小逆転!ベレリアンド戦争!  ~if キャメロット王国参戦す~   作:koe1

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戦線は膠着。
政治と動乱の季節


第13話「それがどうした?」

キャメロット王国の首相である私は外務大臣と共に頭を抱えていた。

戦前に有していたオルクセンとのありとあらゆる非公式なルートでの連絡がつかず、かといって向こうからの連絡もこず、海外公使公使館を使って接触するとそれを察知した国内の停戦反対派が妨害をしてくる。

なので傍目には怪しげだが、実際には知性と教養があって身元もしっかりとしている上に船乗りとして飛び切り腕の良い、秘匿名『二角帽』氏を使者としてオルクセンに直接乗り込んでもらっての懐かしの秘密外交をおこなっている。

エルフィンドの終戦派が秘密裏に提供した特殊な船を使って。

もっとも運行に必要に予算は我が国が出しているが。

ただそのおかげでオルクセン側との講和については調節がつきつつあるが、問題はエルフィンドだ。

エルフィンド駐箚公使や特使として派遣したアストン卿、我が国駐箚エルフィンド公使を介して繰り返し交渉と調整をおこなっているが話にならない。

エルフィンド側の最低要求が『オルクセン軍のエルフィンド領からの全面撤退かつシルバー河南岸から10マイル(約16km)並びに飛び地として占領しているクライファスの割譲』その上で賠償金の支払いなんてオルクセンが飲めるはずがない・・・。

エルフィンド政府は現実を見ているのか?

とはいえ国王陛下の思し召しと国内の主要貴族や市民達の声から単独講和することも難しい。

幾らオルクセン側があり得ない好条件で講和を求めていたとしてもだ。

そしてそんな好条件を示すのならば、最初から誤射を素直に認めて謝罪してくれと声を大にして言いたい。

ただオルクセン側がエルフィンドに求める内容も手厳しい。

占領地からの全面撤退の上でアレッセア島、アルウィン、ネブラスを結んだ線以南並びにそれぞれの島と街の割譲や、エルフィンド軍の軍備制限、多大なる賠償金。

そもそもアレッセア島はオルクセン軍は占領はおろか攻撃すらしていないというのに・・・。

その島を割譲しろというのはあり得ない・・・。

領土の割譲は占領地内か占領地との交換が基本だろう・・・。

もちろんここから交渉してある程度提示内容を削るのだろうが、エルフィンド側が飲むとは思えない。

とはいえグロワールやアスカニアを参戦させた場合、なにが起こるかわからない。

それにロヴァルナはオルクセン側につく可能性が高い。

そうなれば星欧大戦だ。

歯止めがきかなくなる。

なので速く講和を纏めなければならない。

こうなれば海軍が主張するとおり、オルクセン西部に再度の強襲上陸をかけてさらに街を占領してオルクセンに対して圧力を掛けるしかないが、大規模兵力を揚陸させることが出来る港を持つ街が殆どないという事実もあるし、オルクセン側も防衛を強化しているだろうから易々と成功するとは思えない。

となると陸軍のいうとおり、既に占領しているクラインファスにキャメロット陸軍も投入し、エルフィンド軍と協力してそこから占領地を拡大するしかないか?

しかしそれでオルクセン側が徹底抗戦を選択したらどうにもならない。

どうするべきか・・・

 

 

 

さて俺の前にケーキスタンドが3つあり、それぞれにローストビーフやキュウリのサンドイッチ、ケーキ類、スコーンが載っている。

で、俺以外の参加者は『ファルマリア撤退友の会(笑)』のハルファン二等少将殿・・・改めハルファン一等少将殿に、元ファルマリア歩兵旅団のこちらも昇進した一等少将殿と、これまた昇進したファルマリア要塞司令だった一等少将殿だ。

そして吃驚なことにこの3人は『独立ティリアン防衛隊』として組まされており、ハルファン一等少将殿が防衛隊の総指揮官で、元ファルマリア歩兵旅団の一等少将殿が『特設ティリアン防衛旅団』の旅団長、ファルマリア要塞司令だった一等少将殿が『臨時ティリアン要塞』指揮官だ。

もちろん他にも細々とした部隊はいるが、まぁ主要メンバーと言っていい。

ちなみにファルマリアにした最初の頃は殺し合いをしそうな程クソ仲が悪かったが、今ではかなり仲がよくなったそうだ。

で、どうしてこの3人がこんな役職になったかというと、どうも軍の上の連中をすっ飛ばして政府の連中に『優秀』とされちまったらしく、大抜擢された形だそうだ。

で、他の参加者は『監視役です』と堂々と名乗ったガン決まりな目をしたままの外務省のじょーちゃんとうちの特使殿だ。

ただ席を1つだけ空けてあって、その空席には、空のままだが茶器やカトラリー類を置いた上で『ただいまオルクセンへ出張中につき欠席』と書いた札をおいてある。

そうさ、海兵隊一等少将殿の席さ。

仲間はずれはよくねーからな(笑)。

写真機があったら写真を撮っておいて、後で写真を届けておくか?

ちなみに給仕役は甥っ子がしてくれている。

機密保持の一環だな。

ちょっとばかし、ここにいる以外のお耳の長いお嬢さん達に聞かれたくない内緒のお話をするかもしれねーし。

 

で、肝心のお茶会だがまるで葬式だった。

『ファルマリア撤退友の会(笑)』の一等少将殿達3人は、うつむいたまま時折お茶を口にする程度。

めっちゃ良い茶葉を使っているんだから、もう少し堪能して欲しいもんだがな・・・そう思いながら俺は黙ってケーキやサンドイッチを口にしたりしてその3人の様子を眺めている。

その代わりにと言っていいぐらいの勢いでガン決まりじょーちゃんと特使殿が積極的に会話をし、情報交換をし、お茶と食べ物を楽しんでいる

とりあえずなんかきっかけを作らんといけないなと感じ、立ちあがって俺自ら3人の皿にサンドイッチを載せていき「皆さんお痩せになりましたな」と言うと、ハルファン一等少将殿がボソッと

「こんな戦力でティリアンを守れるはずがない・・・」

と言うと、他の2人の一等少将殿がはっと顔を上げてハルファン一等少将殿の方をみる。

顔が青ざめている。

外務省のじょーちゃんから上に報告されて、そのまま処刑されると思っているような顔だ。

しかしじょーちゃんは、特使閣下との会話を中断して

「ですよね-。勝てるわけないですよねー。シルヴァン河の切断した補給路を建て直したらまた大攻勢してきますもんね。こちらはまた補給路を切れるかどうかわかりませんし。でエルフィンド軍でまともに戦力を有しているのはマルローリエン旅団とその傘下にいる1個歩兵旅団にキャメロット軍の皆さんだけですもんねー。オルクセンが大攻勢をまたかけたら皆さん戦死間違い無しですよね!で、勝ったら勝ったで、間違いなく私達外務省の中枢と一緒で色々な理由をつけられて処刑されることも間違いなし。辛いですよねー」

とのんびりした間延び口調で言う。

3人の一等少将殿が怒りに満ちた顔でじょーちゃんを睨み付ける。

「元々は・・・元々はお前達外務省のせいだろ!!」

元ファルマリア要塞司令の一等少将殿が興奮して立ちあがりつつ、じょーちゃんに噛みつく。

その隣で座ったままの元ファルマリア歩兵旅団長殿が

「私の歩兵旅団は軍服や銃すらまともにない・・・縫製工場の職工をそのまま連れてきたエプロン姿の先込式ライフルを持たせた『中隊』という名称がついている小隊程度の集まりがまだマシな方なんだぞ・・・。キャメロットが輸出してくれた武器は正規に編制された他の新設部隊や現行部隊の損耗補充用に流れていく・・・定数も全く足りていない・・・旅団というが、連隊程度だ」

と、呟くように言う。

そして最後にハルファン一等少将殿が

「独立ティリアン防衛隊・・・マルリアン大将閣下から口を出されたくない内閣の皆様が無理矢理に作った部隊だ・・・はっきり言ってファルマリアに逃げ込んだときの、逃げ出したときの部隊をそのまま手元に置いてくれていたらまだ何とかなった・・・それを取り上げられた上で新規編制の部隊だけを押しつけて・・・抗議しても『しっかりとした部隊でしょ?』と現実を見ないで書類の中身だけを見て言う・・・そして取り上げられた部隊は他方面で消耗した・・・」

と、うつむいたまま言う。

他の2人の様子を見た元ファルマリア要塞司令の一等少将殿はゆっくりと椅子に座り、頭を抱えながら

「なにが臨時要塞だ・・・火砲の大半は『後日配備予定』。ようやく届いたと思っても前線から下げられた先込式砲がたったの1門の上、砲弾や発射薬は届かない・・・せめて壕だけでもと思ったがスコップすらまともに補給されない・・・。懐かしのファルマリアが大要塞に感じるほどだ・・・キャメロットが輸出してくれているはずの弾薬や大砲はどこに消えているんだ・・・」

という。

それを聞いた外務省のじょーちゃんは

「勝ち目ないですねー。銃撃で死ぬのと、砲撃で吹き飛ばされるのと、銃剣で突き刺されるのと、生きたままオークのご飯になるのとどれが一番マシですかね?でなんとか勝ったとしても銃殺と縛首どっちですかね?私は縛り首だと設備が必要になるので、銃殺だと思っています」

と煽るが、全員うつむいたり、頭を抱えたままだ。

しかしうちが頑張って輸出しているはずなんだが、うちの派遣陸軍部隊用も必要だし、政府はオルクセンと本気でやりたくないから生産量も抑え気味だし、一度始めたものを中途半端にしようなんて、政府の連中はなにをやっているんだが・・・。

まぁそれでもエルフィンドの要求量に大してちょっとは足りない程度なんだが、まぁ、その、ここにいる『ファルマリア撤退友の会』の一等少将殿達3人には悪いが色々とあってな・・・。

なにせ『内閣肝いりの部隊』だから。

だけどこのままじゃ時間の無駄だな。

せっかく強引に、本来なら同時に前線から引きはがせない3人をキャメロット公使閣下と特使閣下の力で引きはがして連れ込んだというのに。

もうこうなりゃはっきりと言うか。

「死にたくないのなら・・・こいつに一口乗るかい?」

そう言って俺は上質な紙に書かれた手紙を3人に見せた。

ウィンディミア陸軍大将閣下とファラサール海軍大将閣下のサインが入った、サインは入っていないが尊き御方が書いた手紙を。

まず俺の隣にいた元ファルマリア要塞司令の一等少将殿がそれを貪るように読んだあとに元ファルマリア歩兵旅団長殿に手渡し、最後にハルファン一等少将殿がそれを読む。

なんというか、余計に顔が青くなった気がする。

なのでその心配を取り除くことにする。

「ちなみにだ、そこに記されていることをまとめ上げたのがここにいらっしゃる、自称このお茶会の監視人として外務省からいらした外務大臣付補助秘書付見習補だ。吃驚だろ。俺も吃驚した。特使閣下も吃驚した」

というと、特使閣下はお茶目にティーカップを少し持ち上げて3人に挨拶し、ガン決まりじょーちゃんが

「私達も死にたくないですらねー。これを秘密警察に密告しても良いですけど、密告したからといっても皆さんが助かるとは私は思っていませんよ。絶対に理由をつけて処刑するでしょう。オルクセンにここまで攻められて傷つけられた内閣の皆様・・・特に首相閣下の誇りを少しでも満たすために。私は下っ端過ぎて、どうも秘密警察も監視対象にしていないみたいなんですよね。なので頑張ってここまでこちらの二角帽さんにお願いしてまとめ上げました。私も殺されるでしょうし。死にたくないんで」

と、ガン決まった目をさらにガン決めていう。

目だけを見ると、たった1人でもグスタフ国王陛下の暗殺を成功させちまいそうな目だよ・・・。

さてさて3人はどうするか。

もし密告しそうなら・・・特使閣下と甥っ子の俺の3人、更にうちの船に乗っている機関長を始めとする10人の白エルフを担いでキャメロットに逃亡する予定だ。

なにせ特使閣下もこっそりと少しだけ協力してくれている。

弟子である甥っ子が心配だからという理由で。

有り難いとしかいいようがない。

で、逃亡した後は申し訳ないが以後は俺は一切エルフィンドには関わらない予定だ。

機関長に頼まれたらちょっとぐらいは関わるかもしれんが・・・

ちなみにガン決まりじょーちゃんは

「私も逃げると氏族のみんなが代わりに皆殺しにされると思うので、私は残ります。もっとも私が殺された後でも皆殺しにされると思っていますけどね。戦争が終わった後、少しだけ私の氏族を気にしてくれたら嬉しいです。生き残りがもしいたら二角帽さんの出来る範囲で良いので助けてやってください」と気合い入ったことをいう。

機関長といい仲になっていなかったら、嫁にしたいぐらいだぜ、全く。

とりあえず俺は手紙を返してもらってから甥っ子に渡し、甥っ子がこの部屋の中でその手紙を最後の一欠片まで完全に燃やした。

手紙が燃え尽きる様子を『ファルマリア撤退友の会』の白エルフ側参加者3人はじっと見つめていた。

さてさて『ファルマリア撤退友の会』の欠席1名を除いた皆様、どうされますかな?

 

その後『ファルマリア撤退友の会』の皆様はケーキスタンドの食べ物を全て食べて元気を出し、幕僚や来れなかった指揮下各部隊指揮官達へのお土産にと包んだ、俺の持ってきた茶葉や公使館厨房の連中が全力で作り上げてくれた大量の菓子類も持っていき、その上で翌日に俺と甥っ子の2人で手分けして丸一日掛けて『独立ティリアン防衛隊』の各隊にキャメロット軍から分けてもらった大量の缶詰や乾燥野菜、乾パン、小麦粉、これまた厨房の連中がほぼ徹夜で焼いてくれた大量の甘いクッキーを『ティリアンを守る勇士達にエルフィンド女王陛下と我が国国王陛下からの陣中見舞い品』と称して配っていった。

ついでに案内役として着いてきて兵士達・・・監視役であろう秘密警察の連中にも色々と渡しておいた(笑)。

さてさてどうなりますか・・・。

 

 

 

二角帽氏のおかげでキャメロット側と講和条件のすりあわせが出来つつあるが、我が国がエルフィンドへ示す予定の講和条件に対してかなり難色を示されている。

当然といえば当然だ。

ここから譲歩したふりをして私達が求める・・・我が王が求めるエルフィンドを弱体化する条件に落とし込むだけだ。

とはいえエルフィンド側が飲めそうな条件まで落とし込まないと、直接交渉もままならない。

もしそこまで落とし込めたのならば、二角帽氏の船で私とキャメロットの外務大臣同士で秘密交渉をおこなうという確約が出来ているが、まだそこまですら達していない。

とはいえティリアン占領も現時点では困難だというのが軍からの報告としても存在する。

現在の補給線では武器弾薬を輸送するのもままならず、食料を最優先して輸送している状況だとか。

シルヴァン河のパウル橋梁群の復旧には全力で取りかかっているが、とてもではないが早期復旧は無理だと。

そして渡河点の浮橋や仮設橋は早期復旧できたとしても、いつまた敵がシルヴァン河を遡上して攻撃してくるかわからない上に、そもそも補給線としては細いといっても過言ではない。

なので軍からはティリアンを攻撃し、占領する戦力はないと断言されてしまった。

なにせ国内防衛強化という名目で、食糧不足を見越して数個師団を本土に戻したほどだ。

その部隊は武器弾薬をエルフィンドに残して。

新たな武器弾薬を本土で受け取る手配をして。

そこまでしないと故障した武器の代わりや敵が攻撃した来たときの弾薬が確保できない状況だという。

その上で食料も不足気味。

幸いと言っていいかわからないが、エルフィンド側が各橋梁の破壊以外の補給路への攻撃をしてこないのがまだ救いになっていると陸軍は説明しているほどだ。

さらに完全に孤立しているといっても過言ではないノグロストの状況も危うい。

武器弾薬食料全てが不足しているとの情報が入っている。

とはいえクラインファスが占領されている現状では輸送路はモーリアを起点としたシルヴァン河での河川輸送しかなかったが、過日のエルフィンド・キャメロット海軍合同艦隊による遡上作戦で、その河川輸送にあたっていた船舶がほぼ全て撃沈されてしまい、補給路がほぼ完全に断たれている状況だ。

もちろん再度モーリアに分解された状態の小型蒸気船を大量に運び込み、組み立てて輸送に投入しようとしていたり、他の本土の街からクラインファスのエルフィンド軍に妨害されない様な迂回補給路を建設しているそうだが、それぞれ進捗はかばかしくないとのことだ。

現在は大型の手漕ぎボートに台船を結びつけておこなっているモーリアからの輸送がノグロストへの唯一の補給線だということだが、当然のことながら大量輸送は出来ていない。

食料が手一杯とのこと。

それですら全く足りていない。

もしクラインファスや海からエルフィンド軍やキャメロット軍が襲来した場合、防衛もままならないと判断されているほどだ。

さらに食糧不足から、いつ白エルフ達が暴動を起こすかわからないともいう。

ノグロストはひとえにツィーテン上級大将の力量だけで支えられている状況だ。

 

アーンバンドの街も油断できない。

アーンバンド近郊に上陸したエルフィンド海兵隊は、戦前の情報では連隊規模だったはずだが、どうも開戦後に増強がおこなわれたらしく、2個連隊規模の戦力なっていた。

火力こそ軽武装の海兵隊のために大したことはないが、すぐ後ろにキャメロット艦隊が張り付いていて火力支援をおこなっている。

実際、一度海に叩き落とすべく攻撃を仕掛けた2個後備旅団が艦隊からの艦砲射撃でかなりの打撃を受けた上に、ボートを使って海の上を迂回していったエルフィンド海兵隊の一部が後方からも攻撃した結果、壊乱寸前になり、退却せざるを得なかったそうだ。

その上で簡易的な仮桟橋を何本も海岸に建設して、海からの補給を容易にしているらしい。

なのでアーバンド近郊のエルフィンド海兵隊は、現状ではキャメロット艦隊が張り付いている間は放置するしかないという判断がされている。

もちろん戦力が少なく、アーンバンドの街を占領は出来ないと判断されているのも大きいが。

 

この様に各戦線共にギリギリで維持されているといっても過言ではない。

そして先ほどになってようやくキャメロットとの非公式外交ルートでの接触が一切出来なかった理由が判明した。

完全な証拠は確保できていないとした上での報告だったが、その非公式ルートを有している、私達が接触を依頼していたファーレンス商会自身が妨害をしているらしいとのことだった。

ファーレンス商会は商業活動でキャメロット国内にそれなり以上の繋がりを有している。

なのでその商業活動の繋がりからキャメロット政府への接触を依頼していたのだが、その繋がりを持っているファーレンス商会自身がそれを妨害しているのならば、接触できるはずがない。

おそらく同じルートを逆に使ったキャメロット側からの非公式接触も、ファーレンス商会が手を回していたのだろう。

ファーレンス商会がどうしてその様なことをしているのかは全くわからないが。

証拠さえつかめればファーレンス商会に対して圧力を加えることが出来るが、確たる証拠をまだつかめないというのがもどかしい。

さらにどうも二角帽氏を介した秘密外交を気がつかれているらしく、ファーレンス商会の息がかかった新聞数紙に、偽装したキャメロット軍艦が頻繁にオルクセンに来航しているらしいという記事が掲載された。

外務省で情報分析を担当している職員達は『確たる来航の証拠を入手した時点で、政府は敵艦の来航を見て見ぬふりをしていると特ダネとして流布して、来航自体を妨害しようとしている可能性が高い』と判断している。

正直にいうのならば、ファーレンス商会がなぜこの様なことをしているのかが全くわからない。

しかし我が王に報告せねばならない。

豊穣なる大地よ、なぜ我が国にこの様な試練をお与えになるのでしょうか・・・

 

そう思っていたとある日の夕方、前線から『エルフィンドからの休戦を願う使者がやって来た』という報告が入った。

なにがおきた?

 

 

 

 




エルフィンドにて政変勃発
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