……この醜い言い争いは一体いつになったら終わるのだろうか。私もアヤもライさんも遠い目をしてその場に立ち尽くしている。
どうやら一番最初に正気を取り戻したのはライさんだったらしい、先ほどまであんなに優しかった顔を真っ赤にして2人のシェフのもとに駆け寄ると
「もういい加減にしてくださいよ!新人の方たちが到着したんだから挨拶ぐらいしてください!」
鶴の一声とはこのことだろう。2人は今まで言い争っていたのを止めてこちらを見つめている。
本当にライさんは新人なのだろうか?どう考えてもベテランの雰囲気を纏っていますが…
心なしかライさんの周辺が歪みながら金色に光っているように見えるし…
先に口を開いたのは金髪の男性だった
「…見苦しいところを見せてしまったな、私はゴードンだ。何でも作れるが西部の料理が得意だな」
それに続いて黒髪で背の高い女性が、
「私はメーリンだヨ。得意なのは南部料理かナ~訛っているから頑張って聞き取ってネ!」
「はぁ…初めから仲良くしてくださいよ。お2人も自己紹介をお願いします」
「はい!私はユーリです。栄養士を志したことがあるのでメニューの方で頑張りたいです!」
「私はアヤだよ~皆みたいに凄いことはできないけど基本的なことはできるからよろしくね~」
「では、仕事の説明をしようか…まずはセットメニューと………
自己紹介を終え、仕事の説明を受けた2人はその後、言われたとおりに判事の部屋へと向かった。
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「アルバトロス判事ってどんな人なのかな~?」
「私も気になっていました」
2人の疑問はもっともだろう、本来なら一生見ることもない人物なのだから。
ライは何秒か考え込むようなしぐさを見せた後に、
「一言でいえば…現場主義者とでも言いますか…、とにかく書類とかは任せるところは徹底的に任せて、やることをとにかく自分でやる!、みたいな感じですかね」
「はっきり言えば現場上がり病が抜けてない上司って感じです」
「あ!もちろんとても頼りになりますし、実力もありますよ!」
「特に現場では数々の伝説を残しているくらいですから!」
そんなことを話しているうちに、3人は重厚な扉の前に立っていた。
「なんか…すごい緊張しますね」
「私も…なんか変なところないよね」
「大丈夫ですよ、じゃあ入りましょうか」
ライは扉をノックするとすぐに
「ライ君たちか、入っていいよ~」
「では、私はここまでなので後は2人でお願いします」
そう言い、ライはその場を離れていった。
扉を開け、入るとそこには書類を山のように積み上げている机の奥にげんなりとした顔の判事がいた。
「来てくれてありがとうね、ヴォーグレイヴの頼みだし2人にも頑張ってもらうからね~」
…本当に気さくな人ですね、傍から見たら都市でも屈指の有力者の姿には見えないですね…
「どうしたんだい?まるで『これが都市でも屈指の有力者の姿か?』みたいなことを思ってそうな顔をして」
………本当に気さくな人ですね
「まあそれは置いといて、君たちには私とヴォーグレイヴとの仲介をしてもらうよ」
「はい…それは聞いていますが、どのような方法で行うのですか?」
「それはね…2人にはヴォーグレイヴと手紙でやり取りしてもらうよ!」
「もちろんただの手紙じゃないけどね。説明すると、私とヴォーグレイヴは今回の情報を融通する契約の条件として私の書類仕事を手伝ってもらうことになっているんだよ、そこで彼と情報のやり取りをするんだ」
「ただこのまま渡すと彼の転職先であるリンバスカンパニーに情報や取引していること自体が洩れる可能性がある。だからJ社の技術で情報を保護するんだ、ここまではいつもやっているんだけど、ここからが君たちの仕事でね」
「この『鍵穴』に特別な仕組みを仕込むんだ」
「本来の『鍵』で見ることができる情報と、君たちの手紙と組み合わせることで見ることができる『複合鍵』で見ることができる情報を変える…つまりは二重底構造ってことだね」
「手紙で?暗号を仕込むってことですか~?」
「でも…私たちの送る手紙は会社の人に見られているのでは…?」
「多分見られているね、でも手紙の『文章』に仕込んでいるわけじゃなくて『手紙』自体がピースなんだよ」
「こんな対策法取ってるのウーフィだけだし、もし見ることができなかったら向こうの会社がすり替えているのが分かるからね」
「そんな感じで仲介してもらうから、そうだな…3日後までに記念すべき1通目を用意しといてくれるかい?」
「「はい、承知しました」」
そう返事をした2人は部屋を退出し、その後出口のそばで待っていたライと笑顔で話していた。
暫く話しているとライが
「2人は早速手紙を書きたいでしょう?私もこの後仕事もあるから部屋に戻って休憩がてら書いてきたら?」
「そうだね~私もあの部屋で休憩したいな~」
「もう…それでは失礼しますね」
2人は少し駆け足で部屋に戻っていった。
そうして静寂に満ちた空間でライは
「ふう…懐かしいですね、私にもあんな時期があったのかな」
そんなことを呟きながら先ほど少女たちが出て行った扉の前まで行くと、3回軽くノックして
「入りますよ」
そう言いながら入っていった、部屋の中には変わらず書類に囲まれた判事が
「随分と楽しそうだったね、久しぶりの新人気分はどうだった?ライ1課副部長代理」
「はあ…楽しかったですよ、私に彼の変わりは務まらないというのに無理やりこんな役職をやらせてくる素敵な上司から離れることが出来ましたしね」
「あはは…相変わらず私に対する当たりが強いね」
「でもまあ…頑張りますよ、彼が帰ってくるまでは全力で代わりを務めます」
「うん!そんな君だから代理に選んだんだよ。じゃあ早速書類仕事をしようか!」
そうして彼女は愛用の万年筆を持つ、そしてそれと同時に少女たちもペンを持ち始めた
「だけど手紙って何書けばいいんだろ~」
「確かに…私手紙書いたことないですね」
少女たちは悩んでいるようだが、時間が過ぎるほど書きたいことが湧いてきたようだ。
「まあ、書き始めを書いてから決めようよ~」
「そうだね…じゃあ『拝啓、ロレンス様。いえ多分みんな見ているからバスの皆様へ…』」
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「これからも皆さんの活躍と安全を心から2人で祈っています。ユーリ、アヤより。だそうだ」
「2人とも元気そうでよかったです」
「そうだな、新しい環境やっていくのは大変だが…2人なら大丈夫そうだ」
シンクレアも…特にグレゴールは心から安心したような表情をしていた
『手紙もいいけど、まずは依頼をこなさないとね』
「管理人様の指示だ!さっさと下車しろ!」
またこれだよ…みたいな顔をした囚人たちが戦闘の準備をしていると
「ヴォーグレイヴ殿!知り合いの手紙はやはりうれしいものでありますな!」
そんなドンキホーテの笑顔に対して、ヴォーグレイヴは少し笑顔を見せながら
「ああ…これから来るのが楽しみだな」
「少女たちからの手紙が」
そう言いながらバスを降りて行った。
今日マティアスウーのストーリー見たのですがツヴァイの1課は指の幹部2人に対して自信がある感じで守れると言っていたんですよね。ここから考えると協会の幹部の方が数段強そうなんですよ…やっぱり特色って別次元ですわ。
久しぶりに書いてみるとかなり難しいですね、これをずっと続けているほかの投稿者様は本当に脱帽です。