ハリー・ポッター 「オーグリーの旗を掲げよ」RTA 1938年シナリオ トム・リドル攻略チャート 作:魔法省真理部記録局
三年生のトムはやることがいっぱいです。既に基本的な教科書には目を通し終わっていて、今すぐにでもO.W.L.の合格点を取るだけなら十分なのですが、全十二科目で合格となると相当難しくなります。今のタイミングではスケジュールが調整できるので
ヴェルダンディで全教科合格は無理ですが、今の時点でもそれなりに勉強ができています。基本的にこの世代は優秀な教授陣が揃っていますし、必要であれば外部の専門家に頼ることもできますからね。とはいえ凡人のヴェルダンディさんには学年のレベルをしっかり押さえるだけでも一苦労です。それに教授たちがノリで難易度上げてきます。多分トムってやつが雑に全体のレベル上げてるからだな。
それとは別にトムは留学のためのポルトガル語の勉強とかホグワーツの遺産と謎に挑むクエストとか色々と頑張っています。このぐらいの無茶な詰め込みで、かつ四年生をブラジルで過ごさせることになっても、たぶん秘密の部屋は開きますし分霊箱の知識にたどり着けます。運命の強制力っていうのはこうやって詰め込んでキャラ強化水準保証に使うんですよ。
背中に色とりどりの宝石が生えたファイア・クラブをどうにか生徒たちが捕まえたところで、夕刻の魔法生物飼育学の授業は終わった。
「さあさあ、片付けだ。日が沈んだらこいつらを見つけるには苦労するぞ!」
そう言った義足の教授はシルヴァヌス・ケトルバーン。かつては世界を飛び回って問題を起こしていた魔法動物学者であったが、足を失ってホグワーツに赴任してからも学校の中で多くの問題を起こしていた。
「教授、すこし授業でわからないことがあるのですが」
ヴェルダンディはファイア・クラブを檻に戻してから、教授に声をかけた。
「質問か! うーん、しかし今日はちょっと学生の冒険に付き合う用事が……よし! 君も行こう」
「はい」
ケトルバーンに巻き込まれた可哀想な女子学生を憐れむ周囲の視線を無視して、彼女は頷いた。
「それにしても君たちの世代は本当によくやっている。特にトム・リドルくんは実にいい」
ケトルバーン教授は杖を振り、檻を荷車に乗せて言った。
「彼が、ですか?」
「そうだ。しかしいいね、
癖のある話し方をして、ケトルバーンは笑った。
「おや、トムはあまりそういう話をしたがらないと思っていたのですが」
「いやなに、以前蛇関連の話を聞かれてね。ナギニ嬢絡みだろう? 彼もなんとも献身的なことだ」
「お知り合いですか?」
「彼女はニュートくんの知り合いで、儂とニュートくんは仲間だ。となればまあ、知り合いだな!」
魔法動物学者としてのケトルバーン教授は、ニュート・スキャマンダーのような生態学の方向とは異なり、より人間との関係に重点を置いた研究を行っていた人物であった。魔法動物を資源としてのみみなすというわけではなかったものの、命を奪うことにはスキャマンダーほどの忌避感はなかった。
なにせ、彼は様々な魔法動物と戦ってきた。ヌンドゥ制圧に助力した数多の魔法遣いの一人であり、キメラと戦って己の強さを認めさせたほどの実力の持ち主であった。その過程でしばしば大問題と肉体の損傷が生まれていたが、それは彼にとっては些細なことだった。
しかし同時に、彼は多くの分野に精通していた。傷ついた魔法動物が自然界でどのように己の身を癒すかということは、彼らから手に入れることのできる魔法薬の材料の理解に繋がる。彼でも、そしてスキャマンダーであってもナギニの抱える呪いを解く事はできていなかったが、それでも感情の昂りを避ければ、少しでも変化を遅らせることができるということには同意していた。
「……ケトルバーン教授から見て、トムはどうですか?」
「うーむ、彼ならバジリスクを従えられるかもしれない」
「バジリスク?」
「おっと、まだ君たちの授業ではやっていなかったな!」
「本で読んだことはあります。その目を見たものは石となる大蛇だ、と」
「うむ。及第点だ」
「これだけでですか?」
「そうだ。誰がそれを生み出したのかであるとか、どのようにすれば操れるのかどうかというより先に、まずは致死的な危険を避けねばならない。その牙にある強力な毒についても注意するべきだが、そもそもバジリスクに噛まれれば毒より先に死にかねんからな!」
二人はそういった会話をしながら、森番の小屋に辿り着いた。
「オッグくん! 例の子は来ているかね?」
「来てますぜ、教授」
そう言った森番の隣には、大柄という言葉でも足りないほど大きい、しかしあどけない顔つきをした学生が立っていた。
「ああ、ヴェルダンディくんははじめましてかな? 彼はルビウスくんだ。今夜は彼と禁じられた森に入る」
楽しそうにケトルバーン教授は言う。一年生のルビウス・ハグリッドは既に何度か禁じられた森に入っており、そこにいる魔法動物たちとかかわりを持っていた。校長はその罰を森番のオッグに任せたのだが、そこにケトルバーン教授が入ったことで事態はさらに厄介になったのである。
「……私は危ないので質問の答えが出たら、早めに帰らせてもらいますね」
「そうか? いやまあ、忙しいなら仕方がないのだが。最近ニュートくんの手助けで各地の環境を再現して、欧州各地から避難させてきた魔法動物をこの森の奥の方で飼っているからその面倒を見るのに人手が欲しかったのだが……」
そう言って肩を落としたケトルバーン教授は、ちらりと悲しそうな目でヴェルダンディを見た。
「……今の私達の学年は、錬金術の授業を開講できるほどの人が集まりそうなんですよ」
「ふむ、あれは動物学や植物学というよりも鉱物学の領分に近い。しかし今日やったファイア・クラブが作る宝石のように魔法の関わる生き物はその境界をやすやすと超えてくる」
「そういった学生たちに世界各地の魔法動物に触れる機会を提供する、というのはとても有意義ではありませんか? 環境再現のための魔法についても、実際にどのように学校で学ばれている呪文や魔法が使われているかを知ることができる場面でもあります」
「なるほどヴェルダンディくん。つまり君は友達と一緒に積極的に参加してくれるのだね!」
「……はい」
ヴェルダンディは柔らかく、ケトルバーン教授に微笑んだ。逃げ切れない相手からは、無理に逃げないことも賢さであった。
タイム的には微妙なんだが経験値的には美味しいのでこう、来て欲しいかと言われると微妙だけどなかったらなかったでちょっと退屈なイベントですね。この頃にはまだ目と片脚の半分と片腕を失っていないシルヴァヌス・ケトルバーン教授です。
今回の乱数はうまく引けたので、ケトルバーン教授とハグリッドくんが結構早期に知り合ってますね。あと基本的にこの教授に絡みに行くと逃げられないので注意しましょう。アーマンド・ディペット校長からの好感度は下がるのですが仕方がない。当時のホグワーツで指折りのトラブルメーカーですからね。なんで彼と同じレベルが何人もいるんだよ。ルートによってはトム・リドルもこの中に入ります。今ではそこまで危険度は高くないけど史実よりはやんちゃして知り合いもいる感じかな。
ここで真面目に勉強しておくとかなり伸びがよくなります。騎乗とかのスキルを伸ばすのならケトルバーン教授に時間を割くのもありですね。交流は簡単にできますし、好感度も稼ぎやすいキャラクターです。
ただし肉体系か防御系のツリーを伸ばしておかないと結構死にかけます。でも安定してウィゲンウェルド薬を手に入れようとなるとサラマンダーを大量に飼育するか大きく成長させる必要があって、でも大きくなったサラマンダーは凶暴化するので結局は魔法動物学系の知識伸ばす必要があって、結局ケトルバーン教授に頼る必要があります。一般的な解決策は祈ることですね。
ちなみに今の時期にあまり動くことはおすすめできません。なぜかというとイギリスが酷い状態にあるからです。二年生と三年生の間の夏休み以降は航空戦であるバトル・オブ・ブリテンやら
レナード・スペンサー゠ムーンがウィンストン・チャーチルと手を組んで、魔法界の戦争を魔法界に閉じ込めるためという名目で現代技術とかの導入を試みたのもこの時期です。三年生の頭の時に積み上げられた木箱を見つけることができるのですが、そちらに触れたりするとバグショット教授率いるチャーチル魔法軍による「レーダー」研究のイベントが見れます。ここで色々とやった結果、ホグワーツのような魔法に満ちた場所では電気回路などが適切に機能しないことが明らかになったのは魔法技術史においては有名なエピソードですね。
あとは色々と動きたいことはあるのですが、トムがかなり友人付き合いを通して既にネットワークを作っているっぽいんですよね。ダンブルドア教授のGG値は複数の教員による監視のレベルで、史実ほどトムは悪さしていないのですがだからこそ「成績の良いスリザリンの俺達をグリフィンドール寮監のダンブルドア教授はよく思っていないらしい」という噂を通してスリザリンを中心とした派閥ができているようです。後の
トムが留学してからはヴェルダンディへの監視の主体はこの人脈になると思うのですが、それでも直接頭と連絡取れないならばいくらでもやりようがあります。特にこの案件はある程度の期間が必要なので夏休みにやりたいですし、五年生が終わった後の夏休みでは遅すぎるので、唯一のタイミングである四年生が終わった後のタイミングで動けるように準備をしておきましょう。それはそれとして楽しいホグズミードの時間です。
ホッグズ・ヘッドのカウンター席に座った少女は、小汚いグラスにわずかに入って煙を出す、燃えるような液体を揺らしていた。杖明かりなしでは帰りの道がわからなくなりそうなほどに、もう外は暗くなっていた。
「君は、彼のなんなんだね」
店主のアバーフォースは正面の少女、ヴェルダンディに言った。
「友人、ですよ」
そう言ってヴェルダンディはグラスから舐めるようにして少しだけ液体を口の中に入れた。燃えるような感覚が舌から胃へ、そして全身へと流れた。
「出した俺が言えることじゃないが、あまり飲みすぎるなよ。酔っているところが教授に見られたら面倒だろう」
「だからあくまで薬として、ですよ。こんな寒い外を帰るんですもの」
そう言って空になったグラスをカウンターに叩きつけるようにして、ヴェルダンディは銀貨を何枚か置いた。
「さて、その彼を迎えに行きますわよ」
ヴェルダンディはアバーフォースの横を通り、外からでは見えにくい地下室の入口をくぐる。本来は酒の熟成などに使われていた場所は、今は上の店よりも小綺麗に掃除され、入口に繋がる急な階段のところから片付けられていた。
「トム、時間ですよ」
扉を開けて、ヴェルダンディが言う。とぐろを巻いた蛇に絡みつかれるように、あるいは添い寝するようにして目を閉じていたトムは、それを聞いて慌てて立ち上がった。少し遅れて、蛇も部屋の隅まで移動した。
「……もうこんな時間、か」
胸元から取り出した銀の懐中時計を見てトムは呟く。
「門限を破る学生がいたら全員ホグズミードを禁止にする、とプリングルさんが言っていたでしょう?」
「あんなのはただの脅しだろ、相手を従わせるための陳腐な言葉だ」
トムはホグワーツの大人というものの多くがつまらない者たちである、と考えるようになっていた。それはヴェルダンディから言わせれば相手を表面的にしか見ていないということでもあったが、トムはその解釈を否定したがっていた。
「……一緒ニ行ッテハ クレナイカ」
トムがヴェルダンディの理解できない声で言う。
「手紙ハ 読メルト思ウカラ チャント 書イテ 彼女ニ 送ッテ」
蛇の姿のナギニは、ヴェルダンディのほうに視線を向け、舌をちろりと伸ばしながら言った。
「直接 送ル」
そう言ったトムはヴェルダンディに背中を押され、少しだけ名残惜しそうに地下室を出た。
ではそろそろトムの留学になります。その間にやれることを進めておきましょう。