リィンカーネーションの花弁〜夢に囚われた狩人〜   作:アキヤマ ハルト

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読者の皆様方、お久しぶりです。秋山悠人です。

詰まりに詰まりまして、ようやく書き終わったので投稿します。これの続きは思いつかなかったのに、別の作品が思いついてしまったんですよね……もしかしたら今度新たな作品を投稿するかもです。


第16話『名無しの男、そして懐かしい顔の狩人』

前回のあらすじ!!

 

アンネと共に繰り広げたガスコイン神父との戦い。それはアンネの秘められた才能の開花と共に、決着を果たした。消える直前にアンネ・灰夜に渡すべきものを渡し、灰夜に自身が知る情報を教えた。それは、『この世界にヤーナムの狩人たちが多く来ている』という衝撃の情報だった。情報の暴力を食らっている中でアンネとガスコイン神父は別れを果たし、アンネはとことん泣き続け、泣き終えてからは託された分まで研鑽を積んでくると言ってから狩人の夢へと戻っていったアンネを見送ってから携帯の電源をつけてノイマンⅡに状況を聞いてみれば仲違いをしたという報告が出た。灰夜は不器用な友人や仲間たちに呆れながら、霧となって脱走した灰都を探しに向かうのだった………

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

『灰夜、灰都は見つかりそうか?』

 

「うーん…ある程度の目処がつけば探しやすいんだけどね~。今のところあの施設からある程度の近さに固定してるとはいえ、だいぶ広いから……なーんか情報があればいいんだけど」

 

『ふむ………』

 

 霧状態で動き続けながらノイマンと話す傍らで灰都を探し続けるが、一切見当たらない。も~、なんでこういうトラブルがそんな頻繁に起こるかなぁ…ん?なんか気配がある…?

 

「…あー!! 東耶と柳生じゃん!」

 

「うわっ…!? は、灰夜くんですか?」

 

「…空間に同化しているのか」

 

 柳生の言葉に、「せいかーい」と言いながら身体を作り出す。柳生と東耶で灰都探しか~……変なメンツだねぇ。

 

 まぁ灰都と柳生は高め合う仲だったっぽいし……妥当なのかな?なんて考えながら装備する武器を葬送の刃から千景に持ち替える。やっぱ常にこれを持ってないと違和感がひどいね。

 

「で、二人は何でここに? 灰都を探してるのは分かるけど、もしかしている場所に目途がついてるのか?」

 

「いえ…ただ、刀で木が斬られているんです。なので、それを追っていけば見つかるだろうと踏んでいます」

 

「…あぁ、ほんとだ。傷どころか、ぶっ倒れてるものもあるじゃん。気付かない俺馬鹿すぎか?」

 

『てっきり気付いているものだと思っていたが』

 

「いやー、俺って霧状態のときに人を判断できるだけで周囲の地形は判断できないから気付かなかったわ……そんで、柳生はなんで東耶と共に行動してるんだ?灰都が心配なのか?」

 

 俺が柳生にそう問いかけると、柳生は「それ以外ないと思うが?」と返してきた。

 うーん、ド正論だな!その通り過ぎるわ!!

 

「いやー、ド正論ですねぇ……ほかの理由がある気がしたから聞いたんだが、気のせいだったみたいだ。じゃあ今度は東耶ね?なんで自ら仲違いしたのに探してんの?仲違いしたいの、したくないの?」

 

 急な矛先の向き方にびっくりしながらも、しっかり答えてくれた。正直そんなに問い詰めたいわけじゃないが、ここで感情云々の言葉が欲しいんだよな……

 

「僕は…そう、ですね…僕、は……」

 

「………え、嘘でしょ?そんなに感情を優先できない?まだ灰都の方がそういう切り替え上手いよ?」

 

「………感情って、なんなんでしょうか?」

 

「お前昔のネット民かよ、今の僕には感情がないってか? 才能のみを求めてた最初や項羽に過去を見せられた時を思い出せよ。あんときの東耶は啖呵をきれる程度には感情を発露できてたぞ」

 

 俺の雑な返答に揺れる瞳をさらに揺らしながら「ですが……」と抜かし始める東耶に対して、俺は右手に取り出した杖を喉仏に当たる寸前で止める。そろそろイライラする、この甘えた行動にはな。

 

「東耶、いい加減舐め腐ったことを口にするんじゃない。私は貴公に期待を寄せている、狩人としても灰夜としても。だからこそあの時の啖呵には喜んだものだ…だが、今の貴公は見るに堪えない。どうせ貴公のことだ、自らの感情を無視して世のためを思ったことを口にしたのだろう?」

 

「………はい」

 

「別に世のために動くことを悪いとは言わない。だが、自らの感情を抑制してまですることでもない。人間など感情を優先し、争いを繰り広げてきた種だ。そんな中で真面目に生き続ける必要などないのだ……そうは思わないか、隠れている御仁よ」

 

 杖を変形させながら気付かぬ間に増えていた気配に向けて鞭のように振り抜いた。轟音と共に木が何本も折れて倒れる。木くずや土煙のせいで見えないが……当たった気がしないのを見るに、まともな廻り者ではなさそうだ。

 

「…はっはっは、まさか即座に殺しに来るなんてね!さすがゲールマンの言う完成された狩人だ…誘導した甲斐があったな~」

 

「……貴公は、あの時に枝を落としたスーツの男か……? まさか人間じゃなかったとはな」

 

 土煙から出てきたのは黒のスーツにシルクハットを被った痩身の男だった。フィッシュと出会ったあの日、枝を落として姿をくらました人物と同じだった。

 

「俺は人間ではないさ。でも、君らも人間とはいいがたいだろ? 特に狩人、君は一番人間とは程遠い…それこそ、俺と似ているだろうね」

 

「……チッ、貴公……上位者の類いか……」

 

「まぁ似てるってだけさ。じゃあ、改めて……俺はアラン=スミシー、輪廻の枝の製作者……さぁ、話をしよう」

 

 紳士的に振舞っているヤツの気配には、確かに懐かしさを覚える雰囲気を感じる。ヤーナムに多く蔓延していた、あの忌み嫌うほど臭い匂い……

 

「……すまない東耶、話を聞くのを任せる。私はこれ以上ソイツの声を聞いていたら今にも暴れてしまいそうなのでな。私は先に向かっているよ」

 

「え、灰夜くん!?」

 

 俺が言うだけ言って去ろうとすると、アラン=スミシーが俺に対して「あぁ、ちょっと待って!狩人に俺からの話はないけど、伝言があるんだ…君の先代、ゲールマンからね」と言ってきた。

 

 俺は反射的に月光の聖剣で斬れる構えに入りながらヤツを睨む。

 

「ほぅ……? 早く、口にするといい。死にたくなければな……‼」

 

「おぉ、こわいこわい……《狩人よ、何にも呑まれず私の後継となった者よ。狩りの終着はこの地にて成される…私たちは狩人への試練だ、存分に狩るといい》だそうだ」

 

「……なんでゲールマンに伝言役を任せているんだルドウイーク……何が言いたいのか分かりにくい……これだから嫌いなんだ、冗長な言い方ばかりのあのご老人は………」

 

「あぁ、なんだ! 君も分からないのか! いや~、俺もなーんも分からなかったからそのまま伝えただけだからさ。じゃあ、用事は終了だ。向かうといいよ」

 

「言われずとも。それじゃあ、後は頼んだぞ東耶と柳生」

 

 俺は返事を待たずに走る。上位者は嫌いなんだ、人の都合を考えず恩寵といって人生を壊し、呪いといって人生を壊すのみのイカレたやつらなど……

 

――――――――――

 

「…ここか、灰都がいるのは」

 

 俺が走り続けてたどり着いたのは廃れてボロボロの寺だった。長らく使われていなかったのか木は腐り、いろいろなところに穴が空いている。

 そして寺の中からとてつもない呪いと怒り、そして悲しみを持った灰都の気配がしていた。

 

「…ふむ、待つとするか。多少時間がかかる程度なら―――ッ!?」

 

 座り込もうとした時、悪寒がしたと同時にすぐに横に転がった。轟音と共に俺が立っていた場所に大量の弾が放たれ……大量に風穴が空いていた。これはガトリング……か。

 

「……そうか、まさか貴公がここにいるとは思わなかったな……デュラ殿」

 

「まさか貴公と再び相見えることになるとは、私とて思わなかったとも…だが、これも試練だ。久方ぶりの殺し合いをするとしようか」

 

「パッパッと進めるのは昔からだな、デュラ殿……構わないが」

 

 右手に持つ武器を千景、左手にエヴェリンに持ち変える。そして刀を抜き……すくに斬りかかれるように構えながら、名乗りをあげる。

 

「女王アンナリーゼの最後の臣下であり夜明けを冠する狩人、レイン」

 

「…市民を守らんために生きた古狩人、デュラ」

 

「「———参るッ!!」」

 

 同時に飛び掛かった俺とデュラは即座に千景とパイルハンマーを……ぶつけ合わずに銃を撃ち放つ。

 

 デュラは散弾銃であるため俺に数発ヒットしたが、俺のエヴェリンは俺の血をもととして作られた弾丸を放つ銃。

 俺の血は長らく狩り続けた獣の返り血を、上位者の血を取り入れ続けたことで人間や獣に特攻のあるものとなっている。

 そんな弾丸が当たれば……。

 

「あ、がぁ……ッ!?」

 

 さすがのデュラも痛手を負うというわけだ。デュラでなければ…それこそただの獣程度であればこの弾丸のみで仕留められたが、デュラは苦しそうにしながらも冷静な顔…少しばかり時間がかかりそうだな。

 仕方ない、久しぶりに使うとしよう……マリアを参考に編み出した刀術、披露するとしよう。

 

「ふぅ……一の型、血鮮花」*1

 

 デュラに向けて刀を振るうと、刀身に纏われていた血が沸き立ち…血でできた刃が他者に向かい放たれた。マリアとの戦いを経て、鍛錬を重ねたことで得た刀術だ。

 あと何個か別の刀術はあるが……それらは、上位者となった末に得たもの。これは、狩人としてのすべてを用いた刀術だ。

 

「…!? そんなことも、できる、とはな!!」

 

 デュラはどうにか避け、こちらに向き直るが…俺は二撃目を構えていた。千景を突きのように構え……突き出しながら技名を言う。

 

「二の型、徒花突き」

 

 突き出された千景から血がそのまま放たれ、とてつもない推進力を持った血の奔流が突き刺さったデュラは、「ぐぼおぉ…!!?」と呻きながら吹き飛び、木にぶつかる。

 

 俺はすぐに刀を水平に構え、新たな型を放つ。

 

「三の型、神速裂断」

 

 目にもとまらぬ速度でデュラに近づき、一太刀浴びせる。刀による斬撃の後に、血の刃での斬撃が入ることで二連撃。

 これで終わっただろうと思えば…デュラは散弾銃を盾にすることで刀による斬撃を耐えていた。

 痛手を負いながらも、デュラは変形させていたパイルハンマ―をこちらに向けて、いつでも放てる状態にしていた。

 

「っ、まず……!?」

 

「最後の置き土産だ…!!パイル、ハンマーッ!!!!

 

 逃げるには間に合わず、正面からパイルハンマ―を食らったことで視界は爆発によって真っ白に染まり、衝撃によってこれまで傷を負わなかった自分の身体を霧が急いで修復しているのを感じる。

 

 ようやく前が見えるようになってきて、デュラを見ると…デュラはボロボロで、右腕は千切れ、顔の右側は火傷のようになっていた。

 

「……さすがだな、デュラ殿。自らの命をかけて一矢報いられるとは思わなかった」

 

「……勝ては、しなかったか。だが、()()()()()()()()ようだな……」

 

「なんだ、気付いていたのか…」

 

 デュラが言っているのは俺が廻り者になってからの代償だろう。

 おそらく身体は狩人ではないからなのか、ヤーナムで愛用していた輸血液が使えず……その代わり、損傷によって霧が身体を修復するようになった。

 上限は一か月で回復、限界に近付くと回復速度の低下を招く……今回のデュラとの戦いのような損傷が、まぁ十回もあるとまずいことになるだろうな。

 

「それにしても、デュラ殿がいるということは…大抵の狩人はこの世界にいるのか?」

 

「答えは、しないさ……だが、次に現れる狩人は教えよう……処刑隊唯一の生き残り、女王殺しのアルフレートだ……」

 

 その名前を聞いた瞬間、なんとも言えない顔をしてしまった。アルフレートかぁ……あんまり好きじゃないんだよな……

 

「貴公とアルフレートに、なにがあったかは知らないが…アルフレートも震えていた。あの方を救える、だとかな…」

 

「救えるもなにも、すべて私の意思で選んだものだがな……まぁいい、助かるよデュラ殿」

 

 俺が感謝を伝えると、デュラは微笑みながら「気にするな…あぁ、ようやく終われるのだな…」と呟きながら霧となって消えていった。

 彼が倒れていたところにはガトリングと輪廻の枝が置かれていて、拾うと共にガトリングを霧の中を通して倉庫に仕舞い込み、輪廻の枝を普通に拾っていた。

 すると階段の方から足音が二つ聞こえ、現れたのは東耶と柳生。東耶はボロボロになっている境内を見回して「な、なにがあったんですか………?」と驚いていた。

 

 俺はその質問に

 

「同郷の奴が現れてね。戦ってたんだ…灰都さんは二人に任せるよ、俺は警戒兼傍観してるから」

 

 と答えていつも通りの千景・エヴェリンセットに入れ替えて禍々しい気配のする廃寺に向かって歩いていく東耶と柳生の後ろをついていくのだった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
技名を言っているのはかっこいいからではなく、技を口にすると脳内イメージを強くなり、しっかりと技を放てるようにしているから




第16話、終了!

今回いろんな技が出てきましたね。デュラは自分がゲームをしていた中でも苦戦しました…散弾銃が強すぎるんですよね。

灰夜がマリアの技を真似て作った技たちですが、あるギミックとして全型を敵に当てることで使えるようになる技が1個あります。もしかしたら今後見れるかもしれないですね!

次の更新がいつになるかはわかりませんが、気長にお待ちください!

主人公以外のキャラの視点はいる?いらない?

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  • いらない
  • どちらでもいい
  • 主人公と三人称のみでいい
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