透き通るような砕竜   作:鬼ミズチ

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お久しぶりです。
相も変わらず難産でした。

前半は主人公視点。
後半はハンター視点です。


5. 生き足掻く

 鍛え上げた甲殻は易々と切り裂かれ、攻撃は見切られる。

 前世の知識を活かした技も通用せず、必殺の一撃すらも防がれた。

 頭殻は根元からへし折られ、攻撃手段の1つが消失。

 

 そんな圧倒的な実力差。

 死地に直面して……。

 

 

 ……懐かしい。

 

 

 そう思った。

 

 この抗い難い死の気配も……。

 圧倒的な強者を目前にした恐怖も……。

 自分の中で更に燃え盛る生への渇望も……。

 

 幼少期に何度となく経験してきた。

 成長するにつれその機会も少なくなったが……。

 

 

 ……原点回帰、か。

 後先考えず、その一瞬を全力で……命を懸けて足掻いていたあの頃に……。

 

 

 決意する。

 自分の全てを持ってして目の前の……生への障害となり得る存在を撃滅することを。

 

 

 足掻け。

 

 足掻いて足掻いて……。

 

 喰らい付け!

 

 相手の息の根が止まる、その瞬間まで!

 

 

 恐怖、郷愁、怒り、歓喜……ありとあらゆる激情が……。

 元から強い『生への渇望』とブラキディオス元来の『闘争本能』に……これでもかと火をくべる。

 

 

 ……ハハッ! やってやろうじゃねぇかァ!

 

 

 呼応するかのように両腕の粘菌が光り、紅く赫く……変異を遂げる。

 

 

 

 

 

 

 ******

 

 

 

 

 

 

 頭殻の破壊……体勢を崩すブラキディオス。

 

 「強かった」

 

 嘘偽りない……私の感想。

 かつて相対した古龍たちに引けを取らないほど。

 ブラキディオスとしては異質な強さ。

 だけど……。

 

「君じゃなかったようだ……」

 

 命を懸けられるほどの存在では……本気をぶつけられる相手ではなかった。

 

 

 強さへの称賛と僅かな失望を胸に歩み寄る。

 その命を刈り取るために……。

 

 殺しを楽しむ趣味はない。

 ……今、楽にしてやろう。

 

 そう思った時、気付く。

 

 

 ブラキディオスの両腕。

 そこに付着している粘菌が煌々と輝いている事に……。

 

「!」

 

 危険を感じ、その場から飛び退く。

 

 その直後……。

 立っていた場所から、ゲル状の何かが噴き出す。

 

 赫く発光し高温を発するそれは……先程見た異様に発光する粘菌によく似ていた。

 

「まさか……」

 

 意識を前方へと戻す。

 そこには……。

 

 地面に両腕を突き立て、構えるブラキディオスの姿。

 

 私が意識を向けたと同時に、そいつ右拳を掲げる。

 まるで私に見せつけるように……。

 自分という存在を誇示するかのように……。

 

 

 右拳の粘菌がより活性化した瞬間……。

 

 

 

 ドゴオンッ!!

 

 

 

 勢いよく地面に叩きつけられた。

 凄まじい破砕音、地面が波打つほどの衝撃。

 

 

 右拳、左拳、右、左、右、左、右、左……。

 

 

 地面へと拳を乱打するブラキディオス。

 拳を叩きつける度に地面が割れ、高温の粘菌がまるで溶岩の様に吹き出す。

 

 

「キィィィィィイイイイイイイイイイン!!」

 

 

 甲高い、金属音を思わせる咆哮。

 それを機に周囲の環境が……。

 

 

 ……変わった。

 

 

 岩盤が隆起し、エリアの出入り口を塞ぐ。

 周囲の粘菌が赤から深紅、さらに赫灼へ。

 そして、それに伴う気温の急上昇。

 胞子が火花の様にチリチリと舞う。

 

 顕現したのは隔絶された灼熱地獄。

 私とブラキディオス……どちらか一方が果てるまで終わらないデスマッチ。

 

「周囲の環境の改変……まるで古龍……」

 

 赤黒い甲殻。

 全身から絶えず蒸気が立ち昇らせているその姿。

 煌々と輝く粘菌。

 

「猛り爆ぜるブラキディオス……とは少し違うかな」

 

 ブラキディオスの特殊個体も周囲に影響を及ぼす力を持っていると聞いた事がある。

 だが、溶岩島や新大陸など隔絶された環境下でしか生息が確認されていない。

 

 まあ、何はともあれ……。

 

「前言撤回……」

 

 突き刺すような殺気。

 冷や汗が頬を伝う。

 本能が警鐘を鳴らす。

 目の前の存在は自分の命を脅かすと……。

 

「最ッ高じゃないか!」

 

 もう我慢するのは終いだ。

 ここからは私の全てを目の前の好敵手にぶつける。

 

 いつかこんな時のために鍛え抜いた技を……全て……。

 

 

 

『妖刀羅刹』

 

 

 

 立ち昇る赤黒いオーラ。

 私の生を代償に力を底上げする諸刃の剣。

 

 

 

 右手に糸を巻き付け束ねる。

 

「手持ちの全てを消費して……範囲の拡大、持続時間の延長」

 

 エリア全体をカバーできるよう……。

 決着が着くまで続くように……。

 

 

 

『鉄蟲糸技:円月』

 

 

 

 カムラの里で習得した技……その応用。

 エリア全体を覆うように糸の円が顕現。

 これでカウンターの威力が数倍にも膨れ上がる!

 翔蟲はこの戦闘中使えなくなってしまうが……。

 

 ……ふふ、それでいい

 

 準備は整った。

 

「待っていてくれたのかい?」

 

 仁王立ちをし、私の前に立ち塞がる存在へと声を掛ける。

 

「グロロロロ……」

 

「そうか……悪かったね」

 

 私とブラキディオス……同時に構える。

 

 奇しくも接敵時と同じ状況。

 しかし……。

 

 私の心の虚無は取り払われ、歓喜に満ちている。

 

「フフ……笑いが込み上げてくる」

 

 意図せずニマニマと顔がほころんでしまう。

 

 

「グオオオオオオオオオオオオオオン!!」

 

「そうだね! 何回でも殺ろう!」

 

 

 

 

 

 戦闘狂ども……再度激突する。

 




少し粗削りだったかな? いい構図思いついたら修正するかも。

ハンターはチート野郎です。
自分も叶う事なら、妖刀羅刹、円月展開からの鏡花の構えでガムートの除雪突進をカウンターしてぇ!
どんなエフェクトになるんやろ♪
どれほどのダメージが入るんやろ♪(ドブカス風)
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