「酒寄?酒寄なら俺の隣で寝てるよ」芦花「は?」   作:ソリダコ

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実は小説版はこの作品を執筆する所までしか読んでなくて・・・・・・・・
最後まで読みたければ完結させなきゃいけないという縛りを結んでやってます

マジでくそどうでもいい事やってる自覚はあります
てかさっさと最後まで読んでちゃんと超かぐや姫という作品に対しての理解力を深めろって話ですよね・・・・・・・


大魔王(月見ヤチヨ)からは逃げられない

「────太陽が沈んで、夜がやってきます」

 

酒寄の家から帰宅しシャワーだけ軽く済ませた後にツクヨミへログインするといつも通り月見ヤチヨに迎えられた

 

チュートリアルの時にも使われたこのMAPは謂わばログイン画面のようなものらしい

ツクヨミに入る前には必ずここに来てこの場所でしかお目に掛かれない厳かな雰囲気を纏った月見ヤチヨが現れる

 

(ま、それを本人に言ったらぶっ飛ばされそうだが・・・・・・ついでに酒寄にも)

 

取り敢えずツクヨミの街に入る前に酒寄へ何処に居るか聞く為のDMを送った

 

基本的にファストトラベル的なものが無いツクヨミだが初ログインの時を除いて最初の鳥居を潜る際にツクヨミの世界の何処に飛べるか大まかに選ぶ事が出来る

 

ヤチヨのライブにはまだ時間に余裕があるものの帰宅の移動とシャワーで時間はそこそこ経っているのでカグヤが最初の場所でじっとしているとは考えにくい

聞かずに初ログイン地点に出て良い感じにすれ違って合流出来ませんでした~って方が俺的には都合が良い。良いのだがその場合は明日が俺の命日だ

 

「(ヤチヨが絡んだ時の酒寄は冗談が通じないからなぁ・・・・・・・・・)お、来た」

 

どうやら予想通り(もしくは原作通り)二人はツクヨミの街中へ向かったらしい

位置情報が送られて来たのでその場所から一番近いポイントに飛ぶよう設定する

 

「それじゃあ行ってきます」

 

最初の台詞以降一言も喋らず立っているヤチヨに一言そう言って鳥居を潜る

ここのヤチヨはこのMAPを担当する分身AIなのでやる意味は特に無いと言えば無い。ただやると一応ヤチヨの方も笑顔で手を振って見送ってくれるので何となく続けている習慣だったりする

 

ちなみにこの事を酒寄に教えたら土下座で泣きながら感謝されて普通に引いた

 

 

鳥居を潜ると目の前には何度も訪れているのに一向に見慣れないツクヨミの街並みがあった

只でさえ人の通りが多いこの場所も今日はヤチヨのミニライブがあるという事で更に混雑している

 

「・・・・・・・・こりゃアイツ等の場所が分かってても合流するのはちと難儀だなぁ(棒)。もしかするとライブに間に合わないかもなぁ(棒)」

 

「────なんて言うと思ってたから待ってたわよ」

 

「ッ!!??」

 

人込みの多さに思わず一人ごちると後ろから声が返って来た

それに驚き振り返るとそこにはそれぞれ狐耳と兎耳をした少女達と胴体が竹模様(?)の犬が一匹

 

「・・・・・・・・・・態々お出迎えに来て下さるとは感謝の極み、とか言っておけばいいのか?これ」

 

「ふん、アンタの考え何てお見通しなのよ」

 

「・・・・・・・・・もしかして、パパ!?」

 

「パパ言うな。ここではYUZUだ」

 

指を差しながらいつも通りの呼び方をするカグヤに指摘する

 

プレイヤー名【YUZU】。まぁ由来なんて言うまでもない

単純すぎかと思うかもしれないがこの世界じゃこういう決め方は割と一般的だ

 

前世を生きた俺としてはネットリテラシーとか大丈夫かと思ったりもしたがカグヤと酒寄をはじめとしてフォロワー10万越えの綾紬と諌山。更に言えばフォロワーが1000万以上いる黒鬼の駒沢兄弟だって名前そのままだ。寧ろ本名と全く掠っていない帝アキラが異端まである

 

メタ視点で言ってしまえば物語を分かりやすくする為だったりするのだろうが・・・・・・・・まぁ実際ヤチヨがそこら辺を牛耳っている影響もあるのかネット関係の治安は良いからな。ヤチヨ本人がレスバとかガンガンしてるけど

なので変わったプレイヤー名の配信者とかでも意外と本名をもじっただけの可能性もある。まぁそこら辺を調べるのは色々とアウトなのでしようとは思わないが

 

「別にいいんじゃない?ここでくらいパパって呼ばれても」

 

「よーっしカグヤ。ツクヨミ内ではコイツの事をママって呼びな」

 

「は、はぁッ!?アンタ何言ってんの!?」

 

「お前だって一度呼ばれてみろって。そうすればこのかなり複雑な気分にさせられる俺の気持ちがよくわかるぞ」

 

「そうかもしれへんけどそういう問題やないわアホ!」

 

「えー、彩葉は彩葉って感じだからママはなんか違うなぁ・・・・・・・」

 

「俺は?」

 

「パパはパパって感じ!しっくり来るの!」

 

「なんじゃそりゃ。お前は俺の何処に父性を感じたんだ・・・・・・・・・・?」

 

もしかして精神が老けてるの見抜かれてたりする?

 

「・・・・・・・あぁもう!カグヤ、何度も言うけど私はIRO!ツクヨミにいる間はちゃんとそっち呼ぶ事!それとママなんて論外だから。呼んだ瞬間に家から追い出すレベル」

 

「別に彩h、イロの事をママなんて呼ばないって~」

 

「ユヅも!次に変な事言ったら腕の関節一つ増やすから!」

 

「いや怖ぇよ。脅すにしてももうちょっとこう、もう少しマイルドなのあったろ」

 

「アンタに対してマイルドな脅しじゃ響かないってこの一年でよく学んだのよ私は」

 

別に俺は神経が図太くも無いし肉体が強い訳でも無いただの一般転生者なんだが・・・・・・・・?

 

「・・・・・・・ってそれよりもライブ!そろそろ時間だから移動するよ二人とも!」

 

「はぁ、それじゃあ腹括っていきますかぁ・・・・・・・・・」

 

「くくる?腹?パパどゆこと?」

 

「ライブ楽しみだなーって事だよ」

 

「全然楽しみにしてる感じに見えないんだけど・・・・・・・・・?」

 

「いいから行くぞ。このままだとイロのやつを見失っちまう」

 

前を行く酒寄は一応最低ラインの冷静さを保っているのか走ってはいない。走ってはいないが早歩きが早すぎて最早競歩レベル

恐らく酒寄は紐で眼の前にヤチヨグッズをぶら下げておけば走る系の陸上競技や競歩で世界を獲れる

 

 

『キタキタキター!これがないとツクヨミの夜は始まらない。本日もヤチヨミニライブの開演だああああああッ!!』

 

ツクヨミ中に響き渡るツクヨミ公式のMCライバーである忠犬オタ公の声を聞きながら俺達はライブ会場に辿り着いた

 

自らの興奮と熱狂をマイクの乗せて響かせるオタ公とそれに応えるように歓声を上げる観客達

何度も握手券を眺めては「むふふ」と怪しい笑みを浮かべている酒寄にこれから何が始まるのか分からず辺りを頻りに見回すカグヤ

そしてこれからの事を考えて頭が痛くなって来た俺

 

『12!11!』

 

そしてオタ公の声と共に空中に数字が映し出されカウントダウンが始まる

 

『8!7!』

 

「ねぇ彩葉、何が始まるの?」

 

「見てればわかるから。ユヅ!」

 

「へいへい。ほれカグヤこっち来な。今イロの邪魔したら骨の2,3本持ってかれるぞ」

 

『4!3!』

 

月見(るなみ)ゾーン(俺命名)に没入した酒寄からカグヤを引き離すとカグヤはそのまま俺の腕の中に納まり俺の両腕を掴む。あ、待ってこれじゃどさくさで退場出来ないんですけど・・・・・・・

 

『1!・・・・・・0!!』

 

そしてカウントダウンが終わると会場の真ん中にデカい鳥居が現れその上に月見ヤチヨが顕現した

 

「ヤオヨロー!神々のみんな~、今日も最高だったー?」

 

ヤチヨその言葉で一言で先程とは比べられない程に歓声が沸き起こる

 

「よーし、今宵も皆を誘っちゃうよ☆Let's go on a trip!」

 

こうして圧巻のライブが幕を開け会場は熱狂の海となった

 

 

──────いやぁ、ライブめっちゃ良かったです(小並感)

 

前世の知識で今日のライブがどういう感じなのかは分かっていた。分かっていたがそれでも実際に現地で見て感じた時の感動は凄まじかった

流石は月見ヤチヨ、そして早〇さんだ。ツクヨミの管理者という権限を生かしたライブの魅せ方と歌声、そりゃこの界隈で天下取れますわ

 

さて、今回のライブは俺ですらこんな感じな訳なのだがお隣の酒寄さんはというと・・・・・・・・・・

 

「ぐすっ・・・・・・・・・ひぐっ・・・・・・やちよぉ・・・・・・・・」

 

ガチ泣きである

 

「彩葉、何で泣いてるの?」

 

カグヤが聞くも感動やら興奮やらで内心ごちゃ混ぜトリップ状態の酒寄の耳には全く入っていない

いや、入っているのかもしれないがそっちに気を回す余裕が無いのかそもそもその気が無いのか・・・・・・

 

「イロは今ヤチヨの歌に浸ってるからあんま邪魔してやんな」

 

「え~・・・・・・・・」

 

ライブ後にカグヤを止める為に呼ばれたようなものなので一応職務は全うしておこうと思う。肘、増やされたくないし

 

「イェーイ、感謝感激雨アラモード!ヤチヨは果報者なのです」

「あ、ここでお知らせ!ヤチヨカップっていうイベントを開催しま~す☆FUSHI、詳細よろしくぅ」

 

ヤチヨの目の前に大きなディスプレイが表示される

 

「はーい!参加資格があるのはツクヨミの全ライバー!一か月の期間の中だけで最も多く新規ファンを獲得した人が優勝だよ」

「優勝者にはなんと、ヤチヨとのコラボライブの権利を進呈!世界一盛り上がるコラボライブステージを一緒に作れるよ!」

 

「くくっ・・・・・・・・」

 

「パパ?」

 

「んや、何でもないよ」

 

フシの説明と共に空中ディスプレイに映し出され、最後にヤチヨとコラボライブをしている風の画像に出て来ているキャラを見て思わず笑いが零れる

 

(性別は男だけど狐耳に赤いアイライン・・・・・・・・酒寄を意識しすぎだろアレ)

 

超かぐや姫は所々にヤチヨ=カグヤだと思わせられる要素が隠されている

あの画像もその一つ、という考察を何かの動画で見たが確かに知った後だとアレはあからさますぎるのではなかろうかと思ってしまう

 

「うっそ!?コラボライブ?ヤチヨが!?」

 

「うるさっ」

 

先程まで静かに涙を流していた酒寄が突然大声を上げる

 

「コラボライブ?何それ、凄いの?」

 

「さぁ?よく分からんが凄いんじゃね?」

 

「何言ってんのよ邦枝!凄いに決まってるじゃない!!」

 

「おい、名前・・・・・・・・・・」

 

「ヤチヨは配信のコラボはあったけどライブはいつも一人で歌ってたんだよ!?何?誰と?これは歴史的ライブになるよ!」

 

注意するが興奮状態の酒寄の耳には入っていないらしい。完全に自分の世界に入ってやがる

 

「じゃあ彩葉とパパ、一緒にやろ!」

 

「私らみたいなモブとやるわけないでしょ。こういうのは最初から誰とやるか大体決まってんの!」

 

・・・・・・まぁ最初から誰とやるかは決まってるから間違いでは無いかな?

 

バァァン!!

 

「ん?」

 

その時突然ライブ会場の後ろの方から何かが炸裂する音

其方へ目を向けると上半分がぶっ壊れた牛車・・・・・・・・虎が引いてるから虎車?の上に立っている3人の男女の姿

 

「げっ・・・・・・・・」

 

その姿を確認するやいなや酒寄は俺とカグヤを引き寄せ壁にしてその後ろへ隠れた

 

「よう子ウサギ共。お前等の帝様が来たぜ」

 

赤髪に鬼の角が生えた帝の登場に辺りは再び割れんばかりの歓声が響き渡る

 

そして帝が指を鳴らすとジャックされたのか空中に映し出されていたモニターからは黒鬼のPVが流れ出す

ユニットのロゴから始まりスポンサー企業、数々のeスポーツ大会の優勝記録、ライブ映像と続く・・・・・・・いや、改めて凄ぇな黒鬼。配信者とプロゲーマーとアイドルの兼任でかつどれもトップクラスの経歴だもんな

 

そりゃ酒寄もこんな兄とあんな母がいたら自分が平凡なモブだと思うのも仕方が・・・・・・・・・無く無いな?コイツはコイツで文武両道の超人な癖してあと十年したらガチ目な経歴お化けになる訳だし

 

「また、祭りが始まるな」

 

「俺って今日も作画良すぎ♡でしょ♡」

 

「俺達に優勝してほしいよな?底なしの夢を見せてやるぜ!」

 

ワアァァァァァァ!!!

 

決めポーズと共に帝の放った言葉により会場は再び爆発。皆大丈夫?こんなテンション上げて今晩眠れる?明日も平日だよ?

 

「というわけで、俺たち優勝するから。ヤチヨちゃんコラボよろしくね」

 

「そういう運命なら、勿論ヤチヨは従うよー」

 

恐らくこの場において黒鬼の優勝を疑う者はいないのかもしれない。会場は完全に黒鬼ムード一色だ

 

ただし例外だっている。それはそれぞれ別の理由でこの先の未来を知っている俺とヤチヨであったり

そんな雰囲気に我慢ならずに俺の腕の中から出て行ったカグヤだったり

 

 

 

・・・・・・・・・さて、それじゃあ俺はログアウトしますかね

 

 

 

注目を浴びるのは将来ライブに出るカグヤと酒寄だけでいい。俺は仮に関わる事になったとしても裏方に徹するべきだ

 

(そういう訳でアデュー酒寄!俺は一足先にトンズラこかせてもら「ブー!!・・・・・・・・・あん?」

 

ログアウトしようとした瞬間に鳴るブザー音。そしてその後に俺の目の前にウィンドウが表示される

 

 

 

────システム警告────

 

管理者権限によりログアウトに失敗しました

 

 

 

「────────────は?」

 

「ヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁチぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃヨぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

警告文を見て固まると同時に背後でカグヤがヤチヨに向けて叫んだ

 

「カグヤがヤチヨカップに優勝する!そんで絶対コラボライブする!彩hむぐッ!?」

 

「アンタはいつも勝手に!ていうかユヅは一体何処に行ったの!?」

 

今頃俺の後ろでは酒寄が必死にカグヤを抑え込んでいるのだろう。そしてその様子はライブ会場にいる全員が見ている状態だ

 

ならばどうする・・・・・・・・そう、他人の振りだ

 

幸いにして俺はログアウトしようと二人から少し離れていて二人に背を向けてウィンドウ操作をしている風に見える

後は解散の雰囲気が出た所でダッシュで逃げる!いやぁ、完璧な作戦っすねぇ・・・・・・・・ヤチヨに目を付けられている現状に目を瞑ればだけどなぁ!!

 

(つーかなんだよログアウト阻止って!テメェは茅場晶彦かよ!?こんな強引な手で逃げられないようにするとか予想出来るかボケ!!)

 

今の俺はウィンドウを見ながら立っているだけだが心の中ではクラウチングの状態でスタートを今か今かと待っている状態だ

 

「ほいでわライブは一旦ここでクローズ♪皆とちょこっとお話させてね。さらば~い」

 

(来た!)

 

腕を振りかぶり足を前に出し全力の逃走を「何処に行く気なのかなぁ~・・・・・・・ねぇユヅ君?」

 

まぁこの世界の神から逃げられるわけ無いよな。知ってたよ・・・・・・・・・・・

 

 

─彩葉side─

 

「ねぇ彩葉、一緒にやろ?」

 

ヤチヨと握手なんていう個人的に一世一代の大イベントを前に緊張で飛びそうな私の意識をカグヤの呑気な声によって引き留められる

何か片手が温かい?あぁ、現実でカグヤが握って来たのか

 

「駄目!そんなのむ「ムリムリムリ!小娘が!」っ!」

 

無理、と言おうとしたが被せて先に言われてしまう

被せて来た声の主の方を見てみるとFUSHIだった・・・・・・・・うん?FUSHI?こんな喋り方だっけ?いつもはもっとザ・マスコット的な可愛げのある喋り方なような・・・・・・・・

 

「こらっ」

 

此方に威嚇するFUSHIを制したのはヤチヨだった・・・・・・・・・・ヤチヨ!?い、いやFUSHIがいるんだからヤチヨが居るのは当たり前なんだけど・・・・・・・・チビヤチヨ!?条件不明のレア現象なんて言われているチビヤチヨ!?

 

慌てて辺りを見回すが見える範囲にいる他の分身は大人バージョンばかりだ

 

まさか私の所だけ?なんで!?いや、恐らくヤチヨの気まぐれとかそんなんだろう。一旦落ち着け、落ち着け・・・・・・・・・・きぇぇぇええええええ!無理!!!

 

か!  わ!  い!  す!  ぎ!  る!!

 

ふぅ~~!!↑↑

 

「お忘れかな~?ヤチヨカップの参加はライバー限定なのです♪」

 

「そっか!じゃあカグヤ、ライバーになる!そうと決まれば準備準備~」

 

そう言ってカグヤは速攻でログアウトした。わ、やばい、ヤチヨと二人きりだ。どうしよう

 

「あの、マジで離してくれません?」

 

「だめよ~だめだめ♪離したら逃げる気でしょ」

 

ふと遠くから聞き覚えのある声が聞こえて来た

 

「てか帰してくれませんかね。そろそろ戻ってペットに餌やんなきゃ・・・・・・・」

 

「飼ってないよね~?下手な嘘は自らの首を絞めると同義ですぞよ~」

 

片方はヤチヨだろう。問題はもう一人、男の方だ。途中で任務を放棄して消えたアンチクショウと同じ声がする

 

「せめて殺る時は苦しまないよう一瞬でお願いします魔王様・・・・・・・」

 

「君はヤッチョの事をなんだと思っているのかな!?」

 

そうしてやって来た男・・・・・・・・邦枝ことユヅはヤチヨ(大人ver)に手を引かれていた

 

「・・・・・・・・・・・は?」

 

それを見た瞬間に腰に手を掛けるが神戦のMAPじゃないので武器が出せない事を思い出す

 

「逃走者一名ご案内~♪」

 

「ご苦労様で~す♪」

 

あぁ~^大人ヤチヨとチビヤチヨのやり取りエモ~・・・・・・・・・その間に邦枝が挟まっていなければもっと良かったのだが

 

「はい容疑者確保♪」

 

そう言ってチビヤチヨは先程のカグヤみたく邦枝の両腕を掴みながらその中に収まり大人ヤチヨは手を振りながら消えて行った・・・・・・・・成程?

 

「おい、落ち着けイロ。その殺気を仕舞え。いや、仕舞わなくてもいいからせめて俺に向けるな」

 

「どいてくださいヤチヨ。そいつ殺せない」

 

「いや、マジで落ち着いて!?」

 

今の私なら例え相手がお兄ちゃんだろうとノーダメで勝てる気がする

 

「ねぇねぇ、ちょっと落ち着こ?」

 

「はい、落ち着きました」

 

まぁヤチヨには勝てる訳ないよね。そもそも勝負を挑むこと自体が無謀で烏滸がましい

 

「マジでヤチヨが絡んだ時のコイツ怖ぇよ・・・・・・・・」

 

「ごめんね?ユヅ君が私のライブに来るなんて滅多に無い事だし況してや今回は付き添いとはいえ握手券付きだったからつい・・・・・・・」

 

ヤチヨに認知されてる!!??

 

「邦枝。詳しく説明して。私は今、冷静さを欠こうとしているから」

 

「いや、最初から冷静さの欠片も無かったろ・・・・・・・・てか説明して欲しいのはこっちの方なんだが?ヤチヨとまともに話したのなんてチュートリアルの時くらいしか記憶にないぞ」

 

確かに。配信とかでコメントを読んで貰えることはあってもツクヨミで実際に会って話したのは今回を除けば私も同様だ

むしろオタ公やお兄ちゃんみたく特別な立場でない限りはそれが普通だと思う

 

「ふっふっふ~♪確かにユヅ君と話したのはチュートリアル以来だね。でもそのチュートリアルが特別なのですよ!」

 

そう言って邦枝の腕の中で得意げに指を立てるチビヤチヨ。可愛い

 

「・・・・・・と、言うと?」

 

「遡る事数年前、ツクヨミのサービスが開始した日の事です。ヤッチョはふと思い付きました、サプライズでサイレント抽選イベントをやろうと!」

 

「へぇ、そんなのがあったんだ」

 

私は母とはあんなだったし貯金に余裕があった訳でも無かったからサービス開始の時はまだスマコンを持ってなかったんだよなぁ・・・・・・・・・・ん?

 

「・・・・・・・もしかして、その抽選に当たった一人が邦e、ユヅって事なんですか?」

 

「正確に言うと当選者は1名限定!その当選者がユヅ君なのです♪」

 

成程?それなら確かに自称一般人他称スパダリの邦枝がヤチヨから認知されていても不思議ではない、のか?

 

「・・・・・・・まさか」

 

「ふっふっふ~♪ヤッチョの選んだアバター、ちゃんと着ていてくれて感謝感激雨アラモードなのですよ~」

 

「あれランダムプリセットじゃ無かったのかよ・・・・・・・・・・」

 

ふむふむ、つまり話を聞くに抽選の景品はチュートリアルのキャラメイクをヤチヨがやってくれるサービスという事か・・・・・・・・・

 

「それ、俺が断ってたらどうすんだよ」

 

「その時はその時。また抽選をし直して当たった人に提案するだけだよ~」

 

確か邦枝は最初の時からアバターを大きく変えていないと言っていた。精々細々としたアクセサリー程度だと

つまりアレは世界で唯一、ヤチヨ自らが一からコーディネートしたアバターという事だ

 

「・・・・・・・・ユヅ」

 

「どうした?」

 

「そのIDはいくら出したら私に売ってくれる?」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

私がそう問うと邦枝とチビヤチヨは互いに目を合わせた後に頷き合う

 

「ヤチヨ、GO!」

 

「受けたま畏ま仕り~♪」

 

邦枝が私に向けて指差すとチビヤチヨは私に向かって飛んで来て抱きしめられた・・・・・・・・・・・抱きしめられた?

 

???????????????????

 

 

「─────へ?」

 

 

そこからの記憶は無く。気付いたら私はカグヤと同じ布団に入り朝を迎えていた




サプライズの抽選イベントはヤチヨが弓槻のアバターを作る為にでっち上げた嘘設定だしログインMAPでのヤチヨとのやり取りは彩葉と弓槻だけの仕様です

ハーメルンの投稿歴3年くらい経ってる癖して未だに楽曲コードの仕様をよく分かって無いのでライブシーンは飛ばすか歌詞を載せない感じでやっていくと思います
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