雄英二日目。午前中は必修科目・英語等の通常授業。
「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」
(((普通だ)))
驚く程に普通だった。ちなみに答えは4番。理由は関係詞の場所が違うから。そして、午後からはいよいよヒーロー基礎学。
「わーたーしーがー!!!普通にドアから来た!!!」
オールマイトがHAHAHAHAと笑いながら入ってくると
「オールマイトだ・・・!!」「すげえや、本当に先生やってるんだな…!!!」 「あれ、
私が冷めた目で見ているのと対照的に、みんなオールマイトの登場に興奮していた。そして、オールマイトが教壇の上に立ち、説明を始めた。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為、様々な科目を行う訓練だ!!」
「単位数も最も多いぞ」と説明を続け、
「早速だが、今日はコレ!!戦闘訓練!!!」
「戦闘……」「訓練…!」
オールマイトの戦闘訓練という言葉に爆豪君と緑谷君が反応した。2人とも順番に言葉を発するなんて仲良いな。
「そしてそいつに伴って…こちら!!!」
「入学前に送ってもらった「個性届け」と「要望」に沿ってあつらえた……
先生がそう言うと壁から1〜20までの番号が書かれたアタッシュケースが出てきた。あれどういう仕組みなんだろう、と考えていると
「おおお!!!!」と
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!!」
「はーい!!!」
戦闘服に着替えるため、更衣室に移動した。私の戦闘服は、上は赤色の半袖tシャツ、下は黒のショートパンツにユーティリティベルトを巻き、刀を携えてた。一見すると、ただの洋服だが、実際は強化繊維でできており、耐久性、伸縮性に優れている。
「瑠花ちゃんの戦闘服私服みたいやね!」
「要望にも動きやすくて、ラフな格好だったらなんでも良いって書いたらこれが届いた。便利な機能とか特に必要ないし、これが一番楽。麗日さんの戦闘服は……」
「要望ちゃんと書いとけば良かったよ…。パツパツスーツになっちゃった」
恥ずかしながらそう言ってるが、充分似合ってると思う。
そんな会話を続けていると、他のみんなも着替えが終わっていた。
全員が集合すると説明が始まった。どうやら、2体2の屋内訓練をするようだ。みんなは具体的な内容について、口々に質問をし始めた。
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ブッ飛ばしてもいいんスカ」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」
「分かれるとはどのうような分かれ方をすればよろしいですか」
「このクラスは奇数なので1人余りますけど、その人はどうするんですか?」
「このマントヤバくない?」
「んんん〜〜〜聖徳太子ィィ!!」とオールマイトは質問の数々に困惑しながらも、カンペを見ながら、なんとか説明をしていった。
要約すると、
「コンビ及び対戦相手はクジだ!」
「適当なのですか!?」
「プロは他事務所と急造チームアップすることが多いし、そういう事じゃないかな…」
「そうか…!先を見据えた計らい…失礼致しました」
「いいよ!!早くやろう!!」
順番にクジを引いていき、私の番になった。クジを引くとそこには星のマーク。
「先生、私星のマークが出たんですけど」
「星マークは当たりだよ。人数は1人だけど、順番は最後でその間、相手の個性や手の内を見ることができるし、誰と対戦するかも自分で選ぶことができる!」
「わかりました。設定ありがとうございます」
これで良かった。1人の方が気楽でやりやすい。
1戦目はAチームとDチーム。緑谷君・麗日さん対爆豪君・飯田君
開始早々、奇襲を仕掛けてきた爆豪君の攻撃をかわして、麗日さんを先に行かせた緑谷君。前半は爆豪君の動きを読んだり、確保証明のテープを利用して、戦いを有利に進めてたけど、後半はまったく手も足もでず、もはやリンチの状態だった。麗日さんも飯田君に徐々に追い込まれてたけど、終盤、緑谷君が個性を発動して天井を破壊し、その瓦礫と壊れた柱を利用して麗日さんが攻撃。飯田君は咄嗟に防御に入ったけど、その隙をついて、麗日さんが核を回収した。結果だけを見れば、ヒーローチームの勝利だけど、その勝った2人は倒れていて、負けた2人は無傷という、なんとも微妙な結果だった。
その後、八百万さんが厳しい意見意見を述べて講評は終了。続く2戦目は轟君がビル全体を凍らせて圧倒的な勝ちを収めた。それから、3戦目、4戦目と順調に進み、遂に私の出番が来た。
「さて、次がいよいよ最後の組の対戦だけど、柊少女。どのチームと対戦する?」
「Bチームでお願いします」
私は即答した。対戦の様子を一通り見て、Bチームが一番
『屋内対人戦闘訓練スタート!!!』
スタートの合図と同時に私は建物の中に入った。そして、青の王の権能の結界を発動し、建物は青色のエネルギーで包まれたがその後すぐに消えた。
核は4階か。核の位置を確認した後、すぐに外に出て、青のエネルギーで足場を作り、隣のビルの屋上に跳んだ。そして、スケボーに乗り、助走をつけて、核のある部屋に突入した。
(懐かしいな。十束さんを殺した犯人を見つけるために銃取引をやってた人たちに襲撃を仕掛けたとき、八田さんが今みたいに隣のビルから突っ込んだっけ)
瑠花がガラスを破って窓から来たことに、轟と障子の目は驚愕に見開かれた。部屋に入って瑠花はスケボーを走らせ障子の方に向かった。咄嗟に触手を広げて防御したが、瑠花は壁を走り後ろに回り込んで蹴りを放ち、障子を気絶させた。
「まずは1人」
「奇襲を仕掛けてきたとはいえ、いきなり部屋に突っ込んでくるなんて甘く見られたもんだな」
そう言いながら、轟は氷結を繰り出し、瑠花を凍らせようとしたが、瑠花はそれを回避し、炎でスピードを加速させ壁や天井を縦横無尽に走り回る。
「そう?かなり余裕だけど」
そう言うと、瑠花はスケボーごと空中に身を投げ出し、鮮やかな赤い炎を纏い攻撃するが、轟は氷で壁を作り防御した。
(やっぱりそうだ。今私が宙に浮いてた時、使えば確実に当たったであろう炎を使わなかった。空中じゃ回避できないのに。それに加えて、左半身を氷で覆ったあの戦闘服…。理由は知らないけど、戦闘で左側は使う気がないな)
「それにそっちこそ、半分の力だけで戦うなんて随分余裕じゃん。(手加減してる私が言えたことじゃないけど)」
「確か、あなたエンデヴァーの息子だったよね。さっき私の炎を見て、一瞬に憎悪に満ちた目をしてたけど、彼と何かあったの?」
「うるせぇ…!!お前には関係ない!」
轟は防御を捨て、氷を放つ。ーーその一瞬。
「かかった」
瑠花の声と同時に、視界が赤に染まった。
放たれたのは、爆ぜるような鮮烈な炎。氷を呑み込み、一直線に轟へ放たれる。
「なっーー」
回避も防御も間に合わない。轟はその熱量を正面から受け、衝撃に吹き飛ばされて地に倒れた。
その後瑠花は、核に向かって歩いていきーー
「核回収」
『ヒーローチームWーーーーーN!!!』
屋内訓練最終戦はヒーローチームの勝利に終わった