「酒寄?酒寄なら俺の隣で寝てるよ」芦花「は?」 作:ソリダコ
(公式からの供給が)止まらねぇ!!
はい、そういう訳で(?)何回目かの脳みそ焼却です
漸く自分の中で落ち着いて来たと思った所でコレですよ
公式様本当に有難う御座います
─彩葉side─
「・・・・・・・・・は?な、あん・・・・・・・え?」
ここに居る筈の無い二人(邦枝は別にそうでは無いけど)を目の前に私の頭は真っ白になり咄嗟に言葉を発せなかった
「えー、可愛い!誰この子?邦枝君の娘さん、な訳ないよね?」
「妹さん、それとも彼女とか?」
「仮にどっちかだとしてパパって呼んでたらヤバいだろ・・・・・・・・この子は酒寄の遠い親戚だよ。絶賛家出中で酒寄のアパートに転がり込んでんだ」
おいちょっと待て。私の知らない所で勝手に設定を生やすな
「そういえば着てる服は彩葉のだね」
「休みの時に色々世話したら懐かれてな。パパって呼ばれてる理由は知らん、ってこら」
芦花と真実に説明をしながら邦枝は宇宙人の手首を掴んだ
よく見たらフォークを構えていて・・・・・・・・・狙いは私のパンケーキか!?
「なんで止めるの?」
「あのパンケーキは酒寄のなんだから勝手に食べちゃダメだろ。食べたいなら酒寄に食べて良いか聞かないと」
「・・・・・・・・・・彩葉ぁ、そのパンケーキ食べてもいい?」
「んぐっ!?」
邦枝に指摘され即座に私へ頼み込む宇宙人
首を傾げながら私を見るその目に思わず声が詰まる
「パンケーキ好き?はい、これど~ぞ」
「いいの!?」
芦花がそう言ってパンケーキの乗った皿を差し出すのを見て宇宙人は目を輝かせる
「綾紬、あんまコイツを甘やかさんでくれ」
「私は別に気にしないよ?」
「お前は良くても調子に乗り出すコイツの面倒を見る羽目になる酒寄が良くないんだよ」
そう言いながら芦花のパンケーキに目線が釘付けの宇宙人を椅子に座らせる邦枝・・・・・・・・・ん?今しれっと押し付けられた?
「ねぇパパ!食べて良い!?」
「ん?あぁ、ちゃんとお礼言えよ?」
「パパだ・・・・・・・・」
「パパじゃん・・・・・・・・」
「パパだねぇ・・・・・・・・」
「パパ言うな」
「ありがとう!いただきます!」
邦枝が手を離した瞬間に芦花にお礼を言ってパンケーキを一呑みする宇宙人。いや、あれで味が分かるのか・・・・・・・・?
「一呑みかい・・・・・・・・まぁいいや。それじゃあ俺は帰るから後はお若い人同士でよしなに」
「行かせるか!!」
私は即座に席を立ってダッシュ、帰ろうとしていた邦枝の腕を掴む
よく見るともう片方の腕を宇宙人が掴んでいた
「ちょっと!?まさかとは思ってたけどこの状況で全部私に押し付ける気!?」
「・・・・・・・・・後はよしなに~」
「それで流せる訳ないでしょ!!」
「パパ何処行くの・・・・・・・?」
邦枝の腕を掴んで悲しそうな声で聞く宇宙人。よく見ると目が潤んでいる
その様子を見て邦枝は片膝を付いて椅子に座っている宇宙人を見上げる
そういう所作をシレッとやってる所がホンマにコイツ・・・・・・・・
「俺はこれからお前等の夕飯を作らなきゃいけないんだ。だから先に帰らせてくれないか?」
「あ、それなら大丈夫だよ!部屋を出る前に作っておいたから!」
「え・・・・・・・・・・・・・・・・あっ*1」
「すみませーん。もう一つ椅子をお願いしまーす」
宇宙人 WIN!
どうやら邦枝がこの場を脱する理由を宇宙人が潰したようなので私は店員の人に椅子をお願いした
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「それでは邦枝君の無駄な抵抗も終わった事のようですし」
「無駄な抵抗言うな・・・・・・・・・・」
そう芦花に反論する邦枝は宇宙人の隣で椅子に座って頬杖を付いていた
「紹介してよ彩葉。こんな可愛い子を邦枝君にだけ教えてるのはずるいって」
「いや、紹介って言っても・・・・・・・えーっと・・・・・・・」
どう説明しろというのだ
馬鹿正直に先週の金曜日に七色に光る電柱から出て来た赤ちゃんを拾ったら3日でここまで成長した推定月から来た宇宙人と言えと?
駄目でしょ。只でさえ色々と心配をかけている二人に頭と精神の心配までかけさせてしまう
っていうか私の親戚なんて設定すら今さっき聞いたばかりなんですけど?そこら辺の設定考えていたのなら事前に言って欲しかったんですけど?ねぇ邦枝さん?
「・・・・・・・・・」
当の邦枝は頬杖を付いてそっぽを向いている。どうやら完全に私へ丸投げの態勢らしい。帰ったら覚えとけよ・・・・・・・・・・・・
「月から来たの!」
そうして私が必死に頭を回していると飛び出す爆弾発言。考えうる中でも最悪の自己紹介をかましやがった
「・・・・・・・・え?」
「ツキ・・・・・・・・・・?」
「ジ!築地だよね!築地から来た私の親戚!」
さ、流石に苦しいか?
「わー、美味しいお鮨屋さん教えて~?」
よし、行けた。流石は立川一のグルメガール。芦花の方は?
「可愛いね、お名前は?」
こっちはこっちで宇宙人の目麗しさに夢中のようで何とかなったようだ。流石、立川一の美容ガール
「名前?さ「ほれ、アーン」いいの!?あーん・・・・・・・・・美味しい~!!」
宇宙人が何かを言おうとした瞬間に邦枝がフォークで刺したイチゴ*2を向けて無理やり中断させた
「「さ?」」
邦枝の行動から見るに恐らくあの宇宙人はまた自己紹介ならぬ事故紹介をかまそうとしてたのだろう。ナイスアシスト!出来れば月の時もやって欲しかったけどね!
それは兎も角名前だ。えーっとえーっと・・・・・・・・・・・・・・・
そう考え込んだ瞬間、不意に昨日見た御伽噺が頭を過る。そうだ、あのお姫様は・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・カグヤ、酒寄カグヤ!」
かぐや姫
「カグヤ~~、かわよー!」
「え~ぴったりだね」
そうだよね、カグヤ!
盛り上がる芦花と真実を尻目に視線にメッセージを乗せて暫定かぐや姫にフルパワーで照射する
「かぐや?かぐや・・・・・・かぐや・・・・・・・・そっかぁ。カグヤかぁ~!」
思ったより嬉しそうな反応を示すカグヤ。
名前は人生最初のプレゼント。何処かで見たような言葉をふと思い出した
「ごめん、帰る!ありがとね、ご馳走様!後で埋め合わせするから!」
しかしもう限界だ
私は残ったパンケーキとイチゴを口の中に詰め込むとまだ赤い顔で照れているカグヤの腕を引っ掴んでカグヤに腕を掴まれたままの邦枝ごと風のようにカフェから脱出するのだった
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「ねぇねぇ~カグヤだって~!私の名前カグヤ~!」
「良かったな」
「うん!」
カフェを出てからもご機嫌で喋りまくるカグヤとそれに応える邦枝
私はそんな二人を連れて人気の無い一角まで歩いた後にカグヤの方を見て一息吸う
「正気!?何でここにいんの!?何で家から出てくんの!?部屋にいてって言ったでしょ!月から来たって何!?正体バレたらどうすんの!?何で私の服着てんの!何で私の場所が分かったの!何で邦枝が一緒に居るわけ!?」
そして言いたい事を全部吐き出した。どれもこれも私からすれば至極真っ当な疑問とクレームだ
おい、感心しながら拍手するんじゃない邦枝。今気にする所は私の肺活量じゃないだろうが
「だってつまんないんだもん」
そして私の疑問とクレームをそのたった一言で返すカグヤ
その様子はまるで五歳児が玩具を取り上げられて拗ねている感じだ
マジか、この宇宙人は。つまらないから?言うに事を欠いてつまんないから?そんな理由で約束を破って外に出て宇宙人だとバレるリスクを冒して人前に出て、あまつさえ月から来たなんて言ってのけたのか?
本当につまらないという理由だけで?
「えへへへ」
どうやら本当にそうらしい
そして私が黙っていた二秒の間に機嫌が変わったのかカグヤは妙にへらへらしている・・・・・・・・いや待てよ?もしや笑って誤魔化そうとしてんのか?
「あのね、そんな風に生きてると自滅するよ。時には我慢ってもんも必要で・・・・・・・・・・」
順調に出走したものの二の句が継げない。だってこれ、私が母に言われた言葉だったから
う、同じことを・・・・・・・・・・・
「ねー、これどうやって使うの?」
私の隙を見てすかさず突き出されたのはコンタクトレンズ型のPCデバイス、通称───
「スマコンじゃん。私の持って来たの?」
「ううん、彩葉のノートPCで買えた」
「・・・・・・・は?」
「イエイ♪」
イエイじゃない、イエイな訳あるか
スマートフォンを取り出して半狂乱でネット通販の履歴を探るとそこには約12万の出費とたった3桁のウォレット残高の記録
「うわ、えぐっ・・・・・・・・・」
後ろで画面を盗み見た邦枝の一言が全てだった
「し、死ぬ気で貯めたんですけど・・・・・・・・涼しさも温かさも、遊びも断って。推しへの課金は・・・・・・・・・・・なるべく我慢して、死ぬ気で・・・・・・・死ぬ気で貯めたんですけど!?」
「ヤチヨへ貢ぐ金を抑えればもう少しマシな生活出来たろ」
うっさいわ!今の問題はそこやあらへんやろうが!!
悲しいかな、ショックが大きすぎて邦枝へ突っ込む声を上げる事も出来ずに私は膝から崩れ落ちた
「あ、大丈夫!なんか銀行?のデータ書き換えればウォレットの数字増やせるっぽかったよ!カグヤならお茶の子さいさいなんだけど、やる?」
私の尋常ならざる様子を見て慌ててるっぽいが倫理観がない!
「駄目に決まってるでしょ!絶~~対ッ!しないでよ!!」
力を振り絞ってカグヤに詰め寄って言い聞かす。ここで強く言って聞かせないと下手したら私は犯罪者を匿っている共犯者だ
「酒寄って英会話出来たっけ?」
そんな私達の様子を横目にスマホを弄りながらそう聞いてくる邦枝。この野郎、他人事だと思って呑気な・・・・・・・・・
「簡単なのなら出来るけど、それがなに・・・・・・・・・?」
「んや、ワンチャンNASA辺りに話付ければ高値で買い取ってくれんじゃね?月出身のリアルかぐや姫」
コイツはコイツで人の心が無い!?
「出来るかアホ!?」
「カグヤ売られちゃうの!?捨てられちゃうの!!??」
スマホで何か見てると思ったらそれか。もしかして宇宙人をツチノコや河童と同じノリで捉えてるのかこの男は
「そうだぞ~、酒寄はやると言ったらやる女だぞ~。こいつは血も涙もあるが人の心は無いからな~」
シバくぞ
「彩葉ぁ!!良い子にするからカグヤの事を捨てないでぇ!!売らないでぇ!!」
「捨てんし売らんわ!!」
ヒソヒソ・・・・・・・・ヒソヒソ・・・・・・・・・
「ッ!!」
泣きながら私に縋りつくカグヤを何とか引き剝がそうとしている際にふと周りの人の目がほぼ全て私達に向いている事に気付いた
「と、兎に角帰るわよ!!邦枝も一緒に来なさい!アンタにも言いたい事がこの数分で死ぬほど出来たから!!」
急いで二人の手を引いて家路に着く
願わくばあの状況を見ていた中に同じ学校の人が居ませんように!!
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─弓槻side─
「二人ともそこに座って。邦枝は正座ね」
アパートに着いて早々に酒寄はそう言いながら床を指差す
逆らう理由も無いので大人しく座る俺と泣きべそをかきながら俺の横に座るカグヤ
それに対して酒寄は俺達の対面に座った
「・・・・・・・・それで邦枝、さっきのは何なの?」
「あー・・・・・・いや、お灸を据えようとだな。まぁやりすぎた自覚はある、すまん」
軽く脅すつもりで言ったのだが思いの外ショックが大きかったらしい
酒寄に手を引かれながら帰る道中のカグヤは今までの活発さなど嘘だったかのように黙りこくっていた
「・・・・・・・まぁアンタはこういうのに煩いもんね。やり方は最悪だったけど納得は出来るわ。やり方は最悪だったけど」
「二度言う程か」
「二度言う程よ。そんでカグヤ」
「っ!」
酒寄に呼ばれて肩を跳ねさせるカグヤ
「はぁ、別にもう怒っちゃいないわよ。というか邦枝のせいで怒る気が失せたわ・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・カグヤの事、捨てない?」
「それは今後のアンタ次第ね。次同じような事をしたら問答無用で追い出す・・・・・・・だから」
酒寄はカグヤに近づいて頭を撫でる
「欲しい物があるならまず最初に言いなさい。値段次第だけどちゃんと買ってあげるから・・・・・・・邦枝が」
「俺かよ」
いや、まぁ酒寄よりかは余裕があるから別にいいんだけどさ・・・・・・・・・どうせ暫くしたらカグヤが一番の出世頭になる訳だし
「・・・・・・・・・・・ごめんなさい」
暫く酒寄に頭を撫でられていたカグヤは小さい声でそう言った
「・・・・・・・・・なんだ、ちゃんと謝れるんじゃない。いいわよ、初犯につき今回だけは許してあげる」
「ははっ、良かったなカグヤ。許してくれるってよ。もうすんなよ」
「・・・・・・・・・・・・うんッ!」
「あ、邦枝は別だからね。前科ありまくるから次に同じような事やったら殺す」
「京都出身ならもう少し遠回しに言えって、言葉が強ぇよ・・・・・・・・・・」
小説版を買いました
何かのコメントで映画は小説版にあるストレス要素の9割を削っていると書いている人がいました
それを見て中々手が出なかったんですけどこの作品を書くに当ってどうしても彩葉の内面が知りたくて漸く買いました
ちなみにその9割は全部酒寄紅葉ってキャラが原因らしいですよ
最後まで読むのが怖くなってきましたぜ・・・・・・・・・・
今更ですが【カグヤ】としているのは何となく文章に平仮名で【かぐや】と入れると読みにくいと思ったからです
今の今まで特に言及とかされなかったので特に直すつもりとかは無いのですが一応補足的なやつです