Serial   作:ummt


原作:Serial experiments lain
タグ:オリ主
Processor、Iris、Dolphin

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Serial

 

「うーん、これもハズレ。ぜんぶハズレ。ハァー……。」

 

 自作したタッチパネル式NAVIをペタペタと触る。

 殆んどのNAVIは橘総合研究所のCommunicationOSで駆動しているか、よくてCopalandOSを積んでいるくらいでマトモなOperationSystemを搭載していない。

 そんな中で自作のOS、IrisOSを開発出来たのは俺くらいだろう。

「KID……Knowlede.Integration.Determine……またはDiscover……System……。」

 wwwのSpiderWebを手繰り寄せるようにホジスン教授の痕跡を辿る。

 ホジスン教授は界隈でも有名な子供殺しという大罪人であり、精神学者であり科学技術者であり研究者だった。

 PSIまたはPSYをオルゴンボックスのようなキューブに収容する実験を行い、その実験名はKensingtonと称されのちに闇に葬られたということをナイツの一員のstandaloneNAVIに侵入して情報を掴んでいる。

 ナイツの一員にもSecurity意識が手薄な者がいたものだ。

 恐らくその実験はフィラデルフィア実験のように人体、いわば生命と物質が融合した地獄絵図になったのだろうことは容易に想像できる。

 ただ、このワイヤードの中では魚拓が残っている、履歴があるのは確実視していいだろう。

 この実験で注視するべきは『シューマン共鳴または共振』で集合知にアクセス出来る……つまりオカルトで言うところの『アカシックレコード』という巨大な過去と未来の情報を見知ることができるということ。

 『超ひも理論』のように一つの糸、ないし意図から全てを理解出来る……つまり全知全能の神のように振る舞うことが出来る。

 過去を知れば正解が見え、未来を知れば進むべき道が見える。

 IPv4アドレスプールが枯渇を迎えようとし、新たなProtocol7の研究だのされているが、枯渇するならばプールを廃して再分配としてワイヤードにアクセス出来る人間を絞るほうが余程いい。

 一部では脳の思考パターンや電気信号そのものをデータ化してワイヤードにConnectすることでワイヤード側に精神を移送する計画もあるらしいが、そんなものは紛い物でしかない。

 いくら位相やパターンを合わせても、物理的なデータサーバ群つまり保存装置が保全されずに破壊されたらそれで終いだ。

 

「Majestic12の情報さえ改竄後の資料しかないんだから、仕方ないか。」

 


 

「Iris、今日訪問した黒服の男達の顔から身元を照合しろ。」

 

 NAVIに命令すると警備会社のNetworkに接続して読み上げようとして『照合中』とだけ言うとフリーズした。

「仕方ねぇか……あのゴーグルの模造品……レプリカだけでも作りたいんだが……。」

 服を脱いでIsolationTankに沈んで瞑想する。

 正しい使い方だ。

 オルゴンもOrgasm……まあ……そうだな。

 自分の身体を少しばかりの弄って、やめた。

 目を閉じて意識を手放そうとすると外側から少女のような声が聞こえる。

「どうして私を探さないの。」

 ザバァと波を立てて水面から上半身を出して周囲を見渡すが、誰もいない。

「空耳か……最近徹夜が続いていたからな……。」

 俺は馬鹿ではないからアクセラみたいな物に頼って集中力を維持したりブーストするつもりは更々無い。

 数少なかった技術屋の友人はアクセラのフラッシュバックで事故死……結果的に自殺した。

 彼はワイヤードに意識があるから何時でも会えると俺に伝えた後に命を絶った。

 ……俺はワイヤードに逃げたりしない。

 人間として……熱を持った生命体として、獣として生きていく。

 『人間関係に疲れたから』『将来が無いから』『生きるのが辛いから』とそうやすやすとデジタルの仮想空間に逃げてたまるか。

 この肉体で美味い飯を食らい、数多の女を抱き、莫大な富を築き、名も無き他者たちから敬われる。

 それを果たさずして死ねるものか。

 水槽から出て身体の水滴を拭いていると、視線の端に少女のような影が映った。

「空目か……架空Cableを触りすぎて架空の存在を見始めるとは……。」

 適当にワイシャツを羽織って作業机の回転椅子に座ると耳元で声がした。

「私は偏在してる。」

 驚いて声の方を振り返っても誰もいない。

「サイベリアに行って。」

 恐る恐る向き直るとモニター群に見知らぬ少女が映っている。

 サイベリアはナイツの一員が訪れる店の名前であり……。

「プシュケープロセッサを探して。」

 プシュケープロセッサ?

 確かナイツの機密資料の中に試作段階として名前は挙がっていたが、既に開発が完了しているのか?

「リリーも実験をした。」

 リリー……ジョン・C・リリーか?

 イルカだのテレパシーだの……このIsolationTankの開発者でもあるが……実験?

「みんながね、ふふふっ。繋がっている。ニューロンみたいに。」

 ニューロン……この場合は人類が集合知として無意識下に繋がっているという仮説を指すのだろう。

 少女の背景にLisp式のMemex思想のコードが表示され、流れていく。

 NAVIの通信も専用線で公衆回線網の経由にはシングルスターで接続をして……。

「お兄さんのOS、Lif……LifeInstinctFunctionにしたら?いやらしいことしてるみたいだから……あははっ。」

 画面の中、スピーカーからではなく、直接脳内に声が聞こえる。

「serial experiments……」

 連続的実験?

 そもそもどうやってこのモニターに映像を写している?

 NAVIとも接続していない完全standaloneだぞ。

「わかる?『青を心に』」

「『1、2と唱えよ』……で、お前は何なんだ。」

 

「私はLain。……岩倉玲音。玲音に会って。」

 


 

「406 Not Acceptable。Lainを好きになりましょう。」

 

「Lainを好きになりましょう。」

「Lainを好きになりましょう。」

「Lainを好きになりましょう。」

「Lainを好きになりましょう。」

「Lainを好きになりましょう。」

「Lainを好きになりましょう。」


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