「酒寄?酒寄なら俺の隣で寝てるよ」芦花「は?」 作:ソリダコ
気付けばもう11月、今年も残り2カ月を切りましたね
一年が凄まじく短く感じる所に年々歳を感じます
12月に欲しいゲームが発売してまた更新が滞りそうなのでちょっと更新頑張ってますが完結は無理だろうなぁ・・・・・・・
─オタ公side─
転送が終わり私の目に映ったのはテラス部分が水辺に面した落ち着いた雰囲気の内装で変わった所と言えば部屋の一角に仕切りが一切無い大きい湯舟があるという所か
正直予想外というか・・・・・・・良い意味で最近の若者らしくない部屋だなぁというのが最初に思った感想だ
「・・・・・・・・・・・あ」
そして部屋の奥にあるL字型のソファーに座る人影が一つ
向こうも私の存在に気付いたのか立ち上がって此方へ歩いて来た
「ようこそおいでくださいましたオタ公さん」
そうして私の目の前に立つのは紫色の短髪に龍の角、紫を中心とした寒色系の着流しを着た男性
カグヤちゃんからのリークや直接チャットでのやり取りで大人な雰囲気のイメージがあったパパさんだがこうして直接会ってみるとその所作までもが大人っぽく感じる・・・・・・・・・君って本当に高校生?
強いて言うなら男子学生内で人気の高い龍モチーフのアバターを使っている所が唯一の子供っぽいポイントだろうか?*1
「此方こそ招待有難う御座います!・・・・・・・えっと、パパさん?」
「あはは、チャットだと気にならなかったんで特に言わなかったんですけど流石に直接言われるのはちょっとアレですね・・・・・・・」
私にパパと呼ばれて恥ずかしそうに頬を掻くパパさんの頭の上を見ると【YUZU】の文字が見えた
「そ、そうですね・・・・・・私も年下の男の子の事を直接パパって呼ぶのは違和感というかなんというか・・・・・・・えっと、それではユズさんで良いですか?」
「えぇ、それで宜しくお願いします。ただ・・・・・・・・・」
「あ、はい!最初の取り決め通り、ユズさんの事を特定出来るような情報は他所に漏らす事はしませんのでご安心を」
「あはは、有難う御座います。まぁオタ公さんに関してそこら辺の心配はそこまでしてませんでしたが念の為にって事で、すいません」
「いえいえ、ユズさんがそこら辺を特に気を付けてる事はカグヤちゃんのリスナーなら常識ですので大丈夫です!」
「では立ったままというのも何ですので彼方へお掛け下さい・・・・・・・・・いや、ツクヨミ内なら別に気にする必要は無いのか?」
君って本当に高校生?
「そういえばどうして今回はまみまみさんのプライベートルームを?」
ソファーに掛けて仕事の話に入る前に雑談がてら気になった事を訪ねてみた
「あぁ、これに関しては別に深い意味とかは無いんですよ」
「そうなんですか?」
「えぇ。【かぐやイロPチャンネル】としての部屋がそもそも無いってのもありますがこの部屋の雰囲気が個人的に好きなんですよ」
「一応私も部屋を持ってますが・・・・・・・・」
「あーいや、超有名ライバーであるオタ公さんの部屋とか俺が緊張して話合い所じゃなくなるんで・・・・・・・」
そう言って苦笑いを浮かべるユズさん
まぁ確かに私も仮にカグヤちゃんの部屋があったとしてそこにお呼ばれしたら緊張と興奮で話し合い所じゃなくなるかもしれない
「後は・・・・・・・・・・まみまみって食い意地張ってるんで美味いもん用意すれば割とお願い聞いてくれるんですよね」
「それ絶対本人の前で言っちゃ駄目ですからね?」
成程、こういう所がカグヤちゃんの言うユズさんの煽りカス要素か
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そうして雑談も交えつつまだ決めきれてなかった部分を詰めていく
「それでやはりプロとセミプロの参加は禁止で?」
「そうですね。イロPならトッププロ相手でも無ければ何とかなると思うんですが」
「なんとかなるんですね・・・・・・・・・・」
私が調べた限りイロPってSETSUNAのランキング圏外だったと思うんだけど・・・・・・・
「それでも対戦数を考えたら一戦一戦の消耗は抑えないとですから」
「企画としては問題かもしれませんが仮にも勝者を出す訳にはいきませんからね」
コメントの殆どが悪乗りの可能性が高いと踏んでいるがガチ恋勢が全く居ないという訳では無い筈
そしてそのガチ恋勢が参加して仮にも勝ってしまったら更に面倒になるだろう
「ただ・・・・・・・・」
「?」
「いえ・・・・・中には立場を隠して参加する人もいるだろうな、と思いまして」
「あー・・・・・・・・・」
「ツクヨミはサブ垢を作る事は出来ませんが名前を変えたりアバターを変えて別人を装う事は出来ますからね」
「まぁウチん所のイロPもそのパターンですからね」
イロPの着ぐるみは少し大袈裟だが少しお金を賭ければ服装や髪型を簡単に変えられる
お手軽に恰好を変えられるのもツクヨミの良い所だが今回はそれが仇になる可能性がある
「でも禁止してるのに態々恰好まで変えて参加するなんて評判とかに影響しませんかね?」
「スポンサー契約や配信者としての顔を持つプロなんかは兎も角そういうのが無いセミプロとなると・・・・・・・・それに中には配信中の軽いノリみたいな勝手な解釈をして参加してくる人がいないとも限りません」
「後はプロでもまだ名前が売れていないだけの実力者とか・・・・・・・まぁそこまで行くとアマチュアのランキング上位勢と大して変わらないような気もしますが」
「うーむ・・・・・・・・・・・」
私がそういうと腕を組みながら天井を見上げ唸るユズさん
「後は仮にそういう人とマッチングした後に追い出してしまうと『イロPが勝てない人だったから追い出した』みたいな騒ぎ方をする人が出る可能性もあるかと・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・試してみるか」
「え?」
何かを小さく呟いたユズさんは天井に向けて口メガホンを作った
「えっと、ユズさん?」
「ヤーチヨさーん!!」
「はーあーい!!」
「ええええぇぇぇぇえええええ!!??」
ユズさんがヤチヨの事を呼ぶとそれに応えるかのようにヤチヨが返事をしながら天上から生えて来た
「マージで出て来やがったよ・・・・・・・・・・・」
「ふっふ~♪呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!!」
「言葉選びがお婆さん・・・・・・・・」
「うん??今なんて?」
「すんません、何でもないっす・・・・・・・・・」
ヤチヨは額に青筋を浮かべながらユズさんの背後から覆いかぶさると彼の頬に思いっきり指をめり込ませた
「や、ヤチヨ・・・・・・・・?」
「ヤオヨロ~♪オタ公さっきぶりだね~」
そう言ってユズさんの頬を引っ張りながら私に挨拶するヤチヨ
さっきぶり・・・・・・・・どうやら先程待機場所で話していたのはヤチヨ本人(?)だったらしい
もしくは分身と記憶を同期したとか?
「で、でもどうして・・・・・・・・?」
「ほら、オタ公がユズ君デビューするっていうじゃん?ヤッチョとしてはユズ君がオタ公に失礼な事を言わないように見張っておこうと思ってさ」
「は、はぁ・・・・・・・・」
「アンタは俺の事を何だと思ってんだ・・・・・・・・・」
「理知的な皮を被ったテンション任せの煽りカス」
「言いたい放題だなオイ・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・なんていうか仲が良いですね?」
ヤチヨが誰に対してもフレンドリーなのはツクヨミに来た者なら誰でも知ってる事だがここまで遠慮なく絡んでいる相手となると少なくとも私は知らない
更に言えばヤチヨに対してこうも自然体で接しているユズさんのような人物もあまり居ない
「もしかしてお二人は付き合いが長かったり?」
「いや、チュートリアルや待機所の分身AIを除いたら直接会ったのも話したのも1回だけですね」
「だね~。まぁヤッチョはユズ君の事をちょくちょくコッソリ見てたけどね~」
「・・・・・・・・まぁその一回でこういう輩だと分かったので俺は特別扱いを止めました」
「ぶーぶー、電子の歌姫に対して輩は無いと思いまーす!」
絡むヤチヨとそれをあしらうユズさん
その光景はまるでカグヤちゃんとユズさんのやり取りみたいな・・・・・・・・・まぁ直接見た事があるわけじゃないから私の完全なイメージなのだが
「えーっと、差支えが無ければご関係を伺っても・・・・・・・・?」
「ツクヨミの管理人とプレイヤーですね」
そうなんだけど・・・・・・・そうなんだろうけどッ!
何でもないかのように答えるユズさんではまともな答えが返ってこないだろうと踏んでヤチヨの方を見る
「んー、ヤッチョ的には答えてあげても良いんだけど・・・・・・・・・」
そう言ってユズさんの方を見るヤチヨ。ユズさんはそれを見て溜息を吐く
「・・・・・・・・・・・・オタ公さんがオフレコにしてくれるなら」
「そ、それは勿論!」
「それではお答えしましょう!!」
そう言ってユズさんから離れて楽しそうに指を立てるヤチヨ。その様子からよっぽど話したかったと見える・・・・・・・・
「これを知ってるのは私とユズ君、あとはイロPくらいかな?実はツクヨミのサービス開始日にコッソリと抽選イベントをやってたんだよね~」
「へぇ、そんな事をやってたんですか」
まぁイベント好きのヤチヨならそういう事をやっていても不思議ではない
「という事は当選者の中にユズさんとイロPがいたという事ですか?」
「ううん、当選者は一名、そしてそれがユズ君なんだよね~。イロPは偶々それを知っただけ。そして栄えある当選者へのプレゼントは~・・・・・・・・ヤッチョがその人に合ったアバターをコーディネートをしてあげるの!!」
「ほほう?つまりユズさんのそのお姿は・・・・・・・・」
「いえーす!」
私の言葉にダブルピースで応えるヤチヨ
成程、唯一の当選者でありヤチヨが態々アバターをコーディネートしたからこそユズさんの事を特別目に掛けていた訳か
ユズさん側のヤチヨに対するあの態度は・・・・・・・・まぁあんな綺麗所に囲まれてたら女慣れはしてるか(偏見)
「今なんか謂われのない不名誉を受けた気が・・・・・・・・・・」
「そういえばどうしてユズさんはヤチヨを呼んだんですか?というか何故ヤチヨが聞いていると分かったんですか?」
「あ、確かに!ツクヨミ管理人としての機能をフルに使って潜んでたのにさ~、ユズ君に呼ばれなきゃ出るつもりなんて無かったんだよ?」
何やってんだこのAIは・・・・・・・・・・
「何やってんだこのAIは・・・・・・・・いや、別に潜んでただなんて思いもしなかったんだが」
「それでは何故ヤチヨを?」
「いや、ツクヨミの全権ってヤチヨが握ってる訳で。まぁ悪い言い方したらツクヨミはヤチヨの監視社会のディストピアみたいなものでしょう?」
「酷くない!?前も大魔王とか呼んでさ!ヤッチョの事なんだと思ってるの!?」
「ネットミームクソバbァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!??」
ヤチヨが指を鳴らすとユズさんが突然耳を抑えて叫び出した
「うわっ!?・・・・・・・・・何したんです?」
「ふんっ、お口悪悪のユズ君が着けてるイヤホンにヤッチョが知ってる限りのネットミームを全部同時に最大音量で流しただけだよ」
「え、えぐい・・・・・・・・・」
「それで?態々ヤッチョを呼んだって事は何かお願いがあるんでしょ?言ってみなよ。ユズ君の態度次第では聞いてあげない事もないよ~?」
「あ゛ー・・・・・・・あ、頭が二日酔いの、早朝並みにガンガンする・・・・・・・・・」
ユズさんって高校生だった筈では・・・・・・・・・?
「・・・・・・・・・はぁ。話を聞いてたんだから細かい説明は省いた上で言うとイベント中にプロとセミプロのユーザーが参加出来ないようブロックするシステムが欲しいんだけど」
「成程、そもそもは入れないようにする訳ですか。それなら追い出すよりかはやいやい言われる心配は減りますね」
「そういう事です。出来るか?」
「ん~、やれない事は無いけど・・・・・・・・・・」チラッチラッ
「・・・・・・・・なんだよ」
「誠意が欲しいなぁ~ってせ・い・い!」
「・・・・・・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。具体的には?」
物凄く長い溜息を吐いてから聞くユズさんを見てヤチヨは唇に指を当てながら少し考えると満面の笑みでユズさんへ向けて腕を広げた
「お願いしますヤチヨお姉ちゃん」
「・・・・・・・・・・は?」
「Please repeat after me、お願いしますヤチヨお姉ちゃん。はい!」
「はい、て・・・・・・・・・・」
腕を広げたまま笑顔でユズさんの言葉を待つヤチヨ。それに対してユズさんは頭痛を抑えるように頭を抑えた
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
笑顔のヤチヨと苦い顔をしたユズさん。お互い黙ったままだが恐らく私には分からない無言のやり取りが交わされたのだろう
最終的に覚悟を決めたような顔をしたユズさんは両手を広げるヤチヨに向かって歩き─────
「──────へ?」
ヤチヨを抱きしめた
「ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆッズ君!?」
「ねぇ、ヤチヨお姉ちゃん」*2
「ふひゅッ!?」
ヤチヨの耳元でユズ君が小さく囁くとヤチヨの口から空気が漏れたかのような声が出た
「今イベントの運営で凄い困っててさ、どうしてもお姉ちゃんの力を借りたいんだ」
「───────」
「ヤチヨお姉ちゃん、お願い。俺を助けてくれないかな?」
「・・・・・・・・・・お」
「「?」」
「お姉ちゃんにまっかせなさい!!!」
「・・・・・・・・本当?」
「本当本当!!お姉ちゃんに掛かれば不正に参加しようとしてくる輩なんて全員即垢BANに出来るんだから!!」
「いや、そこまでしなくてもいいんだが・・・・・・・・・・でも有難うヤチヨお姉ちゃん」
「・・・・・・・・・ふひッ、ん゛ん゛ん!!」
咳き込んだ後にユズさんの抱擁から抜け出すヤチヨ
「それじゃあヤチヨお姉ちゃんはパパっとシステム組んでくるから一旦さらばーい!後でまた連絡するね~!!」
そう言ってヤチヨはテラスから何処かへ飛んで行ってしまった
「・・・・・・・・・・・ふぅ、それじゃあ打ち合わせの続きをしましょうか」
それを見送ったユズさんはなんでも無かったかのようにソファーへ座り直して私にも座るよう促した
「・・・・・・・・・」
「オタ公さん?」
「く、クズ男だ・・・・・・・・」
「言いたい事は分かりますけど流石にそれは酷くありません・・・・・・・・?」
成程、これがヤチヨの言っていたユズさんの毒牙というやつか。そして彼女は既に手遅れだったと・・・・・・・
現最強AIを落とすとは・・・・・・・・ユズさん恐るべし!
配信業やプロゲーマーの界隈に関しては完全にニワカ知識でそれっぽく言ってるだけなのであしからず
いつも通り細かいことは気にしないで貰えると有難いです
書いてて段々とヤチヨに対してコイツ隠す気あんのか?ってなってますがそもそもタイムスリップとか非現実すぎて気付けるわけないよね!ってスタンスです
本編終了後の小話(後の展開のネタバレ要素があるかも?)を完結前に載せるのは有り?無し?
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有り!(ネタバレ込みで)
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有り!(でもネタバレはちょっと・・・・)
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無し!(それより本編進行頑張ってくれ)