代わりはいくらでもいる学生バイトの晩酌話

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チナスキーに抱かれたくて

『チナスキーに抱かれたくて』

 

今日も私はエリマネ媚びの禿爺とアル中どもの介護を終えて、コンビニで一番安いロング缶2本とショート缶1本を買って、昨日の残りの失敗したカルボナーラをレンチンし、くそ不味いフレンチフライパスタを水で押し込み。咳き込む。デスクトップパソコンの電源を入れ、中華製のゲーミングチェアに腰掛ける。いつものようにバキッという怪しい悲鳴が上がるが構わず深く腰掛ける。さすが中国産だ。

 

ロング缶の開ける。プシューという微炭酸の心地いいドラム音が部屋に響くと俺の頭のスイッチも切り替わる。一口、唇を濡らすようにチロチロと啜る。くうー。これだ。これ。私の強張った身体は一気にクッションへと身を沈め、そして、私はズボンを脱ぎ、チンポを弄くる。

 

いつもの調子で、リンク付けされたストリップクラブへとマウスを動かす。クラブの中は様々なアジア人たちが臀部や胸部を強調しながらも、それを手のひらで隠す様が、15禁的な魔的なエロスと共にその焦れったさが俺を逆撫でさせ、苛立ちを生じさせる。心の中では「このクソビッチが早く理性という羞恥をぶち壊し本能のままに腰を打ち付けろ」と毒を吐く。が、またそれも私の嗜虐心をそそる良い素材となったのも事実だった。ゆえにこの淡白な体躯に込められた露骨な欲求を注ぐスレンダーな貧乳のチョーカーに黒い勝負服の女の配信へと赴く。

 

配信は女性が恥ずかしそうに顔を両手で覆い隠し、本来なら最も秘匿すべき秘所を体制により見せないというものだった。女が何かを話すたびにチャット欄の同志たちが気持ちの悪いコメントを打つのだ。可愛いなど。エロいなど。はてには早く脱げなどである。なんと醜いのだろうか。その一言一言に金が乗っているという理解もさらに俺を不愉快にする。果ては外人どもがラテン文字の長文で下品なスラングを伏せ字もなしに描くさまは、その外人の脆弱性や変態性が垣間見える。白人のくせにアジア的な平たく質素な肉体に興奮する異常者め。とクツクツと笑いながらまた、酒を胃に注ぐ。

 

女の声が気になり音声をオンに切り替える。すると、掠れた少し野太い声が俺の耳に入った。ああ、そいういうことか。こいつは女であって女ではなかったようだ。俗に言う男の娘というやつだ。過去チャットを見返してみれば「しゃぶりたい」など「ツッコミたい」なんてホモ野郎ばかりだった。俺は奴の股間の膨らみに気がつくとそっと配信から退出した。

 

俺のマラは酒が注がれているにしてもまだ突っ込めるほどの温かさがあったが、奴が男であることがわかった今では逆に屈辱的だった。時刻が明日に移り変わると他の配信者たちは一気に有料プランへと移行し、配信欄はすりガラスのようになっていく。残ったのは、ホモ、ババア、チャンケくらいだった。まったく忌々しい。

 

この熱り立ったムスコをどうすべきかとマウスとチンポを弄くりながら考えていると、救世主とも言えるだろう。あるカップルの配信が上がってきた。俺は迷わずその配信に突っ込んだ。左上の数字を見ると、なんと同時視聴人数が驚異の1万弱だった。俺はこんな大衆に痴態を晒される女に対して哀れみと興奮を感じながらも三画目になる。男が俺たちに何度もリアクションを要求する。その度に、女を褒めろと言うのだ。なぜ赤の他人でお前の女を俺が褒めてやらなければならんのか。まず、その茶番に付き合わせて本番も見せないのだろうことは薄々分かっているが、俺はその茶番を1時間も見続けて待った。結果、やはりすりガラスになる。

 

酒を握る腕が温くなり、俺の喉はこれ以上飲ませないでくれと食道に鳥肌をたてるが、俺は構わずあおる。ああ、つまらん。つまらん。何も面白くない。缶の鈍い味が胃に流れ込み、これ以上は辞めてくれと胃が俺を説得しようと締まっていくが、許せない。もう1本を開けて、鼻に安酒特有のアルコールの匂いを通してやる。缶の縁にこびりついた泡、舌のざらつき、頬を赤める喉ちんこ。ああ焦れったい。俺はなんなんだ。

 

気づけばベットに寝転がっていたようだ。ああ、ままならぬ。私の身体は脳の指示を拒みやがる。ただ、体はアルコールで火照るが、心は冷めていく。泣けるぜ。俺の息子も元気をなくしたようにうなだれている。

 

何度もバシバシと叩いて奮い立たせようとするが奴はまるで動じない。この短期間で反抗期にでも起きたのかしれないが、奴はまるで平手打ちする俺が悪いかのようにただ縮こまり耐えていた。気に食わない。一言も俺に反論も反抗もしない。ただ、雨がやむのを待っているかのような俺という存在を現象として捉えているようだ。ふざけるな。俺が悪人だと言うのか?俺が現象だと言うのか?俺が……それ以上の詮索は辛かった。俺を奴を愛撫し、そして、首を絞める。奴は悲鳴一つ上げやしない。俺は奴を認知したくなくなった。奴は抵抗するもなくただ握り潰されぐちゃぐちゃになる。血管が挟まったのだろう。腹痛や喘息とは違う不快感が喉を締め付ける。息子はだんだんと青ざめていく。だが、こんな状況でも一瞬の快楽は駆け巡ることはなく不快感だけが辺りを漂う。背から尻に流れる脂汗が何度も肛門に当たり、シーツを濡らすも何も起きない。酒。酒だ。酒はどこにある。机の上から溢れる水滴に顔をうずめ、必死に埃や血縮れ毛が口に含むのも構わず、畜生のように舌でなめる。苦い。ぐぐもった味。塩辛いものが歯に挟まる。煩わしい。実に煩わしい。何なんだ。俺は一体何をしてるんだ。酒が冷め始めシラフへと戻ってくるのがとても恐ろしかった。俺は自分が何者で何をしているのかを確定させるのが怖かった。だから、床が綺麗になるまで舐めたんだと思う。ああ、だめだ。夢が覚めていく。歪んだ画像がコマ送りのように脳に送られていく。ウオッカを握るも床にぶち撒けて、床がオアシスになる。辺りには照明に反射するガラス片たちが転がり、俺の指からは血がゆっくりと流れる。指に滲んだカクテルを啜る。味わい深い。ワインのように渋く、酎ハイのように酸味が効いていた。液状化したマンホールのように血が溢れ、床にポタポタと落ちていく。それと同時に俺の視界も床へと吸い込まれていく。アニメのようにドタっと倒れるわけはなく、体中に小石が刺さり、痛い。

 

はははは。笑える。本当に笑える。だけど、なにが面白いのかは考えたくもない。男が酒を飲み自慰をしただけじゃないか。なぜこんなことになるって言うんだ。結局俺は屑篭にゲロを吐きながら床を掃除し、指にウイスキーを振る舞いセロハンで止血して性器を弄りながらシャワーを浴びた。


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