ガンダムSEED HOPE   作:アサヨシ

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最近ガンダムにはまっており特に今はSEEDが好きで執筆してみました。これもうまくできるか心配ですが書きたいので書きます!


偽りの平和  

C.E.70 血のバレンタインの悲劇により地球とプラント間の対立は決定的なものとなり本格的な戦争が勃発した。誰もが数で勝る地球軍の勝利を信じていたが予想は大きく裏切られ戦局は膠着し11月と時が過ぎようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

C.E.71

 

 

L3宙域にある中立コロニー“ヘリオポリス”。そこは戦火を逃れてやってくる人々の数少ない心のよりどころとしており、そこで人々は戦争とはどこか遠くの出来事といった風にしながら平和な日常を過ごしていた。

そんなヘリオポリスの自然公園の一角にある屋根付きのベンチに座りながら書類を片手にPCをいじる少年がいた。

 

 

「キラー!」

 

 

 

自分を呼ぶ声を聴いた深い茶髪の中性的な少年―キラ・ヤマトはPCの手を止めて呼び声がした方に顔を向ける。

 

 

 

 

「こんなとこにいたのかよ、カトー教授がお前の事探してたぜ」

 

 

 

キラの友達である茶髪の少年―トール・ケーニッヒがガレッジの先生が探していることを伝えるとキラは“また~⁉”と落胆したように声を上げる。

 

 

「見かけたらすぐ引っ張って来いって」

 

 

トールのすぐ横にいた彼の彼女であるショートヘアーの少女ーミリアリア・ハウことミリィもキラを探すように言われていた。

 

 

「な~に?また何か手伝わされてるの?」

 

 

「ったく~昨日渡されたのだってまだ終わってないのに~」

 

 

そうやってキラは愚痴を言いながら作業の手を止めて一息付けながら休みだした。

 

 

「ハハ、めんどくさがりながらもやろうってとこはお前のいいとこなんだがな」

 

 

するとトールとミリィの後ろから少年の声が聞こえてき三人にとってはよく聞きなれた声だった。

金髪のショートヘアーに前髪を両方に分け、瞳は碧眼と紅眼のオッドアイに顔立ちはキラと同じく中性的で明るく元気な少年がキラの元に近づいてきた。

 

 

「リオ!」

 

 

「よう、キラ。お困りごとみたいだな」

 

 

キラは目の前にいる少年―カイト・スメラギがやってきたことでさっきまで力尽きた状態から一気にはしゃぐくらいの元気を取り戻した。

 

 

 

「つっても、俺がやれそうなことはなさそうだけど」

 

 

「え~?せっかく来たのに最初の一言がそれ?」

 

 

「しかたねーだろ、俺はそういう複雑そうなことやるのは向いてないって」

 

 

「じゃ、何しに来たんだよ」

 

 

「キラの困り顔が見たいと思ってな」

 

 

「も~」

 

 

 

リオにニヤニヤしながらからかわれながらもキラは軽く流しながらも嬉しそうにしている。二人は月の月面都市であるコペルニクス時代から交友があり、幼いころからずっといる幼馴染であるためにリオの明るさもあって遠慮のいらない関係がある。二人の関係を知っているトールとミリィは微笑ましく見守っていた。

そんなくだらないバカ話をしているとキラのPCから男性の悲鳴が上がっておりトールとミリィも気になって近づいて覗いてみるとネットニュースから出てきた声であると分かった。どうやらカオシュンという町で地球軍とザフト(ZAFT)による戦闘が行われていた。映像にはザフトのMSのジンが写っており崩れ落ちている町の光景を含めてこれらだけでもザフトの優勢が明らかであると一目瞭然である。

 

 

「いや~、先週でこれじゃ今頃はもう落ちちゃってんじゃねえの?カオシュン・・・」

 

トールの言うことにキラは頷きながらPCの電源を切り折りたたむ。

 

「カオシュンなんて結構近いじゃない。大丈夫かな、本土・・・」

 

「まーそら心配ないでしょう。近いったってオーブ(ウチ)は中立だぜ。オーブが戦場になるなんて事はまずないって」

 

「そう?ならいいけど・・・」

 

ミリィは本国であるオーブの近くで戦闘が行われていることに危惧を感じるがトールの方は楽観的に捉えている。

二人が世間話をしているとキラの肩に止まっていた緑色のロボット鳥のトリィが飛んでいきキラとリオはトリィの飛ぶ姿を見いていると昔のことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が月のコペルニクスにいた頃、桜の咲く木々の中でキラとリオはもう一人の少年と友達でずっと三人で遊んでいたが当時の情勢と少年の家の都合でプラントに避難することとなり別れることとなってしまった。

 

 

 

『ほんとに戦争になるなんて事はないよ、プラントと地球で』

 

 

少年はそう言いながらキラに彼が手作りで作ったトリィをプレゼントする。

 

『避難なんて意味ないと思うけど、キラもそのうちプラントに来るんだろ?』

 

『その時は、俺も一緒に行ってもいいか?』

 

 

幼いリオはニコニコしながら自分も行くことを少年に約束をつけようとし少年もそれに好く答える。

 

 

『ああ、リオも来てほしいさ。周りが何と言おうと俺は歓迎するよ』

 

 

三人は再会の約束を誓い、あれから長い時が流れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キラ?」

 

 

「うわぁ!」

 

 

思いふけっているとトールがキラの顔を覗き込みそれに驚いたキラは後ろに飛びのき、リオもキラの驚いた声に意識が現実に戻された。

 

「何やってんだお前。ほら、行くぞ」

 

 

「ああ、うん」

 

 

トールとミリィが先に行き、キラは外に出した荷物を鞄にしまうために動く。ずっと立ちっぱなしだったリオはキラが驚いた理由をなんとなく察していた。

 

 

「お前もアイツの事考えてたんだろ?」

 

 

「!・・・うん」

 

 

図星を当てられながらもキラは落ち着いた表情でリオの言ったことを肯定する。鞄に入れ終わりキラは立ち上がるとリオと共に再び空を眺める。あの時は戦争なんて本当になることなんてないと、幼かった頃の二人にとっては争いは現れないと根拠のない確信があったがその希望はあの忌まわしい事件―血のバレンタインが勃発の原因となり戦争は現実のものとなった。そんな淡い平穏な願いを語った二人のもう一人の少年の姿が、今二人の脳裏に過る。

 

 

「アスラン、元気にやってるかな?」

 

 

「さあな、俺達は知る術がないんだからな・・・」

 

 

もう一人の幼馴染―アスランのことを思い浮かべながら二人は歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗闇の宇宙の中、一つの小惑星の裏側に水色の独特な縦長の戦艦―ナスカ級高速戦艦ヴェサリウスと近くにいるローラシア級戦闘母艦ガモフというザフトの戦艦が潜んでいた。

 

 

ヴェサリウス内の艦橋に黒い軍服を着た複数人のオペレーターと艦長の他には目元に仮面を被った金髪の男と白髪をポニーテールに纏め彼も目元に黒い仮面を被った青年がおり、二人の男はどちらも白い軍服を身にまとっている。

 

 

「そう難しい顔をするな、アデス」

 

不満そうな艦長―アデスに仮面をつけた男―ラウ・ル・クルーゼは彼をなだめるように言いながら青年と共に艦橋の中心にある作戦用テーブルへ無重力空間の中を泳ぐように渡っていく。

 

 

「ハッ、いえ、しかし評議会の返答を待ってからでも遅くはないのでは・・・」

 

「いや、遅い。この写真を見たときから私はこれが後々厄介なものになると予測している」

 

「その通りだ、私の勘もアレンと同意見だ」

 

アデスの慎重な発言を否定したのは白髪の青年―アレン・デ・ラフォードがテーブルにあった写真を投げ無重力の中をふわふわと投げた方向に飛んでいく。その写真の中には地球軍が開発しているとされている人型の機動兵器―MS(モビルスーツ)らしき頭部の姿が写っており、アレンはこのMSを甘く見ておらずラウもそれに同意する。

 

「ここで見過ごさばその代価、いずれ我々の命で支払わねばならなくなるぞ」

 

「そうならないためにも地球軍の新型起動兵器を何としても奴らから奪取するのだ」

 

そう言いながらラウとアレンの二人は笑みを浮かべながらその視線は中立コロニーヘリオポリスへと向けられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方コロニー内にいるリオ達は現在カレッジに向かうために自動運転のタクシー乗り場に到着した頃でそこにはカレッジではマドンナとされている赤髪の少女―フレイ・アルスターが学友と共に何か話をして話題に花を咲かせていた。

リオ達がかなり近づくと、フレイがリオ達の存在に気が付いた。

 

 

「あれ?ミリアリア!」

 

「ハーイ♪」

 

フレイはミリィとは同じサークル仲間でフレイが後輩だがミリィの性格故にお互い遠慮がいらない関係だ。すると、後ろにいたフレイの学友がミリィに尋ねてきた。

 

 

「あ、ね~えミリアリアなら知ってるんじゃな~い?」

 

「な~に?」

 

「やめてよってばもう!」

 

ミリィが不思議そうにしているとフレイが何故か恥ずかしそうに止めようとするが学友の方は止まなかった。

 

 

「この子ったら、サイ・アーガイルに手紙貰ったの!」

 

「え!」

 

「へ~」

 

「なのに何でもないって話してくれないのよ」

 

「ね~?」

 

「ええ~⁉」

 

二人の衝撃の発言にミリィは驚きを隠せず声を上げてしまいトールとリオはキラの驚いた反応を面白そうに横目に見る。学友をネタばらしにぷんすかとフレイは怒りながら友達たちとじゃれつきあっているとキラ達の後ろからサングラスを付けたスーツを着た男女三人が立っており真ん中の黒髪の女性が咳ばらいをすることでキラ達はようやく気付く。

 

 

「乗らないのなら先によろしい?」

 

「あ、悪りぃどうぞ」

 

そう言いながらリオ達は左右に避けて道を通してあげてフレイと学友たちは物珍しそうに見ており三人が自動タクシーに乗った。

 

 

「んもう!知らないから!行くわよ!」

 

「ああん、待ってよ~」「待ってよ~」

 

 

ばらされたことを忘れていなかったフレイは怒ってタクシーの方に向かうと学友達も申し訳なさそうについて行き車に乗るとショッピングの話になりフレイも楽しそうに話しているため本気で怒ってない様子で今次のタクシーを待っているのはリオ達だけである。

 

「手紙だって、サイが」

 

「え」

 

「意外だなぁ、フレイ・アルスターとは」

 

ちょけているトールはキラの前に立ってカバッとキラの肩に置いて慰めるようなそぶりを見せる。

 

「けど!強敵だよこれは・・・キラ・ヤマト君」

 

 

本気なのかからかっているのかいまいちわからないエールを送るトールとそんな光景に微笑むミリィは到着したタクシーの方へと向かい、キラの方は“僕は別に・・・”と否定しようとするが隣にいたリオもからかう。

 

「けど、さっき手紙貰ったって聞いた時に“え!”ってなったじゃんか?」

 

「ッ!いや言ってないよ!」

 

「いいや、言った」

 

「言ってない!」

 

「言った!」

 

「言ってない!」

 

「そんな子供みたいなことしてないで行くよ~!」

 

 

頑なに認めないキラと認めさせようとするリオは同じことのキャッチボールを続けそうになるがミリィがストップをかけたため中断となり素直に二人もタクシーに乗る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロニーの外側にはヴェサリウスから発信された小型艇が張り付いておりそこから何人も赤や緑の宇宙服を着たザフト兵が推進器で近づきロックされている頑丈な扉を開けるとそこには何重にも張り巡らされている赤外線センサーあり引っかかると警報が鳴るシステムだがこれは一定の時間になると一時的に消えるようになっており一人の兵が時間を確認すると丁度その時間となり赤外線は消え、そこから大量の兵士たちがなだれ込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リオ達はカレッジに到着しラボの部屋に入ると中央にケーブルが接続してあるロボットがあり、その向こう側にはカズィ・バスカークと先程噂になっていたサイ・アーガイルが椅子に座って作業をしていた。トールの軽い挨拶に気付きサイは顔を横に出して嬉しそうにしていた。

 

 

「あ、キラやっと来たか」

 

「よーサイ!はよ~!」

 

「ああ、リオおはよう。お前にも手伝ってほしいことがあって」

 

「おお、どんなのがあるんだ?」

 

 

リオの方は軽い感じで挨拶して近寄っていくがキラの方はさっきの事もあって気まずそうになるが視線を横に向けると背中を壁にもたれかかった茶色のコートとハンチングを被った金髪の少年がいた。

キラもリオ達もカレッジでは見たことがない人だった。気になったトールがカズィに聞きに行った。

 

 

「誰?」

 

「ああ、教授のお客さん。ここで待ってろって言われたんだと」

 

「ふーん」

 

「で、教授は?」

 

 

 

キラが教授がどこにいるか聞く頃、ヘリオポリスの工ダクト内から潜入を開始したザフト兵は金網の下に視線を落とすとそこには大きく白とところどころに赤、橙色の装飾が施している大型戦艦を目撃しうち一人の赤いザフト兵がハンドシグナルで指示を出しそれぞれ作戦を遂行するために散開した。

 

 

 

 

 

キラ達の方はサイが教授から預かったデータが保存しているデータディスク渡していた。

 

 

「これ預かってる。追加とかって」

 

「うえ~」

 

 

元々面倒くさがりなキラにとっては残業みたいなものなため嫌そうな感じに顔を歪めてしまうくらい嫌そうにしていた。

 

「なんなんだ?どうせモルゲンレーテの仕事の方なんだろうけど」

 

 

 

 

モルゲンレーテとはオーブ連合首長国にある唯一の国策軍事企業で様々な機械、製造に携わっている地球でも大手の会社と称されるほどの大企業である。このカレッジの隣にはそのモルゲンレーテの研究施設があり会社はカレッジで新たな技術者を育てる仕事もやっておりキラのような優秀な者にはこういう形で仕事が振り込まれることもある。

 

 

「興味ないよ、フレーム設置モジュールの改良・・・とにかくプログラムの解析さ」

 

「ええいモルゲンレーテめ、これじゃキラと遊ぶ時間がなくなるじゃねーか」

 

「そんなこと言ってないでリオも手伝ってよ」

 

「や~だよ!働いたら負けだから」

 

「そんな言わないでさ、お願い!」

 

「フッ、仕方ねーな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな楽しくじゃれあっている間にもザフト兵は戦艦の上部にあるダクト管、電盤、ガスタンクに爆弾を設置していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カレッジではキラの後ろからこっそりとトールが忍び寄り軽く首固めをしていた。

 

「そんなことより手紙の事聞け!」

 

「手紙?」

 

「な、何でもないって!」

 

何でもないことにしようとするキラだが、リオがサイの前に来て暴露してやろうと悪だくみしていた。

 

「いやさぁ、キラが実はフレイのことが―」

 

「だぁー!言わないでリオ!お願いだから!!」

 

「うぐぉ!」

 

 

ギリギリでキラがトールに拘束されたままリオに首固めをかまして阻止したが三人の状態がどこか三色団子のような状態になってしまいちょっとカオスな状況になっていた。

 

「な、何すんだよキラ・・・!って締め付け強えー・・・!」

 

「放してほしければ言わないって誓え!」

 

「ギブギブギブ・・・!言わない言わない・・・!」

 

「いや、踏ん張れリオ!このままキラに吐かせるんだ!」

 

リオとキラに芋づるみたいに首絞め炸裂がし、楽しく騒いでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

爆弾はカウントダウンを刻み始めており設置したザフト兵はそこから脱出を始めていた。

 

 

 

 

 

 

リオ達が盛り上がっているところを静かに見守っていた少年は近くにあった扉に目をつけてそこまで移動するとドアノブに手をかけて開けようとするが鍵がかかっているため全く動かない。開かないと分かった少年はキラ達の方に目を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

一方ヴェサリウスで待機していたラウとアレンは時間を確認し作戦開始予定時刻が迫っていた。

 

 

 

「隊長、そろそろ」

 

「ああ、時間だな」

 

「抜錨!ヴェサリウス発進する!」

 

 

 

艦長のアデスの指示に応じてヴェサリウスのエンジンが作動しヘリオポリスへと向かいだす。

ヴェサリウスの接近を感知し索敵システムに引っ掛かりアラートが鳴り響く管制室。オペレーターはヴェサリウスに止まるように警告を出す。

 

 

『こちらヘリオポリス―接近中のザフト艦、応答願います!ザフト艦、応答願います!』

 

 

しかしいくら呼びかけても返事が返ってこらずパニックになり、管制長は落ち着かせて冷静に指示を出しオペレーターの一人からマイク付きのヘッドセットを奪い取り再び警告を出す。

 

『接近中のザフト艦に通告する―貴艦の行動はわが国との・・・に大きく違反するも・・・である―直ちに停船されたし!ザフト艦!直ちに停船されたし!』

 

しかし途中からノイズが入り込みヴェサリウスの方でも音割れがひどくほとんど聞き取れてすらいない。

 

 

「強力な電波干渉、ザフト艦より発信されています!これは明らかに戦闘行為です!」

 

 

電波妨害の原因はN(ニュートロン)ジャマ―によって引き起こされており元々は核分裂を防ぐ目的で作られこれにより地球もプラントも核を使えなくなりその副作用として電波障害が発生し長距離通信およびレーダーがまともに機能しなくなる弊害を受ける。

ラウは手を掲げてそのままヘリオポリスを向け、その合図に合わせてザフトのMS―ジン達が起動しヴェサリウスの発射台口のハッチが開き発進する。

 

 

「敵は?」

 

「2隻だ、ナスカ及びローラシア級。電波妨害直前にMSの発進を確認した。」

 

 

輸送艦艦長に確認を取るのは地球軍に所属する金髪碧眼のパイロットの男―ムウ・ラ・フラガはこの状況下で襲ってきたザフトの戦力に舌打ちをしながら部下に指示を出す。

 

 

「ルークとゲイルはメビウスにて待機!まだ出すなよ!」

 

 

 

管制室、艦長室などの軍事関連の場所は大慌てでそれぞれが対応に動いており、ジンが徐々にヘリオポリスに近づく間にヘリオポリス側からはMA(モビルアーマー)のミストラルが発進し迎撃に向かうがその間にもヘリオポリス内部に設置した爆弾は残り時間はもう秒単位しかなくもうすぐ時間が来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このコロニーの中で暮らす人々は今まさにこの平和なこの場所が戦場になるとはこの時はまだ誰も気づかず、夢にも思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?今のは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ一人の少年を除いて―

 

 

 

 

 

 

 

ドカーン!

 

 

 

「きゃあ!」

 

 

「隕石か⁉」

 

 

 

爆発の振動がヘリオポリス中に伝わり地震のように揺れてサイは隕石が落ちてきたのかと思っていたが状況が呑み込めていないキラ達の中で動揺しながらも何故かリオは確信を持って言える。

 

 

 

「違う・・・これは爆発だ!」

 

「爆発⁉」

 

「!」

 

 

 

リオ達が混乱している間にも宇宙空間ではジン達がコロニーへと押し寄せてきている。カタパルトデッキには準備が整ったムウが自身のMAであるメビウス・ゼロに搭乗しシートベルトを締めてメインモニターを展開した。

 

 

「フラガ大尉!」

 

「船を出して下ださい!港を制圧されます、こちらも出る!」

 

ヘルメットのバイザーを降ろして発進スタンバイしている頃、外ではミストラル達が機関銃で応戦しているが当たることもなく仮に当たったとしても豆鉄砲くらいにしか効果がなく奮闘空しくジンのマシンガンによって一機また一機とやられていき、そんな折に部下の輸送艦とムウの部下のメビウスとムウが乗るメビウスの試作機のメビウス・ゼロが発進しジンとの戦闘が開始される。

その最中に二機のジンがヘリオポリス内部に潜入を許してしまい市民はより混乱に陥る。

 

 

 

工場地帯を脱出したザフト兵たちは山岳地帯に潜みそこから双眼鏡で何かを偵察している。視線を道路の方に向け道なりに沿っていくとその先には地球軍が開発しているMSの試作型が運ばれているのを確認した。

 

「あれだ、クルーゼ隊長とラフォード副隊長の言った通りだな」

 

「突けば慌てて巣穴から出てくるって?」

 

双眼鏡で確認した兵士―イザーク・ジュールと彼の言葉に返答した兵士―ディアッカ・エルスマンがラウとアレンの言った作戦を口にする。

 

「やっぱり間抜けなもんだ、ナチュラルなんて」

 

「ディアッカ、戦場は戦場。あまり侮ると命取りになるから」

 

「おおー怖い怖い。うちのお姫様は」

 

ディアッカの舐めた発言に反感を抱いた兵士の中で唯一の女兵士―リーナ・マーベルは常に冷静沈着で能面を付けたかのように冷たく出てきた地球兵士達を美しくも冷徹な琥珀色の瞳で見下していた。

イザークはすぐに侵入してきたジン達に位置情報を送信した。

 

「お宝を見つけたようだぜ?セクターS 第37工場区」

 

「了解、さすがイザークだな。早かったじゃないか」

 

ジンのパイロットの一人であるミゲルはイザーク達の手際の良さに感心しながら指定された場所に直行する。

 

 

 

 

 

 

ムウたちの方は部下のメビウスがミサイルを発射してジンを撃墜しようとするがジンはそれをひらり躱しマシンガンでミサイルを迎撃して阻止されてしまう。ムウの方はメビウス・ゼロにのみ装備されている有線式誘導無人機ガンバレルを展開しながら機関銃とリニアガンから発射されるビームを撃ちながら牽制して近づくとガンバレルの一基から二門を開きジンの背後から実弾砲を食らわし本命のリニアガンを数発当てることでジンの片腕を破壊し離れていき部下のメビウス一機が追い詰めようと向かっていく。

 

 

「ゲイル!」

 

 

部下の先走りを止めようとムウが叫ぶが聞こえておらず狙いを定めようとするがジンの機動性に翻弄され振り返るとともにメビウスを方に突進して来て部下をとっさに反応できずジンのサーベルによって真っ二つに切り裂かれ爆散する。

 

 

 

 

一方コロニー内ではMSの搬送をしていた地球軍側でも状況の収拾をしていたが―

 

 

「ラミアス大尉!艦との通信途絶、状況不明!」

 

自分の部下に指示を出していた女性―マリュー・ラミアスは状況を知り顔を険しくするが、再びコロニーが揺れだし上空を見るとその原因はジンが地面にマシンガンを乱射して輸送物を破壊するさまがマリューの目に映り、すぐさま部下たちと共に射線上から離れて弾丸の嵐を躱す。マリューはジンは晴れていくと彼女は“ザフトめ・・・”と毒づくと部下にすぐに指示を出す。

 

「X105と303を起動させて!状況によっては106(・・・)205(・・・)も運び出す!場合によっては破壊よ!とにかく工区から出すわ!」

 

「分かりました!」

 

部下を何人か連れてマリューは連れて残してあるMSのある工区へと向かう。

 

 

その間にもジンの攻撃は止まず地下にある電機までもがショートを起こして停電すら起こした。

 

「何・・・?なんなの?」

 

ミリィは止まることのない揺れに不安と恐怖が募り、エレベーターが来ないと判断したサイはすぐ近くの非常階段のドアを開けてそこから出ようとすると他にも何人もの人々が階段を登っていた。

 

「どうしたんです?」

 

 

サイが何があったか聞こうとするとその内の一人はそんなこと知らないとそっけなく返されるがその後から来た人は状況を教える。

 

 

「ザフトに攻撃されている!コロニーにMSが入って来てるんだよ!」

 

 

“君達もはやく!”と避難を促す男性だが、先程いた帽子を被った少年は何を思ったのか階段とは別の方向の廊下を走って行ってしまう。

 

「君!」

 

「おいキラ待てよ!」

 

 

キラは少年の異変に気付き追いかけていきリオもキラがあらぬ方向に走っていくのを目にキラと並走しながら何故どこかに行こうとするか問いただす。

 

 

「いったいどうしたんだよ!?」

 

「さっきの子がいきなりあそこに向かって・・・」

 

「教授のお客さんって言ってた奴か・・・チッ、面倒をかけやがって」

 

「ごめん・・・僕が近くにいながら・・・」

 

「いいって、過ぎたことを責めたって何にもならないからな。とりあえずとっ捕まえるぞ!」

 

「うん!」

 

 

追いかけようとするが再び揺れが襲い掛かり体感が崩れてしまう。トールたちがキラとリオがいないことに気づき階段から戻ってきた。

 

「キラ!リオ!」

 

「すぐに戻る!」

 

「お前らは先に避難しててくれ!」

 

 

地上のジン達はいまだ物資を破壊を続けておりミサイルを積んだ車両が迎撃しようとするがあっさりと返り討ちにされてしまい、イザーク達ザフト兵も推進器で降下しながら銃を撃ちながらMSに近づいてくる。

 

 

「運べない部品と工場施設は全て破壊だ」

 

イザーク達はがら空きとなったMSの元へ向かうがそこには三機しかなかった。

 

 

「報告では7機あるはずだが・・・あとの4機はまだ中か?」

 

「俺とラスティ、リーナの班で行く。イザーク達はそっちの3機を」

 

「OKまかせよう、各自搭乗したらすぐに自爆装置を解除」

 

 

役割分担を決めて部隊を散開させそれぞれの役割を果たすために行動する。イザーク達ザフト兵たちの戦闘能力は高く地球軍の兵士たちは次々と撃たれていき車両内に逃げた兵士には手榴弾をなげて爆殺するほど徹底的に排除していく。

 

 

 

 

 

地下の方ではキラとリオがようやく少年に追いつきキラが腕を掴んで止めてこっちに振り向かせる。

 

「何してるんだよ!そっちに行ったって・・・」

 

「なんで付いてくる?そっちこそ早く逃げろ!」

 

「あんたがどっか行くから追いかけてきたんだろうが!」

 

 

 

ゴオォーーーーー!!!

 

 

「「「ううっ!!」」」

 

三人が言い争っていると地上での爆風が地下の廊下を突き抜けて強い風圧となって三人に襲い掛かり三人は体制を崩さないように踏ん張っていると少年が被っていた帽子が飛んでいき、キラとリオが目を開けると

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには金の髪色をした少年とだと思っていた人物が自分たちの変わらない年頃をした女の子の顔が露になった。

 

「うっそ・・・!」

 

「女・・・の子?」

 

キラとリオがそうつぶやくと今まで女だと思われていなかったことが気に障り少女はムッと顔を険しくした。

 

「なんだと思ってたんだ!今まで」

 

「いや・・・だって」

 

「そんな深く帽子被ってたら誰も気づかないって」

 

そんなことを言っていると再び爆音が発生し辺りが煙だらけとなっていた。

 

「いいから行け!私には確かめねばならぬ事がある!」

 

「行けったってどこへ?もう戻れないよ!」

 

「つうかあんたはどこに行くか検討ついてるのか?」

 

「そ、それは・・・」

 

やはり初めて来た彼女にとってはどこに行けば分からなくなってしまっておりキラもリオも地下の構造を完璧に把握してはおらず三人は完全に迷子になってしまう。

すると、リオは少し考えた素振りをすると彼は瓦礫が塞がっていないいくつかの道の内一つに指で指し示す。

 

 

「あっちの方から出られるはずだ!」

 

「な、なぜそんなことが分かるんだ?」

 

少女が怪訝そうにリオに問いだだそうとし、リオは確信に満ちた顔で答える。

 

 

 

 

 

「んなもんは勘だ、勘!」

 

「カ、カン⁉」

 

「答えたからな、行くぞキラ!」

 

「うん、さあこっち!」

 

予想外の返しに少女が驚いている中、キラはリオの長年の信頼からすぐに従い少女の手をつないでリオに追随して走っていく。

 

 

「な、はなせこのバカ共!」

 

「「バッ・・・⁉」」

 

 

馬鹿呼ばわりされてキラは驚き、リオはあまりな我儘ぶりにさすがに文句を言おうとしたが彼女の顔を見てすぐに収まった。

強気な彼女の言動とは真逆で弱々しく涙を流しながら走る彼女にリオは言葉を失う。

 

 

「こんな事になってはと・・・私は・・・」

 

「だ、大丈夫だって!助かるから!工場区に行けばまだ避難シェルターが・・・こっちで合ってるんだよね?」

 

いち早く持ち直したキラがリオに問いかけ我を取り戻したリオも“あ、ああ・・・”と答えるくらいまでは余裕を取り戻す。

 

「ただこれは俺の勘だから確実とは言えないぞ?」

 

「大丈夫、リオの勘はよく当たるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、キラ達が目指す工場区でもザフトと地球軍の兵士達の血にまみれた銃撃戦が飛び交う舞台となっており先に脱出したサイ達もジンが戦車隊が争う光景を目にする地獄絵図を目にしてしまうなどヘリオポリスはどこもかしこも混沌としていた。

 

 

 

 

 

 

 

「見えてきたぞ!」

 

 

リオの勘の通りに走り続けたキラ達は一筋の光が廊下の出口を示しており全員ようやく出られると思い飛び出す。

 

 

 

だが抜けた先にあったのは三人にとっては更なる地獄だった。そこは周りが火の海に焼かれながら二つの陣営の兵士達が銃で殺しあう光景と作業服の兵士達が守ろうとする巨大な人型の機械が三人の視界を覆った。

 

「こ・・・これって・・・」

 

「殺し合ってるのか・・・ザフトとあの人たちが・・・」

 

「はあっ・・・やっぱり・・・」

 

二人が平和なこのコロニーで殺し合いが起きていることを飲み込め切れていないのに対して、少女は手すりに掴まりながら膝から崩れ落ちていきその様子は何かに対しての落胆と失望が読み取れるくらい声が暗くなっていき再び涙を流し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

「地球軍の新型機動兵器・・・ッ!・・・お父様の裏切り者ー!!!

 

 

 

彼女の叫び声に新手かと思った下の工場区で戦い続けているマリューはキラ達のいる上層に銃口を向け引き金を引こうとする。

 

 

 

「あっ・・・!」

 

「ちょ、ちょっと待て!俺達は一般人だ!この近くにシェルターがあるから!」

 

 

動揺しているキラより冷静なリオはすぐさま両手を上げて簡潔に事情を伝えてキラが少女を連れて共にとシェルターに向かう。リオのアピールのおかげで引き金を引かずに済んだマリューは子供が何故こんなことろにいるか疑問を隠せない。

 

 

「泣いてちゃ駄目だよ!ほら走って!」

 

「さっきはあんだけ強気なこと言ったんだからシャキッとしやがれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下層の工場区ではザフト兵たちが交戦を続けており、部隊の班長の一人の少年は敵側の兵士達の数の多さに手間取っていた。

 

「チッ・・・数だけは多いな・・・」

 

アスラン(・・・・)、班を残して私だけ動くけどいい?」

 

遮蔽物を盾に近づいてきたリーナの突然単独行動の発言にキラとリオの親友であるはずの少年―アスラン・ザラは驚愕をしながら彼女の意図を聞く。

 

 

「な、なぜ単独行動を⁉連合のMSが目の前にあるというのに・・・!」

 

「あなたは熱くなると周りが見えなるくなるのはいつもの事ね」

 

アスランはリーナの意図が読み取れず怪訝そうに見るがリーナが指さす方向に二台の貨物用のさらに下層行きのエレベーターがあった。

 

 

「あのエレベーターは恐らくここより下にあると思う。つまりここにはない残りの二機も恐らくそこに安置されていると私は推測するけど、あなたの許可さえあれば行けるけど、どうする?」

 

 

「しかし君だけを行かせるわけには・・・」

 

「おそらくここより下のMSはここにあるものと同様にトップクラスで重要なやつよ。だから必死こいてあそこの二機を守ろうとしている。だけど私たちの奇襲のおかげでここだけが手いっぱいのはずだから下は手薄のはずだから心配しないで大丈夫」

 

 

 

彼女の心理的かつ合理的な戦術の計算力は士官学校時代から知っていたが改めてその凄さに感心したアスランはそんな彼女を信じて単独行動を許す。

 

 

「分かった・・・ただし奪取が不可能と判断したらすぐに戻るんだぞ」

 

 

「大丈夫、失敗はしないから」

 

 

 

そう言い残しながらリーナは貨物エレベーターの内の一台に乗り込むために走り出しアスランはライフルで牽制しながら援護する。無事にたどり着いたリーナは最下層までのボタンを押して暗い闇の下層へ一人降りていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラ達がシェルターに向かう途中の頃、イザーク達はMS奪取に成功しておりイザークはX102―デュエルを起動し乗り込んでいた。

 

「ほお・・・すごいもんじゃないか、どうだディアッカ?」

 

素直に機体の性能を褒めているイザークはX103―バスターに乗り込んでいたディアッカに通信越しに声をかける。

 

『OK!アップデータ起動、ナーブリンク再構築、キャリブレート完了、動ける!』

 

OSの書き換えが完了したディアッカはバスターを立ち上がらせることに成功した。残るはX207―ブリッツだけであった。

 

 

「二コル」

 

「待って下さい、もう少し・・・」

 

 

ブリッツに乗り込んでいるザフト兵―二コル・アマルフィという名の一番若い少年は二人より遅れながらも無事に書き換えが終わり起動できた。

 

 

「アスランとラスティとリーナは?遅いな・・・」

 

「ふん、奴なら大丈夫さ。ともかくこの三機先に持ち帰る。クルーゼ隊長とラフォード副隊長にお渡しするまで壊すなよ」

 

 

心配するディアッカをよそにアスランを毛嫌いしているイザークはそのまま二人を連れて先にヴェサリウスをへと帰還するために機体のスラスターを点火して飛び去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃キラ達はようやくシェルターへ入るためのエレベーターに到着し呼び出すためのボタンを押してあとは来るのを待つだけだった。

 

 

「ほら、ここに避難してる人がいる」

 

キラが彼女を安心させるために声をかけるが少女はさっきからずっと俯いたままだった。

 

「たっく、いつまで拗ねてるつもりなんだよ」

 

「リオ・・・そんな言い方・・・」

 

「悪りぃ、悪気じゃなくてここで落ち込んでも仕方ないだろって言いたかった・・・」

 

気遣いのないリオの言葉にキラが怒るとすぐにリオは配慮のある言葉に言い直すがそれでも少女は暗い顔のままだ。どうしたらいいのかと思案しているとエレベーターのボタンの付近から男性の声が流れてきた。

 

 

『まだ誰かいるのか?』

 

「はい、僕と友達二人もお願いします。開けてください」

 

『三人?』

 

「はい!」

 

キラが今いる人数を伝えて開けてもらおうとするが次の男性の口から聞いた避難所の状況から無理だった。

 

 

『もう、ここはいっぱいなんだ!左ブロックに37シェルターがあるがそこまで行けんか?』

 

リオとキラは今の工場区の有様を見てこのまま少女を連れて次のシェルターに行くのは厳しいと判断し二人はお互いに目線を合わせて頷きシェルターにいる男性に少女だけでも入れてもらえるよう頼む。

 

 

「なら一人だけでも・・・お願いします!女の子なんです!」

 

 

『分かった、すまん』

 

 

なんとか了承してもらえエレベーターのドアが開いた。

 

「入って」

 

「え?」

 

 

 

ずっと呆然としていたため先程の会話を聞き逃していた少女は何が何やら分からずキラに無理やり入れられる形になる。

 

 

「何を⁉私は!」

 

いきなりのことで飲み込めていない少女は抵抗するがキラとリオに抑え込まれて出られない。

 

「いいから入れ!僕たちは向こうへ行く!大丈夫だから・・・早く!」

 

「俺らの心配よりまず自分の心配しやがれってんだ!このお転婆娘!」

 

 

何とか二人は少女をエレベーターの奥へと押し込むことができ、押し込まれた少女は二人がどうなってしまうか心配そうな目で見つめてきた。

 

「待て!お前ら―」

 

何か言いかけようとしたが扉が閉じたことで遮られそのままシェルターへと降りていく。

 

 

「そんじゃ、まあいっちょ走りますか!置いて行かれるなよ!」

 

「リオの方も疲れてるんだから無理せずに行こう」

 

「いや、ジョークだっての・・・真に受けすぎ」

 

「あ、ごめん・・・」

 

 

 

 

リオの和む声掛けに緊張がほぐれたキラは二人で左ブロックのシェルターに向かい走っていくが爆発音がする方に目を向けるといまだ戦闘を続けている兵士達がいた。

 

 

「ラミアス大尉!」

 

 

「ハマナ!ブライアン!早く起動させるんだ!」

 

マリューは部下にMSの起動を急がせるように指示を出しながら応戦しているが彼女の背後にあるキャットウォークから狙うザフト兵が潜んでいた。それに気づいたキラとリオはすぐさま叫んだ。

 

 

「「危ない!後ろ!」」

 

二人の叫びで気づいたマリューは即座に振り返りざまに仰向けに倒れることで銃弾を回避しながら銃撃するがライフルが弾切れとなる。それでもなんとかザフト兵に命中し兵士は力なく倒れる。

一難去ったマリューは声をかけてくれた少年たちの方へ視線を向けた。

 

 

「さっきの子たち?なんで!?」

 

疑問を浮かべているうちに部下がやられてしまいすぐさま拳銃に持ち替えて飛び出し近くにいたザフト兵を倒す。

 

 

「来い!」

 

「左ブロックのシェルターに行きます!お構いなく!」

 

「あそこはもうドアしかない!」

 

 

マリューがそう告げると同時に左ブロックから爆発が起きその勢いで二人は後ろへ倒れこむ。瓦礫が散乱しどのみち行けなくなってしまったことには変わりない。すぐさま二人は彼女の言うとおりに下に降りるために走り出す。彼女も“こっちへ!”と移動を始めるがキラはMSの数メートル真下にあるところまで止まるとなんとキラはそこから飛び降りていく。

 

 

「え?」

 

「だあキラ!たっくあの超人馬鹿め・・・!」

 

マリューが驚く一方、リオはキラのことをよく理解しているために問題はないと分かっているが彼の猪突猛進ぶりにはさすがに毒づく。リオの予想通りキラはあの高さから飛び降りてももつれたが怪我なく降りることが出来き、リオは遅れをとりながらも階段に向かっていく。

だがマリューの部下が撃った弾丸が偶然リーナの部下の兵士を倒し、彼が持っていた鹵獲したロケットランチャーが死の間際に引き金を引いてしまいミサイルが発射し不規則な軌道を描きながらリオの付近へと近づいていきそのまま地面に接着し爆発を起こしリオが吹き飛ぶ。

 

「だぁああーーー!」

 

「リオ!!!」

 

 

リオは吹き飛ばされいき下層に叩きつけられそうになるがギリギリで受け身をとることで体が何回転も回りそのまま貨物用エレベーターの壁に激突する。

 

「痛う~~!体中が悲鳴上げてる・・・!」

 

体中が痛むが直撃は免れていたためなんとか生きていた―がエレベーターにぶつかった衝撃でエレベーターが誤作動を起こし下層へ降りようとしていた。

 

 

「リオ!待ってて・・・今すぐ―」

 

「いや、キラはそのままその人の言うことを聞け!」

 

「でも!」

 

「大丈夫だって、すぐ戻る!」

 

そう言い残しながらリオは下へ下へと降りていきキラの目の前から消える。

 

 

ザフト兵側の方は地球軍側の兵士との撃ち合いの末にザフト兵の一人ラスティが頭を撃ちぬかれてしまう。

 

 

「ああっ、ラスティ!」

 

 

共に駆け抜けてきた友の戦死に激昂したアスランは突撃しながらラスティを殺した兵士を撃ちぬきマリューは自分の部下のハマナを殺されながらもすぐさま銃口をアスランに向けるがアスランの方が早くマリューの肩を撃ちぬく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを目にしたキラはすぐに彼女の元へ駆け寄り、アスランは弾切れを起こした銃を投げ捨てナイフに替えて推進器でMSの上に上る。

 

 

 

二人がそれぞれ近づいてき、キラはマリューを支え、アスランは彼女にとどめを刺そうとナイフを振りかざそうとしヘルメット越しで分からなかったがキラにも顔が視認できる角度になったことで彼の顔が見えた。

 

 

 

 

 

 

かつて月面都市で桜の木々の中、三人で交わした約束がキラの脳裏をフラッシュバックし彼の面影を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アスラン?」

 

 

 

「ッ!キラ?」

 

 

 

 

 

 

月面都市で共に友の誓いを交わしずっと変わらないと思っていた三人の内二人の再会は銃弾が飛び交う戦場という最悪の場所で最悪の再会をしてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレベーターに乗ってしまったリオは一番下の階でエレベーターがようやく止まり降りることが出来た。しかし、降りた先は非常灯が辛うじて点滅しながらも点灯しているほとんど真っ暗な廊下がいくつもに分かれていた。

 

 

「たっく、すぐ戻るって言ったのにこれじゃどこから帰ればいいんだつうの・・・」

 

 

 

誰も見当たらない空間で文句を言いつつも彼はとにかく進むしかないとして急ぎキラの元に向かうために手当たり次第に走り抜ける。だが、周りの部屋や施設はどこもかしこももぬけの殻となっており、しかもこの階層自体が複雑な迷路となっておりどこまで行っても出口が見当たらず八方塞がりに陥ってしまうが諦めず進むとようやく光が見えてきた。

 

 

「やっと、出口か・・・!」

 

 

 

 

リオは喜びを胸に通路の穴を抜けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで目にしたのは外の出口ではなく先程上の階であった二機と同じタイプのMSが仰向けに仰向けに格納されていた。

 

 

 

「ここにもあったなんて・・・」

 

 

 

出口でなかったことに落胆したリオだが何故か二機の内の一機から目を離せずにいた。その機体―X106コードネーム“イグニス”は今日見たMSの中にはなかった背中に搭載された筒状の装備と上階にもあったMSのと同じ軽量型の外見にリオはどこか惹かれるものがあった。

 

 

「・・・ちょっとくらいなら」

 

 

そう呟きながらリオは梯子を上り機体の上に立ちコックピット部分まで近づいていく。そしてコックピットに乗り込んで周りを見渡すと下にはこの機体のマニュアルが置かれたままだった。

 

 

「こんなところにマニュアル置くなんてよっぽど焦ってたのか?ここの整備士たちは・・・」

 

 

今はいない整備士たちの不手際を指摘しながらリオはマニュアルの重要な部分を見ながら操作の方法を覚えようとしていた。

そう、リオはただ惹かれただけではなくこいつでこの場所から脱出しようと画策しておりただ闇雲に道を探すよりもこの機体で飛んでいけば一気にショートカットできると踏んでいた。

 

 

「えっと、ハッチを閉じるのは・・・これか!」

 

マニュアルに書かれている通りにボタンを押すとそのとおりにハッチが閉じ外が見えなくなったがすぐにメインカメラとサブカメラが起動し外界の様子がすぐに分かった。

 

 

 

 

 

その直後―

 

 

 

ドカーン!

 

 

 

「!」

 

 

 

どこかの壁から爆発が発生し轟音が格納庫中に鳴り響き何事かと思ったリオはすぐさま爆発した場所をカメラをズームして確認を取る。

 

 

そこから出てきたのは赤いパイロットスーツを纏ったザフト兵が煙の中から現れた。

 

 

 

「ざ、ザフト兵・・・!こ、こんなところまで・・・!」

 

さすがに人気のなさに来ていない踏んでいたが読みが外れてしまい一気に窮地に立たされてしまう。今ろくに動かせない状況でこっちに来られたら一巻の終わりである。

 

 

「む、向こうに乗っていったか・・・」

 

だが不幸中の幸いにもザフト兵が向かったのは隣にあるMSの方で兵士もコックピットに入っていく様子も見たことで一時はしのげた。だがまだ安心はできる状況ではないため残された猶予を必死に使わなくては意気を持ったリオは先ほどよりもスピードを上げてマニュアルを読み上げようとする。

 

「急げ・・・急げよ、俺・・・!」

 

 

焦らせずかつ急がせるように自分に言い聞かせるリオは必死な形相でマニュアルを読みながら起動シークエンスを頭と体に叩き込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、イグニスの隣の機体―X205コードネーム“グレース”に乗り込んだザフト兵のリーナはヘルメットを脱ぎ捨て毛先が緑がかった黒いショートヘアが露わとなり早速OSの書き換えを始めた。

 

 

「自爆装置解除、運動ルーチン設定完了、N.L.N(ニュートラル・リンゲージ・ネットワーク)再接続、フィードフォワード制御再設定、全く地球軍はなんでこんな未完成のOSを放置していたの?」

 

 

リーナはハッキングの際に起きる自爆装置を解除しOSの書き換えを続けながら地球軍の愚かさに呆れていた。そんなこんなで3分もかからず無事にOSの書き換え完了した。

 

 

「ふん、こんなものね。ナチュラルの技術なんて」

 

 

ナチュラルに対するリーネの評価はひどく冷酷で偏見が混じったもので彼女はコーディネーターこそが人類の進化でありナチュラルはそんなコーディネーターを迫害する悪だと考えている。だからこそ全ての敵だと考えており決して相容れないのだと信じて疑わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ一人の少年の存在は例外として―

 

 

 

 

ふとリーネはスーツの中に閉まってあったペンダントを取り出した。ペンダントの形状は貝殻の形をしており彼女にとっては大切な人からもらった宝でありお守りでもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女がコペルニクスにまだ住んでいた頃、ある少年と一緒にいた。彼はナチュラルでありながらも決して彼女を白い目で見ずかといって彼女の凄さに引け目感じることなくただ凄いと褒めてくれ少女がコーディネーターであると知っても少年にとっては大した問題ではなくむしろ彼女の能力を一つの個性と受け取ってくれた。

少女も少年の悩みの種である両目が異なっている(・・・・・・・・・)ことをコンプレックスに思い赤い目(・・・)の部分だけを前髪で隠していたが少女はただただその目が綺麗と感じたことで少年は劣等感から解放されお互いにかけがえのない存在となっていく。

 

 

だがそんな日々も親の都合でプラントに移住しなくてはならなくなってしまい二人は離れ離れになってしまうことになった。

 

 

『私達、もう会えないの・・・?』

 

 

少女の目には涙が溜まっていき心から少年と離れたくないと願っていた。だが少年の方は涙はなくただ彼女を励ますかのように明るいままだった。

 

 

『大丈夫だって!生きてりゃその内また会えるって』

 

『でも、父さんたちは戦争になるかもしれないって・・・!』

 

『そんなこと起きるわけないだろ?みんな平和が一番だって思ってるはずだしさ』

 

励ましの言葉を与えながらも少女は不安を拭えないのを見かねた少年は自分の宝物である貝殻のペンダントを彼女にプレゼントした。

 

『もし不安になったらこのペンダントを見て俺のことを思い出せば何も怖くなくなるから』

 

『ほんと?』

 

『うん、ほんとだ!それにいつか地球にも来てくれよ?いつかリーネ(・・・)に海を見せたいから!』

 

彼のプレゼントと前向きな言葉に心動かされた少女―幼きリーネは明るさを取り戻していき彼女も少年にある約束をする。

 

『うん!それじゃリオ(・・)もいつかプラントに来てね!すごくいい所だから!』

 

『それは問題ないさ!俺の友達もプラントにいつか歓迎したいと言ってたからな』

 

『ええ~?じゃあ約束の意味ないじゃない!』

 

『まあまあちゃんと行くんだからいいじゃん』

 

『良くない!私が連れていきたかったのに〜』

 

そうして少年―幼きリオとリーネは約束を誓い合いながらコペルニクスから別れを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二年が経った現在―戦争は現実となりあのユニウスセブンの事件が起因でリーネはナチュラルを嫌悪し憎しみすら抱くほど彼女はナチュラルに排他的な感情を抱いているが、リオだけはどうしても憎めない。心のどこかでナチュラルがリオみたいな人だったら良かったと思いつつも現実はそうじゃないと理解している。

 

 

「彼はこんなところにはいないよね・・・?」

 

 

それでもリオの存在はリーネの心の中の聖域となっておりヘリオポリスにいないことをただ祈るしかなく彼女はそっとペンダントに口づけした。

 

「リオ、こんな戦争すぐに終わらせて必ず迎えに行くから・・・!」

 

 

彼女は例え本国の意図に背いてでもリオだけはなにがなんでもプラントに連れてでも彼を守るとするくらいにまで執着しており決意を新たにしてグレースを起動しようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その隣のイグニスにグレースの想い人が乗っているとは知らず―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「後はパスワードだけだが・・・」

 

 

起動準備は整ったが問題のパスワードが分からないままでリオは機体を起動できないままであった。ハッキングのスキルは持ってはおらず仮にハッキングしようものなら自爆装置が起動してしまうので本末転倒になってしまう。

どうしようかと悩んでいると足元にメモが落ちており見てみるとそこにはイグニスのパスワードが書き記されていた。

 

 

 

「どうやらまだ天は俺を見捨てていなかったようだな!」

 

 

すぐさまパスワードを打ち込み機体の制限を解除した。

 

 

「よし!あとはこいつを起こすだけ―」

 

リオが言い切る前に隣にいたグレースは起き上がろうとしておりリオはタイムアップと悟り、すぐにMSのOSを起動させた。

 

 

 

画面にはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

【Welcome to M・O・S】

 

MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM

 

 General

 

 Unilateral

 

 Neuro - link

 

 Dispersive

 

 Autonomic

 

 Maneuver

 

      Synthesis System

 

 

「これは・・・ガン・・ダム?」

 

 

立ち上げたOSの頭文字に気を取られているとグレースは完全に立ち上がってしまう。

 

 

 

 

「この機体だけ鹵獲できただけでも上々、あとの一機は運ぶのは無理そうね」

 

 

グレースの機体は隠密・遠距離用であるために専用の装備以上の重いものを持ち上げるのには向いない上にこの狭いフロアでは壊さず持ち出すには無理があるとリーナは渋々もう一機の回収を諦め破壊すると判断する。

 

「これならもう一人連れてくるべきだったかしら?いや、そうしたらアスランとラスティの荷が増えるから難しいわ。私もまだまだね・・・」

 

 

そう自分に対する愚痴を言いながらグレースに両手首に搭載されているビームキャノンの銃口を向け破壊しようとする。

 

「この一機を除けばこの任務は完了」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わああぁ!何か、何か武器は⁉」

 

 

 

起き上がるどころではなくなったリオは焦り何か対抗する武器はないか適当にいじっているとナビゲーション画面に武器ウィンドウが表示される。

 

 

「バルカン砲にガンバレル・・・?それから近接のアーマーシュナイダー・・・クソ、これだけか!」

 

 

 

今即座に対応できる装備はバルカン砲しかないと判断しリオはすぐに照準をグレースに向けて操縦桿に備わっているトリガーを引く。

 

 

ダダダダダダッ!!

 

 

バルカン砲が何発も発射され動かないと思っていたリーナはグレースに何発か受けてしまいグレースが仰け反ってしまう。

 

 

「な、なんで動くの⁉」

 

 

 

思わぬ反撃を食らいとっさにスラスターを噴射して後ろに飛んで後退しようとするが咄嗟のことで狭い場所だと頭から抜けてしまい後ろの壁に激突してしまう。

 

 

「うわぁーー!!」

 

 

後ろに激突したグレースはそのまま前のめりに倒れこんでしまい一部の機能が一時的にショートしてしまう。同時に先ほどのぶつかった拍子に施設全体が崩落の危機が迫ってしまう。

 

「クソ、今の内なんだから立て!立てよ!」

 

 

リオはグレースが倒れこんだ隙にすぐにこちらも立ち上がろうとしていた。リオの方はリーナのようにはうまくいかずふらついてしまうがなんとかグレースが再起する前に起き上がることが出来た。

 

リーナの方も持ち直し目の前で立ち上がったイグニスを目視で確認する。

 

 

「くっ・・・!まさかパイロットがすでに乗っていたなんて・・・不覚・・・!」

 

 

予想外の出来事にリーネは目の前に乗っているパイロットに苛立ちを持ちながらも自分を律していた。

 

 

リオの方も何とか切り抜けたがそれでもまだ危機を脱したわけではないと理解している。

 

「悪いが・・・まだ死ぬわけにはいかないんだ・・・あいつらにまた会おうって約束しているからな!」

 

 

リオの脳裏には月面都市からずっと傍にいて兄弟のように育ってきたキラ、ライバルかつ真っ向からぶつかれる親友アスラン、そして―

 

 

 

 

『リオの二つの瞳の色って綺麗だね!まるで二つの宝石を見てるみたい!』

 

 

周りから蔑まれていた自分のコンプレックスだったオッドアイを褒めてくれた最愛の少女―リーナと出会うまではまだ死ねないと決めていたリオは震えながらも戦うしか道はないと悟っていた。

 

 

 

 

 

「俺は」      「私は」

 

 

 

 

 

二人は生きるために目の前の敵を倒そうと動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「こんなところでは止まれない!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その相手が想い合う相手であるとは互いに知る由もなく二人は戦火に身を投じる。

 

 

 

 

 

 

 

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