前回までのあらすじ。
無色の派閥をアレして、島の中枢のディエルゴをアレした、家庭教師レックス先生御一行。
島に平和が訪れ、大団円と思いきや、ある日突然先生のパーソナルな記憶がスパンとぶっ飛んだ。
どうなる。

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※頭空っぽにして読んでください。
※キャラ崩壊が著しいです。ご注意ください。


第1話

やあみんな、こんにちは。

俺の名前は……。………………名前、は……?

俺の名前? 俺の名前ってなんだっけ?

俺は……?

 

「いい? 良く聞いてレックス。貴方は私の婚約者よ」

「いきなり素っ頓狂な事吹き込んでんじゃねえよ大馬鹿野郎」

「黙りなさいヤッファ。こんなチャンス二度と無いのかも知れないのよ」

「いや……、チャンスってお前……」

「そうですよ義姉さん! 婚約者は私です!!」

「ファリエル殿、お気を確かに!」

 

俺の名前はレックス…………、というらしい……。

自分の名前なのに“らしい”というのも、俺はいわゆるところの記憶喪失になってしまったからだ。

原因は当然わからないし、喋り方や歩き方なんかの記憶は飛んでない都合の良い記憶喪失なのも意味がわからない。

俺はひとまず、ここの集まりのおえらいさん方に面倒を見てもらうという話になって、俺を今囲んでいるのが。

 

「だから、この期を逃す手はないと言っているでしょう。邪魔しないで頂戴」

 

身体から機械がむき出している美人さんと。

 

「お前自分しか見えてねえのか……。それよりもっと優先するべきことがあるだろ常識的に考えて」

 

それを諌めているシマシマした男性と。

 

「そうですよね。ただでさえアタックチャンスが少ないんですから、こういう時を狙っていかないと」

 

なんか半透明で浮遊している美少女さんと。

 

「おや? もしかして女性陣は全員狂っていらっしゃる?」

 

頭からツノ生えてるニンニンしている男の人。

………………。

仮装行列、かな?

 

★ 番外編 ~記憶喪失のレックス先生~ ★

 KIOKU SOUSHITU NO REX SENSEI

 

「チッ。まぁ、ヤッファの言い分も一理あるわ。ここは一先ず引きましょう」

「お前今舌打ち……、まぁいいや。引いてくれるなら、それで」

「お疲れですね、ヤッファ殿……」

「だからファリエルも今は大人しくしなさい」

「チッ、仕方ないですね。今は先生を優先しましょう」

「嬢ちゃん今舌打ち……」

 

もしかしたら彼ら四人はコント集団なのかもしれない。

さっきから掛け合いが面白くてこっちの言葉を挟むヒマがないもの。

とりあえず一段落ついたようなので、状況説明を求めることにした。

 

「そうね……、まぁ、まずは自己紹介からしましょうか。私は機界集落の護人、アルディラ。こいつらのリーダーよ」

「オイ、いつからお前がリーダーになったよ」

「っさいわね。島が大変だった時にシマシマしてただけの奴は黙ってなさい」

「シマシマは関係ねーだろーがよー! おーっ!?」

「ヤッファさん落ち着いて!!」

 

どうやらシマシマした人はシマシマが逆鱗らしい。触れないようにしよう。

 

「ハーッ、ハーッ……。クソッ、命名に著作権料が支払われるならマルルゥのヤツは今頃大金持ちだぞ。

 ふぅ……。オレはヤッファ。まぁ、アレだ。お前さんが記憶を失う前は、お前さんの相談役みたいなアレをしてた男だ」

「嘘おっしゃい」

「なんで一瞬で嘘だって決めつけんだよ!」

「日頃の行いじゃないですか?」

「嬢ちゃん? オレなんか悪い事したか?」

 

なんとなく会話からカーストというか、女性の方が強いんだろうな、ということが察せられてきた。

何か記憶の奥底で……、学生時代? 似たようなことがあったような……。

ううん、よく思い出せない。

 

「私はファリエル。先生の婚や……」

「ファリエル殿?」

「クソッ、霊界集落のまとめ役です」

「あなた今クソッ、って……。あ、私はキュウマと申します。と、改めて自己紹介するのも何か妙な気分ですね」

 

キュウマ、さん? の言う通り、俺はある程度彼らと親しい仲だったらしく、一から自己紹介するのはおかしな立場のようだ。

それも申し訳ない気分になる。俺が記憶喪失になっていなければ、寂しい思いをさせずに済んだと思うと……。

 

「さて、話を進めるわよ。自分でも分かっているでしょうけど、貴方は今、記憶の大部分が欠損している状態にあるわ」

 

それはわかる。

 

「で、ここにサインをして欲しいのよ」

「婚姻届じゃねえか馬鹿野郎!」

「あぁッ!」

 

婚姻届と思しき用紙はヤッファさんにより無情にもバラバラに引き裂かれた。

 

「で、その原因を探ろうと私たちが集まってまずは話し合いから始めているところなのよ」

「何事もなかったかのように軌道修正しましたね……」

「もう一々ツッコむの辞めませんか? 話が進まないので」

「そういうわけにも行かねえだろうよ……」

 

ボケとかツッコミとか聞いていると、何故だかタコが思い浮かんでくる。

タコ。

何故にタコ……?

わからない……。

 

「私としてはラトリクスで精密に脳のCTスキャンを撮りたいのよね。もしかしたら外傷によるものなのかも知れないし、そうしたら少しの遅れが大事に繋がるわ」

「オレとしちゃそのなんとかカントカって技術はピンとこねえんだが、医療に関しちゃロレイラルが最も発展してるのは認めざるを得ねえからな」

「シルターンやメイトルパの呪い(まじない)、サプレスの霊的干渉による施術も捨てたものではないとは思いますが」

「でも、やっぱり医術に関してはお任せしたほうが良いとみんなで結論づけまして」

 

ううん、専門用語が多くて頭が混乱してくる。

知らないカタカナが多いな。文脈から察するに、多分地名のことなんだろうけど。

脳がどうこう言っている以上、流れに身を任せる方が良いのは確かなんだろうな。

そういうわけで俺は、四人に連れられ、見知らぬ山道を歩いていくのだった。

 

 

林を抜けた先は、コンクリートジャングルだった。

何を言っているか分からないが、俺も何があるのかわからない。

ただ分かるのは、ここで診てもらうという事実だけだろう。

 

「お待ちしておりました、アルディラ様、レックス様。護人の皆様方」

「ご苦労さま、クノン。レックス、この子は……」

「型式番号はAMN-7H。従軍看護用機械人形(フラーゼン)のクノンと申します。

 レックス様の婚約者です」

「お前もかッ!!」

「アルディラ様、レックス様の健康診断にかこつけてあれやこれや好き勝手ムフフな事をしていいと聞いていますが」

「言ってないわよそんな事!? 割と真面目な話だからしっかりしなさい!」

「チッ……。わかりました」

「あなた今舌打ち……」

 

やっぱりコント集団なんじゃないかな。

俺はクノンと名乗った女の子に連れられ、とても清潔な室内に案内された。

 

「まずは衣服を脱いでこちらの患者衣にお着替えください。下着まで脱いで結構です」

「結構です、じゃねえんだよ。真に受けるなよ?」

「なぜヤッファ様がここに?」

「唯一金属品を身に着けてねえからって、オレが付き添いになったんだよ」

「患者以外の方はご退出頂いて構いませんが……」

「構うだろ、今の言動を顧みるに」

「不潔な方はご退出頂いて構いませんが……」

「清潔じゃボケ」

 

着替えた俺は台の上で横になり、何やら機械の中に通される。

しーてぃーすきゃん、とやらをされたらしいけど、よくわからないな……。

多分これは記憶喪失じゃなくてもよくわからないモノだったと思う。なんとなく。

しばらく待ち、別室に通された。

 

「脳のスキャン画像、出ました。これは……」

「……正常ね。拍子抜けするくらいに」

「へえ、ヒトの頭ン中にゃこういうモンが詰まってんのか」

「まじまじ見ると中々に不気味な格好ではありますね」

「でも……、これで異常無いんですよね?」

「ええ。外傷が原因なら多少の内出血でもあるかと思っていたけれど、特に無い。腫瘍の肥大化による圧迫が原因とも考えたけれど、その線も無し。

 つまり、外科的観点から見た記憶喪失の可能性は極めて薄い事になるわ」

「となると……」

「ロレイラルの技術ではお手上げね。悔しいけど、原因究明は()()()()に任せたわ」

 

どうも機械でのアプローチではわからなかったらしい。

一体どうなっているんだろうか、俺の記憶喪失は。

 

 

「おお、良う来た先生や。記憶の欠落と聞いて心配しておったが、わらわの事も忘れてしまったのか?」

 

キュウマさんのように頭にツノの生えた、美人な方にお出迎えされる。

なんとなくだが、記憶にないのに、この人は様付けで呼んだほうが良い気がしてくる。なんとなく。

 

「そうか、わらわの事も覚えていないか……」

「ミスミ様……」

「先生とは将来を誓いあった仲だと言うに」

「ミスミ様ァ!?」

「もうどいつもこいつも狙ってくるじゃねえか!」

「だから言ったじゃないですか、チャンスだって」

「怖えよお前ら!」

 

どうでもいいけど、よく話が脱線する人達だなぁ。

 

「話を戻すけど、ロレイラルの技術で観測した医術的観点からは、異常は見受けられなかったのよね」

「それで?」

「こう言っちゃなんだが、レックスは無色から恨みを買われている立場でもある。召喚呪詛の類いでもかかっちゃいねえもんかと思ってさ」

「ミスミ様のご助力を、と思った次第です」

「ふむ、それでわらわの出番ということか。よかろう。……しかし、先生に悪い()は特に見受けられなんだがなぁ……?」

「そうなんですか?」

「うむ。まぁ、巧みに隠されているという線もあろう。やるだけやってみるとしよう」

 

そういうとミスミ様、と呼ばれた女性はいそいそと何やら豪華な道具を用意してきて、俺の前で舞い始めた。

 

「動くでないぞ」

 

真剣な声に俺も思わず背筋が伸びてしまう。

セイザ、というのだったか。膝がどうも痛いけれど我慢するしかない。

 

「怨霊調伏、呪魂必滅、敵者排斥、盛者必衰──……。払い給え、清め給え……」

 

皆が真面目な顔で一点に俺とミスミ様を見つめてきている。

それなのにとても申し訳ないが、何かが効いている気は、特にしない。

やがて鈴の音が響き終わり、ミスミ様の舞も終りを迎えるも、やはりなにかが変わった気はしなかった。

 

「うーむ……。一通り祓いの儀式は行ってみたがのう、やはり憑依しているようなモノは、特に憑いていなかったようじゃ」

「そうか……」

不滅の炎(フォイアルディア)の時の様に、召喚獣で害されているのかとも思ったのだけれど、筋違いだったようね」

「力になれなくてすまなんだのう……」

「ミスミ様が謝ることじゃありませんよ!」

「そうです、それに、一つ一つ原因を潰して行けているのですから、ミスミ様の行われた儀式は意義があるものでしたとも」

「ははは、あいも変わらずキュウマはおだてが上手い」

「煽てている訳では……」

 

そうして俺は、笑顔で“記憶が戻らなかったらわらわの庵にでも来い”と言ってくれたミスミ様のもとを後にした。

 

 

「おう、まぁ適当に座れや」

「座る場所がないッつってんのよ」

「男やもめとはいえ、これはひどい」

「一度大掃除したほうがいいんじゃないですか?」

「なんで総スカン?」

 

次に俺は、ヤッファさんの自宅に招かれた。

アルディラさんの言う通りものすごいごちゃごちゃしている。

特に椅子もないので本当にどこに座ればいいかわからない。

 

「あぁもう、うざったいわね。ナックルボルト喚ぼうかしら」

「やめろやめろ! 人ん家で破壊行為するな! オラッこれでいいだろ!」

「雑ですね……」

 

纏めて物を壁際に押し寄せてくれたおかげで、なんとか四人分座れるスペースが確保できた。

それでいいんだろうか。

 

「はぁ、ったく。これから一仕事するっつうのに、余計なツッコミさすなよな」

「今回ばかりはヤッファ殿が悪いのでは……」

「聞こえねェ」

 

ヤッファさんはなにやら小さい壺のようなものとか、葉っぱのようなものを火にかけていく。

辺りに香ばしいような、苦々しいような、形容しがたい匂いが広がる……。

 

「オレが今からするのはメイトルパ式の呪い(まじない)だ。この島は四界の環境がこれでもかって混ざり合ってるからな。どこかしら特有の病原菌やらが紛れ込んでても不思議じゃねえ」

「脳に異常はなかったわよ」

「ロレイラル以外にゃ、それだけじゃ計れねえ現象もあるってことさ。ま、とりあえずやるだけやるぜ」

 

煙を扇で吹きかけられたり、何かを砕いた粉を頭からかけられたり、何かを煎じた薬を飲まされたりと、色々やられたけど、やっぱり俺は何かが変わった様子は感じられない。

本当に俺の記憶喪失の原因はなんなんだろうか?

 

「フバースの香炉も、メトラルの粉薬も、セルファン秘伝の飲み薬まで聞かねえか。こんだけやりゃあメイトルパの症状は殆ど治るハズなんだがなぁ……」

「つまり、メイトルパ由来のものでもない、という事ですよね?」

「あぁ。これで四界のうち三つが潰れた……」

「ロレイラルの機械でも、シルターンの儀式でも、メイトルパの呪い(まじない)でも効果がなかった。すると……」

「貴女ね」

 

皆の視線がファリエルさんに集中する。

 

「……出来るだけのことはします」

 

か弱いけれど、どこか頼もしいその言葉は、芯の通った力強いものに聞こえた、気がした。

 

 

魂に干渉する行為はサプレス以外の者がいるといけない、という理由で、俺は神秘的な泉の中心に、ファリエルさんと二人でいた。

 

「……ふう、二人きりですね、先生」

 

たしかにそうだが、何故両手を硬く握られているのだろうか。

何故顔が近いのだろうか。

 

「結婚してください」

「何を言っておりますかファリエル様」

 

訂正、一人増えた。

 

「チッ、フレイズか……」

「ファリエル様、いま舌打ち……。い、いえ、それはまぁいいとして、良くないですが、いいとして。記憶喪失の者に一方的に婚姻を迫ってそれで満足ですかファリエル様」

「既成事実さえ出来りゃあそれで後はなんとかなるんですよ」

「お強くなられましたねえ!?」

 

どうでもいいけど本当にやたら女性陣からそういう話を迫られる俺は、記憶が無くなる前は何をしていたんだろうか?

とても怖くなってきた。

 

「オホン、気を取り直しまして」

「本当しっかりしてくださいよ……?」

「サプレスの悪魔の気配は感じられませんが、もし先生の魂が何者かの干渉を受けているとしたら、ある程度は魂の色で判別できるはず」

「この狭間の領域はマナに満ちています。たとえ相手がサプレスの住民でなくとも、我々高位の天使ならば魂の色の判別も可能……」

「というわけで、頼んだわね、フレイズ」

「お任せを」

 

フレイズさん、と呼ばれた背中から白い翼が生えている人にじっと見つめられる。

どこか睨みつけられている気がするのは気のせいだろうか? いや多分気のせいじゃない。

 

「ファリエル様にそこまで想われているのにこの朴念仁は……」

「フレイズ?」

「ハッ! 失礼しました、つい。真面目にやります」

 

やはり睨みつけられていたらしい。

怖いなぁ。

 

「…………むうう、どこから見ても、相変わらず脳天気なほどに純白な魂ですねえ。根っこの部分にほの黒さがあるのも以前と変わらず……。特にこれと言って異常は見受けられません」

「そう……」

「では……」

「ええ……」

 

今一瞬、ファリエルさんが“この手はなるべくつかいたくなかったけど”って言ったような。

 

「すいません先生! えいっ!」

 

え。

 

はっ。

何が起きたのだろう、意識が飛んでいた。

 

「どうでした?」

「直接魂を掴んでみたけど、やっぱり何もくっついてなかったわ」

「そうですか……」

 

魂を…………?

何かとても恐ろしい事を言ってるんじゃないだろうか?

 

「気にしないでください、先生」

「そうですよ」

 

…………気にしないことにした。

その後俺は二人に促され、最初に気がついた集合場所のようなところに戻ることになった。

 

 

「結局、リィンバウムを取り巻く四界どこの技術でもダメか」

「無念です……」

 

俺のことで顔を曇らせる姿を見るのは、とても心苦しいものがあるが、俺自身にはどうしようもないのが恨めしい。

 

「まあ、この人のことだし、心因性の何かショックでも受けたのか知れないわ。今後カウンセリングを続けることで回復の兆候が出るかも……」

「義姉さん、カウンセラーはぜひ私が」

「何言ってんのよ私よ」

「ズルいですよ! 特権濫用反対!」

「どうせクノン殿に立場を盗られるのでは?」

「…………」

「…………」

「黙るなよ、なんかこっちが悲しくなるだろ」

 

そんな俺にとって救いなのは、変わらず四人ともコントはしてくれることだった。

 

「まあ、なんだ。あんまり気を落とすんじゃねえぞ。何かあったら……、ってもう何かあった後なんだが、オレらが付いてるからよ」

「そうですとも。ヤッファ殿の言うとおりです」

「ええ、私達は先生の味方です。記憶があろうとなかろうと」

「そうね、記憶の有無でどうかなるほど、安い縁じゃないわ」

 

…………。

そうか、俺は記憶を失う前は何者なのかばかり考えていたけど、今こうして俺を心から心配してくれる人がいることを失念していた。

申し訳ない。

そして、ありがとう。そんな気分でいっぱいだった。

 

「で、今日はラトリクスの宿舎に泊まるとして」

「はぁ? 狭間の領域で魂を安らげてもらう方が先決ですが?」

「また始まったよ……」

「あの……、ミスミ様のお誘いの方は……」

「お前も参戦すんのォ!?」

 

だけど、本当に申し訳ないけど、そこは辞退させてもらった。

俺が帰る場所だけは、なんとなく覚えていたので。

俺は。

 

ベルフラウのもとにかえらなければ。

 

 

「フフフフフフ……。アハハハハハハ!! ハーッハッハッハッハッハ!!! ついに成功したわ! 私の私による私のための私だけの先生計画が!!!!」

 

ああベルフラウ。

なにも無くなった俺にただひとつ残った大事なもの。

おれのせいと。

 

「クーックックックック! 魔剣から島の核式を通してもう一振りの魔剣に干渉出来ると知ったときから綿密に計画を立てていたのが実を結んだって訳!

 先生の個人的な記憶だけを抹消して、辛いことは忘れて私に夢中になってもらう作戦、その名もゼロから始める先生教育計画が!

 今日から先生は私の生徒よ!」

 

おれのせいとは……おれのせんせい……?

 

「そうよ! 何も知らない純粋無垢な先生にあれやこれやを手取り足取り教え込んでいく……、新雪に始めて足を踏み入れるような快感! ヤベッ鼻血出そッ。

 ハァー、ハァー、落ち着くのよベルフラウ。ここで焦っては台無しだわ。まずは最初の一歩から。いい先生? 私のことはベルと呼びなさい。リピートアフターミー」

 

ベル。

 

「オーケー」

 

ベルがしあわせなら、おれもしあわせ。

おれおぼえた。

 

「この調子で何もかも私の都合よく教え込んでいけばいいわ……。そうすれば最後の勝利するのはこの私! 勝てば良かろうなのだァー!! アーッハッハッハッハッハ!!!!」

 

………………

 

「……以上が盗聴器から聞こえてきた音声よ」

「まさかあの子がそんな狼藉を働いておったとはのう……」

「許せませんねベルフラウ様」

「よし!」チャキ

「行くのファリエル?」

「……死ぬでないぞ」

「ディエルゴなど何匹倒したか知れないよ」

 

★ 番外編 ~記憶喪失のレックス先生~ ★

 KIOKU SOUSHITU NO REX SENSEI      オワリ




※作者は四人の生徒の中ではベルフラウが一番好きです。

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