破滅の大邪神とゲーム限定の敵ヘイシーンを出演させる話。OCGカードやアニオリカードでヘイシーン達を強化予定。※なお、AIBO・ATMはMAD基準で強化+OCGカードを使用するとする。


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続くか未定


プロローグ

「平野係長クゥぅン!」

 

 怒号が響く社内では、まただよと上司に対する呆れた雰囲気が広がっていく。

 

「またかね、またなのかね!」

「申し訳…ありません」

「君ね!我社の大事な会談を賭けた取引だったんだぞォぉ!」

「先方とは改めて再契約の」

「肝心のデュエルで負けてちゃ意味ないだろォぉぉガァァァ!?」

 

 顎が特徴的な人物、平野 心(ヒラノ シン)。彼は取引先との更新取引を任されていた男だった。だが他社がその取引に割り込み、デュエルを持って解決する流れになっていた。

 

「我社にはプロデュエリストはいないんだぞォぉ!」

 

 デュエルモンスターズ。それは当初、ただのカードゲームとして広まりを見せたお遊戯の延長だと考えられた物だった・・・だが今では、社会の中心として組み込み、そのゲームを持ってあらゆる事柄が決まるほどの影響力を持ってしまったのだ。それは会社同志の商談にも当然として食い込み、取引一つにデュエルの勝敗が有利・不利の決定権が決まる。勝った者が勝者…敗者は負け犬、それが当たり前になったのだ。それ故に大手企業では大会等で名の売れた強いデュエリスト雇う、そういった勝利を続けるデュエリストを世間一般でプロデュエリストと呼ばれている。当然ながら人を雇うには相応の契約金が発生する。払える額ではない中小企業は、社員に逆転ホームランを期待するしか方法が無いのが現状だ。

 

「…私が…なんとか…」

「なんとかぁぁ?」

「デュエルで勝利を」

「相手は都大会4位の実力者だぞ、勝てるわけねえだろうがぁぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界が煩わしい…最近はいつもそう思う

 

 

 公園のベンチでコーヒー片手に空を眺める。少し視線を上に向け、ビルに取り付けられた大型ディスプレイ…CMが流れポップな音楽と映像の最後に流れるのはとある大手のロゴ『KC』

 

「クソッ…私はただ普通の契約更新に行っただけだというのに。大下さんが牛耳ってた頃が懐かしいと感じるとはな」

 

 忌々しげに今のKC社、『KAIBA CORPORATION』に対する思いを向ける。ひと昔の『海馬重機工業』としての過去なんぞ知らんと言わんばかりに先へと進んで、手の届かない地位へと行ってしまった感覚。

 

 かつてのKC社は海馬剛三郎氏を社長とした戦争経済…一般的に褒められた事柄ではないが、戦争をビジネスとして成り上がった。軍需工場も持って武器を販売、企業・不動産買収、良くも悪くも多くの企業を育てる土台として存在していた。

 

 その快進撃の最前線にいた5人の怪物、他の企業勢力は恐怖とある意味での尊敬を込めてBIG5と呼ばれていた。大下幸之助、大瀧修三、大岡筑前、大田宗一郎、大門小五郎…その中でも平野とやり取りがあったのは、妖怪と呼ばれる程の企業買収能力を発揮した大下幸之助だ。物腰が柔らかく、それでいて堅実に攻めてくる、会談で何度も苦い顔にされた敵ではあったが尊敬すべき相手だと平野は今でも感じている。だがそれも…新たなKC社長が就任してから過去として、記憶として存在した事実の一部として幕を閉じた。

 

「海馬瀬人ッ!貴様さえいなければ!」

 

 海馬剛三郎 前社長の自殺…ビルの窓ガラスを突き破りそのまま…それから瞬く間に軍事産業から撤退、そしてゲーム産業に参入の流れ。今でも理解できない動きだと感じる、だがその動きは…今の世の中を見れば正解だったのだと言わざる得ない。過去に活躍した者達を踏み倒し、BIG5なんてもはや過去の遺物・・・それが今の現状なのだと、奴の、海馬瀬人が思い描いた世界なのだと思えば思うほど…黒い感情が湧いてくる。

 

 デュエルモンスターズ・・・自分もやり方を覚え、なんとか係長の地位を維持しているが…攻撃力の高い方が勝つ。魔法、罠、とにかく攻撃力を高めるカードを集めてデッキを組んで最低限のルールを覚える。この歳になって何でこんな事を覚えなければならないのか、何度も自問自答していた時もあった。

 

 『I2』…インダストリアル・イリュージョン社に我社も契約しに行くこともあった。結局上手くセッティングが嚙み合わず失敗したが…カードゲーム大会でペガサス・J・クロフォード氏が瀕死状態になるだなんて誰も予想できないだろう。デュエルモンスターズの生みの親にして元凶…直接的な思いはないが、平野にとっては言葉に表せない感情を覚える程度には湧くものがある。

 

「お前が、貴様が表に出てきてから私の人生は滅茶苦茶だ!…はぁ…」

 

 愚痴をこぼすぐらいしか、今の自分にできることはない。デュエルの腕前なんて、強いカードでデッキを組めば勝つ。そこに理由なんてないはずだ、負けるのは運だ、引きが弱いから負ける、ただそれだけ…それで運がいい若手によって私の地位が奪われようとしている。

 

「あんな若僧に!次のデュエルで負けたら降格だと!ふざけるなァぁぁぁ!」

 

 崖っぷち…平野の人生は正にその言葉が当てはまる状況だった。そんな時・・・一陣の風が平野を襲った。風に乗ってくる砂埃に目をつむり、この世の理不尽を呪った瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 力が欲しいか

 

 

 

 

 

 その言葉が脳内に確かに響いたのだ。驚きのあまり目を開けた時…座っていたベンチの前に見慣れない一枚のカードが落ちていた。まるで自分を呼んでいるかのような感覚に陥りながら拾い上げる。

 

『大邪神 レシェフ』

 

 その存在を認識した時、頭に数多のビジョンが思い浮かんだ。それは古代エジプトをモデルにしているかのような風景、そこには・・・

 

 わ、わたしだと!?ぐ、グォォォ!

 

『私は大神官ヘイシーン、古の魔術師の末裔だ!』

 

 あれは私だと!?

 

『私はリチャード・ヘイシーン・オブ・ヨーク卿である!』

 

 あれも私!?

 

『セトよ、王子を殺せ』

 

 あれは・・・海馬瀬人?

 

 

「…はぁはぁ…そうか、そうだったのか…クククっ私は、いやワシは!大邪神…ワシは必ずこの力を手に入れようぞ…そしてセト、ワシと同じくこの世に舞い戻った男!海馬瀬人に!必ずや復讐を果たして見せようぞ!フハハハハハ!」

 

 狂気に満ちた笑いを響かせる男の手には一枚のカードが握られていた。

 


 

平野心改めヘイシーンは内から湧き上がる力に心が躍っていた。今の彼は記憶を取り戻したこともあり、デュエルモンスターズの意味も理解した為だ。

 

 デュエルモンスターズ…それは遥か五千年の昔、古代エジプトの魔術的儀式をペガサス・J・クロフォードがカードに模倣した物だったのだ。闇のゲームと呼ばれる魔術の儀式は確かに存在した。ヘイシーンは闇のゲームの監督官を務める大神官だったこともあり、これもまた運命であると感じたのだ。

 

『海馬コーポレーションの飛行船は未だに行方が分かっておりません。海馬コーポレーション社長、海馬社長の不在に伴い株価が一時5%減の推移で高下し、今後の動きに不安が広がっています。―ーー』

 

 会社に取り付けられたブラウン管テレビから流れるニュース。その一端を聞いただけで口元の歪みが止まらない。

 

「…ククク、これもお前の仕業か?」

 

 実に愉快な気分。ヘイシーンは普段より早く起床・出勤してしまうぐらいには気分よく過ごしていた。過去の記憶を思い出したとて、現在の生活があるのだ…そんなすぐに大胆な行動に移せるほど平野心という元の男は無鉄砲ではなかった。

 

 ヘイシーンが一枚のカードを見つめると…自らの疑問に答えるかのように黒い波動を纏って鼓動を繰り返している。

 

「ん?このイメージは…海馬剛三郎!…それに海馬瀬人…なんだ、何を伝えたいんだ…これは…まさか、BIG5…」

 

 闇の波動、大邪神レシェフの力が見せるビジョン。それは死んだはずの海馬剛三郎やBIG5の面々がモンスターになるや、海馬瀬人を含めた者達とデュエルをしている状況だった。

 

「来ていたか平野係長、デュエルの準備はできているんだろうな!」

 

 思考を回していた時、余計な雑音が入り込む。普段なら謝罪から始まる上司との会話だが、今のヘイシーンには凄みがあった。

 

「これは、これは、銭下馬(ゼニゲバ)部長」

 

 後ろからドンと聞こえる凄みを感じた部長は、一歩後ろに下がった。

 

「平野君、だ、大丈夫かね…」

「おや、どうかいたしましたかな?」

「いや、雰囲気がまるで別人のようだぞ」

「ああ…少し楽しみでしてね」

「そ、そうかね」

「ご期待に添えるよう努めます」

 

 ヘイシーンの言葉に答えるように大邪神もまた鼓動した。

 

 それから余裕をもって先方との待ち合わせ場所に銭下馬部長とヘイシーンは向かった。本来契約更新だけならヘイシーンのみで十分な案件であるが、今回は競合他社も出席する。勿論デュエル観戦の意味合いもあるが、勝敗後すぐに契約が失効の可能性もあるのだ。それ故に部長クラスも同席する流れができている。

 

 ドミノ町…デュエルモンスターズが常識となるまで『どこにでもあるような町』であった。だが今ではデュエルを求める決闘者の溜まり場、それに伴い治安の悪化、一般市民にとって生きずらい世の中となったのだ。

 

 

「ウヒャヒャヒャ!」

「キエェェッ!」

「イヤヤヤヤッ!」

「な、なんだ君たちは!?」

「デュエル!デュエルゥぅ!」

「できないィぃならぁぁ金よこせぇよぉぉぉぉー!」

 

 

 た、助けてくれー!?

 

 

 デッキのない者、決闘者であらず…つまり、一般人。勝負の場にすら立てないなら発言すら許されないのだ。裏路地に詰め込まれ身ぐるみを剥がす。よくある日常である。

 

「別の道を行くぞ…おい、おいッ!?」

 

 珍しくない。表の道を外れ、裏道を通った際にエンカウントする半グレ集団だ。最近のドミノ町ではいつものことである。助けが聞こえた通行人は見て見ぬフリ、いつものことである。だが今日は少し違った。

 

 

 

 あぁん?なんだこのおっさん?

 オレたちにお恵みでもくれるってかぁぁぁ!

 ウキィぃィ!

 

 

 デュエルディスクを構える中年の胡散臭い男が一人。





「さあ遊戯、君のターンだ。まさか今になって怖気づいたんじゃないだろうね。なんならデッキマスターも交換していいよ」

 遊戯たちはバトルシティを勝ち抜き、飛行船で決戦の地へ向かっていた。だが、飛行船が謎のハッキングを受け不時着した先は…海馬瀬人に、そして自分たちが生きる現実世界に舞い戻ろうとするバーチャル世界の亡霊が生きる研究施設だったのだ。

 モンスターをデッキマスターにするという、通常のデュエルに、いつでもフィールドに出せるが、倒されれば強制負けの特殊ルールを適用したデュエルの数々を乗り越え、このバーチャル空間の主ーーーノアと対峙していた。

「よぉしボクだってかっこいいところ見せてやるぞ!デッキマスターを変更するよ!」
【え?AIBO!?そんなことしちゃいけない!海馬のブルーアイズは魂のカーr】



 ボクのデッキマスターは『重爆撃禽 ボム・フェネクス』!

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