Stellarisでは銀河帝国の設立はプレイヤーの目標になりがちですが、世界によってはプレイヤーが去った後にこういうこともありそうですよね。

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第1話

西暦2500年(人類起源独立国歴400年)、銀河共同体は突如可決した銀河皇帝推戴決議により、初代銀河皇帝として当時人類起源独立国を率いていた国家大元帥バッキンガム・ビュークレアを選出した。しかし銀河帝国の成立は誰にとっても予想外、驚くべきことに、その中心となった人類起源独立国自身さえもまったく予想していなかった。

「誰も相手にしないかと思っていたんだけどなぁ〜」

初代銀河皇帝バッキンガム・ビュークレアは帝国首都となるはずの大規模投資と大規模移民で様変わりしていく故郷であるデネブ星系の司令惑星ユニティを眺めながら溜息をつく。ユニティは銀河中から殺到する資金と移住者によって、目まぐるしい変貌を遂げつつあった。バッキンガムは人類起源独立国の建国者であるシドニー・ビュークレア女史の直系であることから人類起源独立国でも極めて優秀な英才教育を受けてきた文武両道の快青年であったが、わずか26歳で国家大元帥に昇進した彼は初の閣議でその後の運命を決定づけてしまった。銀河各国の窮状とそれを救い得る唯一の国が自国であるという報告を受けて自ら銀河諸国を救済すると吠えてしまったのだ。孫を見るように彼を育て上げた年配閣僚たちはそれを実現するために密かに銀河各国への根回し工作を開始したし、銀河共同体もまた、大国の国際地球連合とブローグ共同国を含む多数派を動かすことで、バッキンガムを象徴的な銀河指導者とする帝制を実現させてしまったのだ。ほとんどの国は銀河諸国最大の盟主として見られていた人類起源独立国の躍進を協力すれば自国にも利益を生み出すものだと判断して簡単に同意した。結果としてバッキンガムは華々しい活躍ではなく手続きによって銀河皇帝の地位を与えられる形になったのだ。

「陛下、しかし我々はあなたの主張に深く共鳴したゆえに賛同しました。いまさら反故にはできませんぞ」

バッキンガムの言葉に含まれる後悔を咎めたのは元老院でも銀河帝国成立に圧倒的支持を与えた地球連合の外交官である。

「そうとも。我々もあなたが信頼に足る友だからこそ頷いたのだ。バッキンガム殿ほどの信用できる人物が指導者となることを強く期待している」

同意するのはブローグ共同国の大使。バッキンガムはふたりに向かって猛然と反論しかけた。

「いや待ってくれ!帝国の成立がなんだと言うんだ!帝国ができたところで状況は大して代わらない!ただ決定した政策を銀河全域で同時に試して改良させられるようになって、問題点を各地の知恵を借りて速攻で見つけたり、銀河中の報告から得た情報を分析して膨大な情報から危険信号をいち早く感知したりできるようになるくらいで……」

言ううちにバッキンガムの言葉は自信を失っていく。すべて銀河諸国にとってはメリットで、銀河全体にとっての利点だ。ただ、その処理作業の大半を担う自分が一番苦労するだけの話だけだと気づいたからだ。

「それは誠に素晴らしきことですな」

「ならば陛下、どこに不満をお持ちか私どもには理解できませぬ」

地球連合とブローグ共同国、両者から突き放され、バッキンガムはがっくりと肩を落とす。

「トホホ〜!もう統一支配なんかこりごりだよ〜!」とは統一後、しばしば彼の口から漏れた愚痴であった。




独自設定・独自解釈部分
・人類起源独立国
本作で銀河帝国に移行した国。Stellaris原作でも初期で設定されている国家の1つとして登場。
・バッキンガム・ビュークレア
オリジナルキャラ。シドニー・ビュークレアがStellaris原作での人類起源独立国の元首なのでシドニースケールアップさせつつ帝国の中枢っぽく命名しました。
・国際地球連合
人類起源独立国と対になるStellaris原作に設定されている国家の一つ。本作では人類起源独立国の銀河皇帝就任に賛成しました。
・ブローグ
Stellaris原作にも初期から登場する狂気的なほどの友愛主義の国。本作では雰囲気を合わせるためにコモナリティの呼称を共同国として独自解釈しました。

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