透き通るような砕竜   作:鬼ミズチ

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お久しぶりです。
思い付きでリメイクしてみました。
前話と繋がりはありません。
おそらく超不定期で続く……予定。


1話 リメイク

 俺は元人間のブラキディオスである。

 ……名前はまだない。

 

 前世で死んで……目覚めたら卵の中にいて生まれてみたらブラキディオスの幼体だった。

 

 俗に言う転生者って奴だ。

 

 

 この体になってからどれ程の時間が経ったのか……。

 数年?数十年? いや、それ以上かもしれないな。

 

 まぁ、なんとか弱肉強食の世界を生き抜き、無事?成体になれた訳だ。

 今や強者犇めく地底火山にて縄張りを構えるまでになった。

 

 

 そんなモンスター生を送っている俺だが、最近は少し厄介な事に巻き込まれていてな……。

 

 

 ……ハンターが虫のように湧いてくる。

 

 

 ブラキ炭鉱の標的になった……という訳ではなく、どうやら俺の縄張り内の鉱脈を開発したいらしい。

 それを確保し流通させるにあたって、俺の存在が危険とのこと。

 

 別に俺に危害を加えてこなければ採取くらいなら黙認するのにな。

 実際、縄張り内では地元の炭鉱夫連中が駆け回ってるし……。

 

 ま、ギルド側からしたらブラキ=凶暴というイメージが先行して討伐に乗り出すのは分からんでもない。

 だって同族で穏やかな奴なんて見たことないもん。

 

 

 ギルドは俺の存在が邪魔。

 俺の方も文字通り命を懸けて手に入れた縄張りを明け渡すつもりはさらさらない。

 こうなったらもう……。

 

 

 徹底抗戦しかないだろう。

 

 

 別に闘争は嫌いじゃない……むしろ好きな部類に入る。

 強者との命の駆け引きほど、成長を実感できるものはない。

 一手誤れば死ぬほどの命のやり取りは、自分をより強く高みへと導いてくれる。

 

 これが俗に言う戦いへの愉悦なのだろう。

 

 俺の場合はブラキディオスとしての本能なのか……。

 はたまた、過酷な環境で俺という自我が崩壊しないための自己防衛の結果なのか……。

 

 

 まあ兎も角、俺はハンターとの正面衝突を決意した。

 

 

 

 

 ******

 

 

 

 

 いつも通り縄張り内を巡回していると、ハンターが物陰に潜んでいるではないか。

 大方、奇襲でも仕掛けるつもりだったのだろうが……。

 俺は感が鋭いもんでな。

 

 気付かれたと分かったのか……素早く武器を構え、戦闘態勢になるハンター4人組。

 

 グラビモスの装備を着込んだランサー。

 忍Sシリーズの毒片手剣使い。

 ディアブロ一式の大剣使い。

 ディノS一式を来たヘビィボウガン使い、使用武器はデルフ=ダオラ……謂わずと知れたクシャルダオラの武器。

 

 おおよそ全員が上位のトップハンター。

 しかも古龍を降してるときた。

 

 ピリピリと突き刺すような殺気。

 ……久々の強者の予感。

 

 

 

 ペイントボールの投擲を合図に戦いの火蓋が切られた。

 

 

 

 独特なブラキステップを踏みながら、ジャブ、ジャブ、ジャブ。

 

 前戦を維持するランサーに叩き込む。

 時折、後方に粘菌を飛ばし、後ろに控えるガンナーを牽制。

 ヒーラー兼前衛の片手剣使い、毒は痛いが攻撃は軽いので無視。

 一撃が重い大剣使いに意識を回しブラキステップで溜め攻撃を回避。

 

 ……先ずはガンナーを潰したいところだな。

 弾の威力が洒落にならん。

 

 コンパクトにジャブを放ち、手数を増やし確実にランサーを爆破やられにする。

 が、片手剣使いがすかさず消臭玉で治癒。

 

 ふむ、面倒だな。

 ならば……。

 

 

 ジャンピング土下座!

 

 

 大ジャンプでランサーを飛び越え、ガンナーを強襲。

 しかし、攻撃をいなされ逃げられる。

 

 追撃をしようとするが……突如、目前に飛び込んでくる球体状のアイテム。

 

 

 閃光玉……!

 

 

 前世の知識でそう推測した俺は即座に目を閉じる。

 瞼越しでも伝わる程の強烈な閃光。

 

 閃光が収まり目を開けた時には……ガンナーはランサーの後ろへ。

 

 

 そして、顔に振りかぶられた大剣が迫る……!

 

 

 避けられないと判断し、腕の硬質な部位で対応。

 甲殻を通して伝わる凄まじい衝撃。

 

 

 ……腕を傾け衝撃を分散させたが……それでも、この威力。

 本当に人間か?

 

 

 腕を振りぬき粘菌をばら撒きながらバックステップ。

 ガンナーの適正距離に注意しながら距離をとる。

 

 

 

 ……それぞれの持ち味を活かした連携。

 消臭玉など俺への対策も万全。

 しかも、動きに迷いがねぇ……こりゃあ、俺以外のブラキも何頭か狩ってるな。

 

 ラージャン、イビルジョー、ディノバルド……。

 

 今まで覇を競いあってきた連中とは別種の……群の強さ。

 ああ、このギリギリの攻防……死が身近に感じるこの感覚。

 

 

 ……猛るじゃあないかァ!(怒り状態)

 

 

 全身の粘菌が活性化、頭部を中心に体が黄緑へ染まっていく。

 ハンターたちも各々が武器を構え直す。

 双方、気合十分。

 

 

 ……さ、思う存分殺り合おうか。

 

 

 ガンナーは、しゃがみ撃ち貫通弾やら氷結弾をバンバン撃ってくる。

 一発一発は大剣の火力には劣るだろうが……このままの頻度で打たれ続けたら負けるのは俺だ。

 しかし、攻撃しようにもランサーが行く手を阻む。

 ランサーに猛攻を仕掛ければ、片手剣使いからのサポートで回復される。

 では片手剣使いを潰そうとすれば、大剣使いがカバーに入ってくる。

 

 ランサーを中心とした強固な包囲網。

 これを突破するにはどうするか?

 

 答えは簡単……ガードさえできない強力な一撃で粉砕する!

 

 俺は切り札を使用することを決意する。

 

 

 

 地面に頭殻を突き刺し、粘菌の出力を跳ね上げる。

 前方への連鎖爆発。

 

 爆発に紛れ距離を一息で詰める。

 腕をベロンベロン舐めて粘菌を活性化。

 

 出力を上げ、一点に集中!

 

 

 

 

 ブラキディオスの爆発は粘菌に起因するものだ。

 粘菌は爆発することで胞子を散布し生息地を広げる性質を持ち、ブラキディオスはその爆発を攻撃に転用している。

 ブラキディオスの唾液には粘菌を活性化させる成分が含まれていて、体内には粘菌を制御する炉心核という器官も持っている。

 

 こう挙げてみれば理想的な攻撃手段に見えてくるが、そうは問屋が卸さない。

 

 粘菌と共生したての幼体、まだ未発達な体は爆発に耐えられないのだ。

 衝撃で甲殻が弾け飛び、熱でドロドロに融解する。

 ドロドロに融解した甲殻と火山性鉱石が結合することでより強固になっていく。

 それを幾度となく繰り返し、粘菌を活性化させる炉心核を形成した個体が、皆さんよく知る黒い体の成体になるのだ。

 

 ……まさに生き地獄。

 途轍もなく痛いし、体への負担も凄まじい。

 ぶっちゃけ殆どの個体が成体前に死ぬ。

 

 実際、俺の兄弟も20頭前後いたが、成体になれたの俺ともう1頭だけだ。

 

 まあ、そんな苦行を経て爆発にも耐えうる強固な甲殻が形成された訳だが……。

 ある時、俺はふと思った。

 さらに粘菌の出力を上げたらどうなるのだろう?と。

 そんな発想から生まれたのがこの技。

 

 

 

 

 出力を引き上げた影響から……。

 甲殻は黒から赤へ、同時に襲い来る激痛。

 

 その状態のまま、思いっ切り振りかぶりランサーへと渾身の一撃を叩き込む。

 

 

 爆散!

 

 

 大盾を意図も容易く貫通し、ランサーは焼け焦げた肉片と化す。

 

「ッ! まさかコイツG級個体なのか!?」

 

 片手剣使いがそう叫ぶが……答えはNOだ。

 甲殻を犠牲にして一時的にG級と同等の攻撃力を得ているに過ぎない。

 まさに諸刃の剣だ。

 

「ここは上位区域のはず! そんな情報ギルドには……」

 

 ま、伝わってないだろうな。

 だって、これを見せたハンターは全員生きて返しちゃいない!

 

 反対の手も赤熱化させ、動きが鈍った片手剣使いに叩き込む。

 

 流石というべきか、盾を構え対応しようとしたようだが……。

 

 

 爆殺!

 

 

 こちとら甲殻を犠牲にしとるんじゃ。

 片手剣の盾を貫通できないほど軟じゃねぇ。

 

「クソがァ!」

 

 大剣使いが怒号を上げながら、大剣を振りかぶる。

 俺は地面に頭殻を突き立て、限界以上に出力を引き上げる。

 頭殻がジュクジュクと音を発し赤熱化するが……関係ねえ!

 

 

 拡散粘菌大爆発!

 

 

「有り得ねぇ、こんなG級が遠いはずは……」

 

 そんな言葉を残し、火柱の奔流に呑み込まれた。

 

 

 よし、残るはガンナーただ一人……。

 あ、逃げてる。

 オイオイ、つれないじゃないか!

 

 

 そこらにある火薬岩の1つを掴んで、粘菌を纏わせぶん投げる。

 逃走経路に着弾し大爆発。

 

 逃げ道を遮断する。

 

 ガンナーは逃げられないと悟ったのか、覚悟を決めた目で武器を構える。

 その懐には罠と閃光玉。

 

 

 ヘビィボウガの弾倉から火花が散る『火薬装填』

 

 激痛構わず、腕を舐め粘菌を充填、活性化させる。

 

 

「グオオオオオオオオオオオオオン!」

 

 

 雄叫びと共に滾る拳を振り上げ、ヘビィボウガの銃口からは火花が散った。

 

 

 

 ******

 

 

 

 足を潰され倒れ伏すガンナー。

 

「や、やめ……死にたくn……」

 

 拳を振りかぶり頭部に叩きつける。

 グシャッ!という音と共に肉片が舞う。

 

 ……クソ強いじゃねぇか。

 

 アイテムを駆使した接近戦。

 ヘビィボウガを持っているにも関わらず、軽やかな身のこなし。

 

 範囲攻撃で足を潰せなければ負けていたのは俺だった。

 お陰で腕と頭殻は表面がドロドロ。

 貫通弾を叩き込まれ続けたことで、全身の甲殻も所々罅が。

 

 ふぅ、何はともあれ……勝てたか。

 

 激戦を思い出しながら、勝利の余韻を噛みしめる。

 

 

 

 興奮も冷めやらぬ頃、散っていったハンターたちに黙祷を捧げる。

 追悼とその実力への称賛の意を込めて……。

 

 長年のモンスター生活を経て、奪うことに戸惑いは無くなったが……感謝だけは忘れない。

 自己満なのは分かっちゃいるが、やっぱ気持ちって大切だと思う。

 

 

 黙祷が終わり、残ったガンナーの死体を口の中に放り込み咀嚼。

 食ったものは俺の血肉となり、生きる原動力となる。

 それに、一度殺り合った相手だ……このまま朽ちるのも忍びない。

 

 

 序に、ハンターたちが残したアイテムを物色していく。

 

 回復薬などの各種薬や便利アイテム……やっぱ人間が作る物は貴重なんだよな。

 まあ、爆散して使い物にならなくなっているのが殆だけど。

 

 

 それにしても……全身が痛ェ。

 

 

 高熱を帯びた甲殻を見て、こうなるのは何回目だろうか?と疑問に思ったが……。

 無数にあり過ぎて考えるのを辞めた。

 

 これは鉱脈へ籠りきりになりそうだな。

 早急に、鉱石と結合させて修復しなければ。

 

 

 アイテムを担ぎ、移動を開始。

 

 

 今回秘薬は……使わんくていいか。

 急ぎでもないし。

 時間を掛けて鉱石を結合させて、甲殻をより強固にするとしよう。

 

 

 寝床兼鉱脈エリアに辿り着いた俺は穴を掘り、鉱脈内で休眠状態に入った。




いい描写が思いついたら、順次改変していきます。大まかな流れは変わらないと思いますが……。
あと数話はモンハン展開が続きます。

ではまた、いつの日か……。

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