こんな日には、おとぎ話の続きを   作:深月 慧

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この短編シリーズにおける趣味全開のオリ設定の備忘録的なやつ
見なくても楽しめる……はず


安いおまけな用語集

 センス・リンカー

 

 酒寄技研がツクヨミ(法人)と協力して開発・販売しているスマコン拡張デバイス。

 形状はカチューシャ型ほか。

 機能としてはスマコンの演算機能の補助と、電気信号による感覚マスキングと感覚フィードバックがある。

 

 これを用いることで仮想空間内での五感を完全再現し、高度な没入感を体験することができる。ツクヨミにおける五感パッケージ「オルト・センス」のフル利用にはこのデバイスが必要となる。

 このデバイスのもう一つの特徴として、感覚再現以外に高度な思考制御が可能という点がある。

 これまではコントローラーを介した操作だったものが、歩くとイメージすればそのまま歩く、現実通りの動作が可能となる。

 

 ツクヨミで普通に使う分には問題ないが、KASSENなどの経験と得られる情報の処理と正確性がものを言う対戦ゲームではこの操作手法と感覚フィードバックは致命的なアドバンテージとなってしまう。

 酒寄技研と縁の深い……というか代表が兄妹であるブラックオニキスに対し競技特化モデルである「INTENCFY」を試験的に提供していた(元々コラボグッズ的要素が強かった)が、ツクヨミ内で開催されたワールドシリーズの開催直前に公平性の観点から今大会における当該デバイスの使用を禁止するという裁定をツクヨミ公式が発表。狙い撃ち同然の裁定であるにも関わらず黒鬼側も反論が一才ないという、HITBOX以来かつ異例の騒ぎとなった。

 このデバイスに関しては「俺の手足よりも自由だ!」という地味に笑えないジョークが全てを語っていたため「まぁそうなるな」と言う感想がほとんどであった。

 

兄ちゃんな、確かにコラボグッズ作って欲しいとは言ったんよ

でもな、HITBOXみたいな裁定騒ぎが出るようなモン拵てくれとは言ってないんよ

そんなもん作ろうと思って作ってないんやけどな……

——ツクヨミ内番組 ツクヨミ・トークルーム! 第021回より

 

 余談として、OS起動時に以下の文が表示される。

 

 Mi iros al la sama loko kiel vi. Mi kondukos vin tien.

 Ĉar via deziro fariĝis mia deziro. Do mi neniam plu vin forlosos.

 

この文はエスペラント語であり、和訳するとこのようになる。

 

あなたと同じ場所に行く。私があなたを連れて行く。

あなたの願いは私の願いになったから。だからもう二度と離さない。

 

 

 某技術イベント(ツクヨミでも同時開催されていた)にてこの文の意味は何か? と言う旨の質問を受けた開発メンバー曰く、『エスペラント語にしたのはOS作成者の趣味だが、文自体は酒寄所長からある人に宛てたメッセージ』であるとのこと。

 これを聞いたいろP・かぐや・ヤチヨファンダムとオタ公たちは無事脳を焼かれてしまい、ふじゅ〜を布施する機能以外が死んでしまった模様。

 

待って! それどっから漏れたの!?

「えっと……そこにいる所長の嫁さんからですかねぇ……」

日記にあったんだぁ〜

ちょっと、かぐや! まーた勝手に見たの!?

一緒にハッピーエンドまで連れてってくれる彩葉、かっこいいなぁ……大好き♡

「ああっ! なんか所長が顔真っ赤になって崩れ落ちてっ!!」

「『仲良しのやつ』やりながらとは流石っス所長!!」

「僕たちの分含めたふじゅ〜もかなり来てますけど流石です所長!!」

「かぐやちゃんにはセキュリティが緩いの解釈一致です所長!!」

 

——次世代技術フォーラム 

公開講義「センス・コネクターの基幹理論を応用した義肢・義体の制御システムの構築」についてより

 

 

 

 酒寄調律技研(Sakayori Harmonize Institute

 

 大学を首席で卒業した酒寄彩葉が立ち上げたスタートアップ企業。通称「酒寄技研」「SHI」。

 代表的なものとしてセンス・リンカーと純生体義体・義肢が挙げられる。

 公には仮想空間におけるリアリティの向上とそれをベースにした義肢・義体などの開発を目的としている。

 主な出資者は兄の酒寄朝日らブラックオニキスと彩葉の友人二名、ツクヨミ、三大技術流派(峨東、西晒胡、水淵)宗家。

 のちに彩葉が構築した「オルト・センス」による五感の完全再現、A&Pイメージ制御系理論と技術流派が発見・開発した微細機械(マイクロマシン)を掛け合わせたことにより、アバターボディの開発に成功した。

 アバターボディのみならず、数々の功績を残している企業ではあるのだが……所長が所長なので「奇人変人の巣窟」、「リアル変態企業」、「リアルルビコン調査技研」と呼ばれることがある。

 

 余談だが、酒寄技研に所属している人員のほとんどが技術流派から出向した優秀な技術者によって占められている。

 優秀ではあるが……どうにもクセが強い奇人変人が多いようだ。その証拠に、『酒寄所長について語る会』が毎週開催されている。そんな彼らの共通項は『いろP推し』『かぐや推し』『ヤチヨ推し』である。

 なお、前回の議題は『いろやちとやちいろ、いろかぐとかぐいろどちらが至高であるか』で、盛大にヒートアップした末にKASSEN10本先取という血で血を洗う争いが繰り広げられていたようだ。

 

「前にも言った記憶はあるが、これ以上の無益な争いはやめよう」

「我らの推しは尊い、それでいいではないか」

「「「異議なし」」」

「では、今回の議題だ。えっと、『かぐやちゃんとヤチヨのオパーイについて』……」

「誰だ、戦争不可避の議題を応募した大馬鹿野郎は!!」

 

 

 

 八千代条約/八彩条約

 

 彩葉との再会を目指すにあたり、CIA職員であったワインのおじさんとは別に接触してきた三大技術流派に対しヤチヨが持ちかけた条約。

 

 内容としては、ヤチヨに対して入用のものなどを提供すること、対価として「実証試験」とその保守過程を通して技術提供を行うものというものである。

 同時に技術流派間での抗争と、後に生まれるサカヨリイロハなる人物への接触を禁じている。

 更新期限は2030年10月頃とされていた。

 

 この条約によりヤチヨは、セーフハウスの選定と膨大な計算資源の確保に奔走されることはなくなり、仮想空間ツクヨミの構築に専念することができた。

 

 峨東が喋るウミウシの伝承を把握していた(藤原氏の血統もあったため)ことや水淵のお人好しもあり、思いのほかスムーズに条約締結はなされることとなった。

 

 2030年以降は酒寄彩葉の研究支援並びに技術提供へとシフト。

 期間もかぐやが人間と成り、彩葉と天寿を全うするまでとなった。

 改定に伴い、名前も八彩条約へと変更された。

 

 この条約により、彩葉は彼らのバックアップの元、ツクヨミなど仮想世界やアバターボディにおける感覚再現ならびに反映技術(オルトセンス)の構築や、魂の存在証明を達成する足掛かりとなり、そこに微細機械技術の投入によりアバターボディは確立されることとなった。

 

 互いに反目しあっていた技術流派を歩み寄らせた契機となったのは「彩葉に会いたいんだ」というヤチヨ(かぐや)の純粋な願いであった。

 

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