竹刀ちゃんと狩衣くん   作:星が好き

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20回目-50 雪像作り、越後にて

沈んでいるなんてらしくない

越後に来たのだ、何かしよう

 

周囲を見渡すと辺り一面雪景色

其れは毎年のことだが今年は豪雪のようだ

集落単位で埋まっている場所がある

 

(よし決めた)

 

私は雪でスッポリ埋まった集落を手当たり次第、神祷術で火を焚いて氷も雪も溶かし切るいたずらをすることにした

 

  神祷術 第三の編 雪客万来 翔入火冬虫

 

流石に越後の国全て、いや、越前、越中とかやってたらきりもないので、面倒くさがりな私はいっその事ということで得意の結界術を大和の雪国中に薄く広げ、向こう一週間程度は持つ強度で雪を遮断してしまい、後は内部で溶かすだけだった

 

雪が降ってるのに溶けるときっと妙なので擬似的な快晴を空に貼り付け此れも一週間剥がれないようにした

いたずら完成だ

 

結界の外では当然雪が降り続けているが、内まで届かないので何の意味もない

 

私は結界の外、つまり術で張った天幕よりも高度のある上空へと飛び出し、一部の空気を固めて足場を作り、更にその上から絶えず降る雪を遮断して一定の広々とした場を作る

此方は敢えて足元の雪は溶かさず残した

 

其処でもう一つ思いついたいたずらを決行

 

私は胸元に声を掛け

 

  あなたにもお手伝いいただけますでしょうかです、私の可愛い子さん

  

すると其の子が胸の谷間から顔を出す

 

  うん!

  いいよ、何するの?

 

憎っくき殿方を一緒に作りましょうです!

 

  了かーい!!

 

勢いよくお人形さんは飛び出し、私と可愛い子さん二人きりの越後の冬祭り開催の運びとなった

氷のお人形さんは器用な大寒の弐番さんの分身であるため、雪や氷の扱いはお手の物で私は職人さんに対する助手同然だった

 

一刻後、誰かさんと私と氷の可愛い子さんが並ぶ雪像が完成していた

シノハユ先輩とカナヰ先輩の像も横に作った

 

なかなかの出来に満足したため、二人でパンと両手を合わせた後、記念写真を撮った

 

一通り気が済むと、雪が降っていない結界内に戻り、身体を透明化して国々の様子を見て回った

結界内では雪を溶かしてあったので蔵もいくつか非常に見つけやすくなっていた

元より其のための術行使でもあった

 

ただ、まあ収穫は微妙だった

 

(本日は斯様なところでございますですね)

 

また丁度良いところで、あなたの五月蠅すぎる連絡が入る

 

やれやれだ

さて、一応私なぞを待っているらしい殿方の下へと向かわねば…

 

私は振り向かずに駆け出した

背後には、不器用な私が手を霜焼けにしながら、可愛い子さんには手伝ってもらわずに作った、小さな小さな二羽の小鳥の雪像を入れたかまくらがあった

 

一ヶ月は持つ守護術を施し、其の場を後にした

 

 

私には溶かされて消えても、せめて雪程度には埋もれませんように――――

 

 

 

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