「酒寄?酒寄なら俺の隣で寝てるよ」芦花「は?」 作:ソリダコ
(公式からの供給が)止まらねぇ!!(二回目)
この前「酒寄彩葉博士の蔑称集」みたいな動画を見つけたのですがそれがまぁ酷くて酷くて
ただ酷いけれど紛れも無い事実だからつい笑っちゃうんですよね
よう皆思いつくなと感心しちゃいました。俺もこんな語彙力が欲しいです
「じゃーん!」
お説教も程ほどに終わりすっかりテンションを取り戻したカグヤがドヤ顔で手を広げた先にあるのは小さい丸テーブルに所狭しと並べられた絢爛豪華な料理の数々
「まーずは生のトウモロコシから作ったポタージュ。こっちは新ゴボウとアスパラのカリカリサラダ温玉付き。メインはトマト煮込みハンバーグ、ズッキーニのソテーをそ・え・て♪」
「「おぉ~」」
「どやぁ~」
見ただけで分かる。絶対美味い
俺も酒寄もカグヤの料理の紹介を聞いて思わず感嘆の声が出る
「・・・・・・・・それでカグヤさん?この料理の材料費はどこから出したの?」
「アッ・・・・・・・エット・・・・・・・・」
笑顔(目は笑ってない)で首を傾げながら酒寄が聞くとカグヤは先程までのドヤ顔が消え冷や汗を掻きながら目を逸らし人差し指同士を突く
「どこから?」
「えっと・・・・・・彩葉の、パソコンで・・・・・・・注文、しました・・・・・・・・・ゴメンナサイ」
流れるような動作で土下座へ移行し謝罪するカグヤ
「売らないでください・・・・・・・・・・・」
「だから売らないっての・・・・・・・・・・・・・・」
やばい、可哀そうだけどちょっと絵面が面白すぎる
「はぁ・・・・・・・・。御飯に関して私は全部邦枝に任せてるから今後はそっちに相談するように」
「りょ、了解であります!」
「結局カグヤに関する金銭関係は全部俺に丸投げって事ね。別に構わんけど」
「ほ、ほら!料理冷めちゃうから二人とも食べて食べて!」
お説教はもう懲り懲りなのだろう。カグヤが食べるよう急かしてくるので一先ず話を中断して俺達はテーブルについて手を合わせる
「「いただきます」」
一先ずポタージュから一口
「「旨っ・・・・・・・・・!」」
「よしっ!」
あまりの美味しさに思わず漏れた声を聞いてガッツポーズを取るカグヤ
なんだろう、口に合わなかったら捨てられるとでも思ったのか?
そんなカグヤを横目に次々と料理を口に運んでいくがどの料理も文句無しで美味い
分かってはいたがヤバいな月人のラーニング能力。本来食事を必要としない種族なのに軽く調べてすぐにここまでの料理が作れるようになるとは
料理は文句なし。ただまぁ強いて言うなれば・・・・・・・・・
「後片付けまでちゃんと出来てれば完璧だったな」
視界にチラチラ映っていたクソ狭いキッチンに散乱している野菜の切れ端や飛び跳ねたソースに山のように積み重ねられている使われた調理器具の数々
「えぇ~、片付けめんどい~・・・・・・・・・」
「使った物を綺麗に片付けるまでが料理だ。それがちゃんと出来ねぇならカグヤは今後一切キッチンに立つの禁止な」
「えぇ!?それは嫌っ!!」
「じゃあちゃんとする事だ。ほれ、今回は手伝ってやるからさっさと洗うぞ」
「うぇーい・・・・・・・・・」
食べ終わって空いた皿を持ちキッチンへ移動する俺に続き渋々立ち上がるカグヤ
「パパじゃん・・・・・・・・・」
そんな俺らを食後のお茶を飲みながら見ていた酒寄はそう呟き
「パパ言うな」
それに対して俺は今日何度目か数えるのも面倒になってきた返しをするのだった
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キッチン周りの後片付けも終わって一時の小休憩
俺はスマホでSNSを適当に流し見しつつお茶を飲み酒寄は満腹になったお腹を擦りながら横になっていた
ここで安易に食後に横になると太るぞデブ葉なんて口が裂けても言ってはいけない
過去に酒寄へ似たような事を言った際には即座に関節を外しに掛かって来られたのは今でも今世トップクラスで最悪の思い出だ
なんでサブミッション備えてんだよこの超人・・・・・・・・え?護身術?いやもうちょっとこう、合気道とかそれっぽいのあっただろ。なんでよりによってそこに行き付いたんだコイツ・・・・・・・
「あのさぁ・・・・・・・・マジでここでは匿えないよ」
酒寄は寝転がりながら蛍光灯を見つめたままカグヤに向けて言う
「只でさえ親に無理言って一人暮らししてるんだし、面倒事はゴメンなの。何かあったら速攻で実家に送還されちゃうんだからさ・・・・・・・・ねぇ、聞いてるの?」
「はい、ここでこう!タカタカタカッ、ターンッ!」
まぁ当のカグヤは酒寄のノートPCで素人の俺じゃ全く意味の分からんプログラムのコードを打ち込むのに夢中で全く聞いて無い訳だが
「もういっちょ、タカタカタカッ、ターンッ♪」
一見子供が玩具のパソコンで遊んでいるみたく楽しそうに体を左右に揺らしながらキーボードを打ち込んでいるカグヤ
しかし適当に打ち込んでいるように見えてその実は凄まじく高度なプログラミングをやっているんだから月人ってやっぱヤベェわ
「出来たあ!」
「まさか、サイバー犯罪とかじゃないですよね?」
最悪の事態が頭を過ったのだろう。酒寄は起き上がりカグヤを見る
「見て彩葉。携帯ゲーム見つけたから弄ってみた!」
「あ、それ・・・・・・・・」
カグヤが持っているのは一昔前、俺がこの世界に生まれてすぐの辺りに再ブームが来ていたらしい卵型の育成系携帯ゲーム機
「これ犬DOGE!」
カグヤの見せて来たゲーム機の画面には荒いドットで『犬DOGE』という名前とそのゲームには存在しない筈の犬のキャラクターが映し出されていた
「これでいつも一緒だって~!ふっふぅ~~!」
「ご機嫌ですね・・・・・・・てか一生住む気満々かよ」
「だって、他に何処に行けばいいの?パパの家?それとも売られて解剖コース・・・・・・・・・?」
「月に帰ればいいでしょうが。頑張って帰り方思い出しなよ」
「頑張ってるけど難しい~~ぐぬぬ」
携帯ゲームを操作しながらそう答えるカグヤ。その答えは果たして今操作してるゲームに対してなのか月への帰り方なのか・・・・・・・・・・・
「じゃあ迎えが来るまでね」
「いいの!?」
「1,目立たない!2,許可なく外出ない!3,私の邪魔しない!4,邦枝に迷惑掛けない!「5.俺の事をパパって呼ばない」・・・・・・・最後は別に良いとして、今言ったルールを守れるならここに居て良いよ」
「おい」
俺個人的にも配信者になるカグヤ的にも割と重要だと思うんだが?
「・・・・・・・・え、じゃあ、お友達作ったりは?」
「第一項により、無し」
「・・・・・・カフェに着いて行ったりは」
「第二項により、無し」
「・・・・・・・一緒に遊んだりは?」
「第三、四項により、無し」
質問する度にどんどんと顔を青くしていくカグヤ
「じゃあ、じゃあ、カグヤは外にも出れず、楽しみも無く、ずっとずっと、このまま幽閉されてバッドエンドって・・・・・・・こと?」
「捉え方によっちゃ俺らは拉致監禁の犯罪者だな」
「邦枝は黙ってて。兎に角、嫌ならこの話は無かった事に「やだやだ!意地悪なし!」・・・・・・・・ハッピーエンドには自分でするんでしょ。この状況もハッピーに楽しみなよ」
「この映えないつまんない家で!?」
「何も無さすぎて生粋の引きニートだって娯楽求めて外に出るだろうこの部屋で?」
「ぶっ飛ばされたいんか?てか邦枝はどっちの味方なのよ!?」
「強いて言うなら公平な立場だな」
「うぇーん!パパぁ!彩葉が意地悪言うー!!」
「第五項によりパパって言うのは禁止でーすッ」
泣き付いて来たカグヤの肩を掴んで止め・・・・・止め・・・・・・・力強いなコイツ!?
「「んぎぎぎぎぎぎ・・・・・・・・!!」」
しがみ着こうとするカグヤとそれを阻止する俺。そしてその様子を呆れた目で見ている酒寄
「何やってんのよアンタ達・・・・・・・・・・(~~~~~♪)あっ、時間」
「なに?何処行くの?またカグヤを置いて行くの?」
しかし酒寄のスマホからアラームが鳴ったことでカグヤのしがみ着く対象が酒寄に変わった
「離して。何処にも行かないよ。ただツクヨミに行くだけだから」
「行くじゃん!カグヤも連れてって!」
「無理だって、スマコンがないと・・・・・・・・あっ」
「あるな、スマコン」
「・・・・・・・・くっ!」
「それじゃあ俺もそろそろ帰りますかね」
「えっ・・・・・・・・」
鞄を持って立ち上がる俺をショックを受けたかのような目で見るカグヤ
気付いた時にはカグヤは俺の足にしがみ付いていた
「早っ・・・・・・・・・」
「何で帰るの?パパも一緒にツクヨミ?に行こ?」
「いや時間的にそろそろ帰らないと不味いし。そもそもスマコン家だし」
俺の通っている学校に限らず何処の学校も基本的にスマコンを持ち込むは禁止されている
それはARモードによる授業の妨げやテストの不正行為を止める為。それと破損、紛失、盗難によるトラブルを起こさないように
後は単純に長時間コンタクトレンズを付ける事による眼の負担を考えてなどなど
それでも隠れて持って来る奴はいるし学校側もテスト中に使用されて無いのであれば後は自己責任みたいな風潮ではあるのだが・・・・・・・・・・・・
俺も別に校則は絶対!みたいな優等生という訳では無いがそもそもツクヨミに行く機能を除けば基本的にスマホで事足りるので持って行く理由が無い
というより着けているのがバレたらその日の放課後まで没収される上に12万もする癖に失くしやすく壊れやすいスマコンをわざわざ持って行くとかアホだと思う
「えぇ~・・・・」
「別に家に帰ってからツクヨミに行ってもいいがシャワー浴びたいし合流は遅くなるな」
というか合流する気はさらさら無い
仮にツクヨミでこいつ等と一緒にライブに参加したらヤチヨに輪廻のイレギュラーとして目を付けられかねん
・・・・・・・・まぁカグヤが配信者になる都合上どんなに言い聞かせた所で俺に関しての話題を出す確率は高いので意味は無いのだろうけど最終保障的なのは欲しいのだ
てかもう純粋にヤチヨに会うのが怖い。「ちょっと(輪廻的に)邪魔だから消えてもらうね?」とか言われかねん*1
「私もちょっと邦枝には早めに合流する方向でツクヨミに来て欲しいと思ってるんだけど・・・・・・・・・」
「酒寄・・・・・・?」
まさかの酒寄がカグヤの味方側に付くことに驚く
「私がツクヨミに行く用事、邦枝は知ってるでしょ?」
「ヤチヨのライブだろ?しかも握手券付きの」
「そう。ヤチヨのライブなの。しかも握手券付きの」
「一字一句全部俺が言ったまんまだな」
「ヤチヨの!ライブなの!しかも握手券付きの!!」
「分かってるから、それをお前が凄く楽しみにしてたのは分かってるから落ち着け」
片足にしがみ付くカグヤを一旦無視して興奮して鼻息を荒くする酒寄をどうどうと宥める
「・・・・・・・・・・・ふぅ。それでヤチヨのライブなの。しかも握手券付きの」
「あれ、イザナミループ入ったか?」
もしやうちは一族の方だったりします?
「私は一コンマたりとも遅れる訳にはいかないしライブでは全身でヤチヨを感じていたいの」
「改めてお前ってヤチヨが絡むとちょっとキショいよな・・・・・・・・・」
違ぇわ、東堂の血筋だわコイツ
「つまり何が言いたいかというといざと言う時の為にカグヤを抑えておいて欲しいの」
「お前がヤチヨでトリップしている時に邪魔をされたくないと」
「邦枝はヤチヨを何だと思ってるのよ・・・・・・・・・・・」
「ヤチヨが絡んだお前がヤバいって話をしてんだよ」
ヤチヨが絡んだ時の酒寄の顔を見て引かないの綾紬くらいだからな・・・・・・・・・・?
「・・・・・・・・・・はぁ、分かったよ。お前がライブを気兼ねなく楽しめるようにカグヤを見とけって事ね、りょーかい」
「うん、お願い」
適当な理由付けて遅れよ
「ほれ、いい加減放せよカグヤ。これじゃ間に合うもんも間に合わなくなる」
「・・・・・・・・・・・・パパもツクヨミ?にちゃんと来る?」
「・・・・・・・・・あぁ」
上目遣い+涙目のカグヤに見つめられ良心が痛む
「・・・・・・・・・・・」
しぶしぶな様子で足からカグヤが離れたので俺は玄関で靴を履いて扉を開ける
ゴメンなカグヤ。俺は
「あっ、邦枝」
外に出て扉を閉めるところで酒寄から声を掛けられる
「どうした?」
「何度でも言うけどヤチヨのライブなの。しかも握手券付きの」
「分かってるっての」
「もし邪魔なんかされちゃったら私、どうなるか自分でもわからないの・・・・・・・・・・・だから」
にっこり
「遅れて来たら、駄目だからね?」
「お、おう・・・・・・・・・・」
扉が閉まる瞬間に見えたのは見惚れるような笑顔をしながら背後に阿修羅のオーラを纏った酒寄と夕方の時以上に怯えたカグヤの姿だった
彩葉のサブミッションは動画を見て学んだだけのなんちゃって護身術です
ただ原作チートである超人のなんちゃって護身術なので相手が余程の体格差があるか格闘経験者でもなければ抑え込めます