「…………」
「どうしたの?幻夢」
「そうなのです、帰ってきてからしかめっ面ばかり」
「いや、ちょいと面倒事がな、まぁお前等には言っておくか、魔法少女狩りが行われた、場所は見滝原と風見野の中間、暁美が見つけてくれた。悪いが、なぎさ、お前の学校に対する迎えが遅くなる」
「それなら大丈夫なのです、魔女化してせいしんも大人になったのです」
「なってねぇよ、少し成長しただけだ、ちなみにお前は11歳五年で通したが、身長はどうしょうもないな。まぁ俺はこの件を追うためにマミが迎えに来れるように手配しておいたから、そっちを頼む」
「分かったわ」
はぁ………面倒事が立て続けに置いてやがる。魔女化を知っての殺害か、はたまた別の目的か……周辺魔法少女候補を追うしかないか……孵卵器の奴が知らないということは、孵卵器の特性も知っているはずだ。見つけたら食べるしかないな。
「いいのか、学校は」
「一日くらいなら問題ないわよ」
マミと違ってこういうグロテスクな奴にも対処できるのは利点か、しかしソウルジェムまで確実に破壊してるからな、回復は不可能、昨日は放置して警察に任せたが、やめときゃよかった。ジャックみたいに目的がわかりゃまだいいんだけどなぁ。
「……心当たりは?」
「ないわ、こんな事初めてよ」
「そうか……刃物で斬殺されたあと、形状からして爪だな、それもかなり大きい……俺の記憶のなかにはその手の魔法少女はいない、特に関係の深い神浜はそれどころじゃないんで除外、そもそも距離が違う。そうなると孵卵器がいる場所は?」
「……向かいのビルで見つけたわ」
「行ってくる」
孵卵器と大元が繋がってない俺は情報アップデートが足に頼る他ない、だから孵卵器を食らうことでその時までの情報を簡単に集められる方法を手にしたが、あくまで孵卵器がいなけりゃ意味がない技だ。
っといたな。
「来ると思っていたよ幻夢、」
「ん?ってことは食べていいのか?」
「もちろんだよ、ジャックの時とは別だ。魔法少女が狙われるのなら対処しないわけには行かない」
「じゃぁ遠慮なく……ん?キリカのやつ契約したのかよ、最悪だ。変に止めてたのが仇になったか?」
「キリカ?」
「ん?ああ、見滝原の三年生、マミと同学年、精神が不安定な陰キャだ。一応御守り持たせて契約するなとはいったが……ありゃ手放したら契約できるという事でもある。マミには、まどかとさやかについてもらったほうがいいかもな」
マミのところで生活し始めて一年くらいか?そん時にあったガキだな。今の自分に嫌気が差してかわりたいとか言ってたから、形からとアドバイスしてたんだが、それすらもだめでな、なんとかならないもんかと考えていたが、まさか契約しちまうとは。
「何かわかったことでもあったかい?」
「いや、直接会わなきゃわかんねぇよ、それに昔いただろ、魔女狩りならぬ魔法少女狩り、
「なんで殺されたの?事実を知っていたの?」
「その当時の人間だって知らないことだろうよ、少なくとも俺が持ちかけた奴等以外はな。それにそんなもんだぜ歴史なんて、また今度まどか達も混ぜて歴史の授業でもするか?」
「学べることがあるのならね、」
「魔法少女にも関係あるからそんときゃ呼ぶよ」
しかし、今の時代にこんな鋭利な武器は存在しない、刀であってもこんな小さな隙間を残して斬ることはできないだろう。爪だと手甲鉤やバグ・ナクがあるがそれじゃこんな深くは斬れんしな、魔力での強化という線もあるが、わざわざ爪を買うようなら足がつくはずだ。つまり魔法少女の武器というわけか。なら、ああ、俺の人間形態の調査か、ってことはだ、まだ孵卵器達にとって被害と言える被害は出ていないと言うわけか。もしくはそれほどまでに被害者の因果律は少ないのか。
「とりあえず帰るぞ、」
「そうね、一応まどかとさやかにも説明しないと」
「……結構気を使えるようになったじゃねぇか、いやそれもすべてまどかの魔法少女化を防ぐためか?」
「……」
「やめとけやめとけ、あの手のガキは考えなしのくせして頭は硬い、お前程度で止められる輩じゃねぇよ」
随分と不機嫌になったなぁ、あ、やべぇ着信履歴が溜まってやがる。なに、一分おきに連絡してんだマミのやつ。
「遅いわよ」
「着信のしすぎだ、心配でも十分おきにしろ」
「それで大丈夫なの?」
「ん?ああ、そろそろテストだろ?そんときにあの二人にも説明する。それと、杏子を連れ戻す、異論は認めん実力本物だ。流石に魔法少女狩りは後手に回れば回るほど危険だ」
最悪の場合魔法少女が世間に伝わるからな、そうしたら俺の力が半減する。幻想であるから魔法少女が成り立つのであって、幻想が現実になればそれは狂気に成る。早めに対処して被害を減らさないとな。
「そう言えば、何を教えてくれるの?」
「その時の単元にもよるが、世界史なら百年戦争がいいな、日本史は15世紀を除けばある程度教えられるぞ」
「そう、なら今年もお願いね」
「全く、学生の本分は学業だろうが」
この話はまどか達の間で盛り上がり、翌日にまどかの家に集まることとなったんだが、まぁこの時は変に気配遮断をしてるわけではないので、感のいいまどかの弟は俺に気づくわけで。
「ゲ〜ンむ」
「イントネーションが変だがまぁいいだろう、それじゃぁ適当に小テスト用意したから解いてみろ」
十五分待ってみたが、結果は平均マミ17/20、ほむら16/20、まどか11/20、さやか9/20、なぎさ12/20……こりゃ契約以前の問題だな、
「とりあえず、マミは英語だな、イタリア語を調べる前に英語を学べ、ほむらは応用に弱いな、それ以外特に暗記科目は問題ない、まどかとさやかは全体的にだめだな。今回英語は捨ててい、中3までに七割取れればな」
「「はい…」」
「まぁ、ダラダラ喋っても意味ないし、とある魔法少女についてでも語るか、今回おきてる魔法少女狩りと関係しているしな」
ジャック・ザ・リッパー
きり裂きジャックとも呼ばれた、1888年にイギリス・ロンドンのホワイトチャペルとその周辺で犯行を繰り返した正体不明の連続殺人犯。
その実は、魔法少女、
標的となったのは、ロンドンのイーストエンドのスラムに住み、客を取っていた娼婦たち。被害者たちは喉を切られた後に、腹部も切られていたことが特徴、正確には子宮だ。
魔法少女が人を襲っていた理由?
そんなもの今のお前らが罰せられるわけじゃねぇよ、彼奴は捨て子であり、一時には幸せな家庭を築いていた。まぁ当時のロンドンはそれ以外でも物騒だったからな。彼奴は〈生きたい〉と願った。ん?それは俺は叶えないって?間接的にそうなるだけだ。あの時代、まっとうな仕事だけじゃ生活できないんだよ、日本みたいに安全だと考えるな。
まぁ正確に言えば〈何があっても生き延びれる力が欲しい〉暗殺特化の力を手に入れた。対面戦闘もできたが、足がつかないようにという意味もあったんでな、暗殺を得意とする魔法少女が生まれたわけだ。
男に襲われれば、返り討ちにして、魔女と出逢えば背中からバッサリと、まぁここまでは普通の魔法少女だ。
問題は、結婚してからだな、彼奴は捨て子で魔法少女になる前はまともな生活をしていなかった。娼婦の子供だったからな。結婚もできて、旦那との関係も良好。だが、子を成せない体だった。恨んだんだよ、娼婦を。子を産めない身体に産んた娼婦を、子供ができても簡単におろす、娼婦を。
娼婦は身寄り子もいるからな、もみ消しやすい、実際にニュースとなって外に出たのは数人程度だが、あの時は娼館が最も大打撃を受けたな。
ソウルジェムも汚れきったころ、ようやく親を殺せたんで、自殺した。自らジャック・ザ・リッパーに殺されたように見せかけてな。
「何もこの世にいる魔法少女がマミのように優しいわけじゃない、というかマミが特殊だ。人によっては、命を懸けることに対して、商売をしてソウルジェムを取り次ぐ奴もいる、
「魔法少女を狩るわけではないが、人を狩っていた。今回も目的があると考えるべきだな。まどかもさやかも、気をつけろよ、魔法少女関わっていることを知られたら殺される可能性があるから」
この後は普通に勉強をさせた。たつやと遊んで、勉強の邪魔にならないようにしていたが、やっぱり面倒くさいんだよなテストって。仕方ない、明日あたり風見のに行くか。