「酒寄?酒寄なら俺の隣で寝てるよ」芦花「は?」   作:ソリダコ

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【祝】総合日間2位&短編日間1位!
そんでもってUA数4万、お気に入り数3000。評価人数100人!

皆様本当に有難う御座います!!!

まさか脳を焼かれた衝動で書き始めた作品がここまで皆様に評価して頂けるとは思いもしませんでした・・・・・・・
嬉しい反面、期待の重さに圧し潰されそうですが・・・・・まぁ程々に頑張ろうと思いますので宜しくお願い致します

一応ニセカスの方も牛歩レベルですが執筆は進んでおりますので気長に待っていただけると幸いです


逆に貴方は何を持ち得ないの?

酒寄からのヘルプコールを受けた翌日

朝食を食べ終わった俺は開店時間に合わせてベビー用品が揃っている店に向かった

 

「オムツ、服、粉ミルクにガーゼ、消毒液etc・・・・・・・・どうせ今日明日くらいしか使わんのに出費がデカいなぁ」

 

親からの仕送りにバイト、KASSENの試合で得られるふじゅーとそれなりに懐に余裕があるとはいえ一度に万を超える出費は中々に痛い

そして店を出るとそこには左手に酒寄用の飯類、右手にはカグヤ用のベビー用品。持っているのは現役高校生(中身は四十路)という

 

「・・・・・・・・・辛うじてリュックに入ってる勉強道具で高校生感は出てるな、うん」

 

自分でも何言ってんだという自覚はある。恐らく夏の暑さとこれから()()()()()に会えるという高揚感でおかしくなってるんだと思う

そうして歩いて十数分、目の前には目的地であるボロアパート

 

「はぁ・・・・・・・・・よし、行くか」

 

酒寄の住んでいる部屋を前に一度心を落ち着かせた後に覚悟を決めインターホンを押す。少しして扉が静かに開くと中から大分やつれた様子の酒寄が出て来た

 

「・・・・・・・・・おはよう酒寄。皆より一足先に子育てを経験してみてどうよ?」

 

「おはよう・・・・・・・・そうね、初めて純粋な気持ちでお母さんを心から尊敬出来た気がするわ・・・・・・・・・・・・」

 

「それは・・・・・・うん、ノーコメントで。取り敢えず飯持って来たから食えよ。赤ん坊の世話は俺がやっとくから」

 

「出来るの・・・・・・・・?」

 

「ま、一応軽く調べて来たし何とかなるだろ。あ、涼しい・・・・・・・・」

 

酒寄の住んでる部屋で涼しいなんて感想が出る日が来るとは思わなかったな・・・・・・・・

そんな事を内心思いつつ、心配そうに見て来る酒寄を他所に俺は布団の上でスヤスヤと眠るカグヤに目を向けた

 

「この子が例の・・・・・・・・なんかデカくなってね?」

 

「そう、この子がゲーミング電柱から出て来た謎の赤ん坊。そして確実に大きくなってる」

 

俺の言葉に酒寄がため息交じりに応えた

 

「・・・・・・・・・ハハッ、改めて聞くと訳わかんな過ぎて笑えるな」

 

「私だってこの子と無関係だったら笑ってたわよ・・・・・・・・・・」

 

昨夜のビデオ通話で見せてもらった時と違って今のカグヤは服を着ておらず上にタオルケットが掛けてあるだけの状態だった

そして外を見ると物干し竿に掛けてある布団・・・・・・・・

 

「成程、やられたか」

 

「それはもう盛大にね・・・・・・・・・・」

 

酒寄は「というか何でオムツして無いのよこの子・・・・・・」などとブツブツ言いながら持って来た朝食を温め直し始めたので俺もカグヤを起こさないようにオムツを履かせる作業に挑戦するのであった

 

 

─酒寄side─

 

「・・・・・・・・(モグモグ)」

 

邦枝から作って持って来てもらった朝食を食べる私の目の前ではこの部屋で本来ならありえない光景が広がっていた

 

「腕通して~足も入って~・・・・・・ほい、一丁上がりっと。なんだ意外と大人しい子だな?」

 

「キャッキャ♪」

 

私の住んでいる部屋で同級生の男子がゲーミング電柱から現れた赤ちゃんの服を着せ

 

「ミルクの温度は・・・・・人肌?曖昧過ぎねぇ?まぁこんなもんでいいんかな」

 

「・・・・・・・・・・♪(チューチュー)」

 

「おぉ、めっちゃ飲んでる・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・(モグモグ)」

 

ミルクを飲ませ

 

「ゲップは・・・・・・・生後4~5カ月?この子年齢・・・・・・月齢は幾つだ?まぁ吐き戻し怖いし一応やっとくか」

 

「ケプッ」

 

「出た出た。ちゃんと出来て偉いぞ~」

 

「・・・・・・・・・・(モグモグ)」

 

ゲップを出す世話まで

 

「・・・・・・・・ねぇ、邦枝って赤ちゃんの世話するの本当に初めて?手馴れすぎてない?」

 

「そうか?」

 

そう言って首を傾げる邦枝。今も赤ちゃんは邦枝の膝の上で大人しくしており彼の指を玩具だと思っているのかその小さい両手で掴んだり叩いたりしている

 

「逐一調べながらやってんだしこんなもんじゃね?」

 

「それは無いと思うけどなぁ・・・・・・・・・」

 

昨晩の私の苦労はなんだったのかと思ってしまうくらい世話を熟す邦枝と大人しい赤ちゃん

 

聞いた話じゃ邦枝の在籍している隣のクラスでは彼はスパダリなんて渾名で呼ばれているらしい

一人暮らしなのは聞いているし料理上手なのはこの一年で十分に思い知らされてきた。そもそも家事全般が得意だという話なのでその渾名も納得だったのだが私は邦枝のスパダリを舐めていたみたいだ

まさかベビーシッターまで出来るとは、逆に何が出来ないんだコイツ・・・・・・・・・・

 

邦枝は事あるごとに私の事を超人なんて呼ぶが私からしたら邦枝の方が超人だと思う

 

「くあぁ・・・・・・・・・・」

 

そんな事を考えていると不意に欠伸が出た

ただでさえ寝不足の中で赤ちゃんの世話で碌に眠れず、トドメに邦枝の持って来た朝食を食べて満腹になったからか瞼が非常に重い

 

「適当な時間に起こしてやるから一回寝ちまえよ」

 

そんな私の様子を見て赤ちゃんを構いながら言う邦枝

 

「だけどこの子をどうするか、考えないと・・・・・・・・それに、勉強もしなきゃ・・・・・・・・・」

 

不味い、少しでも気を抜いたらすぐにでも寝てしまいそうだ。こういう時はエナドリを・・・・・・・・・あぁ駄目だ、この前体に良くないと邦枝に没収されたばかりだった・・・・・・・・・・

バレない様に隠していた大量のエナドリの空き缶が見つかった時に見せた笑顔でキレる邦枝を思い出し若干目が冴えるがそれも一瞬の事ですぐさま眠気が勝った

 

「・・・・・・・・あれは怖かったなぁ」

 

「何がだ?」

 

「ッ!い、いや何でもない!」

 

「??」

 

危ない危ない。眠気のせいで思った事がそのまま口に出てしまった・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・なんかまともに頭も働いて無いっぽいしそんな状態でまともな考えなんて出来ねぇだろ」

 

「でも・・・・・・・・・・」

 

「デモもストもねぇよ、おらッ」

 

「あぁ~・・・・・・・・・・・」

 

赤ちゃんを抱えた邦枝に裾の後ろを掴まれて無理やりおねしょの難を逃れた掛け布団の上まで引きずられ強制的に寝かせられる

 

「くそぅセクハラだ・・・・・・・・芦花と真実に、言いつけてやる・・・・・・・・」

 

「うるせぇさっさと寝ろ。あと綾紬達には言うな俺はまだ死にたくない」

 

最後の抵抗も空しく布団の上で横にされてタオルケットを掛けられた上にアイマスクまで付けられたら今の私には成す術が無い

瞼は完全に閉じ切って意識も段々と遠ざかっていく

 

「・・・・・・・ごめん、後はお願い・・・・・・・・・・おやすみ・・・・・・・おとうさん・・・・・・・・・・・

 

あ、待って今変な事言った気がする。今の無し聞かなかった事にして邦えdスヤァ ( ˘ω˘ )・・・・・・・・・・・・・

 

 

─弓槻side─

 

「・・・・・・・ごめん、後はお願い・・・・・・・・・・おやすみ・・・・・・・おとうさん・・・・・・・・・・・

 

「誰がお父さんじゃい・・・・・・・・・」

 

無理矢理布団に寝かせてアイマスクを付けたらすぐさま眠った酒寄。最後の一言は寝ぼけてたからなのか酒寄なりのボケなのか・・・・・・・・

 

「こんなでかい娘を持った憶えは無いっての。なー?」

 

「うー?」

 

俺も酒寄の隣で横になりながら赤ん坊のカグヤを持ち上げる

 

「しっかしどうすっかなぁこれから・・・・・・・・・・・」

 

この赤ん坊も休みが明ける頃には俺達と同年代に見えるレベルに成長、そこから本格的な【超かぐや姫!】の始まりとなる

 

ヤチヨカップの優勝を目指してライバーとなるカグヤと嫌々ながらもそれに協力する酒寄は破竹の勢いでのし上がり最終的には優勝する

そんな中で俺という炎上の火種は万が一にも原作崩壊させない為にコラボライブが終わるまでは距離を取るのがマスト

料理はカグヤが出来るし配信業で金の心配も無くなるので俺の勉強を見る報酬のメリットも薄くなるから離れる口実になるだろう

 

後は・・・・・・・・

 

「月、か・・・・・・・・・」

 

「あー、うー」

 

原作知識ある転生者ならカグヤもヤチヨも救ってハッピーエンドにしてみせろって話なのだがこちとら特典無く転生した精神が老けてるだけの転生者。なんなら基本スペックは超人酒寄の半分程度の一般人だ

 

一応黒鬼が使った以上のチートを使いまくって月人を撃退して卒業ライブを台無しにするとかカグヤの代わりをAIなりなんなり用意するなどの案はある。あるが・・・・・・・・・

 

「どれもこれもヤチヨ頼りなんだよなぁ・・・・・・・・・」

 

「ばぶぅ・・・・・・・・・」

 

「赤ちゃんってそんなテンプレな声出すんだ・・・・・・・・・」

 

どんなに案を出した所で月人がツクヨミ越しに来る時点でツクヨミの管理人であるヤチヨの協力は必須。しかしヤチヨは絶対に協力しない

ヤチヨは事故で8000年前の地球に来た未来のカグヤだ。ややこしいな・・・・・・・・?

つまりカグヤが月へ帰らないとヤチヨの存在は消え輪廻の崩壊が発生する。そもそもカグヤが酒寄の住むアパート前の電柱に来たのだってヤチヨの誘導あっての事らしいし

その場合どうなるのか。タイムパラドックスで時空の崩壊か、はたまたヤチヨの存在と彼女の功績によって発展した技術が無い世界に改変された上で進むのか・・・・・・・・

 

なにはともあれ自分の存在を消しうるであろう案に乗る筈が無い

 

「ままならないなぁ・・・・・・・・」

 

「なー」

 

「はぁ・・・・・・・・」

 

持ち上げていたカグヤを胸元に乗せて溜息を吐く

 

「まぁ結局はなるようになれ、だな」

 

「ぱぅぱ?」

 

「誰がパパじゃい・・・・・・・・・ん?お前今パパって言ったか?」

 

「ぱぅぱぱぅぱ!」

 

「勘弁してくれ・・・・・・・・・・・」

 

お前の母であり父、彼女であり彼氏の相棒はそこで寝てる超人の方なんだぞ・・・・・・・・・・・・

 

 

─彩葉side─

 

「ぅうん・・・・・・・・・・・・ん?」

 

目を開けるととそこは一切の闇。まさか夜まで寝てしまったのではと一瞬焦るが目の周りに感じる違和感と同時に邦枝にアイマスクを装着されたのを思い出す

 

「まぶし・・・・・・・・」

 

冷房の効いた部屋で目覚ましや赤ちゃんの夜泣きに邪魔されずに寝れたからか一人暮らしを始めてから一番良い目覚め。アイマスクを取った際の眩しい日差しに思わず目を瞑るがそれすらも清々しく感じた

 

「ゆーづーきー」

 

「うー?」

 

「ゆーづーきー」

 

「うー、いー?」

 

「おぉ、惜しい」

 

「・・・・・・・・何やってんの?」

 

声のする方を見ると邦枝が赤ちゃんに自分の名前を呼ばせようとしていた

 

「おぉ起きたか酒寄。眠気は覚めたか?」

 

「お陰様で。それで邦枝は何を?」

 

「この子に俺の名前を呼んでもらおうと思ってな。こうしてチャレンジしてるわけよ」

 

「それは見てれば分かるけど・・・・・・・どうしてそんな事を?」

 

記憶が正しければ私達はこれからこの子をどうするか話し合う予定だった筈だ

正確には何処に預けるかという話をする、と思っていたのはもしかして私だけだったのだろうか・・・・・・・・・・・

 

そう考えていると邦枝が私の事をじとーっとした目で見ている事に気付いた

 

「え・・・・・・な、何?」

 

「お前覚えてないのか・・・・・・・・・・?」

 

「憶えてないって何が?」

 

「俺がこうせざるを得ない原因がお前だって事だよ」

 

「えぇ・・・・・・・・?」

 

私何かしたっけかな?と記憶を巡らせていると邦枝が私に向かって赤ちゃんを差し出して来たので反射的に受け取る

すると赤ちゃんは邦枝の方へ手を伸ばし・・・・・・・・・

 

「ぱぅぱ!」

 

「へ・・・・・・・・・・?」

 

ぱぅぱ・・・・・・・・・パパ?お父さん?誰が?赤ちゃんが手を伸ばして見てる先・・・・・・・・邦枝?邦枝が、パパ?

 

「ブフォッ!」

 

それに気付いた瞬間に思わず吹き出してしまった。一応反射的に横を向いたので赤ちゃんに唾は飛んでいない筈

 

「く、邦枝あんたパパって・・・・・・・!自認おじさんからパパに格上げしちゃってんじゃないの・・・・・・・・!」

 

「あーう・・・・・・・・・?」

 

赤ちゃんを驚かせないように声を上げて笑いたい気持ちを抑えた反動で体が震える

赤ちゃんが私に手を伸ばして不思議そうに見て来るが其方に構っている余裕が今の私には無い

 

「・・・・・・・・・・はぁ、それで?この子が邦枝の事をパパって呼んでる原因が私ってどういう事なの?」

 

少しして漸く笑いの波が収まったので改めて問い直す

とは言っても私には全く身に覚えが無いのだが・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・まぁお前はあの時殆ど頭が働いて無かったぽかったし覚えてないのも無理ないかもしれんが」

 

「うん」

 

「お前、寝る直前に俺に向かっておやすみ、お父さんって言ったんだよ」

 

「・・・・・・・・・は?」

 

邦枝の言った事が信じられず思考が止まる

 

「私が、邦枝の事を・・・・・・・・お父さん?」

 

「それが原因って訳じゃ無いかもしれんがその後だったんだよ、その子が俺の事をパパ呼びし始めたのは」

 

胡坐をかいて自分の膝に頬杖を付きながら私の事を睨む邦枝

そんな邦枝の視線など気にならない程に私は内心焦りながら寝る前の記憶を思い出そうと記憶を巡らせる

 

(邦枝の持って来た朝食でお腹いっぱいになって眠くなって、布団に無理やり引きずられて、アイマスク付けられてそこで限界が来て・・・・・・・・・あぁそこら辺がもう曖昧だ・・・・・・・・なんかやらかしたような気もするし気のせいかもって感じもする・・・・・・・・・・)

 

「・・・・・・・・・・うん、私のログには何も残って無いから言ってないって事で」

 

「なんだそりゃ。言ってる事は無茶苦茶だしネタが古い。生まれてねぇだろ俺ら」

 

「うるさいなぁ・・・・・・・それに仮に私が邦枝の事をお父さんって呼んだとして、この子がお父さん=パパに繋げるとは思えないでしょ」

 

「そりゃあ、そうなんだが・・・・・・・・・なんか納得いかんのよなぁ・・・・・・・・・・・」

 

「それよりもほら、この子をどうするか決めましょ。勉強だってしなきゃなんだし」

 

「はぁ・・・・・・そうだな。なんかもうパパ呼びで固定されちまったし諦めるか・・・・・・・・・・・」

 

 

「はぁい、では気を取り直して第一回、赤ん坊どうするか会議始めまーす」

 

「だぁーいっ!」

 

お昼過ぎという事もあって昼食を並べたテーブルを挟んで座る私と邦枝

赤ちゃんは私の腕の中でミルクを飲んでいたが邦枝の宣言に合わせて哺乳瓶から口を離して声を上げる。ノリいいなこの子・・・・・・・・・

 

「第一回って・・・・・・・・これ何回もやるつもり?」

 

「むしろ今日一回の話し合いで終わると思うのか?この状況が」

 

「それは・・・・・・・・・・そうよね、ごめん」

 

そう言われればそうだ。ただの捨て子を拾ったとはレベルが違うのだからむしろ今日この日だけの話し合いで解決出来るのなら超ラッキーだ

そう考えていると邦枝が人差し指を立てる

 

「案その1、警察に届けを出す」

 

「・・・・・・・・・まぁ普通そうよね私は失敗したけど・・・・・・・・・

 

違うのだ。あの時は睡眠不足とバイト疲れな所にゲーミング電柱から出て来た赤ちゃんなんて奇想天外がノーブレーキで突っ込んで来てまともに思考が働いて無かったのだ

電話越しに「何言ってんだコイツ?」感を出していた警察官の声を思い出して地味に精神的なダメージが・・・・・・・・・・

 

「?? まぁこの案のメリットはぶっちゃけ無し。デメリットだらけ」

 

「え、なんで?」

 

「昨日までだったら道端で捨て子拾いましたで済むんだろうが今じゃ一晩で急成長する謎の赤ん坊を拾いましただ。預けた後もまたこの現象が起きて見ろ、絶対俺達にも面倒が降りかかるぞ。それこそこのままこの子を育て続けるなんて状況よりもな」

 

「・・・・・・・・・・」

 

邦枝は「テレビに新聞、雑誌・・・・・・・あぁどこぞの研究機関なんかもか」と呟きながら指を順々に折っていく。成程、確かに私達は一躍有名人。しかし良くない意味でが付く有名人だ

 

「面倒なのが群がって来て家族や友達にも面倒が掛かる可能性がある。そう言った意味で案その2の孤児施設なんかも無し。そもそもああいうのは役所に届けを出さないとだし匿名でいける赤ちゃんポストは簡単に行ける距離に無いから同じく無し」

 

「よく知ってるわね・・・・・・・・・・」

 

「調べたからな」

 

私の疑問に答えながらご飯を口にする邦枝。こういう事をサラッとやるところがスパダリとか言われる理由なんだろうか

 

「案その3、俺かお前の親に事情を説明して預かってもらう」

 

「そ、れは・・・・・・・・・・・・」

 

お母さんにこの子を・・・・・・・・?無理だ、どう説明しようと碌な事を言われないのは確定しているし実家に戻される可能性が大きい

イマジナリーお母さんが「なんや、あんな大見得切った癖に結局は男と乳繰り合いたいだけだったんかい」なんて呆れた顔で私を見て来る

その呆れた顔は止めて、というか何で私が産んだ前提なんだ。そんな訳無いだろ・・・・・・・・・さてはお母さんの皮被った邦枝だな?そう言ってくれ

 

「まぁお前ん家は距離的にも厳しいし必然的に俺ん所になる訳だが」

 

「それは駄目!ただでさえ邦枝を巻き込んでるのにその上邦枝の御両親までだなんて・・・・・・・・・・」

 

「まぁこの子に関しての説明が凄まじく面倒なだけでウチの親は喜んで引き受けそうだけどな」

 

「それでも駄目。そうするくらいなら私がこの子を育てる」

 

私がそう言うと邦枝は「案その4」と言って小指だけ曲げたハンドサインをした・・・・・・・・・なんでそこだけヨーロッパ式?

 

「この子の面倒をお前と俺で見る」

 

「ッ・・・・・・・!」

 

「メリットは今まで出た案での面倒事の心配が無い事。デメリットは学校がある以上は平日をどうするか何も思いつかない事と単純に金銭面」

 

「いいの・・・・・・・・・・?」

 

そう言うと邦枝は溜息を吐いて呆れた顔で私を見る

 

「いいのって、お前なぁ・・・・・・・・ここまで巻き込んでおいていきなりハイサヨナラは流石に無理あるだろ」

 

「それは、そうだけど・・・・・・・邦枝だって一人暮らしで自分の事だってあるのに・・・・・・・・」

 

「それこそお互い様だろ?というより厳しさで言ったらお前の方が大分だろうが」

 

「俺は学費も生活費も親に出して貰ってるしな」なんて言いながら昼食を口に入れる邦枝はそれを飲み込んだ後に「それに」と続けて私を見る

 

「元より【酒寄彩葉】なんてデカい赤ん坊の世話してるんだ。そこから一人増えた所で誤差だよ、誤差」

 

「はぁ?誰が赤ん坊よ」

 

「飯の世話どころか基本生活のアレコレまで口出してるんだ。もうただデカいガキの面倒見てるのと同じだよ」

 

「くっ、私より成績が下の癖に・・・・・・・・・!」

 

「そこに学校の成績は関係無いだろ。それで?どうするよ」

 

悔しがる私にそう聞いてくる邦枝。どうする、とはこの赤ちゃんの世話の事だろう

正直に言えばこんな訳も分からない状況に邦枝を巻き込みたくない

しかし言われた通り私自身この一年で生活のあれこれを邦枝に依存してしまっている現状、彼の支援無しに乗り切れるとは思えない

 

・・・・・・・・成程、結局私が何を言おうと無駄だという事か

 

「宜しくお願いします・・・・・・・・・・」

 

「ん、宜しい」

 

頭を下げる私の頭をポンポンと軽く叩く邦枝。おい撫でるな、髪が乱れるだろ

 

「それでは続いて第二回、赤ん坊どうするか会議~。パチパチパチ!」

 

「ぱち、ぱち!」

 

私の頭を撫でる手を止めた邦枝はそう言って手を叩く。そしてそれを真似する赤ちゃん

 

「第二回早くない・・・・・・・?」

 

「まぁもう一つ早急に決めとかないといけない事があってな。さっきも言ったが俺らは学生だ、つまり三連休が明けた後の平日をどうするかを決めなきゃいけない」

 

「た、確かに・・・・・・・・・・」

 

結局その日の話し合いで良い案は出ず。勉強にも身が入らずで最終的には邦枝による育児セミナーで三連休初日は幕を閉じたのであった




距離を取るとか予定しながらカグヤ(赤ちゃん)を二人で育てるとか言っちゃってる矛盾感~
オリ主的にはどうせ赤ちゃん期間は明日までだし配信業始めたら炎上リスクを理由に離れられるだろみたいな思考回路してるのだと思ってください


捨て子云々に関してはさらっと調べた知識なので間違ってる所があったら指摘してくださると有難いです
てかよくよく考えたら仮にカグヤが成長しなかったら彩葉は平日をどうするつもりだったんだろうか
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