小逆転!ベレリアンド戦争!  ~if キャメロット王国参戦す~   作:koe1

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開 戦


第5話『どうして・・・どうして・・・』

星歴876年11月8日午前12時45分

 

本日の朝9時にキャメロット駐箚オルクセン公使に対してキャメロット外務大臣ではなく首相より直接『我が艦艇4隻に対する誤射による撃沈に対する謝罪と賠償と実行者と責任者に対する断固とした処罰』が記された『最後通牒』がキャメロット駐箚オルクセン公使に手交された。

その内容は直ちに電信によって私の手に届けられた。

もちろんその『手交された最後通牒』は外交行李にてキャメロット駐箚公使館員が緊急輸送中だ。

キャメロット駐箚公使館からの情報では『ファルマリアの虐殺』『モーリアの虐殺』、さらに海運保険の大幅値上げの理由が海軍の補助巡洋艦によるベレリアント半島航路の民間船大量拿捕とファーレンス商会による意図的な値上げだということ等が新聞に大々的に掲載されたことにより市民が激高し、公使館を取り囲むような事態も発生したとのこと。

それはすぐにキャメロット官憲に手により排除され、現在は警備も強化されているとのことだが、由々しき事態と言える。

ただ問題は『最後通牒』の中身だ。

『実行者と責任者に対する断固とした処罰』が明記されている。

責任者・・・つまり我が王へ断固とした処罰を要求していると言うことだ!!

そんなものを飲めるはずがない!!

そもそも現在もなお、キャメロット海軍がファルマリアにいたという確証は得られていない。

もし本当にいたというのならば、彼らがその証拠を出すべきであろう。

念のためにファルマリアを包囲しつつある第一軍に問合せをしたが『キャメロット民間人が義勇軍や協力組織を結成してエルフィンド軍に全面的に協力している。もはや保護対象とはみなさない』以外の情報はなかった。

それはそれで大変拙い気がするが、私に軍を指揮する権限はない。

なので『それら義勇軍や協力組織も含めてキャメロット民間人の絶対保護』を再度陸軍省を通じて要請するに留まった。

ただ不思議なことにこの『最後通牒』であるにも関わらず、この文章には『開戦も辞さず』や『何日までに回答すること』等が一切記されていない。

つまり・・・キャメロット海軍が被害を受けたというのは嘘であり、どんな手段で・・・恥をかいても良いから戦争を止めようとしている可能性が高いか?

実際キャメロットに対して我が国が大量の投資をしているが、キャメロットはエルフィンドに対して大量の債権を有している。

それらが敗戦によって白紙になるのを恐れているのか?

これはやはりブラフか?

正直言うのならば、キャメロットが何をしたいのかが全くわからない・・・。

とにかく我が王に至急報告せねば・・・

それと我が王の許しを得た上で、海軍に改めて全艦艇の一時的な作戦中止を要請せねば・・・

 

そして後日、私はここで大きな失敗したことに気がついた。

私は確かに陸軍省を経由して第一軍宛に『それら義勇軍や協力組織も含めてキャメロット民間人の絶対保護』を要請したが、この時に第一軍がキャメロット海軍艦艇の遭難疑惑を知らされていない、もしくは知らない可能性が高いことに気がついていなかったのだ。

私はいつの間にか『総軍司令部にいらっしゃる我が王へご報告しているのだから、誰かが第一軍へ連絡しているだろう』と思い込んでしまっていたのだ・・・

明瞭に第一軍へのこの遭難疑惑の連絡要請をしていなかったのだ・・・

なぜそんな愚かな失敗をしてしまったのか、今でも自身のことを理解できない・・・。

 

 

星歴876年11月16日午前1時

懐かしの・・・というほどではないが、俺はファマリアに帰ってきちまった。

いや~、行きのオルクセンの海賊船との追いかけっこ、きつかったな。

で、正直帰ってくるまでの間にファマリアは落ちていてもおかしくないと思っていたが、まだ保たせていた。

陸に上がってから話を聞くと、艦隊と砲台が健在なので、弾数は少ないが砲撃でオルクセンの砲台建設を嫌がらせレベルの妨害や、夜目を効くことを利用して小規模夜襲を繰り返してオルクセン軍のことを妨害しまくっていることや、オルクセン軍自体の動きが大変鈍いせいとのことだ。

例の『とられたら終わり』の丘も、オルクセン兵の姿が見える度に砲撃をくわえているせいで、奴らはまだなにもできないらしい。

もっともそのたびに反撃を喰らって、こちら側もじわじわと砲台の攻撃力を喪失しているそうだが。

それにしてもオルクセンの動きが鈍いのは俺達キャメロット人がいるから気を使っているせいか?

んなわけねーか。

とりあえず、ファルマリアよ俺は帰ってきた!!

真夜中かつオルクセン側に気がつかれるのが嫌だったので発光信号も喇叭も鳴らさずにいたにもかかわらず、夜目が利く白エルフ達はすぐに生き残っていた蒸汽ダグボートをよこしてくれてくれた。

すぐにたったの70万ポンド(約317トン)ほどだが運んできた食料も真夜中にもかかわらず沖仲仕達が静かにだが威勢よく降ろしていく。

無理言って積んできた食料だが、少しでもみんなの腹の足しになればいいが・・・。

 

俺はすぐに防衛司令部に案内された。

こんな時間だというのに皆様きっちりとした格好をしていらっしゃる。

ちょっとは白エルフの皆様のあられもない格好を期待したんだが残念至極だぜ。

で、まずはキャメロット駐箚エルフィンド公使館を介して届けられた命令書をお見せする。

驚いてる、驚いてる。

なにせ海軍艦艇全てのエヴァンマール港への移動を指示している。

ただその続きにも驚いている。

「海上より全住人並びに全兵力の撤退?そんなことが出来るのか?」

ハルファン二等少将殿が信じられないという顔で俺の方をみる。

部屋は光源を押さえていてめっちゃ薄暗いが、その綺麗な顔は変わらない。

だいぶ疲れているがな。

1人でも逃げることをいとわないという感じだった二等少将殿・・・ファルマリア要塞司令官殿はめっちゃ嬉しそうな顔をしているし、まともな撤退を主張していた二等少将殿・・・ファルマリア旅団長殿は安堵した顔をしている。

そして我らが?海兵隊の二等少将殿は特にこれといった表情を浮かべていない。

そりゃやっぱりお船のことを少しは知っているからか。

当然だよな。

で、予想通りのことを口にされた。

「そんなに船があるのか?私達は何ヶ月保たせればいいんだ?」

その一言で陸軍の二等少将殿達は一気に暗い顔になった。

俺はにやっと笑ってからこういってやった。

「大変申し訳ございませんが、サービスの方は諸事情にて満足なものはご提供できませんが、我が国の船の乗り心地、さほど長い時間ではございませんが、皆様たっぷりとご堪能ください」

そう言うと、唯一意味がわかった海兵隊の二等少将殿はまさか!という顔をした。

作戦名『Great Escape』既に発動済み。

エルフィンド軍1万3千、市民6万5千、それとうちの生き残り400人ちょい、船員を除いたキャメロット民間人50人程度、ファルマリアからエレガントにトンズラさせてもらうぜ!

 

翌朝、ろくな準備もとれていないがエルフィンド艦隊は軍楽隊の演奏の中を派手に出撃していった。

間違いなくオルクセンの連中も気がついているだろう。

実際あのでっかい鳥が飛んできたしな。

というか気がついて頂かないと困る。

そのために明るくなってから軍楽隊の演奏もつけて出航してもらったんだから。

で、艦隊は順調に進んでいけばエヴァンマール港へは1日で着く。

ただし一部は詰め込んだエルフィンド海兵隊で、どうもオルクセンが監視哨を作っているらしいリントヴルム岬あたりに一時的に上陸して、近くにある村の郵便局と岬にある監視哨を徹底的に破壊してトンズラして頂く予定だ。

もっとも村への砲撃は絶対にしないようにお願いした。

そんな卑怯なことをしたオルクセンの連中と変わらねーからな。

最初は渋っていた二等少将殿も「民間人を殺すのは海兵隊の恥だろ?」と煽ったら、頷いてくれて、自ら先頭に立って指揮するそうだ。

海兵隊員達の銃には弾薬を装填せずに、銃剣だけ着けて村を駆け抜けて電信線の切断と郵便局にある電信機の破壊を約束してくれた。

もっとも代わりに「監視哨は砲撃でいいよな?」といわれたので頷いておいた。

なので、こちらはベラファスト湾をでてからこっそりと引き返し、夜間に上陸するそうだ。

もっとも村自体だいたいの位置しかわからず、郵便局が村のどこにあるかもわからないが、3時間で戦果が出なかったら撤退するとのことだった。

もし成功したら・・・いやしなくてもこちらの出航を知ったのならばオルクセンは艦隊を差し向けてくるだろう。

あと海岸線沿いの警備も強化しないといけない。

まぁ成功すればの話しだが、オルクセンは大変だな(笑)。

海を利用した戦いってものを教育してやらねーとな。

あいつらどうも陸の上しか見てねーみたいだからな。

 

で、キャメロットを出発した大型民間船15隻からなる第1船団は既にベレリアント半島北西海域あたりを航海しているだろう。

海軍艦艇が護衛に付いてくれているといいが・・・まぁあれほどオルクセンが海賊船を出していることを喚いたから二等巡洋艦あたりが2隻ぐらいは着いていると信じよう。

第2船団も準備が整い次第出航する手筈になっているが、既に出航していると信じたい。

で、当然のことながら我らが王立キャメロット海軍の本島艦隊が全力・・・ではないが出撃できる艦は出撃。

装甲艦6、装甲帯巡洋艦6、一等巡洋艦4、二等巡洋艦4、水雷巡洋艦4だっけな?

しっかし全力だと何隻になるのか考えたくないな~(笑)。

で、それにエルフィンド海軍も加わると。

オルクセンの連中、ただでさえこの前の襲撃でそれなりの沈没艦がでているのに勝てるのか?

それともまた魔法で焼き払うのかね。

しかしオルクセン、全く謝る気がねぇと言うのは凄ぇな。

しかも軍事施設のないモーリア市街地にも砲撃をくわえたって言うし、やっぱり魔種族、野蛮なのかね?

何度もオルクセンに積み荷を運んだことはあるし、オルクセンの魔種族の友人知人も何人もいるが、個人としてはそんな感じはねーんだがな・・・。

個人としてではなく国家として野蛮なのか?

とりあえず俺は、ここに残っている俺の『愛しのエルフ号』も含めた民間船9隻で最初の大脱走の準備をしないといけねぇ。

まずは女・・・エルフはみんな女だから、子供と子連れからだな。

で、最後はうちの海兵隊の連中と順番が決まっている。

さて役所に行って今のうちから乗り込み順の準備しないとな。

悪いが少なくとも民間人は1人として殺させないぜ、オルクセンさんよ。

『11月15日午前10時までにファルマリアを解囲すれば文章による謝罪や責任者等の処罰をしなくとも謝罪とみなす。問題は一時的に棚上げする』とまで譲歩したうちのお偉いさん達のお願いを無視して、包囲したまま。

今の時間は11月16日の午前9時。

宣戦布告は成された。

クソみてーな戦争の時間だぜ・・・。

 

 

星歴876年11月16日午前9時30分

ついにキャメロットが宣戦布告をした・・・。

私はつい先ほどオルクセン駐箚キャメロット公使から手渡された宣戦布告文を手にしたまま呆然としていた。

我が王を処罰しろというキャメロット側の要求に対して『その様な事実があったとしても責任者の処罰は絶対にあり得ない』と回答しつつ『ただ事実関係を調査中であるので今しばしの時間を頂きたい。可能ならば我が軍が貴国艦艇を撃沈した証拠を提示して頂きたい』という内容の回答書を11日に手交したのだが、13日に『もはや貴国が誠意ある回答を成すとは思えない。よって我が国は11月16日午前9時をもって宣戦布告を貴国に対して断固として通告する予定である。ただし11月15日午前10時までにファルマリアの包囲を解囲し、切断した電信線をオルクセン側が復旧させ、ティリアンとの通信を回復させるのならば11月16日の宣戦布告の通告は当面延期する』との最後通牒が送られてきた。

11月7日の外交文章が『最後通牒』ではなかったのか?

正直、この内容からキャメロット側が何をやりたいのか、言いたいのかがさらにわからなくなった。

 

ただ内容が内容なので、直ちにアーンバンド市の総軍司令部にいらっしゃる我が王に内容を転電したが、相変わらずの不可解な内容から我が王も対処に苦しんでいる様子らしく、どうするかと悩んでいたらしいが、突如としてアーンバンド市を始めとするオルクセン中北部の各都市との通信が途絶した。

電信線が複数箇所で切断されたらしい。

最初はエルフィンド側の浸透かと大騒ぎになったが、どうも季節外れの大嵐がオルクセン中北部にやって来たらしく、アーンバンド市を始めとする中北部の各都市への電信線や道路線路を始めとして各地の通信道路鉄道網を破壊したとのことだった。

特にアーンバンド市への道路線路は1本しかなく、電信線もその線路や道路に沿って設置されている。

なので他のオルクセンの都市と違って迂回ルートが存在しない。

すぐに復旧作業が開始されたらしいのだが、ここで軍が戦時動員していることが裏目に出た。

中北部全体でみるのならば凄まじい数の被害箇所に対して復旧作業に当たる人員が全く足りない。

ならばまずは電信だけどもと現場は考えたらしいが、その電信の破損箇所に道路や鉄道の破損のために資材を持ってたどり着けないらしい。

そのため現在に至るもアーンバンド市を始めとする中北部の各都市との鉄道、道路、そして通信が電信郵便ともに途絶してしまい、その間にキャメロットが通告した期間が過ぎてしまった。

もちろん『大規模災害が発生し、親征している我が王やファルマリア方面の軍部隊との迅速な通信が不可能になったので数日間の猶予を頂きたい』と可及的かつ速やかかつ丁寧にキャメロット政府に申し出たが

『その様な卑劣な時間稼ぎをもはや認めるわけにはいかない。直ちに謝罪し責任を認めよ。もしくはファルマリアを解囲せよ。それが両国関係改善の第一歩である』

との回答が来るにいたり、外務大臣としては断腸の思いであったが、我が王を処分せよと主張するキャメロットの言なぞ受け入れるわけにはいかず、とうとうオルクセン駐箚キャメロット公使より宣戦布告文を手交されてしまった。

「我が国は誤射による一方的被害を受けたにもかかわらず、貴国はそれを一切認めずに賠償はおろか謝罪すらおこなわない。よって宣戦布告を手交せざるを得なくなった。爾後の責任は貴国にある」

そう言ってキャメロット公使は立ち去っていった。

すぐに公使館を引き払うのだろう・・・。

・・・我が国は勝てるのか?

とにかく、各所にキャメロットが宣戦布告したことを連絡をせねば!

そしてその30分後だった。

乱気流に巻き込まれ、怪我を負いながらも飛んできた大鷲族が我が王からのキャメロットへの謝罪文を運んできたのは。

豊穣の大地よ、なぜこの様な仕打ちを・・・。

 

 

星歴876年11月20日午前11時42分

『当艦より320度の位置に煙り多数みゆ!』

トップマストに繋がっている伝声管より見張り員の声が聞こえた。

ファルマリアを救援するのならば通るであろうと予想していた海域と時間で会敵できた。

私はその方向を双眼鏡で見るが、艦橋にいる私の位置からではまだ確認できない。

エルフィンド残存艦隊のファルマリアからの脱出とキャメロットの参戦という一大事に、荒海艦隊の一時的な行動中止は解かれ、急遽ベレリアンド半島東方沖に出撃した。

エルフィンド残存艦艇だけならば楽に勝てるが、キャメロット海軍相手には絶対に勝てない。

自軍の船がファルマリアにいて我が艦隊が撃沈したなぞというおかしなことを言っての宣戦布告だが、そこまでしてエルフィンドを救いたいのか・・・理解できん。

しかしキャメロット海軍・・・世界最強海軍の代名詞と言っていいキャメロット海軍・・・リョースタ、スヴァルタの2隻と対峙せざるを得なかったとき以上の重圧だが指揮官たるもの、弱気な姿勢は一切見せてはならぬ。

それに開戦と言っても準備に時間はかかるだろう。

まずはエルフィンド残存艦隊を撃破して、ベレリアント半島東方沖の制海権を確保して、それから西方海域でキャメロット海軍と決戦を挑み・・・そう考えていると

伝声管から見張り員の狼狽した声が聞こえてきた。

『リョースタとスヴァルタがいる!!エルフィンド艦隊の先頭にリョースタとスヴァルタがいる!!』

私はそれが聞き間違えであった事を祈りながら、双眼鏡を覗くがようやく煙が見えてきた程度で船体はまだ見えない。

もしかして・・・もしかして・・・ファルマリアで沈めたのは本当にキャメロットのアルティメット型だったのか?

いや、もしかしたらキャメロットがアルティメット型をエルフィンドに急遽売却したのかもしれん・・・いや、例えそうだとしてもアルティメット型はリョースタ型よりも強力だ・・・雷光弾も当たれば大威力だが、双方で動き回っていれば当たりにくい・・・この前のような停まっている船にあてるのとは訳が違う・・・これは・・・反航戦で一撃加えてから離脱するべきかもしれん・・・

そう混乱しつつある頭で考えを纏めていると、伝声管から再び声がした。

『当艦より30度の位置に煙を別に一条を発見!どんどん増えつつある!エルフィンド艦隊のものとは別!』

私は絶望的な気分になった。

双眼鏡でも見えるようになったエルフィンド艦隊の先頭には確かにリョースタ型もしくはアルティメット型がいる。

それに続く艦の数は見えている範囲では私達が把握しているエルフィンド海軍の艦艇数とほぼ一緒だ。

それとは別な煙が見えてきたということは・・・

『新たなる煙、装甲艦を先頭にした艦隊!国籍未だ遠距離のため不明!数、少なくとも10以上!』

キャメロット海軍だ・・・もう動いたのか!

この船では・・・艦隊では勝てない!!

ここで全滅すればオルクセン沿岸防衛すら出来なくなる!

いや、既に西部は見捨てることとなるが、せめて東部の沿岸の制海権だけは維持せねば!

艦隊が無傷で残るのならば、敵もそう易々と自由な行動はとれない!

そもそもファルマリアが落ちれば、エルフィンドにまともな軍港はない!

そうすれば奴らも易々と行動はとれない!

こちらの艦隊さえ生き残れば!!

私は断腸の思いながら退却を決断した。

「艦隊変針、左90!」

 

 

さる星歴876年11月20日午前15時58分にエルフィンド艦隊司令官であったミリエル・カランシア少将が戦闘の終了を宣言。

我がキャメロット艦隊もそれに従った。

同日の12時43分に逃走を試みたオルクセン艦隊に対して、エルフィンド艦隊旗艦リョースタの砲撃から始まった。

『ベレリアント半島東方沖海戦』と命名されたこの大海戦において、会敵初頭から逃走を試みたオルクセン艦隊は逃走に失敗し、キャメロット・エルフィンド合同艦隊の前に大敗。

最後は艦隊運動すらとることができなくなり、残存艦は単独で逃走していった。

残されたの、味方にも見捨てられた浮いているのみのオルクセン艦と、冷たい海の中で漂っている沢山のオルクセン将兵のみ。

その様な悲惨な運命にあった彼らを前にして我がキャメロット艦隊とエルフィンド艦隊は、卑怯な攻撃を開戦初頭に受けたにもかかわらず人道的行動をとった。

明らかに戦闘力を喪失しているものの未だに降伏をしない、本来ならば撃沈しても全く問題のない勇敢なるオルクセン艦にすら危険を顧みずに攻撃を止めて救助の手を差し伸べ、オルクセン将兵と共に自身の命を省みずに機関室に取り残されていた、最後まで持ち場を離れなかった勇猛なる将兵をも救出したり、冷たい海に漂う将兵を一人でも多く救おうと努力した。

海から引き揚げられて凍え死ぬ直前だった将兵はすぐにラムと毛布を与えられた身体を温められ、負傷していた将兵はすぐに軍医が治療に当たった。

これぞ海の男と女の姿である。

 

なおこの開戦において、オルクセンが使う不思議な魔法の砲弾にて我が軍にも被害が出たが、沈没したのは二等巡洋艦1隻と水雷巡洋艦1隻のみ。

エルフィンド海軍は、装甲帯巡洋艦1隻と1等巡洋艦2隻が沈没、さらに我が国が建造したリョースター級の2番艦スヴァルタが大破したが、旧来の艦ならば間違いなく沈没している損害にもかかわらず、大破で済んだのは我が国の造船技術の素晴らしさを証明するものである。

それに対しオルクセン海軍は、確認できた範囲で逃走に成功したのは、小型砲艦が3隻に装甲艦が1隻、巡洋艦が2隻ほどであり、さらにどの艦も損害を受けており、オルクセン海軍の卑怯な行動に対して報復はなされたといっても過言ではないだろう。

 

- 星歴876年11月25日発行 ログレスタイムズの一面より抜粋 -

 

 




オ ル ク セ ン 荒 海 艦 隊 壊 滅
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