ガンダムSEED HOPE   作:アサヨシ

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最近ガンダムオペレーション2でフリーダムを手に入れました。

SEEDの影響でかなり好きなりました。


それでは続きをお楽しみください。


その名は、ガンダム 

イグニスとグレースが互いに睨み合いを続けており、お互いにどちらが先に仕掛けるか様子を見守り続けている。だが実際の状況はリオの方が不利でOSは未完成なままで操縦もろくにできないのに対してリーネの方は操縦の仕方も理解している上にオリジナルのOSで動かしているためリーネの方が圧倒的に有利。だが先程の攻撃で警戒しているのと敵機の性能も分からず狭い空間ではグレースの本領を発揮できないこともあり迂闊に踏み込めないので膠着状態が続いていた。

 

 

 

だが、ここで―

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドドドドドドッ

 

 

 

「!」

 

 

「な、何だ!?」

 

 

 

突然の大きな揺れに二人は驚くがリーネの方はその原因をすぐに特定できた。といっても彼女がその原因を作った張本人なため考えればすぐに気づけるものである。

 

 

 

「なるほど、さっき後ろに下がった時に壁にぶつかった衝撃でここを支える鉄骨か何かが外れてここよりいくつかある上の階層がいつ崩れ落ちてもおかしくないってことね」

 

そう、先程の避けた時に誤った壁に激突した際、このフロアを支える支柱がぽっきりと折れてしまい今リオとリーネの状況はいつ崩れてもおかしくないジェンガの中にいるようなものである。

 

「勝負は一旦お預け」

 

そう言い残しながらリーネはグレースのスラスターを噴射させて勢いよく上へ上へと昇っていく。

 

「な・・・!くっ、そういうことか・・・!」

 

 

飛び去っていくグレースの姿を見てリオもようやく状況を飲み込めマニュアルを閲覧してすぐにスラスターの飛び方を見つけペダルを踏みこむことでスラスターに火をつけて飛び立つ。

 

 

「く、が、だ・・・!暴れる・・・この暴れ馬は・・・!」

 

だが未完成のOSで動かしているため周りにガンガンとぶつかり内部にも衝撃が伝わり負荷がかかりつつも少しずつ、確実にヘリオポリスの内側へと戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ヘリオポリス全土にレベル8の避難命令が発令されました。住民は速やかに最寄りの退避シェルターに避難して下さい』

 

 

 

 

ヘリオポリスの都市は今もジンの攻撃が続いており市民たちはパニックになりながら全員シェルターに逃げ込もうとするがザフトが暴れ回る場所では所々で爆発が起き逃げ道をなくしていき住民達は恐慌状態になってしまう者もいる。

 

そんな時、先に逃げ出したトール達は近くの場所でジンがいないにも関わらず大爆発が発生しそこからX303―イージスとX105―ストライクが飛び出し住民達はより混乱に陥る。

脱出したイージスにはアスランが乗っておりミゲルが乗るジンの近くに降り立つ。

 

 

「アスラン!」

 

「ラスティは失敗だ!」

 

「何⁉」

 

「向こうの機体には地球軍の士官が乗っている」

 

状況を理解したミゲルは仲間の死を悲しむ余裕などなくただ目の前の降りてくる敵を倒そうとするがその前にもう一人足りないことに気付く。

 

「そうだ、リーネの方はどうなった?」

 

「彼女はさらに最下層にあると思われる残りの機体を奪取しているはずだ。そろそろのはずだが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカーン!

 

 

 

「「!」」

 

 

 

二人が爆発した方向を見るとそこから現れたのはリーネが鹵獲したグレースが現れた。リーネもアスラン達の近くに降り立つ。

 

 

「アスラン、ミゲル、無事?」

 

「リーネ!」

 

「たくっ、こっちのセリフだぞそれは。首尾は?」

 

 

アスランとミゲルはリーネが無事であることを安堵し彼女から進捗状況を聞く。

 

 

「この機体は奪取できたけど、少し厄介なことになって・・・」

 

「厄介なこと?」

 

 

リーネがどこか言葉を濁す様子に違和感を感じたアスランだったがその答えはすぐに出された。

 

 

 

 

リーネが出てきた穴からリオが乗るイグニスが遅ればせながら現れてきたことで事態の深刻さを察する。

 

 

「ハッ!まさか・・・!」

 

 

「そう・・・あの機体にはどこぞのナチュラルが乗ってて不意を突かれて攻撃を食らったの・・・!」

 

「攻撃を・・・⁉チッ、ナチュラルお得意の騙し討ちだ。あまり気にするな」

 

 

ミゲルはリーネの失敗を責めず逆にイグニスに乗っている者を蔑む言動を言い放つが、当のリオはそんなつもりはなく生き残るために必死に動かしていたらそうなっていたため死にそうになってもいたため非難を言われる筋合いはない。

 

 

一方ストライクのコックピットにいるのは操縦しているマリューと成り行き上ともに乗っているキラがおりストライクはふらつきながらもなんとか着陸しながら不安定に数歩歩き何とか姿勢を保つことが出来た。

マリューは様々な所をズームしているとその内の一つにキラの知る者たちが逃げようと走る姿が映っていた。

 

 

「あっ!サイ!トール!カズイ!」

 

 

サイ達の姿を見て焦るキラともう一つ写っているイージスの横にもう一機の機体にマリューは驚く。

 

 

「グレース⁉くっ・・・まさかあれも奪取されていたとは・・・!」

 

 

苦虫を嚙み潰したような表情をするが離れたところにストライク同様にふらつきながらも着陸したもう一機の機体であるイグニスの様子を見てマリューは確信する。

 

 

「イグニスに乗っているのはザフトじゃない・・・!」

 

 

そんなこんなと状況を整理している間にもミゲル機のジンがマシンガンでストライクに攻撃を仕掛け、さらに近くにいるイグニスにも追撃を行う。直撃はせずともそれぞれ攻撃を受けた機体の内部に衝撃が伝わっていた。

 

リオの方もカメラをズームすることで今乗っているイグニスに怯えるサイ達の姿をリオも確認した。

 

 

「サイ・・・!みんな・・・!まだ避難していなかったのか・・・!」

 

 

状況を理解している間ミゲルのジンはマシンガンを腰にしまい重斬刀に持ち替えて接近戦に切り替えようとしていた。

 

「ならあの二機は俺が捕獲する。お前たちはその二機をもって先に離脱しろ」

 

「ミゲル、私もやる。一人じゃきついだろうし奴には借りを返さないといけないから」

 

一人で二機を相手取ろうとするミゲルに対してリーネは合理的に言いつつもやられたことに意外と根に持っておりイグニスを撃墜しようと息巻いていた。

 

「やられたことに根に持っているのは分かるがそれ以上機体に傷をつけたら隊長たちになんていわれるか分からないぞ」

 

「ッ!・・・一理ある・・・仕方ない、今回は譲るわ」

 

 

リーネも了承してくれたことでようやくミゲルはストライクに向かっていけるようになるがアスランの方は釈然としない表情だった。それも仕方ないと言えるものでなにせ地下で出会ったのが今までどこにいるのか分からなかった親友キラがいたことのショックが今で抜け切れておらず逡巡していた。

 

 

(キラ・・・?いや違うあいつがあんな所にいるはずが・・・それにキラがいるならリオだっているはずなんだ・・・)

 

 

しかしアスランはひとまず他人の空似として自分を落ち着かせすぐに機体に繋いであるタイピングボードを目の前に広げすぐさまイージスのOSの書き換えを行う。

 

 

 

キラ達の方はいまだ動きがぎこちないそんなことなど関係ないかのようにジンが突進して来ており振りかぶる前に何とかマリューはストライクのスラスターを噴射させることで距離を取るが着地の衝撃でキラの体制が崩れてしまいマリューの方に倒れこんでしまう。

 

「うわ!」

 

 

「下がってなさい!死にたいの?」

 

「すみません!」

 

 

キラが何とか起き上がろうとした時、ジンが再びストライクに向かって突進して来て振りかぶろうとしておりこの状態では回避できない。絶体絶命のその時―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろーー!!」

 

 

 

ドガッ!

 

 

「ぐわぁーーー!」

 

 

リオが乗るイグニスがジンに向かって体当たりを繰り出すことで攻撃を中断させて吹き飛ばすことでなんとか危機を免れた。彼の常識破りな行動に周りに衝撃が走る。

 

「ミゲル!」

 

「あの機体・・・つくづく邪魔を・・・!」

 

「な、なんであの機体は・・・」

 

「やっぱり・・・」

 

 

先程の疑問が確信に変わりマリューはすぐにイグニスとの通信チャンネルを開きイグニスのパイロットに呼びかける。

 

 

「こちらX105ストライク、イグニスのパイロット応答願います?繰り返しますこちらX105ストライク、応答願います?」

 

 

さっき突進した衝撃かすぐに連絡できないのか何度も呼びかけると―

 

 

『いてて、ん?なんだこれ?なんかボタン光ってるけど押せばいいのか?』

 

 

キラは聞いたことのある声を聞き、通信画面の人物の顔を見ていてもたってもいられずに声をかける。

 

 

「リオ!君なのか⁉」

 

「キラ!・・・もしやと思って割り込んだけど俺の勘は当たってたな」

 

 

リオとキラは分かれてまだ数分程度しかいないにも関わらず互いの無事に純粋に喜んでいた。

 

 

「ごめんなさい、ちょっとどいてもらえるかしら?」

 

「す、すみません!」

 

 

 

 

するとかなり前に出ていたキラにどいてもらうと操縦席に座っていたマリューに変わり彼女はさっき知り合い離れ離れになってしまった少年がイグニスに乗っていることに驚く。

 

 

「あなたがそのイグニスを動かしているの?」

 

 

「イグニス?ああ、この機体の名前か・・・まあその通りなんだけどこれってすごく動きづらいんだど」

 

 

リオは初めてこの機体の名前を知り現状を伝えていると彼が突き飛ばしたジンが先に起き上がってしまっていた。

 

 

 

 

「この・・・よくも邪魔してくれたな!!!」

 

 

不意を突かれて逆上したミゲルはジンのサーベルを大きく振り上げてまだ体制を直しているイグニスに斬りかかろうとしていた。

 

 

「や、やっべ・・・!」

 

「リオ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「左のランプの下にある黄色のボタンを押して!早く!」

 

 

 

 

 

今度はリオが危機的状況に晒される中、マリューは彼を守るために機密を破る決意を持ちリオにボタンを押すように叫ぶ。リオは彼女の言葉の通りに左側にあるランプの下を見ると確かに黄色のボタンがあった。

 

 

 

 

「黄色のボタンってこれか!」

 

 

すぐにリオはボタンを押すとPHASE SHIFTという文字が現れその直後にジンのサーベルが振り下ろされるが同時にイグニスに変化が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程まで灰色だった装甲が白をベースにした一部の装甲には黄色と紺色に広がりリオは咄嗟に腕でガードするとなんとジンのサーベルが火花を散らすだけで一切刃が入らず踏みとどまる光景に全員が驚愕していた。

 

 

マリューの方もボタンをオンにしてストライクの装甲も白をベースに赤と青が混じった色が広がる。

 

「あのMS・・・!」

 

「すげーなこのMSの装甲は・・・!」

 

 

 

 

二人がMSの装甲の強度に驚いているとミゲルはこれ以上は無駄だと判断しイグニスからいったん距離を取る。

 

 

「こいつ!どうなってる?こいつの装甲は!」

 

 

ミゲルの疑問に機体の解析が完了したアスランが答える。

 

 

「こいつらはフェイズシフトの装甲を持つんだ」

 

 

 

フェイズシフト―それは地球軍が開発した一定の電気圧を流すことにより効力を発揮する特殊金属を用いた装甲で、機能されればあらゆる物理攻撃は無効化することが出来てしまうという驚異的なシステムだ。

 

 

 

「展開されたらジンのサーベルなど通用しない」

 

「だけどミゲル。PS(フェイズシフト)も無限じゃないから攻撃を続ければいつかはバッテリーが切れて無防備になるはずだから」

 

 

リーネの解析から出た推測を捕捉しながらアスランはイージスの、リーネはグレースのPSをオンにしてイージスの色は灰色からほとんど赤一色に染まり、グレースは深い青色を基本に一部黒と水色が入った色に染まる。

 

 

後方からミサイルが接近するがイージスのバルカン砲とグレースのビームキャノンので撃ち落としていき近づいてくる戦闘車両も倒していく。

片付けるとミゲルは二人の方に視線を向ける。

 

 

「二人は早く離脱しろ!いつまでもウロウロするな!」

 

「言われなくても行くわ。できればもう少し慣らし運転したかったけど」

 

 

 

リーナはできればグレースの性能を確かめたかったがいい加減にしないとイザークとディアッカに何を言われるか分かったものではないので致し方なく戦線を離脱しようとする。

だがアスランの方はストライクの方を見て思うところがある。あの赤と青の機体にはキラは乗っていないだろうかという懸念とリオはどこにいるのか彼の身を案じていた。だが今考えても答えが出るわけでもなくやむを得ずミゲルの言うとおりに先にヴェサリウスに帰還するためにリーネと共に飛び去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでアスラン。ラスティはどうしたの?」

 

 

空中を翔ける中リーネはここでようやくラスティがいないことに気づき彼の安否をアスランに聞き出す。

 

 

 

 

 

 

「ラスティはやられた」

 

 

「え!?」

 

 

さっきまでの無表情が仲間の死を知ったことで驚愕に崩れていく。

 

 

「殺した奴は俺が討った。だから落ち着け」

 

 

「・・・そうね。ごめんなさい、私が単独行動したせいで・・・」

 

「それを言うなら俺の方こそ君の仲間を守り切れなかった・・・すまない」

 

「いいのよ・・・悪いのは全部ナチュラルなんだから」

 

「・・・そうだな」

 

 

お互いに謝罪を繰り返しリーネが全ての原因をナチュラルで片付けるとアスランは複雑そうな顔をしていた。確かに彼もユニウスセブンの事件以降、ナチュラルが憎くてたまらなく自分たちに正義があると思っているがコペルニクスの時にいた時に友情を交わし能力では劣っているにも関わらずキラと自分に偏見を持たずに接してくれたリオに対してだけは今でも情を捨てきれない。

 

 

ナチュラルが悪いと言ったリーネも彼女にとってもリオは大切な人であることには変わらず彼だけは例外としておりリーネもアスランも彼を大切な存在としている。

 

 

 

 

だがリーネは自身が心許したもの以外には協調性がなく思ってることは口に出す性格だったために衝突も少なくなかったためリオに自分たちの関係は明かさないようにと約束したことが要因でキラとアスランには伝えていなかったのでアスランは今リーネが同じ人物を思っているとおらずリーネの方もリオがただただ二人の時間を楽しみたいが故に彼自身も二人については詳しく言わなかったのでリーネもアスランと同じことを考えているとは思わず二人は沈黙の中帰還していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イージスとグレースが飛び立つところをただ見届けるしかなかったリオ達。

 

 

 

 

 

ピーピー!

 

 

 

 

「「!」」

 

 

キラ達のコックピット内に警報音が鳴り響くと正面からジンがスラスターに火をつけ向かってきておりマリューとリオは即時に操縦桿のトリガーを引きバルカン砲を撃ち出すがジンはひらりと避けてしまう。

 

何故ストライクとリオが乗るイグニスがあのように動けないのだろうかという疑問を抱いていたキラはマリューのぎこちない操作と先程のリオの言動で一つの確信に至る。

 

 

 

 

(これってまだ・・・!)

 

 

 

 

キラの推察の通り、この二機のMSはまだOSが未完成なためにより立体的な動きが出来ない状態である。

 

 

 

 

「ふん!リーネの言う通り、いくら装甲が良かろうがっ!」

 

 

 

 

 

斬りつけてくるジンの攻撃をストライクは機体をひねることで何とか躱すが次に来る二段目の横薙ぎは防げず後ろに後ず去ってしまう。

 

 

 

「「うわぁ!」」

 

 

リオはイグニスに装備してあるアーマーシュナイダ―というコンバットナイフを手に取り慣れない動作に苦しみながらも早歩きの動きでジンに接近する。

 

 

 

「この!!」

 

 

 

 

だがイグニスのナイフの突きも最小限の動きで避けられてしまう。

 

 

「そんな単調な突きが通じるものかっ!」

 

 

 

 

ガシャン!!

 

 

 

「ぐわぁ!」

 

 

 

お返しと言わんばかりにジンの横薙ぎを食らってしまいストライクの近くまで後ずさってしまう。

 

 

 

「そんな動きで!」

 

 

「キラ!危ぶねぇ!」

 

 

ガシャン!!

 

 

ストライクに向けたジンの追撃の大振りの斬撃をリオが咄嗟に庇うことで代わりにイグニスが攻撃を受けてしまい後方にいるストライクの方にぶつかってしまい二機はそのままカレッジの工房にもたれかかってしまう。

 

 

 

「「「うわぁぁーー!」」」

 

 

二機のMSが近くに倒れこんできたことで市民は怯え逃げ出していきその中にはトール達の姿もありリオとキラはカメラを通して彼らの姿を見つけた。

 

 

 

するとミリィが立ち止まって振り返り彼女の顔はいつものような周りを元気にするような明るい雰囲気はなく自分が死ぬかもしれない恐怖に震えた表情が写っており立ち止まっていた彼女をサイが引っ張ることで走らせる。

 

 

 

「生意気なんだよ!ナチュラルがMSなど!」

 

 

 

そんなキラとリオの心情など知る由もなくジンはじりじりと近づいてきており完全に退路を断たれてしまいこれ以上後ろに下がったらトール達が踏みつぶしてしまい、仮にそうならなかったとしても次のジンの攻撃にやられてしまえば間違いなく後ろに倒れてしまいみんなを押しつぶしてしまう。

 

 

ジンが突きの構えを取ると彼らの存在に気付いていないマリューはより後ろに下がらせてしまい立ち止まってしまったトール達の距離はあと一歩と近くなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!」

 

 

「くっ!」

 

 

 

 

そしてとうとうジンのサーベルの突きが放たれてしまい万事休す―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かに思われたその時―

 

 

 

 

 

 

リオは破れかぶれの勘で近くにあったボタンを押すことでイグニス全体を使うことでジンのサーベルを横に逸らして体制を崩し、

 

 

 

キラはマリューの前に割り込んで左のレバーを後ろに引っ張ることでジンに向かって体当たりを繰り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐわぁあああ!」

 

 

予想外の反撃によりジンは仰向けに倒れこんんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「君・・・」

 

 

 

 

 

キラの咄嗟の行動にマリューは驚愕を隠せずにいる間にキラはボタンをあちこち触り、機体の情報を確認しようとしていた。

 

 

 

「ここにはまだ人が居るんです!こんなものに乗ってるんだったら何とかしてください!」

 

 

マリューに文句を言いながらキラは作業している間にもミゲルのジンは体制を立て直そうと少しずつ起き上がろうとしていた。

 

 

「おい、アイツ起き上がってきたぞ、キラ・・・どうした⁉」

 

 

リオの警告を傾聴しながらキラはOSの画面を立ち上げるがキラの予想通りOSは未完成のままだった。

 

 

「リオ、この機体のOS無茶苦茶だ・・・これじゃこんな機体まともに動けるはずがない・・・!」

 

「なっ・・・!ってことは俺の機体も・・・」

 

「恐らく・・・」

 

「ったく、道理でうまく動けないわけだ・・・」

 

「どちらもまだ全て終わってないのよ、仕方ないでしょ!」

 

 

そうこうしているうちにジンが完全に起き上がってしまい中にいるミゲルは一度ならず二度もやられたことにはらわたが煮えくり返りそうになるほど苛立っていた。

 

 

「どいてください!」

 

「え?」

 

 

 

「早く!」

 

 

突然のキラの言動に困惑するマリューだが彼の気迫に押されて戸惑いながらもコックピットの開いている隙間にどくことで席を譲り、キラは素早くコックピットに座り即座にキーボードを広げた。

 

 

「キラ!OS何秒かかりそうだ?」

 

「20・・・いや、15秒で終わらせる!」

 

「え・・・⁉」

 

「十分、それなら俺がなんとか奴の気を引く」

 

「リオ・・・!でも・・・」

 

「大丈夫、この機体ならそうそうやられそうじゃなさそうだしな。俺を信じろ」

 

 

囮になって時間を稼ぐ作戦にキラは正直反対したいがリオの眼差しを見て信じるべきだと確信し彼も覚悟を決める。

 

「・・・分かった、でも無茶はしないでね」

 

「問題ねー、俺達は生き残ってみんな守るんだからな!」

 

 

そう言い残しキラが打開の希望と信じてリオはジンに向かって突進の準備を始め、キラはリオの期待に応えんがためにも素早くタイピングを始めOSの書き換えを始めていく。

 

 

(この子・・・)

 

 

先程のリオの行動力にも驚いたがそれよりも15秒でOSを書き換えれると言い切り高速でキーボードをたたき続けているキラにある可能性を思い浮かべているマリュー。

ミゲルのジンはストライクに突貫しようとするためにスラスターを噴射して近づこうとしていた。

 

 

「やらせてやるもんか!」

 

 

ダダダダダダッ!

 

 

「何⁉」

 

 

対抗するためにリオはペダルを踏みこむことでイグニスもスラスターを吹きレバーを前に押すことで進みだし引き金を引いて頭部のバルカン砲が火を噴き、銃弾が突き進んで来るジンの機体に何発も直撃しさっきよりも行動にブレがないイグニスの動きにミゲルは驚愕する。

 

 

 

 

 

リオは操縦の“そ”の字も分からぬほどの素人だが、覚えた部分だけを集中してやることで動きが単純になるがさっきよりも動きがコンマ数秒早くするという凡人なりの考えでミゲルの虚を突くことに成功する。

 

動きが良くなったことに警戒を覚えたミゲルはこのまま突撃してしまえばいまだ手に持っているナイフが攻撃にかかってくると予想し後ろに飛びのいたが、すぐさまリオは手に持ってあるナイフを後ろに下がるジンに向けて投げ飛ばすという武器を手放すという常識では考えられない行動に出て、ジンの左腕の関節部分にうまいこと突き刺さり左腕が機能不全を起こす。

 

「馬鹿な・・・!」

 

「まだまだ・・・!」

 

 

 

ドガンッ!

 

 

「ぐわあああ!」

 

さらにリオはその衝撃で落下してくるジンに向かって飛び出しジンにタックルを繰り出し建物の方へと押し飛ばす。

 

 

 

 

 

一方キラの方は―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カタカタカタカタカタカタッ

 

 

 

 

 

 

「キャリブレーションを取りつつゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定・・・くっ・・・!!なら擬似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結・・・!!ニューラルリンゲージ・ネットワーク再構築。メタ運動野パラメータ更新。フィードフォワード制御再起動、伝達関数、コリオリ偏差修正。運動ルーチン接続、システムオンライン、ブートストラップ起動!!」

 

 

 

本当にたった15秒でOSの書き換えを成功させ起動という言葉を聞いたリオは“やったか”と安堵の表情を浮かべる。

 

 

 

「なんなんだアイツ、単調だが動きが・・・」

 

 

疑問を呟きながらもミゲルはジンの残った右腕のサーベルをしまい、腰に下げていたマシンガンを連射しイグニスに何発も直撃しイグニスは何発も受けたことで仰け反って後ろに後退してしまう。

 

「グッ・・・!キラ、後は頼んだ!」

 

リオの稼いだ時間を無駄にしないリオとバトンタッチしたキラはペダルを踏み込んでスラスターを点火してレバーを前に押し出しストライクは空を飛ぶ。飛んだことに気付いたミゲルは銃口を空中を飛ぶストライクに銃撃を浴びせようとするが当たらず距離を縮めるためにジンも空中に飛んで撃ち込むが単調な動きだったイグニスとは違いストライクはOSを書き換えたことでアクロバティックな動きが可能となりひらりと簡単に避けられる。

 

 

 

「こいつも・・・しかもさっきのヤツよりも動きが・・・」

 

 

余裕そうに避けているように見えるがキラの方は焦っていた。ジンに対抗するための武器を探しているからだ。

 

キーボードをいじくっていると画面にリオの時と同様に武器ウィンドウが映し出させれキラは内容を確認するがさっきのバルカンとアーマーシュナイダーだけであった。

 

 

 

 

 

「あとはアーマーシュナイダー・・・これだけか!」

 

 

リオと同じ文句を言いながらキラはストライクの腰部分に閉まってあったコンバットナイフ二本を取り出し降りてきたことろをジンが銃撃してくる弾丸の雨の中をストライクは走り抜けることで回避しつつ迅速に近づいていく。

 

 

 

「くそーチョロチョロと!」

 

 

「こんな所で」

 

 

ダダダダダダッ!

 

 

 

するとジンの右腕のマシンガン目掛けて銃弾が当たり続けてついに爆発を起こしてついにジンは遠距離武器を失う。

 

「くっ!なんだ!?」

 

銃弾が来た方角に視線を向けるとそこにはイグニスがこちらに体を向けながらおり、頭部のバルカン砲の部分に煙が出ていた。彼がマシンガンを破壊したことを理解しミゲルはさらに苛立ちを隠せずサーベルを抜いて先にリオを殺ろうとしていた。

 

 

「そんなに邪魔をしたいならまずは貴様からだ!」

 

 

「やっべ・・・!今ので弾切れだ・・・!」

 

 

弾を使い果たしてしまったリオにはコンバットナイフしか抵抗する術がなく背水の陣に追い込まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろーー!!」

 

 

 

「ッ!しまった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし逆上のあまり冷静さを失ってしまっていたミゲルはキラの接近を許してしまい、抵抗しようとするが間に合わず一本のナイフはジンの右肩の関節部に突き刺さり、もう一本は首の根本に突き刺したことでジンを動かす重要な部分が破壊されついに機能停止を起こす。

 

その証拠にジンの右腕は力なくダランッと抜け落ちた。

 

 

 

 

「ハイドロ応答なし。多元駆動システム停止―ええーい!」

 

 

 

システムが完全に停止したことを確認したミゲルはこれ以上の戦闘続行は不可能と判断し即座に自爆装置を作動させてハッチを開放し推進器をつけて脱出する。

 

 

 

「はっ、マズイわ!ジンから離れて!」

 

「ええ?」

 

 

マリューは飛び去っていくザフト兵を見て何をするのか察しキラにジンから離れるよう言うがキラは何がなんだかと理解できていない。

 

 

 

 

 

「その人の言う通り離れた方が良さそうだ!急げキラ!」

 

 

「ッ!わ、分かった!」

 

 

だがリオは何かを感じ取り声を荒げたことで何かがヤバいと悟ったキラはすぐにその場から離れた。

 

するとジンは大爆発を起こし四方八方に爆風が荒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は無重力で遺体や瓦礫などが散乱する暗い通路の中、黒い髪の女性―ナタル・バジルールは艦長の命を受けてGの搬送を急がせるために工場区に向かおうとしていた最中爆発の爆風に巻き込まれてしまい気を失っていたが作業員の遺体がぶつかったことで少しずつ目を覚ましていった。

 

 

「うっうう・・・」

 

 

彼女が薄っすらと目を開けると最初に目に映ったのは今ぶつかった作業員の遺体だった。

 

「ッ!」

 

 

見知った顔の者が亡くなったことにショックで言葉が出なくなってしまっていたが修羅場くぐり抜けてきた経験からすぐに冷静になり状況を頭の中で整理した。

 

 

「船・・・アークエンジェルは?」

 

 

今はGが奪取されていないかの確認よりもアークエンジェルとその付近にいた艦長達の安否が最優先と判断し来た道を戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘリオポリス外周では輸送船がジンの攻撃にさらされてしまい、その結果操縦システムが完全にショートしてしまい操縦不能となってしまった。

 

 

「操舵不能ー!」

 

 

「ぬわぁああああ!!」

 

 

操縦が出来なくなった輸送船はそのままヘリオポリス外周にあるメインシャフトに衝突してしまい―

 

 

 

 

 

 

 

ドカーン!!!

 

 

 

 

 

 

大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

その背景を背にメビウス・ゼロを駆るムウはジンを追いかけ続けていた。

 

 

 

 

 

「チィッ、この戦力差ではどうにもならんか・・・」

 

 

 

悪態をつきながらムウは4基のガンバレルを展開し、まず実弾砲でジンの銃を破壊し次にサーベルに持ち替え行動を起こす前に右腕部を破壊した。戦闘不能になったジンはヴェサリウスに帰還するほかなくなり撤退した。

 

 

 

 

「オロール機、大破。緊急帰投、消化班Bデッキへ」

 

 

ヴェサリウス内ではオペレータの報告にアデスが驚く。

 

 

「オロールが大破だと?こんな戦闘で」

 

 

驚くアデスを横目にクルーゼとアレンはとても冷静でありこの事態を起こしているのがムウであるとすぐに看破する。

 

 

 

「どうやらいささか煩いハエが一匹飛んでいるようだぞ」

 

「は?」

 

「それに流れがどうもよくない方に行っている働いているみたいだな」

 

「それはいったい?」

 

 

二人の言うことが察せずにいるとオペレータより再び報告が流れてきた。

 

 

「ミゲル・アイマンよりのレーザービーコンを受信。エマージェンシーです!」

 

 

 

二人の読み通り奇襲したにも関わらずこのまでの手傷を負っている事実を鑑みてクルーゼとアレンは仮面越しに深刻そうな表情を浮かべる。

 

 

「ミゲルが機体を失うほどに動いているとなれば、最後の二機・・・そのままにはしておけん」

 

「デッキに伝えておけ、我々も出ると」

 

 

「ハッ!」

 

 

アデスにそう言い残し二人はMS搭乗の準備に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブリーフィングがあった管制室は爆破の余波で所々破壊の跡があり埃や鉄くずが飛散しているだけで何は誰もいなかった。

 

 

 

「誰か・・・誰かいないか?」

 

 

ナタルの呼びかけには誰も返事があらず代わりに彼女の前に漂ってきたのは艦長が被っていた穴が開いた軍帽だった。それを手に収め見つめたことで彼女はもう艦長は亡くなったのだと認めざるを得なくなり静かに涙を流した。

 

 

 

「ッ・・・くそっ!生き残った者は⁉」

 

 

それでも縋るように生き残った者への声掛けを諦めず続けていると、ナタルの横側にあるドアから“ドンドンッ”と何かがぶつかり続ける音が聞こえそちらに視線を向けると、同時に動かなくなっていたドアを蹴破って地球軍の軍服を纏った男性が懐中電灯をナタルの方に向ける。

 

ナタルは眩しさで顔を覆う

 

 

 

「バジル―ル少尉・・・ご無事で!」

 

 

彼女の生存を安堵するのは彼女の部下であるアーノルド・ノイマン曹長であった。

 

 

 

 

 

 

その頃、ヴェサリウスから信号弾が放たれ白、赤、緑の順に光りが放たれ、それを目視で確認したジンは撤退命令のサインであると理解し撤退していく。

 

 

 

 

「引き上げる・・・?だが、まだ何か・・・」

 

 

 

不自然な撤退を目にしたムウはこれで終わったとは思っておらず、なにかもっとヤバいもの来ると自分の経験と持ち前の勘で感じ取っていた。

 

 

 

 

 

 

 

すると―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピキーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは!」

 

 

 

 

ムウの脳裏に稲妻が走ったかのような閃きが過ぎった。

 

ムウは知っている。この衝撃が走った感覚がするのはいつもあの男が近くにいるときに起こるものだと。

 

すぐさまムウは気配のした方角に向かうと、二つの光の軌跡を描きながら近づいてくる二機のMSの姿があった。通常の灰色のカラーリングではなくそれぞれ白い色と漆黒のジンに乗っているのはクルーゼとアレンであった。

 

 

「私がお前を感じるようにお前も私を感じるのか?不幸な宿縁だな・・・ムウ・ラ・フラガ」

 

「フン、今度こそお仲間の元に送ってやるよ。エンデュミオンの鷹」

 

 

 

クルーゼとアレンにとってはムウとはグリマルディ戦線以来、因縁浅からぬ関係でありムウがエンデュミオンの鷹と名付けられたのはその時の戦いでの不祥事隠蔽も兼ねて唯一の生き残りである彼を祭り上げたことが理由でムウ本人は政治に利用され口封じとして後方任務に回されたこともありこの異名を好んでいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最も、クルーゼにとってはムウと出会うのは戦場が初めてではないのだがそれはもっと先の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジンの爆発から逃れたリオ達はその後サイ達と合流し近くの公園にいる。キラとリオが謎のMSから出てきたときにはみんな驚いていたがそれ以上に二人の無事に安堵した。怪我のまま動いたマリューは怪我と疲労の蓄積で気絶してしまいすぐに応急処置として撃ちぬかれた肩に簡素に布を巻いて、今は公園のボロボロの屋根の下のベンチに横たわらせておりミリィが看病していた。

 

 

 

「うう・・・」

 

 

意識を失っていたマリューはうめき声を上げながら少しずつ目を開けていき最初に映ったのはコックピットではなく屋根の下で少女が自分を見守っている姿だった。

 

 

「気が付きましたあ?キラ!リオ!」

 

 

ミリィが呼びかける方向に向きを変え、さっきまで操縦していた少年たちがそこにおり起き上がろうとするが激痛で体が思うように動かなかった。

 

 

「ああ、まだ動かない方がいいですよ」

 

「銃弾は貫通してたから応急処置だけで十分でした。あとは医者に見せれば大丈夫なはずです」

 

 

 

彼女の容態を心配する二人をマリューはこの二人があの機体を動かしていたことが今でも信じられないという顔をしており、キラは彼女の表情から何かを察したのか視線を落とした。

 

 

「すみませんでした・・・なんか僕ら、無茶苦茶やっちゃって」

 

「俺の場合・・・生き残るためとはいえ、勝手にあれを持ち出しちまった上に壊しかけちまってるから本当に申し訳ない」

 

 

勝手に割り込んでOSを書き換え操縦したキラとろくに動けない機体で動かしキラの助けがなければ危うくやられそうになったことに二人は申し訳なさそうにしているとミリィが“お水、いります?”と水を持ってきてくれてマリューは感謝を告げてキラの補助を受けながら起き上がり乾いた喉にゴクゴクと水を流し込んで喉を潤していると―

 

 

 

 

「すっげーなあ!ガンダムっての」

 

「動く?動かないのか?」

 

 

トールとカズイの声がする方に顔を向けるとトールが勝手に機能を停止してあるストライクのコックピットに入っていじくりカズイがそれを見守っていた。サイがあまりいじくるなと怒られても歯牙にもかけていない。

 

しばらくいじっているとトールが出てきた。

 

 

「なんでまた灰色になったんだ?」

 

「メインバッテリーが切れたんだとさ」

 

カズイの素朴な疑問にトールがキラから聞いたことをそのまま伝えた。

 

 

 

 

「その機体から離れなさい!」

 

 

マリューの怒声が響き三人が彼女の声が聞こえた方を向くと―

 

 

 

 

バン!

 

 

 

「「うわあ!」」

 

 

トールとカズイの間すれすれ銃弾が機体に当たり、二人は突然の銃撃に驚き咄嗟に体を委縮させる。

 

撃ったのはマリューで機密の機体に勝手に近づいた上に触れている二人を見て傷の痛みを無視してベンチから起き上がって銃口を向けながら彼らに近づいていく。

 

 

「おい、落ち着けって!やりすぎだろ!」

 

「彼らなんですよ!気絶してるあなたを降ろしてくれたのは!」

 

マリューの予想外の行動に驚愕しながらもキラとリオが止めに入るのだが、次に彼女が銃口を向けたのは二人の方だった。

 

 

「助けてもらった事は感謝します。でもあれは軍の重要機密よ。民間人が無闇に触れていいものではないわ」

 

だがマリューが焦る理由も理解でき、軍がザフトに対抗するために作り上げた秘密兵器をどこの誰かも分からない一般人が触れて最悪壊しでもすればすべては水の泡になるのだから。

 

 

「なんだよ・・・さっき操縦してたのはキラとリオじゃんか」

 

 

トールは不満そうに陰口を言うがマリューの耳には届いており銃口を向けれて彼はすぐに口を噤んだ。

 

 

「みんな、こっちへ」

 

 

マリューは銃を向けたままトール、サイ、カズイをキラ達のいる方に集合させて並ばせる。

 

 

「一人ずつ名前を」

 

 

彼らの確認を取るために彼女はみんなの名前を聞き出す。

 

 

「サイ・アーガイル」

 

「カズイ・バスカーク」

 

「トール・ケーニヒ」

 

「ミリアリア・ハウ」

 

 

それぞれがフルネームで答える中、キラとリオだけがまだ答えておらずマリューが君らもと言わんばかりに銃でジェスチャーしたことで仕方なしに二人も名を明かす。

 

 

「・・・キラ・ヤマト」

 

「・・・リオ・スメラギ」

 

 

するとマリューがリオの名前を聞いた時一瞬信じられなさそうに驚く顔をするがすぐに顔を引き締め直し次は自分について明かす。

 

 

「私はマリュー・ラミアス、地球連合軍の将校です。申し訳ないけどあなた達をこのまま解散させる訳にはいかなくなりました」

 

 

「「「「え!?」」」」

 

 

状況をある程度理解しているキラとリオ以外の者たちは彼女がその場を離れることを許さないことについて目を丸くするくらい信じられないと驚く。

 

「事情はどうあれ軍の重要機密を見てしまったあなた方は、然るべき所と連絡が取れ処置が決定するまで私と行動を共にして頂かざるを得ません」

 

重要機密を見てしまったリオ達は目撃者となってしまい否が応でもマリューに従わざるを得ないということを彼女の口から説明されるが、いきなりそんなことを言われても納得するわけがなくトール達は猛反発した。

 

 

「そんな・・・」

 

 

「冗談じゃねぇよ!なんだよそりゃあ!」

 

 

だが彼らの反論には答えずマリューは“従ってもらいます”と言うだけである。

 

だがサイが口答えする。

 

 

「僕達はヘリオポリスの民間人ですよ!中立ですよ!軍とかなんとかそんなのなんの関係もないんです!」

 

「そうだよ!大体なんで地球軍がヘリオポリスに居る訳さ?そっからしておかしいじゃねぇかよ!」

 

「そうだよ!だからこんな事になっちまったんだろ~!」

 

 

サイに便乗して再びトールとカズイが口を開きマリューに軍がこの現状を引き起こしたんだと文句を言い始める。彼らの言い分は突然平和だった場所が戦場にされたことに対する不安や恐怖が爆発したものでもあるため彼女に問い詰めるのは決して間違いではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンバン!

 

 

「「!」」

 

 

「黙りなさい!何も知らない子供が・・・!」

 

だが彼らの言い訳に対して腹が立ったマリューは上の方に銃を二発放ち彼らを威嚇して黙らせる。

 

 

「中立だと、関係ないと言ってさえいれば今でもまだ無関係でいられる・・・まさか本当にそう思っている訳じゃないでしょう?ここに地球軍の重要機密がありあなた達はそれを見た。それが今のあなた達の現実です」

 

マリュー決してただ腹が立っただけではなくこの状況で無関係だと思い込んでいる彼らの目を覚まさせるための荒治療として心を鬼にして厳しい現実を彼らに突き付けてみんなで生き残るために無理にでも協力させようとするのがマリューの考えである。

 

それにマリューの言っているは正論なためみんなはこれ以上反論できなくなった。

 

 

「そんな乱暴な・・・」

 

「乱暴でもなんでも、戦争をしているんです!プラントと地球、コーディネーターとナチュラル。あなた方の外の世界ではね」

 

 

リオ達が平和な中立コロニーで戦争もなく過ごしている間にもマリュー達軍人たちは命を懸けた戦いを続けており、彼女の言葉の一つ一つからその重さがさっきまで平和ボケであった彼らにも伝わる程に重く感じた。

 

 

 

「その、ラミアスさん・・・でよろしいですか?」

 

 

「?ええ、何かしら」

 

 

重い空気の中リオが先に切り出して何かを聞こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その、さっき然るべき処置って言いましたけど俺達って機密に触れてるからまさか最悪の場合投獄あるいは死刑ことはないですよね?」

 

 

 

 

リオの頭が過ぎったのはこのまま無理やり従わされるのではなく重要機密に接触した自分たちはいったいどんな罰が待ってるのかが気がかりで特に最悪の展開を予想しておりリオがそれを口に出すとリオ以外の者たちは背筋が凍るようにゾッとした。

 

 

 

「いえ、確かにあなた達は機密を見たので見逃すわけにはいかないけどあくまでもあなた達は民間人よ。軍人ならまだしも我々にはあなた達にそういった罰する権利を持ち合わせてはいないわ」

 

 

しかしその心配は杞憂に終わりマリューはそんなことはないと断言したのでその言葉を聞いたリオはひとまず彼女は悪い人ではないと安心する。彼女の言葉にホッとしたリオはキラ達の方に向き直る。

 

 

「みんな、ひとまずはあの人の言うとおりにしよう。このまま右も左も分からないままでいるよりも信頼できる大人の言うことを聞いた方がいい気がする。」

 

 

リオは今は一致団結してこの場を切り抜けるべきだとみんなを進ませるために説得を試みた。

 

 

「僕も賛成だと思う」

 

「「「「キラ!」」」」

 

 

すると名前を聞かれてからずっと黙っていたキラがリオの言うことに賛成したことに四人は驚くがリオはキラが自分の事には本気にならないが誰かのためになれば彼もやろうとすると昔から知っていたのでそこまで驚かなかった。

 

 

「僕もこの人が悪い人のようには思えなくて、それにリオが聞いてくれたおかげで踏ん切りがついた。本当はやりたくないけど・・・」

 

 

「キラ・・・いいのか?」

 

 

元々争いが嫌いなキラは内心いやいやなのだが生き残る為にはやるしかないと自分を奮い立たせて自分もやると頷くことで肯定する。

 

 

 

「リオはどうなの?怖くないの?」

 

恐る恐るカズイは迷いなく従う決意したリオにあの機体にもう一度乗らなきゃいけなくなったことに怖さを感じないのかと聞く。

だが帰ってきたのは予想外の答えだった。

 

 

「俺だって本当はやりたくない。けど今あれを動かせるのは俺とキラだけだからな。できるできない以前にやるしか俺達に道はないからな。みんなはどうする?」

 

 

二人はやるしかないので前に踏み込むがリオはみんなにもやるしかない言いつつ彼らの意思を確認する。

 

 

「仕方ない、やるしかない」

 

「まあ、危なくないことなら・・・」

 

「俺も」

 

「私も」

 

 

 

元々人が良い性格の四人はリオとキラを放っておけないと言い無事に説得できた。マリューもひとまず離れてどこかに行ってしまう事態が避けられたために息を吐いて安堵した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロニー外部の別々の物陰に潜む二機のジンはムウが乗るメビウス・ゼロを今か今かと撃つタイミングを見計らっている。ムウは神経を張り巡らせどこかに潜んでいる二機のジンを警戒していると上と下から殺気を感じ取り上方に潜んでいた二機のジンのライフルの同時連射射撃が当たる前にギリギリで躱しきる。

 

 

「貴様!ラウ・ル・クルーゼか⁉ってことは黒いのはアレン・デ・ラフォードか!」

 

 

二機のジンの正体に気付いたムウの行動は早く全基のガンバレルを展開し白と黒のジンに向けて実弾砲を放つが二機とも軽々と避け反撃の銃撃を行うがムウも負けじと避ける。

 

 

「お前はいつでも邪魔だな、ムウ・ラ・フラガ!」

 

「まあ最も俺達もお前にとってはお邪魔虫みたいらしいな!」

 

 

クルーゼとアレンがそう吐き捨てると二人は開かれているエアロックに入り込む。

 

 

「ええーい、ヘリオポリスの中に!」

 

 

どうしてそんなところに入り込むと悪態をつきながらムウは二人を見失はないために彼もエアロックから入り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、白い戦艦―アークエンジェルの方は、

 

 

 

 

「無事だったのは爆発の時艦におりましたほんの数名だけです。ほとんどが工員ですが・・・」

 

 

ナタルと合流したノイマンは彼女と共に生存者を探したが結局見つかったのはアークエンジェル内で作業していた者たちだけであり多くが工員でオペレーターは指で数える程度しかいない。

 

 

「状況は?ザフト艦はどうなってる?」

 

「分かりません、私どももまだ周辺の確認をするのが手一杯で」

 

 

ノイマンの報告を受けながらナタルは操舵席にあるスイッチを押す。するとずっと暗かったブリッチに光が灯り戦艦の様々な機能がオンラインになり彼女は現在のアークエンジェルのダメージを確認するためにダメージステータスを立ち上げる。

 

結果どこにも異常は見当たらない。

 

 

「さすがアークエンジェルだな。これしきの事で沈みはしないか」

 

「しかし、港口側は瓦礫が密集してしまっています。完全に閉じ込められました」

 

 

だが艦が無事でも外に出られないのでは意味がない。そこでナタルは救難信号を送るためにチャンネルを立ち上げるがいまだにノイズに阻まれている。

ここでナタルは一つの疑問が浮かんだ。

 

「まだ通信妨害されている。だが・・・ではこちらは陽動?」

 

 

ここでの爆破が陽動だとすればその後に待っているのは最悪の展開だった。

 

 

「ザフトの狙いはモルゲンレーテという事か⁉」

 

「!」

 

 

 

モルゲンレーテが狙いとなればザフトの本命はGの奪取であることが容易に想像ができ、用意周到に開発してきた地球軍のMSを敵に奪われるのをただ指をくわえてみているしかない状況にナタルは苦虫を潰したような表情を浮かべる。

 

 

「くそ!あちらの状況は!Gはどうなったのだ?これでは何も分からん!」

 

完全に手詰まりとなって絶望に暮れていると―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザーザー

 

 

 

 

「こ・・・ら・・・106イグニス地球軍応答・・・」

 

 

 

ノイズで音声が割れながらも艦の通信に引っ掛かり懸命に連絡しようとする声にナタルとノイマンに希望の火が灯る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらX106イグニス!地球軍応答願います!X105ストライクも無事です!地球軍応答願います!」

 

 

 

イグニスのコックピットの外でヘッドセットを耳に当てながらリオは必死な形相で声掛けを繰り返すが帰ってくるのはいつもノイズばかりだった。

 

 

「チッ、駄目だ。完全に通信妨害かかってる・・・そっちはどうだキラ?」

 

 

「待ってて、もう少し」

 

 

リオの代わりにイグニスに乗っているのはキラだった。彼は今リオでも動かせるようにキーボードを操作してナチュラル専用のOSを組み上げているところで完成間近となる頃である。

 

 

「そういやキラ、なんかあっただろ?」

 

 

「!やっぱりリオにはお見通しか・・・」

 

 

「長いこと親友やってるんだ、お前が何かで悩んでるくらい大体分かる」

 

 

ずっと浮かない顔でOS作りをしているキラにいつもと違うことを漠然とだが違和感に気付くことが出来たリオはキラに優しく問いただす。キラもリオになら大丈夫と決めて伝える。

 

 

 

「実は・・・さっきの格納庫でアスランに出会ったんだ。彼、ザフトの兵士だった・・・」

 

 

「な・・・ッ!」

 

 

親友の口からもう一人の親友がザフトの兵士としてこのヘリオポリス襲撃の一端を担っていることを告げられリオは衝撃の事実のあまり愕然とする。

 

 

「そんなバカな・・・!だって・・・あのアスランだぞ⁉戦争が起きてほしくないと言ってたあいつがこの惨劇を起こした奴らの所にいるってことか⁉」

 

 

「分からないよ僕だって!できれば何かの見間違いであってほしいよ・・・」

 

 

「・・・そうだな、まだあいつだって断定できたわけじゃないからな」

 

 

 

熱くなるリオをキラが諫めることで彼を落ち着かせ、二人はできることなら彼であってほしくないと今はただ祈るしかなかった。その後キラがイグニスのOSを無事に組み上げキラが機体から降りようとした時、丁度二人以外のサイ達男子組が荷物を乗せたトレーラー2台に乗って帰ってきた。

 

 

「ナンバー5、6のトレーラー、あれでいいんですよね?」

 

「ええそう、ありがとう」

 

「それで?この後は僕達はどうすればいいんです?」

 

疲れているトールとカズイよりも元気なサイが報告を行い、この後のことを聞く。

 

 

「ストライカーパックを、そしたらキラ君。今度は貴方がストライクで通信をやってみて」

 

「はい」

 

 

マリューの指示通りにやるためにキラはストライクに搭乗するために機体に近づいていく。

 

 

「もう一台のはイグニスの?」

 

 

リオが6と書かれた荷台の方に指を向けて確認を取るとマリューは頷いて肯定する。

 

 

「ええ、あそこにはイグニスの装備と予備のパワーパックがあるはず。念のためあなたも装備して」

 

「OK、任されました」

 

 

少しでも不安なこの状況を明るくするためにリオは軽い感じで引き受けてイグニスに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エアロックから入り込んだクルーゼとアレンは複雑に建築されている構造を利用して巧妙に動きながら侵入してきたムウに攻撃をしかけそれをムウが小回りが利きずらいMAを巧みに動かすことで避ける。

 

 

「くっ・・・こんな所で・・・!」

 

 

ムウはリニアガンで応戦するがこれも二人はひらりと避け移動しながら攻撃をしていき、ムウがカメラの照準でクルーゼのジンをロックオンするが途中の障害物に阻まれ視界から隠れられてしまいムウは舌打ちをする。

 

 

「いい加減にあの世に行ってもらえると俺達としてはいいことなんだがな、ムウ!」

 

 

するとクルーゼとは向かい側の反対方向からアレンのジンがクルーゼ機と共に現れメビウスに装備されていたガンバレルを撃ち抜いた。ムウは撃ち抜かれたと理解した瞬間にほとんどのガンバレルを放棄して破壊の爆発から逃れるが二機のジンの追撃は止まない。

 

 

 

 

 

 

 

「艦を発進させるなどこの人員では無理です!」

 

 

 

アークエンジェル内のブリッチの艦長席に座るナタルにノイマンは人員不足で発進させるのは不可能と発言するが先程の通信でまだ戦っているかもしれない者たちがいるのにここでくすぶってはいられないナタルは強く反論する。

 

 

「そんな事を言っている間にやるにはどうしたらいいかを考えろ」

 

「モルゲンレーテはまだ戦闘中かもしれんのだぞ⁉それをこのままここにこもって見過ごせとでもいうのか!」

 

「連れて参りました」

 

 

反論している間に入ってきたのはナタルの命令でオペレーターを連れてくるために動いていたジャッキー・トノムラと彼が連れてきたロメロ・パルとダリダ・ローラハ・チャンドラII世がやってきて間を置かずナタルは次の命令を出す。

 

 

「シートに着け。コンピュータの指示通りにやればいい」

 

 

「「「はい」」」

 

 

命令を出された瞬間に三人はそれぞれの席に着席する。

 

 

「外にはまだザフト艦がいます。戦闘などできませんよ」

 

 

「分かっている、艦起動と同時に特装砲発射準備―できるな曹長?」

 

 

無論ナタルも現状の人員では戦闘ができるとは到底思っておらずあくまでも脱出が目的でありその先にいる味方を救助できればこの場を切り抜けるくらいはできると思案していた。彼女は操縦技術のあるノイマンに操縦を一任させ、ノイマンは言いたいことはあるが今はそれどころではない理解しており即座に操縦席に着席した。

 

 

「発進シークエンススタート、非常事態の為プロセスC-30からL-21まで省略、主動力オンライン」

 

 

ナタルの指示の元、アークエンジェルの起動シークエンスが開始され起動のカウントダウンが画面に表示される。

 

 

 

「出力上昇、異常なし。定格まで450秒!」

 

 

「長すぎる・・・ヘリオポリスとのコンジットの状況」

 

 

この状況では悠長には待っていられないためにナタルはヘリオポリスを稼働させているパワーを一部もらい受けて出港の段取りを早めようとする。

 

 

 

「はっ・・・生きてます!」

 

 

コンジットがまだ生きているのを確認しトノムラが報告を行い“そこからパワーを貰え”と指示を出し他の者たちにもナタルが伝達及び命令を出す。

 

 

「コンジットオンライン、パワーをアキュムレーターに接続」

 

「接続を確認、フロー正常、定格まで20秒生命維持装置異常なし」

 

「CICオンライン」

 

「武器システムオンライン、FCSコンタクト、磁場チェンバー及びペレットディスペンサー、アイドリング正常」

 

「外装衝撃ダンパー最大出力でホールド」

 

「主動力コンタクト、エンジン異常なし、アークエンジェル全システムオンライン。発進準備完了!」

 

数多くのシステムチェックを完了しいつでも発進が可能になる。

 

 

「気密隔壁閉鎖、総員衝撃及び突発的な艦体の破壊に備えよ。前進微速、アークエンジェル発進!」

 

 

ナタルの掛け声とともにアークエンジェルのスラスターが点火し、少しずつ前へ前へと進んでいく。ある程度進むと左舷の砲門が開きアークエンジェルの武装の中でも最も強力な陽電子破城砲―ローエングリンを展開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防戦一方にされされているムウはついに最後のガンバレルをクルーゼ機の踏み付けで破壊され残った武装はリニアガン一つとなってしまい二機のジンをそれ一つで相手取らなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

キラとリオの方はキラがストライクに乗って5番のコンテナに歩き出し、リオがイグニスに乗って6番のコンテナに近づく。

 

 

「おお、前のOSと比べても断然に違う!ありがとなキラ」

 

 

「さっき助けてくれたんだからこれくらいお安い御用だよ」

 

 

簡単に歩くだけでも操縦が前より安定しているのが分かるリオは満足げになりながらコンテナに着きコンテナハッチを開放し、キラも到着してストライクをコンテナに背を向けさせてから膝をつかせてハッチを開放する。

5番にはストライク専用の装備の一つであるランチャーストライクが、リオにはイグニスの標準装備となるビームライフル、ビームサーベル、対ビームシールド、予備のパワーパックが格納されていた。リオはすぐにパワーパックがどれか分かりイグニスのバッテリーと交換しているがキラの方はランチャーストライク以外にないためマリューに確認をとる。

 

 

「どれですか?パワーパックって・・・リオが手に持ってるやつなんて見当たらないんですが・・・」

 

 

「武器とパワーパックは一体になってるの。そのまま装備して」

 

 

だが装備とパックがセットになっていると聞いて安心したキラはすぐに準備に取り掛かる。

 

パワーパックの付け替えが終わったリオはコンピュータの指示通りに操作を行いバッテリーが回復したことを確認し一安心した。

 

 

 

「ふー、ひとまずはこれで準備はととの―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピキーン!

 

 

 

 

「!?なんだ・・・今のは・・・?」

 

 

 

 

突如、リオの脳裏に謎の閃きが走り抜けた。生まれてこの方このような感覚を肌で感じたことがなかったリオは困惑を覚える。

 

 

とその時―

 

 

 

 

ドカーン!

 

 

 

「!あれは」

 

 

ヘリオポリス内部を支えるシャフトから爆発が発生し爆炎が舞う煙の中を二機のジンと一機のMAが姿を現しその場にいた全員が驚愕する。

 

侵入してきた三人はそれぞれがストライクとイグニスを目視で確認した。

 

 

 

「ほお、あれか・・・」

 

「アスランとリーネが取りこぼした・・・」

 

「最後の二機か?」

 

 

だがムウとクルーゼは別のことで違和感を覚えていた。

 

 

 

(しかしさっきのはなんだ・・・?)

 

 

(クルーゼ以外(・・)にまだ誰かいるのか・・・?)

 

 

 

実はアレンを含めた三機が内部に入り込んでしまう直前リオが何かを感じたタイミングで二人も頭に電流が流れたような感覚に襲われ二人が近くにいる時や戦闘中にしか感じなかった感覚が突然働いたことに二人は疑問を浮かべるがひとまず頭の片隅に追いやりクルーゼはアレンと共に残った二機のGに下降しながら向かってきた。だがムウもそうはさせまいと彼も近づくことで妨害しようとし二人も途中で翻って方向転換する。

 

その風圧は地上にいたサイ達にとっては強力な突風に等しくそれぞれが体を覆いながら飛ばされないように堪える。

 

 

「装備を付けて!早く!」

 

 

マリューが急かす間にも三機の戦闘は継続しており、一進一退の攻防が続くが武装をほとんど破壊されたムウの方が圧倒的に不利でありいつまで持つかは時間の問題だ。

その間にもキラはキーボードを叩きながらランチャーストライクを装備する準備を進めており、リオはさっきの感覚のおかげでいち早く状況がつかめているのでキラ程うまくはないがキーボードを操作して一つ一つ装備を装着する。

 

クルーゼのジンがムウの上を取り、サーベルで斬りかかろうとしていた。それに気づいたムウはリニアガンを上に向けて照準を合わせようとするがそれよりも素早くクルーゼはリニアガンを切り裂きムウの最後の武器が失われてしまう。

 

 

 

「何⁉」

 

「フッ」

 

「このままあの二機には退場してもらう!」

 

そのままクルーゼとアレンはストライクとイグニスに目掛けて再び近づいていく。

 

 

「ああああー!」

 

「急げ急げ!」

 

 

だがムウの時間稼ぎのおかげでなんとか二人は装備の換装が完了しそれぞれの主装備がビーム兵器であることが分かりつつも二機のジンの攻撃が来る前に二人はPSを起動させて二機の装甲に色が浮かび立ち上がった。ジンの実弾攻撃はPS前では完全に無力化される。

 

 

 

と同時に―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカーン!!!

 

 

 

「何?」

 

「何が起こった?」

 

 

 

大爆発を起こしながら現れたのはローエングリンで動かなくなった扉を破壊して出てきたアークエンジェルだった。

 

 

 

 

 

 

その光景に誰もが目を奪われ言葉で出なくなった。

 

 

 

 

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