暗殺教室 地球外生命体と超生物を殺す   作:ぐちロイド

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久々に40度の熱の風邪引いて寝ていた投稿遅れてすまん。
良くなってきたのでぼちぼち、また投稿していくと思う。ペースは相変わらず遅いけど…


第29話 聖アリアの結界、ポニーテールの出迎え

 

 

キリリリリ……ン。

月曜日の朝、椚ヶ丘中学校のチャイムが鳴り響く中、暁連はいつも通り「遅刻確定の1フレーム前(始業1分前)」に教室のドアをガララと開けた。

昨晩、銀座での政略結婚お見合い前哨戦から、深夜のスマッシュ2体同時デバッグ戦まで、脳内メモリを限界まで酷使するイベント(クエスト)を立て続けにこなしたせいだ。連はカバンを机の横に引っ掛けると、席に着くなり、挨拶すら省略して机に突っ伏した。

 

業「……ねぇ連、また土日に徹夜でネトゲの検証(フレーム確認)でもしてたのかよ?」

 

隣の席のカルマがニヤニヤしながら声をかけてきたが、連は「スリープモードだ、話しかけんな……」とだけ呟き、そのまま深い眠り(システム休止)に落ちていった。

 

――そして、時間は無情にも進み、4限目。イリーナ・イェラビッチによる英語の授業が始まった。

 

今日のイリーナは、いつもの露出度の高いタイトスカートを揺らしながら、過去に自分が暗殺(ターゲットをハメ殺し)した際の経験談をドヤ顔で語っていた。それはもはや授業というよりは「元プロによる実戦仕様のログ開示」だったが、生徒たちの食いつきはすこぶる良い。

 

イリーナ「いい? ターゲットに接近する時は、言葉の『壁(ノイズ)』をゼロにしなきゃダメなのよ。ネイティブな発音、これこそが最高の発情を誘う武器になるんだから。……ちょっと、木村! そこのテキストのフレーズ、発音してみなさい!」

 

木村「えっ、俺!? えーっと……『The right light is flashing...』」

 

イリーナ「ストーーーップ!!!」

 

イリーナの鋭い怒声が教室に響き、黒板がビキリと震えた。木村はビクッと肩を跳ね上げる。

 

イリーナ「何よそのクソみたいな発音! 木村、あんた今『L』と『R』の発音が完全に逆転してたわよ! 日本人は本当にこの2つの発音に違和感があるのよね。お隣の韓国人が『つ』の音を上手く発音できないのと同じで、言語の構造的な初期エラーなのよ。……まったく、聞いてて耳が腐りそうだわ」

 

イリーナは大きなため息をつき、教室内を見渡した。そして、教室の片隅で、すべてのノイズをシャットアウトして未だに爆睡しているワインレッドの髪の少年に目を留めた。

 

イリーナ「……じゃあ、そこにいる連! いつまでも寝てないで、クラスの無能どもにお手本を見せなさい!」

 

ビシィッ!とチョークが連のデスクに正確に命中する。

クラスの面々は一斉に「おいおい、連かよ」「いくら連がテストでオール満点取る天才だからって、教科書も開かずに寝起きでハメ技(完璧な発音)は流石に無理だろ……」とザワついた。烏間や殺せんせーならともかく、あのイリーナのネイティブな耳を誤魔化すのは、初見のクソゲー並みに難易度が高いからだ。

 

だが、連は気怠げに頭を上げると、眠そうな紫の瞳でイリーナをじっと見つめた。

 

連「……あ? うるせえな、ビッチ先生。……『The right light is flashing, but the raw law will wrap the lap of luxury.(右側の光が点滅しているが、生の法律は贅沢な膝を包み込むだろう)』。……これで満足か?」

 

「――ッ!?」

 

その瞬間、教室の空気がフリーズした。

連の口から飛び出したのは、RとLの明確な叩き分け、流れるようなリンキング(音の繋がり)、そしてイギリス英語の上品なアクセントが完全にミックスされた、完璧な「ネイティブ・コード」だった。教科書すら見ていない。それどころか、木村のフレーズにアレンジを加え、RとLが連続する超高難度の早口言葉を即興で構築して返してみせたのだ。

 

イリーナは美貌を驚愕に歪め、手に持っていたテキストを落としそうになった。

 

クラスの生徒たちが「マジかよ……」「発音一切ズレてねえじゃん……」と戦慄する中、連は再び机に顔を埋めようとした。

 

連にとって、この程度のマルチリンガル仕様(多言語対応)は日常茶飯事だった。母親の玲奈や父親の巌斬は、世界中の大企業や海外の特殊ルートと日常的に取引(ビジネス)を行っている。そして、何を隠そう目の前のイリーナは、過去に暁夫妻からの「裏の依頼」の確認や、その正当な「報酬(ギャラ)」を受け取るために、何度も暁家の本邸に足を運んでいたのだ。

その際、連はガキの頃から、イリーナが使える数カ国語(英語、フランス語、ロシア語等)の言語システムを、彼女の「暇つぶし」という名の教育によって、脳内に直接仕込まれて(ダウンロードさせられて)いたのである。

 

イリーナは拳を握りしめ、チッと派手に舌打ちをした。

 

イリーナ「……相変わらずいけすかないクソガキ(バグ野郎)ね……。昔からあんたのその安い脳内メモリの処理速度だけは認めてあげるわ。……まぁ良いわ、連のお手本は完璧よ」

 

イリーナはすぐにいつもの妖艶な笑みに戻ると、教室内を見渡して恐怖の「新仕様(追加パッチ)」を宣言した。

 

イリーナ「いい? 今日の連の発音を基準(ベース)にするからね。これから発音を間違えた不合格者は……放課後、この私との『公開DEEPキスの刑』を執行しますから! 覚悟しなさい!」

 

「「「ぎゃあああああ!!!(色んな意味で)」」」

 

教室が悲鳴と歓声のシステムエラーに包まれる中、連は完全に聴覚をミュートし、再び放課後の「女子校潜入ミッション」に向けて、省エネ(スリープモード)に入るのだった。

 

---

 

 

 

放課後。

ホームルームが終わった瞬間、連のスマートフォンに一通のメールが着信した。発信者は夜兎。

 

夜兎『本日のスケジュール仕様の確認です。15時30分、椚ヶ丘中学校の校門前にお迎え(強制回収)に上がります。放課後だからといって、無能な引きこもり共とゲーセンに寄り道(ルート外脱線)しようものなら、明日の朝食のエナジードリンクを全てタバスコに書き換えます。大人しく校門前で待っていろ、クソ坊ちゃま』

 

連「……チッ。相変わらず、主人の端末(スマホ)に平然と脅迫テキストを送りつけてきやがるな、あのメイド」

 

連はうんざりしたようにカバンを肩にかけ、クラスの連中が

「おい、これからゲーセンの新作格ゲーのロケテスト行こうぜ!」と盛り上がっているのを無視して、一人で坂道を下り、校門へと向かった。

 

――そして、椚ヶ丘中学校の校門前に辿り着いた瞬間、そこには異様な人だかりができていた。

 

「おい、見ろよあれ……なんだよ、あのバカでかい車!」

 

「リムジンじゃん!? マイバッハの特注仕様(フルカスタム)だぞ、あれ! 億単位のガジェットじゃねえか!」

 

「誰の迎えだよ? E組の誰かって、そんな金持ち(特権階級)いたっけ!?」

 

下校途中の本校舎の生徒や、E組の杉野、前原たちが、校門の前に鎮座する漆黒の巨大な高級リムジンを見上げて完全に戦慄(システムフリーズ)していた。

車の横には、一糸乱れぬ完璧な角度でメイド服を着こなした城崎夜兎(24歳)が、氷点下のクールさで佇んでいる。その美貌とメイド服のギャップに、男子生徒たちのハザードレベルはすでに上限を突破していた。

 

連は、衆人環視のノイズを完全に無視し、ポケットに手を突っ込んだまま、スタスタとリムジンへと歩み寄った。

 

夜兎「遅いですよ、クソガキ坊ちゃま。定刻より30秒遅れです。あなたのその安い時間感覚は、100円ショップのジャンク品で成形されているのですか?」

 

夜兎は無表情のままドアを開け、極上の毒舌を添えて連を出迎えた。

 

連「うるせえよ、夜兎。ビッチ先生の発音バグの刑に付き合わされてたんだよ。いいから早く車を出せ。周囲のギャラリーの視線(ノイズ)が鬱陶しいんだわ」

 

連が当然のような顔でリムジンの豪華な後部座席へと収まり、夜兎がスマートにドアを閉め、運転席へと乗り込む。

残された学校の生徒たちは、「……え!? 今の、E組の暁連……!?」と、完全に脳内データがクラッシュしたような顔で、走り去るリムジンのテールランプをただ見送ることしかできなかった。

 

車内は、銀座の時と同様に静寂に包まれていた。連はシートに深く腰掛け、窓の外を流れる景色を眺める。

 

夜兎「……これから向かう『聖アリア高校』ですが。先方の新月百加様より、すでにナビゲーションデータ(進入ルート)が共有されております」

 

夜兎はハンドルを握りながら、淡々とシステムメッセージを告げた。

 

夜兎「連坊ちゃま、女子校という完全な『異世界(アウェイ)』に潜入するわけですが、緊張のあまり車内に汚物(リバース)をぶちまけるようなバグだけは勘弁してくださいね。私の清掃タスクが30分増加しますので」

 

連「するわけねえだろ。俺はただ、あのGカップ限界腐女子ボスの『新刊』とかいうクソ仕様のガジェットを確認しに行くだけだ。1秒でデバッグして、すぐに帰還ルートに移行してやるよ」

 

連は腕を組み、紫の瞳の奥で、まだ見ぬ「聖アリア高校」という未知のステージへの対策(攻略チャート)を練り始めるのだった。

 

---

 

 

 

椚ヶ丘から車を走らせること約30分。

都内の一等地、高大な敷地とヨーロッパの城を思わせる重厚なレンガ造りの校門が見えてきた。そこが、日本の上流階級の令嬢たちが集まる完全なる男子禁制の聖域――『私立聖アリア高校』だった。

 

下校時刻ということもあり、校門からは上品な制服に身を包んだお嬢様たちが次々と出てきている。そこに、曉家の漆黒のリムジンが静かに停車した。

 

ガチャリ、と連がドアを開けて外に出る。

黒のパーカーにワインレッドの髪、中学生とは思えない冷徹なオーラを纏った連が地面に足を下ろした瞬間、周囲の女子高生たちの「お喋りの音声(BGM)」が、ピタリと停止した。

 

百加「――お待ちしておりましたわ、連君」

 

校門の真ん前、まるでこのステージの支配者のように堂々と立っていたのは、昨日のお見合いで連の脳内データをクラッシュさせた張本人、新月百加(16歳)だった。

今日の彼女は、聖アリア高校の伝統あるセーラー制服を着用しているが、その圧倒的な「169cmの高身長」と、制服の生地を限界まで押し上げている「Gカップの質量」、そして高く結い上げた美しい桃色のポニーテールが、周囲の女子生徒たちとは完全に一線を画すカリスマ性を放っていた。

 

連「……チッ、本当に待ってやがったか、新月」

 

連がめんどくさそうに歩み寄る。

 

夜兎は運転席の窓を下げ、連に向かって淡々と告げた。

 

夜兎「では連坊ちゃま。私は一度、買い出しに移行します。新月令嬢との『イベント(逢瀬)』が終了しましたら、端末に連絡を寄越してください。……それでは、クソ坊ちゃま。女子校の荒波に揉まれて、精子(アイデンティティ)を喪失しないよう、お気をつけて」

 

ヴゥゥン、と夜兎のリムジンは、それだけ言い残して冷酷に去っていった。

 

百加「ふふ、相変わらず素晴らしいメイド様(従者)ですわね」

 

百加はクスリと笑うと、その瞳の奥にある『八芒星の紋様』を妖しく輝かせ、連の正面に立った。

 

百加「さあ、連君。私の大切な『聖域(学び舎)』へようこそ。まずはあなたに、我が校の素晴らしい設備(ステージ)をご案内いたしますわ」

 

連「案内なんかどうでもいい。……おい、新月。昨日言ってた『新刊』だか『特製ガジェット』だかってのはどこにあるんだよ。俺の滞在時間(リミット)はそんなに長くねえんだよ」

 

連がいつもの冷徹な態度で周囲を警戒しながら言うと、百加は「そんなに焦らないでくださいな」と、大人の余裕を見せるように、連の腕にしなやかに自身の豊満な二の腕(Gカップの感触が微かに触れる距離)を絡めてきた。

 

百加「焦りは禁物ですわ、連君。……さあ、参りましょう?」

 

その瞬間、連は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

百加のこの「BL好き(腐女子)」という狂った裏のコードは、聖アリア高校内でもごく一部の親しい同志(生徒)にしか知れ渡っていない。周囲の一般の女子生徒たちから見れば、目の前の光景は、『あの孤高のカリスマ令嬢・新月百加が、見たこともない他校のイケメン男子(連)を、自ら校門前で出迎え、親しげに腕を組んで校内へと連れ込んでいく』という、特大のシステムエラー(スキャンダル)そのものだったからだ。

 

---

 

 

「ちょっと……アレ、誰……!?」

「新月様の……彼氏……!? うそ、中学生……よね!?」

「なんて綺麗な紫の目……。でも、凄く冷たいオーラ(威圧感)……!」

 

百加の案内でレンガ造りの校舎の中へと足を踏み入れた瞬間、連への「視線の総攻撃(ヘイト値)」はマックスへと跳ね上がった。

 

廊下を歩くたびに、すれ違う女子生徒たちが全員足を止め、壁際に寄って連を凝視してくる。教室の窓、階段の上、中庭のテラス――ありとあらゆる全方位の座標から、数百、数千という「女子校の純粋な好奇心と羨望の眼差し」が、連のワインレッドの髪と黒パーカーに集中(ターゲットロック)していた。

 

格闘ゲームにおいて、全画面を埋め尽くす弾幕を食らっているかのような、完全なるアウェイ状態。

 

連「……おい、新月。お前のせいで、周囲のヘイト(敵視)が完全に俺に集中してんだよ。このステージ、エンカウント率(視線の密度)が高すぎて、歩いてるだけで精神こレベルが削られるんだが」

 

連はポケットの中で拳を握りしめ、前方の廊下だけを見つめながら低く毒突いた。

 

百加はそんな周囲の喧騒など1ミリも気にする風でもなく、完璧な令嬢としての優雅な足取りを崩さない。すれ違う生徒たちが「新月先輩、ごきげんよう」と頭を下げると、百加は「ごきげんよう」と、極めてクールで隙のない、カリスマ的な微笑みを返していく。

 

連(……チッ、この女、学校での表のパラメータ(好感度)は完全にカンストしてやがるな。この全校生徒の誰も、この桃色ポニーテールのGカップ令嬢が、脳内で『男同士の背徳の絡み(BL)』を執筆してるなんて夢にも思ってねえだろ……)

 

百加「ふふ、連君。そんなに周囲の視線を気に病むことはありませんわ」

 

階段を上がりながら、百加が再び連の耳元に顔を寄せ、周囲に聞こえないほどの超低音(オタクトーン)で囁きを投下した。

 

百加「……むしろ、この『女子校』という純潔の結界の中に、あなたのような、漆黒の衣装を纏った『冷徹な美少年(完璧な受け属性)』が紛れ込んでいるというシチュエーション……。それだけで、私の妄想のメインサーバーは、新たなプロット(新刊のアイデア)を毎秒100フレームの速度で書き換えていますのよ? ……ああ、あなたのその、周囲を睨みつける鋭い紫の瞳……本当に素晴らしい、極上のスパイスですわ……!」

 

連「お前、本当に表のツラと裏のコードのバグり方が尋常じゃねえな……!」

 

連は思わず頭を抱えそうになった。

校舎の最上階、人通りの少なくなった奥の廊下へと進む。その突き当たりにあるのが、百加が部長(兼・絶対権力者)を務めるという、今日のメインステージ――『生徒会室(兼・サークル部屋)』の重厚な扉だった。

 

百加「さあ、到着いたしましたわ、連君。……ここからが、私の本当の『聖域(ガチ部屋)』。……あなたに、昨日約束した、最高にディープな『新月重工の技術(新刊の仕様)』を、たっぷりとダウンロードして差し上げますわ」

 

百加が鍵を開け、不敵な、そして最高に話しやすそうなオタクの笑みを浮かべて扉を押し開く。

連は、これから始まる未知の「腐女子クエスト」のハザードレベルに戦慄しながらも、ゲーマーとしてのプライドを胸に、覚悟を決めてその禁断の扉の向こうへと、一歩足を踏み入れるのだった。

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