余は貧者の薔薇(ミニチュアローズ)で死にたくない   作:四角いトマト

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童貞メルエムのサバイヴ奮闘物語です。

AI利用での執筆です。
皆様のイメージと著しく乖離することがあります。
何卒ご容赦ください。

HUNTER×HUNTER早く連載再開してくれ〜。
冨樫先生、頼む。


第2話 指せない一手

「総帥様……いかがされましたか?」

 

鼻水を垂らしながら不思議そうに軍儀盤の対面に座る盲目の少女は俺を見つめていた。

 

軍儀の天才プレイヤー……コムギ。

原作でメルエムが何度対局を重ねても勝利することが出来なかった原作キャラである。

 

手入れという言葉を知らないであろうボサボサに逆立った白髪は、お世辞にも「美しい銀髪」などと形容できる代物ではなく、ただ野放図に伸び、少女の幼い顔を包み込んでいた。

 

「余の番であったな……」

 

対局途中で軍儀の指す手が止まった俺を不思議に思ったのか、コムギは僅かに首を傾げていた。

 

「はい!総帥様の番でございます」

 

(「総帥様の番です!」じゃねーんだよ、馬鹿タレ!軍儀のルールなんて分かるわけないだろ。俺ついさっき、この世界に転生したばかりなんだから。ていうか、ルールを理解したとしてもコムギと渡り合えるだけの頭脳なんて俺にはないよ。今の俺はユピー相手にオセロをしてギリギリ勝つくらいの脳みそなんだから)

 

あと数日でネテロのジジイにミニチュアロゼられて死ぬ運命にある男には、軍儀に割く精神的余裕など皆無だった。

 

(どうする?マジのガチでどうする?あと数日で死んじゃうよ、余。ネテロ達が現れる前にどこか遠くへ逃げるか?)

 

ふと、視界の端で椅子に腰を落ち着けている配下のシャウアプフを見る。

 

プフは俺の視線に気づいたのか、椅子から立ち上がり身体をこちらに向けて、溢れんばかりの羨望の眼差しで俺を見た。

 

「王よ……心得ております」

 

何かを察したプフは俺のそばまで近づくとその場で膝を折りひれ伏した。

 

(もしかして……察したのか、俺のこの危機的状況を!)

 

原作でのプフの念能力は【鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)】、鱗粉でオーラの流れを鮮明にすることで相手の精神状態を知ることができる。

 

(プフお前って奴は……さすが王直属護衛軍だせ!!原作読んでる時に、鱗粉撒くとかキモいって言ってごめん。撤回する。お前はキメラアントNo.1軍師だ)

 

プフからの助言をいまか今かと待ち望む俺の顔に笑みが溢れる。

 

「流石だ……プフ! 余の内心をここまで正確に読み取るとはな」

 

王としての風格を保ちながら、俺は心の中で快哉を叫んだ。

 

(そうだ、俺が「死の恐怖」でガタガタ震えているこの精神状態を、プフの【鱗粉乃愛泉】が感知しないはずがない。さあ、言え! 今すぐネテロ達から身を守るための念能力とか、宮殿の地下に核シェルターを作るとか、そういう実益を兼ねたアドバイスをくれ!)

 

プフは、感極まったようにヴァイオリンを構えると、一気に弦を掻き鳴らした。

 

「王よ……その『震え』! その『焦燥』! そして、その『絶望』に満ちた眼差し! 私は……私は今、猛烈に感動しております!!」

 

(……ん? 感動?)

 

「王は今、軍儀という盤上遊戯の奥深さに触れ、己の限界に絶望しておられる! つまり、この少女を『完全なる力』で屈服させられないことに、かつてないほどの『屈辱』と『高揚』を感じておられるのですね!? おお、なんという向上心! なんという求道精神!!」

 

(違う。全っっ然違う。一文字も合ってない)

 

「察するに王は、軍儀という狭い盤面を飛び出し、世界そのものを盤面(ボード)に見立てた『究極の詰め』を考えておられるのでしょう! 先ほどから遠くを見つめておられたのは、ここ東ゴルトーのみならず、世界そのものをも軍儀の駒としてどう動かすか、その超次元の戦略を練っておられた証……!!」

 

プフの背後で、オーラが蝶の羽のように禍々しく広がる。彼は恍惚とした表情で、俺に向かって力説を始めた。

 

「王よ! ご安心ください! このシャウアプフ、王が軍儀(世界征服)に集中できるよう、邪魔な雑兵――ネズミどもは、私が完璧に『選別』して差し上げます! ハンターという名の『歩(ふ)』がのこのことやって参りましても、王の御手を煩わせるまでもなく、絶望の淵に沈めてやりましょうぞ!!」

 

俺が信頼できると思っていたキメラアントNo.1の軍師は、ヴァイオリンをキコキコ弾いて100%の妄信で王を信奉する変態だった。

 

(何も理解してねぇ。このスタイリッシュ蛾はよぉぉお!!ヴァイオリンをキコキコするんじゃねぇよ。キコキコしなきゃ会話できないのか貴様。殺虫剤ぶっかけて殺すぞ、蛾め。まぁ、殺虫剤(貧者の薔薇)で俺も死ぬんですけどねガハハハ!……助けて神様)

 

東ゴルドーの宮殿でウィットに富んだブラックジョークを炸裂させる。ここがパーティー会場なら間違いなくウケただろう。

 

「さ、さ、さすがだ、プフ。褒めて遣わす(震え声)」

 

臣下のアホさと死の恐怖に眩暈がしながらも、王としての矜持がなんとか捻り出した必死の強がり。

メルエム語録(勝手に今作った)にも収録されている、汎用性の高いワード「褒めて遣わす」の発動だった。

 

「ああぁ!なんともったいなきお言葉!(昇天)」

 

目の前で変態が昇天した。そのまま死ねばいいのに。

 

「総帥様はすげえです、世界を軍儀と見立てて先を見据えるだなんて。ワダすには目の前の1局しか…考えられないと思いますて」

 

何も知らない盲目の少女から賞賛と尊敬をいただいた。

ひとつも俺の想定通りに事が運んでいないためか、コムギの言葉がトドメとなり少し泣きそうになった。

 

ふぅーと肺の中の空気を吐き出す。視界に入るスタイリッシュ蛾とコムギを無視して思考を切り替える。

 

(ネテロとの戦いを避けなくてはならない。貧者の薔薇を食らったら間違いなく死ぬ。そのためには……俺の念能力で死を回避できる【発】を開発するしかない!)

 

「軍儀の対局はやめだ。プフ、王直属護衛軍全員をここへ呼べ」

 

メルエムに転生した男はそう臣下に命じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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