

 

  本日は近くでございますですね

  越後辺り

 

  また羅刹の溜まり場でもあるの?

  俺は正直驚いたんだよね

  普通群れない性質とされる羅刹があんなに一箇所にたくさんいるなんてさ

 

  羅刹生み出してる当の祇園様も絶対知らないと思う

  てことは、あれもなんかの術なの?

 

  まあ、やり方はあるのでございましょうです

 

  ん

  君が何かしてるのじゃなくてかい?

 

  私は何も

  狭い範囲でのおびき寄せは確かに得意でございますですがね

 

(よくわからないな)

 

 

竹刀は考える

 

(…羅刹さんを集める技術は確かにあるものと思われる)

 

ただ、其れは決して私が扱えるものではございませんのです

 

ねえ、私の神様

あなた様を毎朝しっかり欠かさずに寿ぐことが一体どれだけの祝福となるか、左様なお話でございますですよね…

 

神様は何も言わなかったが私はどこか遠くであなた様が頷いた気がした

 

はい、神様、私はあなた様だけの巫女でございますです

ねえ、神様

私はあなた様のお言いつけの通り、大和全国全ての羅刹さんを狩り殺しますです

 

鳥土里竹刀は羅刹狩りの神様に育てられ、お仕えする巫女であった

 

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