幻想を謳う孵卵器   作:紡縁永遠

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願符

 一夜明けて、まどかの肩に乗って美樹さやかと、こちらを見ることが無い志筑仁美の下へ行く。暁美ほむらは、ああ着けてきてんのか、通報でもするか?

 

 「げっ」

 「失礼な事を言うなぁ、まぁいい、それより御守りあるか?っとその前に」《あ、あ、あー、テステス》

 《え?頭のなかに声が!》

 《念話って技術だ、ついでにまどかと暁美にもな》

 《なんで私まで……》

 《凄いねこれ!》

 《凄いと思うのは自由だが、他にもいることを忘れんな、御守りあるならいい》

 「あの、皆さん視線を移してどうかしましたか?」

 「え、あごめん、ちょっと昨日いろいろあったからさ」

 「そうね、」

 《そう、ここにいる新しい要素のお前が、サポートすんだ、少し異質に思われるくらいがちょうどいいな》

 《うるさいわね、わかってるわよ》

 

 ったく、念話を教えてやったらこれだよ、そういやマミの時もこんな感じだったな。親を意思なってすぐだったからずっと俺と話してたんだったな。神浜の件も何とかしにゃならないってのに。だが、ワルプルギスが来るならそうも言ってられんしなぁ。

 しゃぁない、風見野の方も幾人かいるしそっちも……いや、そういやあの見栄っ張り今どうなってんだ?父に恐怖し、あまつさえ自分の娘にも恐怖したあの見栄っ張り、クソ、まどかの因果律断ち切ってからじゃなきゃ向えんな。

 って、おいおい、授業中に遊びすぎだろ、マミも繋げるか。

 

 《遊びすぎよ、二人とも》

 《マミさん!?》

 《俺が繋げだ、しっかり授業受けろ、それで成績落ちても知らんぞ、マミみたいに特殊な状況ってわけでもないんだ、落ちたら目も当てられんぞ》

 《何かあったんですか?》

 《それはまた今後、今は授業に集中》

 《はい!》

 

 「これでひとまずはいいか……なんの用だ」

 

 念話での遊びが酷いから、マミも繋げたが正解だったみたいだな。ほむらも注意をしてたが信用問題かねぇ、まぁ初対面で銃を突きつけてきたらそうなるが。

 はぁ直接会えないからって、こっちに来るとは。なんの用だよインキュベータ。

 

 「流石に結界まで使われるとは思わなかったよ」

 「理様使ってもいいんだぜ詐欺師」

 「流石に冗談だろう、君も鹿目まどかの願いの有用性は理解しているはずだ」

 

 確かにそうだ、人生数百回分の願いなんて過去にもいなかった。クリミアのや使オルレアンの聖女、親魏倭王やナイルの女王も……後ろ三人は元からか。でもフローレンスは願ったから影響が強くなったとも取れるんだよな。

 そもそも、クレオパトラは例外として、素で神に近い彼奴らマジで何なんだよ、願う必要なかっただろ。願わなくとも国も天下も取れただろ。

 

 「何を考えているんだい?」

 「ん?ああ、過去の契約者だよ、契約する必要制を考えてたんだよ、彼奴ら俺等が関わらなくても歴史動かせたタイプの人間だからな」

 「そうかい?魔法少女は人類の歴史に貢献してきた存在だ、契約の不要はあり得ない」

 「馬鹿、歴史に貢献できるだけの願いを叶えられるってことは素で力を持ってる証拠だろうが、今考えりゃ彼奴ら願いを二次効果にしか使わなかっただろうが」

 

 今思や、俺の契約相手まともな願いなんてなかったな。最近の奴が強欲すぎるだけか?まぁいいか、まどかたちが何願うかのほうが重要だしな。

 マミみたいなことにならなきゃいいが。

 

 「事故とか起こすんじゃないぞ、それを起こるような原因もな」

 「わかってるよ、君に端末を潰し回られるのは御免だ」

 「わかってるならいい」

 

 マミの時はハンドルの誤操作を二つ作り上げた事で起こったことだ。相手のトラックと、巴家の車どちらも悪くない、ただ二人とも孵卵器を見たせいでハンドル操作を誤ったのだ。今度はそうならないように釘を差したが、嘘をつかないことも嘘とか言ったら今度は千体潰すか。

 おっ、授業が終わったな。とりあえず何願うかを聞くか。

 

 「聞く必要も考える必要もないわ」

 「それを決めるのはお前じゃねぇよ、暁美、お前は馬鹿だ、そして愚かで、逃げ続ける卑怯者だ。自分の理想を他人に押し付けんな」

 「貴方に何がわかる!」

 「わからん、やろうと思えばできるだろうが、殺されかけてからはやってない」

 

 全く、自分が中心じゃねぇんだからお前が決めるなって話だ。それに、理解なんで出来やしねぇよ、インキュベータとしてのシステム活動の時も理解じゃなくて統計だったからな。

 〈心を読む程度の能力〉なんてのも使えるが、使ったら殺されかけた。今は他人の想いは理解できん。

 

 「うん、それが全く出てこなくてさ、」

 「私も……」

 「それならそれでいい」

 「自分のことになるとわからなくなってさ、誰かのために願うこともできるの?」

 「できるがそんな願いをするくらいなら俺は叶えんぞ、発動条件は俺が空気の振動を感知することだからな、音を遮断すりゃ聞いたことにはならない、」

 「そっか…」

 

 他人のために願って地獄を見たやつは今隣の風見野にいる。他人から受け取った幻想ほど恐ろしいものはないからな。それにしても珍しいもんだよ。

 

 「どんな願いもか叶えるという言葉に真剣に考える奴は久しぶりだな」

 「ねぇ、今までどんな願いや人がいたの?」

 「今までの契約者か?」

 「そう言えば聞いたことなかったわね」

 「そういうや言ってねぇな、有名ところだと、クレオパトラとか、タルト、じゃねぇな今はジャンヌ・ダルクか、でもってフローレンス・ナイチンゲールだろ日本からだと卑弥呼、知ってるかわからんが巴御前もそうだな」

 「思ったより知っている人が多かった」

 

 まぁ授業で触れるだろうしな。特にタルトは百年戦争で有名だしな。

 

 「で、願いのほうだろ、全員能力を二次効果に使ってたな、今回挙げたのはもともと力を持ってる奴等だしな。

 「ジャンヌの奴は【フランスに光をもたらす力】とかほざきながら、行動力や思考はいじらずにあれだからなぁ、なんなら最期の火刑もこれで役目は終わりだって折り合いつけて逝ったぞ。

 「フローレンスも【人を治し続ける体力】とか言いやがった、伝説にある鋼の精神や統計学の気づきは自前のもんだったな。最も長生きした魔法少女は此奴だ。

 「クレオパトラは【薬学知識】だったか?美貌は自前でそれを続けたいから知識が欲しいって言ってたな、契約時期は最も遅かったが、それまでに毒殺の苦しみを和らげようとしたりな、薬学に対する意欲はもともとあった。

 「卑弥呼はかなり特殊だな【最強の引きこもり部屋】彼奴はこれを願った。正しくは【部屋からでなくとも完結できる】というものだ。結果固有魔法は空間接続になった。男子禁制を貫くためだけに、これを願いやがった。それでも日本の統一をやり遂げたのは彼奴の元の力あってのもんだ」

 「何と言うか、元からすごいからあんま分からないね」

 「そりゃ魔法少女の願いをささえる因果律は影響力を表すからな、願わなくとも影響がある奴は決まってんだよ、」

 「へ〜」

 

 ん?それにしても他人を巻き込んだ願いってのは厄介なもんだな。記憶にない歴史の上書きがあるし、何よりこの世界にいた暁美ほむらはどうなったのかね。そしてソイツはどんな願いをするのかね。

 理様を探しに行きますか、因果律を整理するには必要だ。魔法少女なら腕吹っ飛んでもそこまで被害ないし、何より、彼奴光に向かってんのか?引きずりすぎだろ。




タルト(ジャンヌ・ダルク)を除き願いの内容は捏造です。正しく史実になるべくそうような形を取りました。
日本は弥生時代から引きこもりがいたみたいです
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