小逆転!ベレリアンド戦争!  ~if キャメロット王国参戦す~   作:koe1

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両軍共に限界に到達しました。


第12話「なんだと!!」

二角帽氏達が退出されると、我が王は力なく椅子に座られた。

そして呟くように

「残念だが今回の戦争はもう終わりだ。10年・・・いや15年後までに海軍を再建し、もう一度だ・・・」

私は無言で頷いた。

エルフィンド側の手紙はひたすらに謝罪と講和を願う内容であったが、キャメロット側の手紙は、各人の立場での色々と記されていたが、共通することは講和を求めつつも、受け入れられなければグロワール、アスカニアの参戦を促し、断固として戦い抜くと臭わせていたことだ。

もっともその臭わせにも強弱があるのは確かだが。

そして実際にまだ部分動員だが、グロワールとアスカニアが動員を開始しているのもまた事実であるし、もしグロワールとアスカニアも参戦した場合、負けるとは思えないが、国内は大変なことになるし、キャメロットの海上封鎖で現在も肥料輸入が出来ないが、戦争が長期化し、肥料の国内備蓄を使い果たした後の農業生産は大打撃を受けるなるだろう。

そうなれば我が国はどうなるか・・・。

なので我が王の判断は正しい。

「だがこのままでは終わらせられない。どこかで大勝利をえて、有利な条件での講和だ。エルフィンドを疲弊させるような内容の。そしてそれを1ヶ月程度で成さなければならない。その上でキャメロットの面目も立つような状況にしなければならない。キャメロットとさえ講和してしまえばエルフィンドが強くでることは出来ない。キャメロットに関しては全ての件での謝罪と賠償を確約しよう。参戦後の戦死者への見舞金だって支払ってもよい」

私はそれを聞いてキャメロットに対しては致し方ないが、講和を得るためには当然だと感じた。

ただあの二角帽氏がやってきたと言うことはキャメロット国内にも色々な意見があるのだということはわかる。

そして直接的かつ古典的な『秘密外交』に頼らなければならない、それまで存在していたはずの各ルートを頼ることが出来ない何かしらの事情が存在すること。

実際に我が国がありとあらゆるルートでキャメロット政府に接触しているが全くもって芳しくない。

おそらく向こう側もその様に感じているので、二角帽氏を派遣したのだろう。

まずは我が国が有するキャメロットへの非公式外交ルートの現状を再調査せねば・・・。

しかしあの二角帽氏が、堂々と『郵便配達夫』と自己紹介したせいで、キャメロットに対して手紙を届けることしか出来ないのがもどかしい。

アハトゥーレンへまるで軍艦のような船でやってきたというので、てっきりある程度の交渉権限を持っているかと思ったが、完全に見当違いであった。

捕虜名簿と捕虜からその家族への手紙は確かに大変貴重なものであるが、ヴィルトシュヴァインまで連れてこなくても・・・我が王への面会を許さなくてよかった気がする・・・。

 

 

 

翌日の昼前にはグスタフ国王陛下からの返書を受け取り、俺達はどうみても監視役だが『白銀樹号にて保管中の捕虜からの手紙』を受け取るために同行している、ちょっと間の抜けた顔をしているオークと共に列車に乗っている。

ちなみにグスタフ国王陛下から『ミュフリング少佐』だと自己紹介を受けたときは震えた。

うちは爺さんがデュトーネ戦争で散々グロワールの大陸軍とやり合ったというのに、なぜか大陸軍びいきになっちまって、特に甥っ子はその影響をもろに受けている。

何かがある度にキャメロット軍ではなく大陸軍で例えちまうほどだ。

そして『ミュフリング少佐』は、単騎でキャメロット陸軍とオルクセン軍との間の伝令を幾度となく成功させた、文字通りの化け物だ。

そんな奴が俺達に同行している。

甥っ子と中尉はもう大興奮よ(苦笑)。

もう色々と話す話す(苦笑)。

ただ機密や俺達の立場は話していないが、知る人ぞ知る『ミュフリング少佐』のことを知っているんだから、そこから身元の推測も出来ちまうだろうが、まぁある程度バレるのは予定の内だきらまぁ致し方ねえ。

俺が白エルフ女王陛下を始めとするの皆様とのお茶会で、心の中では大興奮していたようなもんだからな(笑)。

で、行きは直通の列車だったが、帰りは途中で乗り換えが必要になるため、アハトゥーレンへは一泊二日かかる。

『6日たっても帰ってこなかったら構わず逃げろ』と指示していたが、間に合いそうで俺はホッとした。

港に着くと白銀樹号は沖止めで、かなり警戒している様子だった。

俺が帰った合図をすると、向こうも反応を返したので、再度別な合図すると、最終確認な応答をもらったので、艀代わりの蒸汽ダグボートに4人で乗りこむ。

少なくともこれで実は拿捕されていた・・・なんてことがないことはわかった。

なにせ『俺が帰ってきたときの合図を確認したら、この手紙の封を開けて、中に記された合図をしろ』という合図をしなかったからだ。

ちなみにその手紙は副長代わりの一等航海士と機関長の2人に同じ内容で預けていた。

もちろん何かあったらちょっとだけ抵抗した後差し出せという指示と共に。

同時に口頭で『本当の合図』を伝えていた。

『口頭で伝えた』合図を返したので、拿捕されていないと踏んだわけだが、幸いなことにやはり拿捕はされていなかった。

まぁ実戦経験豊かな海兵隊員が10人以上に魔法を使える白エルフが、機関員として10人ほど乗っているんだから、よほど不意を突かない限りは逃げられると踏んでいたのも確かだがな。

そしてミュフリング少佐殿に白銀樹号に残していた、捕虜達からの家族宛への手紙を渡し、少佐殿と別れた。

さてさて、グスタフ国王陛下は『ミュフリングは私がもっとも信頼している郵便配達夫だ。キャメロット1の郵便配達夫である二角帽氏に対抗するには彼しかいない』といって俺達に捕虜達からの手紙を受け取るために同行させたが、どこまで本当なんだが・・・。

大陸軍の警戒線を幾度となく突破した奴が単なる郵便配達夫なはずがない。

やっぱり列車の中で甥っ子と中との会話で、こちらの身分はある程度バレているだろうな・・・。

まぁ、今はそんなことを気にせず、とっととお家に帰るか!

 

で、無事にアハトゥーレンを出航してから、甥っ子と中尉を呼んで仕事の話しを始めてする。

流石にミュフリング少佐殿の前で仕事の話なんか出来ないからな。

そして全員の意見が一致した。

『オルクセン側はエルフィンドからの手紙をまともに読んでいない』。

正確に言うとしっかりとグスタフ国王陛下にビューロー閣下共に時間を掛けて全ての手紙を読んでいたし、何回も読み直していた。

しかし目の動き、手紙の持ち方、読み返した回数、全てから『実際には読み返しているふりで、しっかりと何度も読み返して内容を吟味していたのはキャメロット側からの手紙のみ』と俺は判断したが、甥っ子も中尉も同じ意見だった。

中尉、外交官になれるんじゃねえか?

まぁそれはおいておくとして、つまりオルクセンの連中は『エルフィンドからの謝罪と講和要請を重視していない』。

確かに『私達の領土から出ていけ!』と実際の国境線を無視して、向こうの女王様に喧嘩売られたら買うしかないが、そもそも外交がない国家同士ならば国境線に関する主観もズレがあって当然。

いきなり宣戦布告は気が早すぎる。

つまり前々からオルクセンはきっかけさえあるのならばエルフィンドを攻めようと考えいたわけだ。

外交がないだけで、特に国境紛争も経済紛争もない隣国を。

そして直接的な外交がないとはいえ、双方の友好国を通じての間接的な外交が可能だったにも関わらず、開戦の2時間前に宣戦布告をうちの国を経由して手交させるなんて乱暴この上ないと言える。

・・・やっぱりオルクセンって野蛮なのか?

まぁエルフィンドも闇エルフへの虐殺やドワーフ族の国を滅ぼしたり、コボルト族を領内から追放したり等々、色々とやらかしているが宣戦布告の文章にそんなこと書いてあったか?

闇エルフのじょーちゃん達に対する虐殺は確かに最近だが、そもそもオルクセン国民になる前のことだから『内政干渉』に当たるかもしれないし、ドワーフ族やコボルト族に関する事は古すぎる。

そもそもそれだって、法学者の学説がどうなるかわからないし、そもそも纏まるとは思えないが、元々が『他国への侵攻』と『同国住人への虐待』だから、オルクセンがぶち切れる理由にしてはならない。

それを理由にしていたら、星欧は明日から大騒乱のスタートだ。

ありとあらゆる古いことがネタとして掘り出され、宣戦布告を気軽に出来る理由となる。

明日から切り取り勝手の星欧大戦の始まりだ。

うん、やっぱりオルクセンは国家として野蛮すぎる。

とりあえず、うちとエルフィンドの海軍に見つからないように、捕まらないように、魔王からのお手紙を皆様に届けるかな。

 

 

 

あれから3週間ほどの間で二往復ほど『お手紙』を届けたが、俺に知らされる範囲での戦争終結に関する動きはない。

というか知りたくないんだがな(笑)。

更に言えば本来ならあり得ない期間での配達だが『高級石炭使いたい放題』ということで、常に白銀樹号の最大船速に近い21ノット(時速 約39km)でお手紙を届け続けているからだ。

もっとも20ノット(時速 約37km)近くに速度が達したときから出始めて、21ノット(時速 約39km)付近になると止まる振動が怖くてたまらねーが、機関長を始めとする機関員の白エルフに言わせると大したことがないらしい・・・。

お手紙の届け方は、1回目と同じでアハトゥーレンに封鎖突破船のふりをしてこっそりとやってきて、偽装積荷である肥料を降ろしている間にヴィルトシュヴァインまで連れて行かれて、ビューロー外務大臣閣下に手紙を渡し、翌日か翌々日にグスタフ国王陛下とビューロー外務大臣閣下からの手紙を受け取り、またそれをあちこちにこっそりと届けるをしている。

そしてそんな中で相当共に大攻勢を開始した。

最初に開始したのはオルクセン側で、エルフィンド首都ティリアンを占領しようとする動きだったが、エルフィンド陸軍とキャメロット陸軍がそれを真っ正面から受け止めて大激戦となっている。

そしてエルフィンド側の大反抗はベレリアンド半島の根元東西で同時におこなわれた。

シルバー河・・・シルヴァン河の河口に設置されたオルクセンの砲台群を、それなりの犠牲を出しつつもキャメロット海軍が艦砲射撃と上陸させた海兵隊で粉砕。

続いてエルフィンド海軍とキャメロット海軍から選抜された中小型艦や比較的大型の蒸汽ダグボートに無理矢理火砲を搭載した仮設砲艦群が、雪解けで水量を増しているシルヴァン河を遡上。

途中でオルクセン軍の妨害を受けて被害をだしつつも、それぞれ目的地である・・・まず西はモーリア付近のパウル橋梁群の全てを破壊。

それぞれの橋の桁を落としただけではなく、橋を作るのに一番手間のかかる橋脚も一部破壊したそうだ。

そして東でもオルクセンが補給路としているシルヴァン河で唯一徒歩で渡ることが出来るという渡河点にあった仮設橋や浮橋を全て破壊。

ただこちらは水量の増大で維持が困難になっていたようで、何個かの橋は既に維持が断念されていた様子が見受けられ、予想されていたよりも橋の数は少なかったそうだ。

それはともかく、この大博打といえる作戦が成功したおかげでこれでシルヴァン河以北のオルクセン軍の補給線を完全に寸断できた。

大戦果と言える。

たとえ遡上した船の半分以上は帰ってこなかったとしてもだ。

さらにシルヴァン河西側河口の南側のオルクセン領にエルフィンド海兵隊が総力を挙げて上陸して占領。

オルクセン東側侵攻路の策源地であるアーンバンドの街に圧力を加えているそうだが、

海兵隊特有の弱点である火力不足は相変わらずなので、キャメット艦隊が張り付いて火力支援をおこなっているそうで、海から離れたアーンバンドの街を占領は出来ていないそうだ。

ただその勢いは凄まじく、アーンバンドが港街で海に面していたらとっくに占領が出来ていると思うほどの勢いだそうだ。

二等少将から一等少将に昇進したあの海兵隊の白エルフ閣下、張り切りすぎだろう。

ちなみに西部のエルフィンドの港街でオルクセンに戦争初期で占領されたノグロストは放置という形になっているそうだ。

ただ西側から河を遡上していった艦隊が、行きと帰りでそれなり以上にノグロストを占領しているオルクセン側と打ち合いをし、オルクセン軍にそれなりの被害は与えたそうだし、クライファスがエルフィンドに占領されてからはノグロストへの補給はモーリアからの河川輸送に頼っていたそうなので、それを切断した形になった。

なので、全ての侵攻路のオルクセン軍補給路を破壊した状況だ。

しかしそれでも未だにティリアン占領を目指すオルクセン軍の勢いに衰えはなかったそうだ。

こっちが大博打を打ったから向こうも大博打を打っているのだろう。

補給物資がまだあるうちにエルフィンドの首都を占領できるかどうか。

オルクセンの補給が切れて攻勢限界に達するのか先か、こちらが息切れするのが先かという競争だったんだろう。

そしてオルクセン側として当然のことながら国内に残っていた部隊を掻き集めてベレリアンド半島を目指している。

目的はアーンバンド近郊のエルフィンド海兵隊と、クライファスを占領しているエルフィンド陸軍の排除だろう。

ただ、共に水上戦力が支援火力として居座っているので、下手に近づけないという事実もまたある。

なにせ火力だけで言うのならば要塞が一個丸々後ろについているようもんだ。

そして利我にあらずといった場合でも、船への撤退に関してはファルマリアで既に経験を得ているので、比較的迅速に行くだろう。

しかしオルクセン、息切れしねぇな・・・

これを見越してかなり無理して補給物資を送り込んでいたのか?

しかし流石にそろそろもう限界だろう・・・

そう思っていたら、ベレリアント半島東部の主要港の1つであるエヴァンマールとそこからティリアンに続く途中の街であるディネアンが墜ちた。

そして中央からから攻め上がっていたオルクセン軍がアルウィンも落とした。

だがここで完全に力尽きたようで、侵攻が完全に止まった。

それぞれの街を拠点に徹底した防御陣地を作っているのが観測された上に、中央の部隊は一部を南下させ始めたとのこと。

もう補給が保たないんだろうし、本土防衛と奪還に転用する気になんだろうな。

エルフィンドは現地調達も出来ないぐらい、持ち去ったと言うし、住人避難も徹底的に呼びかけたと言うし。

さらにモーリアの橋は破壊しつくしたが、浸透した白エルフ部隊が持ち帰った貴重な情報だと、橋の修復には当然取りかかっているが、それ以外にもオルクセン国内から持ってきたであろう大量の手漕ぎボートや現地で組み立てたであろう蒸汽ボート等に艀を繋げて、北岸への懸命な輸送をおこなっているとのことだが、その中身は外見から食料ではないかという推測だった。

東側のアーンバンドとファルマリア間の渡河点では懸命に浮橋と仮木橋の再建をおこなっているそうだが、こちら側は増水でうまく進んでいないらしいし、うちの再襲撃を恐れている様子も見てとれるそうだ。

あ~これってもしかしたら、どこかのエルフィンドの街の住人避難が失敗していたら、オルクセン側は全面撤退していたかもな・・・街の住人も喰わせないといけないし。

いや、しかし・・・下手したら皆殺しにしていたからしれないか、白エルフ達を。

さらにグロワールとアスカニアも虎視眈々と侵攻の機会を狙っているとのことだし、補給の負担を少しでも減らすために、エルフィンドへの侵攻部隊の一部をオルクセン本土に戻すのは当然といえるのかもしれない。

 

だがエルフィンド側も限界だった。

まともな正規部隊の大半が磨り潰されていた。

この前のお茶会で、ウィンディミア大将閣下は『特にオルクセンとの戦いで打ち負けることが多かった前装式砲を、少なくとも前線の分は発射速度の高い後装式に切り替えられたのが本当に助かっている』と言っていたが、そこまで自体は楽観的ではなかったらしい。

陸軍の連中が悔しがりながら認めたことによると、特にオルクセンとの戦いで打ち負けることが多かった前装式砲だが、それをオルクセンの後装式砲と比較すると、下手すると『1対3』ぐらいの戦力比となり、こちらの前装式砲が奴らに打ち負けないためにはオルクセン側1門に対して3門が必要になるという試算が出たそうだ。

なので後装式砲を積極的に輸出し、エルフィンド軍の砲装備更新を急がせたのだが、うちの新型後装式砲ですら、オルクセンに対して互角ではないらしく、1対1では発射速度の差で打ち負けることがでているそうだ。

鹵獲したオルクセンの後装式砲を調査して検討した結果、『我が軍の後装式砲よりも5~10秒ほど装填が速い』という結果が出たそうだ。

頭が痛いぜ・・・。

なのでどうしてもエルフィンド軍側の被害が大きくなっていき、オルクセンの大攻勢の後にまともな形で部隊を維持しているのは、クライファスを占領して侵攻の隙をうかがっている3個師団に、同街の防衛戦力として貼り付ける予定の2個旅団。

さらにエルフィンド女王陛下の親衛隊である黄金樹旅団・・・マルローリエン旅団とその下につけられている一個歩兵旅団ぐらいだそうだ。

他の部隊は書類上はしっかりとしているが、うちの連絡士官が視察に行くと内情はぼろぼろ。

そんな中でマルローリエン旅団は、傘下のエルフィンド歩兵1個旅団にキャメロット騎兵2個連隊と擲弾兵2個連隊と連携して、オルクセンが闇エルフの騎兵部隊を中心としてオルクセンの他の騎兵部隊を合流させて臨時編成した、ティリアンを一気に突こうとしていた『臨時騎兵師団』を散々打ち破って後退させたそうだ。

その上でそれなり以上の戦力を維持しているそうだが凄い。

しかしエルフィンド側が増援として前線へおくってくる部隊は、もう、なんというか・・・既にまともな軍服ですら用意できなくなっており、武器ですらオルクセン側の鹵獲兵器はまだマシな方で、懐かしの前装式ライフルどころか前装式滑空銃すら装備している部隊・・・に見える集団がいるという。

これでもうちがそれなりの規模で支援や輸出をしているにも関わらずだ。

さらにオルクセン最後の大攻勢では、アルウィンとエヴァンマールとの間にあるネニング平原でエルフィンド軍の千単位での壊乱が発生した。

武器を棄てるのはともかく、軍服ですら脱ぎ棄て、傷ついた戦友すらも見捨ててて逃走する事態に陥ったそうだ。

すぐにうちの陸軍部隊がその大穴に飛び込んで、見捨てられていた千近い負傷兵達を救い上げ、最後はオルクセン軍と白兵戦までやらかした上で、辛うじて撃退したそうだ。

オークとの白兵戦に打ち勝つなんて凄すぎだろう、うちの陸軍。

なにをどうやった?

まぁオルクセンの奴らも限界に近かったんだろうし、可愛い白エルフ達の前でいい恰好したいというキャメロット男の意地もあったんだろうがな。

救い上げた白エルフの嬢ちゃん達はみんな泣きながら『ありがとうありがとう』を連呼していたというし。

壊乱しなかったエルフィンド部隊は、見下しているはずの人間族を『戦友を救え!見捨てるな!!』と犠牲を出しつつも全力で支援し、共に戦列を組んだというし。

ただこちらの被害はでかい。

当然、他の辛うじて戦力を維持して抗戦していた部隊と連携して後退する羽目になり、ディアネンを失った主因となったそうだ。

しかもだ、この壊乱が発生した原因はエルフィンド政府というか首相とその取り巻きがが陸軍の指揮系統をとすっ飛ばして秘密裏に命令した行動によるものだということが判明して、もう・・・なんというか・・・。

この方面の最高指揮官であるマルリアン大将閣下がぶち切れたそうだし、うちの陸軍部隊もぶち切れ。

もしパウル橋梁群か渡河点のどちらかの破壊に失敗していたら、首都ティリアンまで一気に突かれた可能性が高いという推測すらでたそうだ。

いや実際にオルクセンはそれをしたのだが、それを阻止したのがマルローリエン旅団とその仲間達(笑)。

オルクセンは掻き集めた騎兵部隊で一気にティリアンを突こうとしたらしいが、残念でした~。

なおエルフィンド政府の皆様方はティリアンから遷都する気は一切ないということなので、ティリアン失陥はエルフィンド敗北と同義語だったことも説明しないといけない。

なのでオルクセンのティリアンへの一点突破は正しい手だったといえる。

誰かエルフィンドの首脳部を何とかしてくれよ・・・

しかし誰かが何とかしてくれるはずもない。

なので俺自身が何とかしようと頑張ることにした。

お手紙配達の合間に。

目がガンギマリの外務省の垢抜けないじょーちゃんと共に。

なにせ俺はエルフィンドの女王陛下から直接勲章を授与された上にお茶会にも誘われた人間族で、エルフィンド陸海軍の名誉大佐で、キャメロット海軍予備少佐で、キャメロットでそれなりの貴族家の係累で、自分で好き勝手に出来る船を持っている、キャメロット1の郵便配達夫だからだ。

なので便利使いされるのは丁度いいみたいだ。

なんかふと思ったが、俺ってもしかして一番損をしていないか?

・・・戦争はクソだな。

 

さてこれからティリアンで白エルフの皆様とお茶会だ。

名目は『ファルマリア撤退友の会(笑)』。

お手紙を届けた合間のお茶会の上、残念ながら海兵隊の一等少将殿は欠席だが、他の3人の二等少将殿達は御出席だぜ。

なお開催場所はキャメロット公使館。

キャメロットから一等良い茶葉を持参したが、お気に召して頂けるかな?

ちなみに『監視役』として、目がガンギマリの外務省の垢抜けないじょーちゃんもくる。

あのじょーちゃんも大変だな・・・。

なんか外務省を1人で支えいる感があったし・・・

ただ1人で仕事を抱えて支えているという訳ではなく、方向性を定める決断を全て背負っているという感じだ。

実務は誰も彼も手を抜かずに、じょーちゃんが定めた方向性にしたがってしっかりとやっているらしい。

なにせ噂だと、この戦争が終わったら、外務省主要層は処刑されるという噂があるぐらいだから、政権に対する名誉挽回のアピールというのもあるんだろう・・・。

さてさてそろそろお茶会の時間だ。

皆さんちゃんといらしているかな?

 




さてさてここからどうなるか・・・
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