一昨日fgoを始めたんですが、サーヴァントのレベル90位あればゴリティーンどうにかなるんですかね?
それが現れた時、俺は真っ先に槍を投擲した。
あれはだめだ、もう助からない、確実に始末しなければならない。
そんな意志を込めて、俺の放った投擲は─────
黒い何かによって、弾かれた。
「──────ッ!」
警戒を強める。
彼女たちは後ろにいる、俺に何か起きない限り危害は加わらないだろう。
しかし、やはりそう簡単には行かないのはわかっていたが。
あれはなんだ。
ヒュージではない、それはまさに異質な生物だ。
通常の生き物ではなく、まるで子供の落書きがそのまま生きて歩き出したような。
いや、考えるのはあとだ。
手元に槍を呼び戻し、地を蹴ろうとして─────
「────ッ!?」
衝撃がやってきた。
槍を間に入れて防ぎ、ダメージを防ぐ。
致命傷にはなり得ないだろうが、それでも傷つきはするだろう。
少し奴と離され着地する。
打撃、だろうか。
おかしい、なんだこの強さは。
言っては悪いが、俺は恐らくアルトラ級だろうと倒せるだろう自信がある。故にこの世界に於いて敵うものはほとんどいない。
だが現に俺はまともに攻撃を防いだ。
この世界に来てから、初めてのことだ。
そうして、俺は初めて相手をよく観察する。
そして、わかった。
「─────ラフム!」
それは、原初の
新たな新人類と定義され、無限に増えていくことが可能な全にして一、一にして全の怪物ども。
一体一体でもサーヴァントを手こずらせる化け物だ。
確かにケイオスタイドがあるならば、いてもおかしくはないが、それはつまり。
「……いるのか、あの女神が」
女神ティアマトが、この世界にいるということになる。
俺の知る限り、あの人類史最初の時代に於いて、全滅しかけるほどの猛威を振ったその神物。
まさに神代の怪物と称するほどの化け物であり、この世界を血に染め上げる死の宣告。
それが、ここにいる。
つまりは数多の犠牲がでると同義であり、破滅と狂乱の始まりだ。
幾らリリィでも、これの大群の相手は分が悪すぎる。
全滅は必至だ。
「いや、それより今は────」
そうだ、今考えるべきはそれではなく、この怪物を屠ることだ。
こいつらを、最早ヒュージではなくなったこれをリリィに相手させるわけにはいかない。
故にここは、俺が────
「こいつらを、仕留める」
殲滅することのみを考えろ。
◆◆───────────────────◆◆
何が起きているのか、分からなかった。
それはまさに常識外の光景であり、未知である。
ただいま彼女たちの目に映るのは、ある光景のみ。
謎の黒き物体が超高速で移動し、出たものを粉砕しながらこちらに向けて突っ込んでくる。
その威力は、恐らく当たれば致命傷だ。
幾らマギの防御があろうが、この速度ならば貫ける。
そして避けることも難しい。
そして、無駄かもしれないが避けようとその姿勢を取ったとき。
光が、こちらに突貫した。
轟音を鳴らし、その黒い物体は停止する。
その物体の前には、彼がいた。
あの恐ろしき一撃を軽々と受け止め、かつ何事もなかったかのように無表情。
こちらを守るように立つ背は、とても頼もしく見えて。
死ぬかもしれないなど戦場に立っていれば日常茶飯事。
ヒュージ戦闘では、特段珍しくもない。
しかし、これは違う。
こんな尊厳そのものを蹂躙するような空気感、感じたことがない。
まさしく異質、異物になったような空間だ。
しかし彼は、それをものともしていない。
当然のようにここに立ち、当然のように私たちを守った。
まるで気負うことなく、ただあるべきとして。
それが、私たちには────
「ふっ!!」
そう考えていれば、彼が槍を振るうのが見えた。
凄まじい勢いで怪物の頭を掴み。
手元で回転させ切っ先を黒い物体へと向ける。
そしてそのままそれを、物体へとえぐり込んだ。
悲鳴を上げるのは黒き物体。
まるで感じた事のない恐怖に怯えるように、それはただ叫びを上げる。
避けられない速度で突き刺された槍は、その生物の命を刈り取るのだろう。
そうして、それは次第に動かなくなり、ぐったりとしたそれを彼は足で蹴り飛ばしながら槍を後ろに引き抜く。
「月岡さん、船田さん」
彼は、両レギオンのリーダーに向かって声をかける。
それは先ほどまでとは別種の声色であり、真剣さを多分に含んでいた。
「この場から撤退を、コイツラは俺が殺します」
「「なっ!?」」
なにを馬鹿なことをと、そう思った。
アレは一人で殺せるものではない、皆でかかってもどうかというレベルだ。
それを彼は、一人で殺すと宣言した。
控えめに言って無謀だと、そう思う。
そう考えられるのはわかっていたのか、彼は黒くなったキヴァタテオと取り巻きを見据えながらこちらに言う。
「大丈夫です、俺はアイツラには負けませんので」
「そんなこと言っても!「それに」ッ?」
一泊置いてから、彼は横目でこちらを見た。
その瞳はとてもまっすぐで、偽りなど一つもない。
まさしく潔白であった。
そして、彼は絶対にこちらが断れぬように言った。
「まだ逃げ遅れる人が、いるかもしれませんから」
「ッ!!」
「頼みます」
そう言って彼は、空気を置き去りにして走った。
その速度はまさしく音速に近く、決して生身の人間がたどり着けぬ場所。
常識外れにも程があった。
そして同時に楔を打ってきた。
私たちが無闇に突っ込まないように、死地に飛び込まないように、一般人を楔としたのだ。
誰か逃げ遅れればその時点で、その人は終わる。
そう言って。
卑怯だとそう思う。
でも確実に、それは私達の足を進ませた。
「────ああもう!……市民の避難が最優先!!あれらに近づけないで!!」
「「「「「りょ、了解!!」」」」」
そう言って私達は付近のシェルターへと進んで行った。
後ろ髪を引かれる思いで、彼を見続けながら。
◆◆────────────────────◆◆
無数のラフムが、泥の中より現れる。
一体一体がサーヴァントを苦戦させるほどの強敵であり、それに加えて群としても完成されているような反則そのもの。
それが複数、砲弾もかくやという速度で跳んでくる。
上位層のリリィでも消し炭は免れない。
「甘いよ」
それを、槍の一振りで全て殺す。
真っ二つになったそのラフム達は、重力に従って落下する。
奴らの狙いは大体わかった。
恐らくキヴァタテオを守るように厳命されているのだろうが、動きはかなり単調だ。
中堅のサーヴァントでも集中すれば捌けるかもしれない。
まあ重症は免れないだろうけど。
そうこう考えていると、さらにラフムが射出されてくる。
先程の倍近い数だ。
こんなことに付き合っていたら時間が足りない、アールヴヘイムの方の援護に行くことができないだろう。
ならばどうするか、それは────
「全部殺しながら突っ込もう」
なんとも脳筋な選択だが、たぶんこれが一番早いと思う。
そして、俺は槍を振りながら突貫する。
砲弾のように跳んでくるそのラフムたちを切り裂きながら、臓物と体液のシャワーの躱しながらキヴァタテオとの距離を詰めていく。
この程度の弾幕、あの大蜘蛛に比べれば温いものだ。
そして、ある程度の距離が縮まったところで、俺は身を引き絞り構えをとる。
魔力を光に変え、槍の後ろへと収束する。
さながらロケット噴射のようなその出力は、まさしくミサイルそのものと言える。
かくして、神秘を纏いその槍は飛翔する。
まっすぐに、今度は少し本気で投げたため弾かれることはないだろう。
盾になろうとしたラフムの群れを一切合切消し飛ばしながら、槍は一直線に進み続けて────
キヴァタテオ共々、周りの黒くなったヒュージを消失させた。
「……終わったな……後は────」
そう言って俺は、未だ凄まじい勢いで進み続けるその泥の海を見る。
生命が触れればただでは済まないどころか、ティアマトに細胞単位で隷属させられるという代物。
まさしくこの世界にあってはならないものだ。
それを知るのは、恐らく一部の転生者と俺だけ。
リリィ達には初見殺しもいいところだ。
ゆえにこのまま放置はできない。
ならば。
「………
そう言葉にして、俺は槍を構える。
何も変わらない、そう見えるだろう。
まあ当然だ、実際やってることはいつもと変わらない。
構えて、突く。たったそれだけなのだから。
だが、故にこれは俺が持つ反則。
ただの平凡な一を目指したそれがたどり着いた場所だ。
そして俺は、その槍を思い切り。
「フッ!」
泥の地面へと突き立てた。
なにを馬鹿なことをそう思うだろう。
実際俺も、何も知らなければそう思う。
だがその効果はすぐに表れた。
泥が、消えていく。
手品が何か、そう思っても無理はない。
しかしこれは魔術でも神秘でも権能でもない。
語るのも面倒くさいほどの、当たり前だ。
「よし、ぶっつけ本番だが、上手くいってよかった」
とてつもなく不安になりそうな言葉を吐く。
実際これを習得したのは、あの大蜘蛛戦の最後なためほんとうにぶっつけ本番なのだが、それは置いておこう。
「さっさとアールヴヘイムの援護に行こう、流石にあの人たちでもコイツラ相手は分が悪すぎる」
そうして俺は、恐らく同様の現象が起こっているであろうファーヴニルとの決戦の場所へと赴こうとして。
轟音が、地面を揺らした。
咄嗟に見上げれば、そこには雲があった。
いや、アレは雲ではない。爆発の爆炎だ。
巨大な乱気流と見紛うほどの爆煙が、天へと昇っていっている。
常識外れの威力、どのような砲撃を放てばそうなるのか全く予想がつかないが、一つ分かることがある。
それは────
「これ、絶対前座だったな」
そんなバカみたいな感想を吐きながら、俺はその爆煙の元まで駆け出した。
絶望だった。
それはまさしく絶対的な壁であり、人が超えるべきでないものだった。
あの竜に挑んだ果に、そう思ってしまった。
私たちならば勝てると、勝利できると驕っていた。
しかし、それは決定的な間違いだ。
あれは人が挑めるものではない、ましては倒そうなどと考えるのも烏滸がましい。
いや、
しかしそれはたらればだ。
今の私達は現に、地に伏しているのだから。
初めは、何だっただろうかと考える。
あの竜を目指して進軍し、数々の仲間の助けを借りながらもようやくたどり着いたその場所。
はじめに見たのは─────
困惑しながらも、私たちは戦った。
戦って戦って、傷を負いながらも立ち上がって。
そうして後一歩まで、その竜を追い詰めた。
そして、九つの世界によってとどめを刺そうとしたその時。
突如として現れた黒いものによって、私は腹に風穴を空けられた。
血を吐き、倒れ伏す私を竜は見逃さない。
足元より黒き泥を吹き出させ、覆い尽くそうとする。
咄嗟に仲間たちは退却したようだが、当然私は動くことなんてできようはずもない。
だから私はここで終わるのだと、そう思った。
しかし、そうはならなかった。
誰が私を突き飛ばしたから。
呆然とする私が最後に見たのは──────
緑髪の少女の、優しい顔だった。
そうして彼女は泥に飲まれ、沈んでいく。
私は必死に手を伸ばしながら、仲間によって受け止められた。
泥より離れた場所で、私は今すぐあの娘を探しに行くと言った。
しかし同級生であり親友によって止められてしまう。
今行ったところで死ぬだけだと、あの泥の正体もわからぬまま行くなんて者は許可できないと。
だけど私はそれでも行こうとした。
だってそれはあの子を────壱を見捨てることと同じだったから。
そして、無理に足を動かそうとして。
先程泥に飲まれたはずの、壱を見た。
無事を喜び寄ろうとする私に、違和感が突き刺さる。
なぜ彼女はこちらに寄ってこない?ひと言も発しない?
その答えはすぐに分かった。
「依奈様ッ!!」
後からあの子の、江川樟美の声が聞こえた。
それは警告を含んだ声であり、警戒を含んだ声であり。
そして、
そしてそれは正しかった。
壱の影が揺らぎ、そして。
私に向かって斬り掛かった。
それを寸前で受け止め少女が言う、亜羅揶だ。
何のつもりかと、そう言った。
その言葉への返答は、さらなる斬撃であった。
何なのかと分からず放心する私に、竜の咆哮と─────
とてつもない爆炎が轟いた。
なんか舞台の感想見てると御典医さんやらかし酷くて笑うんですけど。
アーニャさん攫ったのはどう考えてもやばくないです?